花耀亭日記

何でもありの気まぐれ日記

「ボローニャ派とグエルチーノ」講演会レポート(2)

2015-03-23 03:48:21 | 講演会
アンニバレの基底にはマニエリスム的なもの(封建的なもの)に対する怒りがあり、また、反宗教改革という時代の要請として、民衆教化のために宗教画自体の変化も求められていた。(トレント宗教会議でね)

例えば、ガブリエーレ・パレオッティ『聖俗画像論』では「説教師としての絵画」が求められ、トンマーゾ・ラウレーティ(Tommaso Laureti ,1530 - 1602)の《聖スザンナの殉教》のようなリアリティのある祭壇画も描かれた。


トンマーゾ・ラウレーティ《聖スザンナの殉教》(1595-96年)サンタ・スザンナ聖堂(ローマ)
ちなみに、カラヴァッジョ《聖ルチアの埋葬》に影響を与えたようだ。

目の前の鑑賞者との対話ができるよう、わかりやすく伝えることが宗教画の目標になる。


アンニバレ・カラッチ作《聖ロクスの施し》(1595年)ドレスデン・アルテ・マイスター絵画館

歴史・神話画は空間芸術であり時間芸術である。アンニバレのInvenzioneによりモデル・鑑賞者にも開かれたものになっている。

蛇足だが(^^ゞ、ドメニキーノがアンニバレを手本として描いたのが《聖女チェチリアの施し》だ。


ドメニキーノ《聖女チェチリアの施し》(1612-15年)サン・ルイジ・デイ・フランチェージ聖堂ポレ礼拝堂
ご存じの通り、コンタレッリ礼拝堂にはカラヴァッジョがある。

ということで、まだ続く(^^;; (全然サクッとじゃなくてすみません~)