Pのlog ( 大阪と上海のChouChou)

通称P。shushu(照れちゃう)ような稚拙きわまりない文面で、上海や大阪のchouchouを綴ります。よしなに。

日本にはさくらがあるから。

2010年04月11日 | 京都chouchou

 先週は桜の見物にはちょうどよい時期だった。でも車がこわれてしまって
    いたので、どこにもいけなかった。

 
   円山公園。八幡の淀川堤防沿い。大阪の桜ノ宮。。知ってる所で桜の名所は
  あるけれど、ことしは「桜一本で主張するすごさ」そんなテーマの樹がある場所
  に行きたいと思っていた。

  去年は桜ノ宮の川崎橋の上から満開の桜の列をみていた。


  あれからもう1年。ぼくは何も成長もなく、仕事に追われてる気分で
  いまだ変わらず毎日を過ごしている。 

  

  桜をみるなら夜がいい。
  日本人はいつも夜桜に生と死の狭間をみる。つかのまの華やかさのせいか
  死体が埋まっているという伝説のせいか。
  あるいは西行のはかなさのせいか。

    世阿弥の語る幽玄の言葉はどんなふうにぼくの中で咀嚼できるか。

   円山公園の「祇園枝垂櫻」。夜中にみたらどう映るだろうか?

      

  決まったのは突然だった。
  
   明日は雨  って言ってるよ  行くなら今夜しかないって
   え?いまから
   そ。だって来週はもう散ってるよ。

  友達はどこでもいいと言っていた。だからぼくの希望どおりすんなり
  円山公園に夜中にいくことになった。

  修理が終わったばかりのぼくの車は、まるで故障がなかったかのように
  でも不吉なからからという音と、停車しているときにオイルだまりが少しできる
  のはすっかりなくなって、元気に京都までぼくらを乗せて連れていってくれた

  いつものように東寺のところから市内に突入し、河原町通りを東に
  八坂神社につきあたるまで走り続ける。
  まるでキタやミナミのように人通りは続いていて、この近所に住んでいる 
  人たちなのか、観光客でホテルが近いのか、いろいろ想像してみた。
  たぶん半々なのだろう。近場からきた人にはもうそろそろ終電の時間だから
  
                 

  八坂神社のところから、初めて地下の駐車場に入る。思ったより狭く動かし
  にくいが、困ってしまうほどではない。そして夜中だったせいか、停める場所は
  結構すぐ見つけられた。

  人通りはまだ多く、それほど心配するほどでもなくヤンキーの数は多くない。
  家族連れの姿もまだ見受けられた。みんな花が目当てなんだろうか?

  円山公園はもともと八坂神社の境内の一部だったというだけあって、いまだに
  境界はあいまいで、ぼくらは公園に入ったつもりがいつのまにか神社の本殿
  のところに出てしまった

    とりあえずお賽銭をもってこなかったぼくだけれど、いくばくか小さな
    お願いをして、そこをあとにする。

       

  脇の道を抜けると再び公園にでた。そしてそこはまだ人の山だった。
  思わずぼくは時計を見なおしたほどだ。ほぼ24時。終電をも気にしない猛者
  が老若男女を問わず、まだ呑んで騒いでいた。
                                   
 

  それを目当ての露店も当然、と言いつつもさすがにそろそろ店じまいをする
  時刻だった。なかはすいていないぼくらはあとの目当てもあって、お好み焼き
  も買わなければお面を買うこともなく枝垂櫻をめざした。

  そしてそのお目当ての桜は唐突に登場した。
  
  あまりに唐突だったので虚をつかれた感じさえしたが、枝垂櫻は雄々しくと
  いうより手弱かに、でも凛とした姿で屹立していた。

                    


流星のナミダ Namida of Meteor (Song by Chiaki Kuriyama)


    
    枝垂れていることがすごいのかライトアップがすごいのか。

    語る言葉なく、でもまわりは宴会中。この事態はさすがに予期できて
    いなかった。でもきれいなのだ。このコントラスト…

    真夜中の櫻のまわりの宴会は、山のたぬきが半分ばけて呑み、騒いで
    いる姿にさえ見える。やはりこの咲いている櫻はすごい。

    ちょうどよい時期だったのかもしれない。

  

   いろんなアングルで撮ってみるけど、なかなか美人に映らない。
   ぼくの技術不足だと思うのだけれど。

             

    ふとみると柵のところにキティちゃんの人形が捨ててあった。
    なんだかかわいそうになって起こしてあげて柵の上に置くと、バックの櫻
    と対比させると少し絵になりそうな気がした。

   

  本来はこうやって遠景を遠くから写せば一番映えるのかもしれない。
  この少し遠目の場所はさらに向こうの敷地で呑み騒いでいるグループと樹の
  そばのグループのはざまで、あまりうるさくなく眺めることができた。

  何時になればしんと静まる公園の中で凛々しく立っているこの櫻をみることが
  できるのだろう? 枝ぶりは宴会のあとのごみを狙う烏が何羽も止まるせいで
  枝が花を散らすことも多いらしい。それでも樹は。小さなことだよというように
  立っていた。


  真夜中に櫻をみること。土曜日の夜にきたこととあわせて
  今年は大正解だったと思う。 

                                        
★円山公園
  京都府京都市東山区円山町他
  http://www.city.kyoto.lg.jp/kensetu/page/0000006855.html



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