黒衣の女 / The Woman in Black

2012-03-04 | 映画






ランキングに参加してます。 クリックお願いします。
  


僕は一度も観たことがないあの大ヒットシリーズ、「ハリーポッター」のダニエル・ラドクリフ君がホラーに挑戦。
共演は、「The Debt」の演技がとても印象的だったキーラン・ハインズおじいさん。
全く知らなかったが「黒衣の女」は、イギリス人作家のスーザン・ヒルの代表作で、舞台では人気作品らしい。

ダニエル・ラドクリフ演じる弁護士アーサー・キップスは、子供の出産の時に妻を亡くし、4年経った今も妻を失った悲しみから抜けきれなくて、仕事にも影響が出ている。
彼の上司から、ロンドンから数時間離れた田舎町で亡くなった未亡人の財産の整理の仕事を依頼される。
4歳の子供をベビーシッターに残し、その町に向かう。

町に着くと、地元の管理人に書類を渡され、整理は全て済ませたので、すぐにロンドンに帰るように言われる。
他の町の住人たちも、彼を見る目は冷たく、明らかに歓迎されていないのがわかる。
彼は、列車で知り合ったサムの力を借りて、亡くなった未亡人の屋敷で書類の整理をはじめる。


ダニエル君とその息子


これが問題の幽霊屋敷


仲良く飛び降りた3人の娘


その屋敷はアリス・ドラブロという女性と、彼女の夫、彼らの息子のナサニエル親子が住んでいた。また一時期アリスの妹のジェネットも一緒に住んでいた。
ナサニエルは、実はジェネットが生んだ子だったが、シングルマザーのためにアリス夫妻が引き取り、実の子供と偽って育てていた。
ある日その子を乗せた、馬車が沼地にはまって横転し、ナサニエルを含めて乗っていた全員が死亡した。
今でも、子供の遺体は沼の中に沈んだままだった。
屋敷で調べる最中に、廊下を歩く足音が聞こえてきたり、ロッキングチェアやオルゴールの人形がひとりでに動く怪奇現象が起きる。
2階の窓から外を見てみると、屋敷の外から黒い服の女性が、こちらを見上げている。

その町では、かなり多くの子供たちが事故や自殺で、亡くなっているのもわかった。
現実に、アーサーが警察にいるときに、毒物を飲んだ女の子と2人の子供が助けを求めてきて、アーサーの手の中で、その子は血を吐きながら死んだ。
サム夫婦の子供も、昔海岸で遊んでいるうちに溺れ死んでいる。



結構この犬が活躍する


ゾンビじゃない


それら事故や自殺は、自分の子供ナサニエルを事故で亡くしたジェネットが、黒い服に身を包む亡霊としてやってきて、町の人間に復讐しているという。
そのため、住人はその屋敷に近づかないし、調査をはじめたアーサーに、強い嫌悪感を抱いている。
そんな中、また子供が火事で死ぬという事件が起きる。少女を助けに行ったアーサーは黒い服の女に見つめられながら、自らアルコールランプで火を付ける少女を見た。

サムの奥さんが発作時に描く絵が気になっていたアーサーは、彼女がまた発作を出して石に刻んだ絵から、次は彼の息子がターゲットになっていた。
自分がロンドンに戻る前に息子を殺されると考えたアーサーは、ナサニエルの遺体を見つけて、ジェネットの墓に一緒に埋葬して、彼女を成仏させる計画を立てる。
こうして、屋敷にナサニエルの遺体寝かせ、黒い服の亡霊ジェネットに、引き渡すが...



人形たちは本当に怖い


子供たちの亡霊


亡霊が見えますか?


このシーンも鳥肌もの


ちょっと日本の怪談の怖さのある作品。
CG特殊効果や、派手な特殊メーキャップを極力抑え、影のようにうっすらとした女性の霊がすぅっと出てきて驚かす。
怨念だ。
もちろん大きな音とか、いきなり何かがバッっと出てきたりする手法も使っているが、それと同時に鳥肌が立つような怖さも、たっぷり入っている。
そして、小道具の人形たちが、本当に不気味だ。
お化けがいなくても、ああいう人形は家にいらないでしょう。
三猿も不気味だったな。

ダニエル君は、大きなもみあげも手伝って、何か漫画に出てくるキャラになっている。
藤子不二雄A氏の「魔太郎がくる」「笑ゥせぇるすまん」「ブラック商会変奇郎」とかに出てくるようなキャラ。
この作品を見る限り、ダニエル君は「ハリー・ポッター」から脱皮出来るでしょう。
ただ、もう少し普通の若者のキャラになれるかな?
キーラン・ハインズの、紳士だけど、ちょっと汚いおじさんもよかった。
この人がお化け役でも納得できるくらい、ちょっと不気味なおじさん。
日本には夏に紹介したい作品、星は  /5つ 



ちょっとずるい脅かし方だった


奥にいます


前にいます


怨念とは


トリビア
3人の娘たちが遊ぶオモチャは、実際のコレクターが持っている骨董品

使われている自動車は、ロールスロイスのシルバー・ゴーストという車で、2005年現在そのクラッシクカーに対する保険金は約30億円

デンジャラス・ラン / Safe House

2012-03-03 | 映画






ランキングに参加してます。 クリックお願いします。
  


なんだ、この邦題は 

僕の大好きなデンゼル・ワシントンの新作。
共演は、ハリウッドのチャラ男(キャラ?)、ライアン・レイノルズ。
彼は、前作の「グリーン・ランタン」があまりに不評で、いまだにアメリカでは、「あのグリーン・ランタンの」と前置きがついている。
他には「マイレージ、マイライフ」、「ミッション: 8ミニッツ」のヴェラ・ファーミガが、いつものように毅然とした役を演じている。
そして、ちょっとしか出てこないが、いつまでも「あのターミネーター2の」と言われてるロバート・パトリックも。

トビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)は、伝説に残る元CIA諜報員だが、今は各国の情報機関から手配されている国際的な犯罪者。
彼は、アフリカのケープタウンで、元MI6の諜報員から各国の情報機関で裏取引などに手を染めている諜報員のリストを入手する。
その場で、超小型のメモリーデバイスに入ったそのリストを、特殊な注射器で自分のお腹に隠す。
その直後、バーガスという男が指揮するプロの暗殺グループに襲われ、フロストは仕方なく、アメリカ大使館に逃げ込み、自分の素性を告げる。
彼は、すぐにCIAのセーフハウスに連れ込まれ、尋問という名目の拷問を受ける。
そこに何故か、バーガスの暗殺グループが、フロストを狙いセーフハウスに襲撃をかけてくる。
準備周到のプロの手口に、CIAのメンバーが次々に倒され、セーフハウスを管理していた、下っ端のマット・ウェストン(ライアン・レイノルズ)とフロストだけが、辛うじてセーフハウスを逃げ出した。



目が怖い


この人の体も心も痛そうな演技がよかった


いつものキャラ


曲者


もう一人の曲者


ウェストンは、すぐにCIA本部に連絡を取るが、ケープタウンにいる主要なCIA要員を失ったので、アメリカから応援が来る間、彼一人でフロストを捕獲しながら、追っ手とも対峙しなければならなくなった。
車で逃走中、フロストはウェストンに対して「CIAのセーフハウスが暗殺グループにバレたのは、CIAの中に彼らと連絡を取っている奴がいるからだ」と疑問を投げかける。
CIA本部では、ウェストンの上司のデービッド・バーロウと、もう一人の女性指揮官キャサリン・リンカーターが、対策チームを指揮しているが、ここでも「何故、フロストが自首したのか?」「何故、セーフハウスが、襲われたのか」、疑問が出ていた。

ウェストンは、CIA本部から指示された次のセーフハウスの場所を記したGPSを手に入れるために入った、サッカーのスタジアムで、フロストに逃げられてしまい、自分も現地の警官を射撃して、警察からも追われる身になる。

ウェストンは、フロストを追って、昼間に高速道路を護送中、フロストが唯一興味を示した場所に向かう。
そこで、またも暗殺グループが友人の家に潜んでいたフロストを襲撃している現場に遭遇する。
ウェストンとフロストは、暗殺グループと銃撃戦の末、逃げ延びるが、その時捕まえた敵の男から、彼らの雇い主はCIAだと聞き出す。

彼らは、次のセーフハウスに向かうが、そこを管理していたCIAの諜報員も、突然ウェストンを殺害しようと襲いかかってくる。
一方、本部からバーロウとリンカーターもケープタウに到着し、現地の操作をはじめれる。
そして、その1人が、誰が最初のセーフハウスの場所の情報がリークされたのか突き止めるが...



カーアクションはすごい


終盤のフロストの逆襲シーン


スタントはほとんどなしだったそうだ


「アメリカン・ギャングスター」以来の悪役を演じるデンゼル・ワシントン。
母国を裏切って、諜報機関の闇の世界にいる一匹狼。
但し、本当の悪は、CIA本部でふんぞり返っている奴らなのだが。
ちょっと体重を増やしたのかも知れないが、彼の一つ一つのセリフや表情は、相変わらず凛としていてカッコイイ。
相棒のライアン・レイノルズの演技もデンゼルに引っ張られたのか、とってもよかった。
この人こんなに演技上手だったっけ?
痛そうなシーンや、もう自分の能力の限界を超えるプレッシャーに潰されそうになるシーンなど、演技派俳優になってるよ。

いくつもの戦いを経て、彼とデンゼル・ワシントンの間に、だんだん育っていく男の友情がうまく描かれている。
最近、こういう男と男が、一対一でぶつかり合う、男臭い作品がとても多いデンゼル・ワシントン。この路線で押していってほしい。
そして、言うまでもなくカーチェイス、銃撃戦から、フィストファイトまで、アクションも最高だった。

ヴェラ・ファーミガは、いつものキャラとほとんど一緒。前作の「ミッション:8ミニッツ」と服装が違うだけ、という印象がある。

いずれにしても、僕の中でデンゼル・ワシントン作品にハズレなしの記録がまた伸びた。星は /5 



セーフハウス


初めての銃撃戦


ウェストンの優しさ(弱さ)


トリビア
マット・ウェストン役の候補には、サム・ワーシントン、シャイア・ラブーフ、アンドリュー・ガーフィールド、ジェームス・マカヴォイ、チャニング・マシュー・テイタム、ジェイク・ジレンホール、クリス・ヘムズワース、クリス・パイン等の、今を代表する若手俳優の名があがっていた。

最初の撮影地は、ブラジルのリオデジャネイロだったが、治安の関係でケープタウンに変更された。