丸紅ギャラリー「美しきシモネッタ」展を観た感想をサクッと。
展示されている作品は《美しきシモネッタ(La bella Simonetta)》のみ、まことに贅沢な展示空間であった。こうゆー展示は私も好き。五反田「ルーヴル・DNPミュージアムラボ」が懐かしい...。
サンドロ・ボッティチェッリ《美しきシモネッタ(La bella Simonetta)》(1469-75年)丸紅ギャラリー
シモネッタ様には都美の展覧会以来の再会となる。今回で会うこと3回目かな?
ちなみに、今回の展覧会の内容については、丸紅ギャラリー杉浦勉館長による講演会動画が詳しい。興味ある方はぜひ下記 ↓ 動画をご覧あれ。私的にも大変勉強になったもの。
※動画:「ボッティチェリ≪美しきシモネッタ≫について」
https://www.youtube.com/watch?v=KNWjoNi8CJU
中でも、アシュモリアン美術館の素描がどの作品の下絵か?という「シモネッタの肖像画比較」がなかなかに興味深かった。解説によると、顔(目鼻口)の造形比率で言えば丸紅作品の方が近いとのこと。
サンドロ・ボッティチェッリ《若い女性の頭部》(1475-1500年)アシュモリアン美術館
サンドロ・ボッティチェッリ(工房?)《女性の肖像》(1480-85年)シュテーデル美術館
サンドロ・ボッティチェッリ《女性の肖像》(1480年頃)ベルリン国立絵画館
丸紅作品の制作年を見ると初期作品に位置づけられるようで、確かに画調はやや冷たく硬く感じられる。それでも魅力的な作品なので、真贋論争も決着したようだし、海外にも広く画像流布した方が良いのではないかと思ってしまった。
だって、イタリア版のSimonetta画像には紹介されていないし、なんだか寂しいよね。まぁ、欧米の研究者はアジア圏所蔵だとなかなか真作認知しない傾向はあるようだけど...。