花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

寄道(1)追記

2010-07-17 12:55:49 | 西洋絵画
マリアーノ・フォルトゥーニ・イ・マルサル(Mariano Fortuny y Marsal,1838~1874)の《聖家族》(1871年)は、息子のマリアーノ・フォルトゥーニ・イ・マドラーソ(Mariano Fortuny y Madrazo ,1871~1949)の誕生年に描かれている。妻はプラド美術館の館長をも勤めたスペインの有力画家フェデリコ・デ・マドラーソ(Federico de Madrazo y Kuntz,1815~1894) の娘である。妻の兄弟でもある画家ライムンド・デ・マドラーソとも親しい友情関係にあったようだ。

まるで、マンテーニャがヴェネツィア派の有力画家ヤコボ・ベッリーニ(ジェンティーレとジョヴァンニの父)の娘と結婚により大きな後ろ盾を得、ベッリーニ家の兄弟たちと影響を与えあったことに似ている。フォルトゥーニが息子誕生を記念し、この模写作品描いたということは、彼自身もマンテーニャに自分をなぞらえていたのではないだろうか?マドラーソ家の後ろ盾を得たことは画家にとって大きな意味を持っていたにちがいない。

ちなみに、幼児イエスに擬らえた息子は、後年ヴェネツィアでデザイナーとして活躍するマリアーノ・フォルトゥーニ(伊読:フォルチュニィ)である。2008年に東京都庭園美術館「ポワレとフォルチュニィ展」で紹介されたので、記憶に残っている方も多いかもしれない。

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