ハート・ロッカー / The Hurt Locker

2010-01-10 | 映画



今回は、イラクでの爆弾処理兵士の生き様を描いた「The Hurt Locker ハート・ロッカー





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2009年のタイトルレースの筆頭の作品。
監督は、キャスリン・ビグローという女性だ。こんな作品を撮る女性って、すごいな。
と、思ったらあのジェームズ・キャメロン監督の前の奥さんだ。
もっと驚いたのは、ジェームズ・キャメロン監督って5回結婚して4回離婚してる。(もちろん、離婚しなければ再婚出来ないが)
彼女は、前から数えても後ろから数えても3番目の奥さん。
主演のジェレミー・レナーは、僕にとってはお初。「28週後...」が代表作らしい。
個性的な顔の人だ。
共演のアンソニー・マッキーも、僕にはお初。「イーグル・アイ」に出ていたらしいが、覚えていない。

ストーリーは、イラクに駐留する爆弾処理班の話。
ジェレミー・レナー演じるウィリアムが、イラクのブラボー中隊に赴任してくる。
それは、少し前に爆弾処理中に死亡した兵士のポジション。
彼の仕事は、この世に存在する仕事で間違いなく一番危険な職業。
彼は、爆弾処理の知識が豊富で、状況判断も冷静で、輝かしい爆弾処理記録を持っている。
但し、一匹狼で、仲間のことを考えず、爆弾処理だけに興味のある男。

作品は、遠い国の非日常の戦場を描いている。その非日常を、観ている観客を極度に緊張させ、目を逸らしたくなるほどリアルに描いている。
ハンディーカメラで撮ったような動きの激しく、粒子の荒い映像も、気にならない。
爆弾を処理するシーンは、本当に息を呑むとか、手に汗を握るとか、そういう表現しか当てはまらない緊張を観客に強いる。
そして、全編通じで爆弾処理シーンの連続だ。
中盤で、テロリストとの砂漠での戦闘シーンがあるが、これも兵士の銃の構え方から、戦闘の戦略までリアルだ。
そしてどんどん人が死んでいく。
それも、意味なく死んでいく人が多い。
人間爆弾にされるために殺される人、アメリカ人をおびき寄せるために爆弾付の鎧を着せられ路上に置き去りにされる人、やはり戦争は生き地獄だ。
ただ、その地獄のような戦場でしか、自分の生きがいを見出せない奴もいる、それがウィリアムだ。

極めて政治的メッセージ色が強くなりがちな題材を、ほとんど政治の匂いをさせることなく、誇り高い爆弾処理兵士の生き様や友情を、淡々とリアルに描いた作品。
それにしても、この監督はどんな女性なんだ。


ハート・ロッカー - goo 映画
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トリビア
イラク、クエートでの撮影の許可が下りなかったため、撮影はヨルダンのアンマンで行われた。
そして、撮影中はヨルダン軍が撮影の警護そした。


ジェームス・キャメロン監督がハート・ロッカーを語ってる