メキシコの隅っこ

メキシコの遺跡や動物、植物、人や風景などを写真で紹介してます

1-10 消える

2005-11-25 07:28:01 | 掌編連載
 少年と黒猫がどうなったか、それを話すか。

 ある日、この町から消えた。少年がやってきた南の丘へ
歩いていくのを見たと言う者もいる。そうではなくて、北
の山地へ向かったと言う者もいる。それから、天に昇って
いったと言う者もいる。

 消える前の日の夕暮、少年は東の外れの橋に立って河を
見下ろしていた。これは山から帰ってきた猟師三人連れの
話で、まず間違いないとされている。欄干に黒猫が座って、
同じように河を見下ろしていた。魚でも狙っているのかと、
猟師たちは笑いながら横を通り過ぎた。

「釣りをするにはそこからじゃ高すぎるぞ」とひとりが声
をかけた。

 少年の答えは、誰にも意味がわからなかった。

「うん、でももう間に合わなくなるから」

 結局それが、この町の人間が聞いた少年の最後の言葉だ
った。

 少年が消えてから、ずいぶん長いあいだ皆は寄ると触る
と、この言葉の謎解きに熱中した。けれども、今まで誰ひ
とり、皆が納得できる解答を出した者はいない。

 それにな、解答できたとしても少年は戻らない。きっと
な。

 だけど、少年はこの町にいろいろな逸話を残していって
くれたんだ。日が経つごとに、本当にあった話と、誰かが
脚色した話、作り出した話などが入り混じってしまって、
どこまでが本当かわからなくなってしまっているがな。

 ああ、またそのうち話してやろう。まだ、いろいろな話
があるから。

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終わりです~。
読んでくださった皆さん、ありがとうございました~。

ラストの一行は嘘っぱちです。
いかにも「もう飽きました~」て感じの終わり方でごめんなさい。
いや、飽きたんですけどね

さて~。明日からは通常運転に戻りますか~。
ええと。
大々的に(?)宣言した代物、まだ半分も行ってないですけどぎゃうん!

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2 コメント

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ええ~ (紅茶)
2005-11-27 14:29:39
納得いかないラストだ…。

いや、飽きちゃったなら仕方ないですけど(笑)



少年は何者だったんでしょうね。りんごの話を読んだときは「キリスト!」と思いました。

ホットドッグとウサギも良かったなあ。



連載、お疲れ様でした。

今書いてる小説の方は、進み具合いかがですか? 今月もあと3日、頑張ってください
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す、すいません…… ()
2005-11-27 22:14:23
いや、この調子で少年エピソード100綴るのは面倒になって

(というか読むほうも面倒だ)

構成を変更することにしたんです。



この少年のことを語り続けるこの町の人々と、

それが長い時間の中でどう変化していくかってことを、

過去と未来の時間軸を交代に、徐々に収斂させていく形で。



で、構想だけ立てて、30まで書いて止まってるわけですが。

これは一応長編(長めの中編かな)の第一章みたいなものと思ってもらえれば~。

「キリスト!」と思ってもらえたのは嬉しいです。

宗教の発生と発展をお話風に書けるといいな~と思ってたので。



習作、練習のつもりで書いているので、

またそのうちスランプになったら続きも書くと思います。

期待しないで、首を長~~くして待ってやってくださいね。



あと三日、あと三日のほうは……

な、何とか昨日のサッカーのもやもやから早く立ち直ってがむばりまっす!
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