スプライス / Splice

2010-06-13 | 映画






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とても不思議な作品だった。

監督は、「CUBE」のヴィンチェンゾ・ナタリってなっているけど、僕はまだこの有名な作品を見たことがなかった。

主演に「戦場のピアニスト」のエイドリアン・ブロディ。
最近では、去年公開された菊地凛子も出ていた「ブラザーズ・ブルーム」がお勧め。

もう1人の主演は、「ドーン・オブ・ザ・デッド」に主演したサラ・ポーリーというカナダの女優。

ストーリーはクライブとエルサという、薬品会社に働く2人の科学者が、違う動物のDNAを組み合わせて、新しいたんぱく質が取れるクリーチャーをつくっているところからはじまる。
夫婦でもあるこの2人は、会社にも同僚にも内緒で、人間のDNAと動物のDNAを掛け合わせた生き物をつくるところから、少しずつ歯車が狂いはじめる。

予告編を見たときは、この人間のDNAを持ったクリーチャーが人間を襲うホラー作品かと思っていたら全く違う展開をしはじめる。
序盤からずっとホラーではなく、コメディータッチのヒューマンドラマだ。
最初は、気持ちの悪いクリーチャーが、だんだん主人公夫婦と心をかよいあわせるようになる。
実験の対象だったクリーチャーはDrenと名づけられ、少しずつ知性を持ちはじめ、家族に一員になっていく。
モラル的に絶対に許されない禁断の親子愛が芽生える。
Drenの姿も、少女から女に変化していく。
そして実験に使われたDNAが妻のものだったために、夫はしだいにDrenに惹かれるようになり、その一線を越えてしまう。
思いもしない展開で、次々とタブーが破られていく。

アバター」の時と同じように、観客も最初はエイリアンのようだったDrenに親近感を持つようになる。特に成長するにしたがって動物から人間へと近づいていく過程で。

観ている最中、ずっとこの物語はどこに行くのだろうと考えていた。
そして終盤は、監督が変わったのかと思うくらいサスペンス、ホラー調になる。
本当に不思議な作品だ。

あと、CGが凄い。
あまりにDrenが自然でCGと意識させないくらい凄い。

ストーリーで一つ、納得いかなかったのは、エルサの生い立ち。
たぶん、途中か最後の編集でストーリーをカットした為、それまで張られていた伏線が何の説明もなく途切れている。観客にイメージを膨らませるための手段だとしたら、ちょっと失敗かな。

ともかく、不思議なリズムとテーマを持った、後に尾を引く作品だ。


トリビア
サラ・ポーリーは、社会主義に傾倒して高校を中退している。
その後も、左翼の運動に参加して警官と衝突して前歯を折るほどの乱闘に巻き込まれている。


可愛い頃のDren



大人になったDren


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