Hancock (ハンコック) ネタばれあり

2008-07-30 | 映画
今回は、ウィル・スミス主演の酔っ払いスパーヒーロー「Hancock/ハンコック」。





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強大な力を持つヒーロー、ハンコック(ウィル・スミス)だが、酒好きでキレやすく市民には歓迎されていない。ある日、事故を防ぐために電車をエルボーで止めたハンコック。
このときに助けられたPRマンのレイ(ジェイソン・ベイツマン)は、嫌われ者のハンコックに真のヒーローになってもらうべくさまざまな戦略を練るが...(シネマトゥディより)

前作の「アイ・アム・レジェンド」とはうって変わって、笑いを散りばめたウィル・スミスの新作だ。
その笑いも中盤までで、後半はシリアスなアクションが主体になっている。
その笑いは、ハンコックの滅茶苦茶な悪者退治の方法から来る視覚的な笑いと、彼の口の悪さから来る言葉の笑いがあるが、アメリカ人は彼の汚い言葉使いで大笑いをしていた。
テレビなら「ピー」という音が入り放送出来ないスラングがどんどん出てきて、その度に観客に大うけだ。
このニュアンスが日本で伝わるか、翻訳の腕の見せ所だ。

    
    仲睦まじい夫婦。シャーリーズ・セロンが時おりスカーレット・ヨハンソンに見えた。

視覚的な笑いは、逃亡中の凶悪犯人の車を追跡中にハイウェイの標識に体当たりして追跡中のパトカーに大被害を与えたり、その車を止めるのに車から足を突き出し道路に踏ん張って高速を凸凹にしたり、「Jackass」と馬鹿にしてきた子供を上空に投げ飛ばしたり、陸に打ち上げられた鯨を沖に投げヨットにぶつけたりと、人助けをしてるのだか、破壊してるのだかよくわからない。
一番受けたのは、刑務所で「Your head is going up his ass」を実践したシーンだ。

     
     この子がよく飛ぶんだ。

     
     痴漢に間違われない努力をする、気持ちを入れ替えたハンコック。

中盤以降、レイの妻のシャーリーズ・セロンがハンコックと同じ種族とわかった時点から、物語が急転してくる。
何しろ、何千年もの間、結婚をしていて、人間から「神」とか「エンジェル」と呼ばれる存在で、その種族の最後の生き残りだという。
しかし、その2人が近づくとそのパワーがなくなり、普通の人間のようになってしまう。

久々に出会った2人がロスの街に大きなダメージを負わす大喧嘩をした後に、通りがかりの酒屋で、拳銃で撃たれて重症を負うハンコック。
彼が収容された病院を、刑務所から脱獄した復讐心に燃えた凶悪犯達が襲う。
何か最初と全然違う展開になっていく。

     
     夫婦喧嘩の爪痕

最後に、笑いとアクションの中でも、ウィル・スミスの演技がさえていた。
彼の寂しげな目と、照れながらみんなに溶け込んでいく時のちょっと幸せそうな表情が印象的だった。

     
     まさか妻が開けた穴だとは思っていない。

トリビア
オリジナルの脚本は、「Tonight, He Comes」といって、10年以上もハリウッドで存在する。

The Dark Knight (ダーク・ナイト) ネタばれあり

2008-07-30 | 映画
今回は、公開と同時に次々とボックスオフィス記録を塗り替えている新バット・マンシリーズ2作目でヒース・レジャーの完成した作品としては遺作になった「The Dark Knight」。







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悪のはびこるゴッサムシティを舞台に、ジム警部補(ゲイリー・オールドマン)やハーベイ・デント地方検事(アーロン・エッカート)の協力のもと、バットマン(クリスチャン・ベイル)は街で起こる犯罪撲滅の成果を上げつつあった。
だが、ジョーカー(ヒース・レジャー)と名乗る謎の犯罪者の台頭により、街は再び混乱と狂気に包まれていく。最強の敵を前に、バットマンはあらゆるハイテク技術を駆使しながら、信じるものすべてと戦わざるを得なくなっていく...(シネマトゥディより)

オープニング週末の興収約1億6千万ドル、オープニング一週間の興収約2億4千万ドル、公開されている劇場4366館と9000以上のスクリーン、これは全てボックスオフィスの記録だ。
自分では「タイタニック」にどこまで迫るか、とても興味がある。
それぐらい勢いがあるし、完成度の高い作品だと思う。

この記録をつくっている一つの要因は、ヒース・レジャーのジョーカーの怪演だ。
彼のこのキャラは、後まで語り継がれるに違いない。
但し、彼の名誉の為にいうと、これは決して彼が不慮の最後を遂げたからというセンチメンタルな理由ではない。
彼のジョーカーは、ジャック・ニコルソンのを上回るキャラクターだ。

     
     微妙に落ちかけたメークと目が怖い。こう言う女性もたまに見るかな。

もう一つは、やはり2時間30分フルに観客を引きつけるそのアクション、迫力の映像、そして自分の行動に悩む生身のバット・マンの苦悩のストーリーだ。

それにしても、アクションとその映像はすごいの一言。
それに加えて音響も大迫力。もちろん、銃撃戦やカーアクションシーンでのサウンドもすごいのだが、ある後半のシーンでアーロン・エッカートが怒鳴っただけで会場の大半が飛び跳ねるほど驚いた。(どこか楽しみに観て下さい)

アクションは、冒頭の銀行強盗にシーンからはじまり、香港でのマフィアのボスの誘拐劇、もったいなくもポルシェを潰すカーアクション、大型トラックがひっくり返る護送中のカーアクション、大病院が崩壊する大爆発、そしてバット・マンが1人でギャングもSWATも相手にしなければならないジョーカーとの最後の対決と、これでもかこれでもかと観客にたたみかける。

     
     実は、実際の絡みのシーンは意外と少ない2人

ジョーカーが怖い。
舌なめずりをするような話し方と意表をつく行動で、人を恐怖に陥れ、何の躊躇もなく人を殺していく。それも銃で簡単に殺すのではなく、ナイフで恐怖と、苦痛を存分に味あわせながらの、殺人を楽しんでいる。
彼がナイフを相手の口の中に入れながら「Why So Serious?」と言った次の瞬間、思わず目を背けた。
そんなジョーカーの用意周到の作戦に翻弄される、警察、ギャング、バット・マン、そしてゴッサム・シティーの住人達。

     
     自分の口元がムズムズする

その中で、一番翻弄されたのは、正義感溢れるゴッサム・シティーの新しい正義の象徴、ハーベイ・デント地方検事だ。
彼と恋人のレイチェルが捕獲され、別々の場所に大量の爆弾と監禁される。
それをジョーカーの尋問中に知れされたバット・マンは、理性を失い感情的にジョーカーに殴りかかる。
2人の居場所を聞いた、バット・マンがレイチェルを救出に向かった場所は、ハーベイ・デント地方検事の監禁場所だった。
ジョーカーがワザと反対の場所を教えたのだ。
バット・マンのおかげで、何とか助かったハーベイ・デント地方検事だが、最愛のレイチェルを失い、その上、顔の半分に醜い大やけどを被った。(この半分の顔は、ターミネーターのようだ)
そんなハーベイ・デント地方検事を、ジョーカーが訪ねて、言葉巧みに洗脳して、ギャング、警察、バットマンを狙う復讐のTwo-Faceとさせてしまう。

     
     「サンキュー・スモーキング」の使いまわしじゃないよね。

バット・マンの感情を逆なでしたり、ハーベイ・デント地方検事を殺人鬼に仕立てるのを観ていると「ソウ」シリーズのジグゾウをダブらせた。

ジョーカーのヒース・レジャー、ハーベイ・デント地方検事のアーロン・エッカートの名演以外にも、苦悩のヒーローを演じるクリスチャン・ベイル、バット・マンに別れを告げるレイチェル役のマギー・ギレンホール、実直な警部のゲイリー・オールドマン 、バット・マンを支えるマイケル・ケインとモーガン・フリーマンと芸達者たちがの熱演もよかった。

     
     たれ目健在のマギー・ギレンホール

     
     今回は、潜水艦の技術で新兵器をつくるモーガンおじさん

     
     貫禄のサーの称号をもつマイケルおじさん。人の手紙を盗み見た。


役者陣、キャラクター、ストーリー、アクション、映像のどれをとってもクオリティーの高い作品になっていて、間違いなく2008年のみでなく近年でも最高のクラスにランクされる作品だ。

それにしても、初っ端でウィリアム・フィクトナーみたいな名脇役を簡単に殺してしまうのにも驚いた。(余談)


トリビア
マット・デイモンが最初のハーベイ・デントの候補だったが、彼の方から断った。
他にもヒュー・ジャックマン、ライアン・フィリップ、ジョシュ・ルーカスなどが候補に挙がった。

ジョーカーが看護婦に扮装しているネームプレートは「マチルダ」となっているが、これはヒースの娘の名前。

バット・マンの名前が入っていない初めてのバット・マン作品


ヒース・レジャーにオスカーの可能性が


ジョーカー比較 その1


ジョーカー比較 その2