あなたを抱きしめる日まで / Philomena

2014-02-01 | 映画






文句なしの演技派女優で、007シリーズ「M」のジュディ・デンチと、いつものコミカルな演技を一切封印したスティーヴ・クーガン共演の映画。

ノンフィクション。
かなり重いストーリーなのに、とってもコミカルな映画になっている。
ジュディの下ネタセリフがいっぱい。
そして、全く期待していなかった謎解きの要素が、とても多い。
悲惨な過去を背負いながら楽観的に生きる老婆が、輝かしい過去のキャリアしがみつく、人の機微に疎い男を変えていく人間ドラマもとってもよく描かれている。
最後の場面で、真実を知った後、すべてを許す老婆の姿に感動して、涙が出て来た。僕はどちらかというと、まだまだ未熟者の男の側の人間だった。

ストーリーは、アイルランド人のフィロミーナが、50年前に生き別れになった息子を探して、アイルランドからアメリカを旅をするロードムービー。
彼女を助けるのは、元BBCの有名なジャーナリストで、今は政治スキャンダルに巻き込まれ失業中のマーティン・シックススミス。
生き別れになった理由が、すごい。
未婚の母になったフィロミーナは、無理やり修道院に入れられたが、その修道院は未婚の母親と一緒に預かっている子供達を人身売買していた。彼女の息子アンソニーもアメリカの医者の夫婦に引き取られていた。
修道院は、徹底的に過去の悪行を隠したが、わずかに得た情報を元に、フィロミーナとマーティンはアメリカに渡る。
細い糸を手繰るようにアンソニーの行方を捜していた二人は、彼は弁護士になり、最終的にはレーガンとブッシュ政権で官僚を務めるまでのキャリアになっていたことを突き止める。
そして、奇遇にもマーティンはアンソニーを取材したことがあった。
しかし、残念ながら彼は数年前に病死していた。
死因はエイズで、彼はゲイだった。
フィロミーナは、数奇な人生を送った息子の死を悲しんだ。
そして彼が、自分とアイルランドに何の思い入れを抱かないで死んでいった事を悲しんだ。
本当に、彼は故郷と母親を知らないまま死んでいったのか?
それは、二人が戻ったアイルランドの修道院で明らかになる。  


  

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