花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

国立西洋美術館「グエルチーノ展」を観た(2)

2015-03-07 00:35:06 | 展覧会
「グエルチーノ展」の展示構成は下記の通りだ。
Ⅰ. 名声を求めて Ⅱ. 才能の開花 Ⅲ. 芸術の都ローマとの出会い Ⅳ. 後期①聖と俗のはざまの女性像-グエルチーノとグイド・レーニ Ⅴ. 後期②宗教画と理想の追求

私的にグエルチーノらしいと思えるのは、やはりローマに出てからの作品である。その意味ではアレッサンドロ・ルドヴィージの教皇選出はルドヴィージ家ならず、グエルチーノにとっても幸運と言うしかない。コレッジョもそうだったが、地方の才能ある画家がローマに出るとその作風が大きく変わる。偉大な作品群に触れることにより、グエルチーノの才能がはじけたように花開いていった様子が作品から見えるのだ。

ローマでは当然カラヴァッジョやアンニバレ・カラッチの作品も観ている。ましてや、カジノ・ルドヴィージの天井画《アウロラ》《名声》を描いた時、カラヴァッジョの天井画を子細に観ているはずだ。なにしろ、《名声》とカラヴァッジョ《ジュピター・ネプチューン&プルート》は隣り合った部屋同士なのだから(笑)。以前にも書いたが、カジノ・ルドヴィージはカラヴァッジョのパトロンだったデル・モンテ枢機卿がルドヴィコ・ルドヴィージ枢機卿に売却したものだ。

さて、展覧会作品に戻ろう。今回の展覧会で私的に一番輝かしいと思った作品は《聖母被昇天》だった。


グエルチーノ《聖母被昇天》(1622年ごろ)サンティッシモ・ロザリオ聖堂(チェント)

展覧会のチラシでは見ていたのだが、実際に作品を観ると聖母の気品ある迫力に魅了された。聖母の目に宿る光(白点描)が素晴らしい。仰角で描かれた聖母の堂々とした存在感と、聖母を取り巻く天使たちの動きによる空間表現とが、上昇感を持って白鳩の指す天上へと観る者を誘う。

聖母を天上に押し上げようとしている天使たちに見覚えがあった。以前書いたボローニャ派の浮揚の系譜ではないか?!そして、なんと、グエルチーノは《マグダラのマリアの浮揚》を描いているグイド・カニャッチとローマで同居していたのだ!!


アンニバレ・カラッチ《聖母被昇天》(1600-01) 聖ポポロ教会 チェラージ礼拝堂(ローマ)


グイド・カニャッチ《マグダラのマリアの空中浮揚》(1640年ごろ)アルテピナコテーク(ミュンヘン)

ということで、まだ続きます(^^ゞ


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4 コメント

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そろそろ・・・ (momo)
2015-03-08 14:07:27
頭が混乱してきました(*_*)
私のピンポイントの知識ではもうついていけませんっっ!
ちゃんと時代を追って勉強し直そう・・・

「初来日」だからしょうがない・・・(笑
(「ゴリアテの首を持つダビデ」はお目にかかったことはありません・・・でも去年展示されていたんだ?!)
花さまの日記と(過去の掲載分も)グエルチーノ展のHPとその他を駆使して・・・なんとか追いつけるかしら?
でもこうして自分の知らないことを調べるのが楽しいです。
自分が観に行くまでにがんばろう!!

と、ウキウキ気分ですが、この展覧会開催の趣旨が他人事とは思えず感慨深いものがあります・・・
こちらはもう4年。あちらも5月で3年。どちらのことを思っても涙ぐんでしまいます。
(暗くなってしまってスイマセン(^_^;))

ではまた次回を楽しみにしております♪
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momoさん (花耀亭)
2015-03-15 00:40:30
遅レス、すみませんでした!バタバタしておりました。
で、わかり難い内容でごめんなさいです(^^;;。なにせ美術ド素人の自己完結ブログです(大汗)
なので、momoさんはぜひ公式サイトでしっかり勉強してくださいね。自分の興味あることを勉強するって楽しいですよね(^_-)-☆

チェントの震災は東日本大震災の翌年で、石巻出身の私たちにとっても他人事ではないですよね。展覧会の収益金の一部がチェント市に寄付されるようですから、たくさんの方たちに観ていただきたいものです。
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そんな!! (momo)
2015-03-15 13:54:10
ド素人だなんて!!
花さまがド素人なら私はドドドドド素人ですよ(*_*)
花さまのブログはとてもわかりやすいです♪
まだ作戦実行中ですか~?
今度はどちらに行かれたのか、ml interessa(*^▽^)/★*☆♪
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momoさん (花耀亭)
2015-03-16 00:44:52
お気遣いありがとうございます(^^ゞ
美術ド素人だからこそ勝手なこと(間違いも多々)が書けています。なのでmomoさん、あまり過信しないでくださいね(^^;;;
で、3月は断続的に作戦実行中です。展覧会ひとつと講演会ひとつ、しっかり楽しんできましたよ~☆彡
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