かどくら邦良@高崎市議会議員 ブログ

思いをブログに綴ります。

2013.12.4 分権時代の自治体改革と議員の役割

2013-12-04 00:33:11 | インポート
     

福嶋浩彦さん(元消費者庁長官、元我孫子市長、中央学院大教授)のお話を、民主党群馬の政治スクールで聞くことができた。

自らの議会での活動を反省し、目指すべき自治の在り方が鮮明になり、自治体議員が何をなさなければならないかが明確になった。

ポイントは以下の福島さんのレジメにあるように「対話と合意する議会か、陳情代行の議会か」ということ。

「多くの議会でやられているのは、首長(行政)への要望や陳情」「市民の即物的な要求を代弁し、相変わらず地域の拡大を求めている」と、自治体議員活動の実態を厳しく指摘する。

その上で「議会は自治体の意思決定機関である。議員同士の徹底した議論と、決定者としての自覚、そして市民(県民)参加が必要」とあるべき地方議会の在り方を提示している。

振り返って自分自身の自治体議員としての活動を考えると、陳情代行型に陥りがちである。

選挙を勝ち抜いていくためには必要ということで割り切っているのだが、県民参画の県議会改革は遠のいてしまっている。

もう1度、1からやり直すつもりで頑張ってみます。

分権時代の自治体改革と議員の役割 福嶋浩彦 2013 11 30

1.人口減少社会―地域の質を高め、うまく小さくする
○拡大を前提とした社会のしくみと私たちの頭の中を、根本から変える必要がある
○地域の質を高め、小さくしていくには、地域ごとに自分たちの頭で考え、創意工夫して、自らの責任で実行していくしかない→自治と分権が本当に必要になる

2.いざとなったら大事なことは市民が決める
○政府の決定を、国では選挙で選ばれた代表者が行う
自治体では代表者(首長・議会)だけでなく、いざとなったら市民が直接行う
○分権とは、市民が国と自治体に分けて権力を与えること→できる限り市民の近いところへ行政の権限とお金を置いて、主権者としてコントロールしやすくする

3.対話と合意をリードする議会か、陳情代行の議会か
○さまざまな既得権に縛られていては、新しい創造によって質を高めることはできない
既得権を切るとき、その既得権についてのみ、その関係者とだけ話しても合意は生まれない
○問題をすべて明らかにして、より多くの人々の対話で合意をつくる→改革の原動力
○市民、議会、首長(行政)の対話による合意形成をリードするのが、議会の本来の役割
しかし、多くの議会でやられているのは首長(行政)への「要望」「陳情」
市民の即物的な要求を代弁し、相変わらず地域の拡大を求めている
○議会は自治体の意思決定機関である
議員同士の徹底した議論と、決定者としての自覚、そして市民参加が必要

4.<コミュニティ><市場><行政> の関係を最適化
○3つの役割分担と連携が最適になっていない→最適化は地域の質を高める上で必須
▼ 民間が得意なもの、質を良くできるものを、行政が抱え込んでいる
▼ 行政が苦手なもの、コストを下げたいものを、民間に押し付けている
○従来の公共は、主権者である市民の意思と離れた官が、一方的な決定権を持って公共を仕切り、自らの勝手な都合で民(企業やNPO)に下請けに出してきた
○〈市民の意思に基づく行政〉と〈民間〉が対話し、その公共サービスを最も良い「質」で 提供できる者を、その実施者にする

5.提案型公共サービス民間化 ―行政の在り方を問い直す
○「質」が基本なら、全てを対象にできる(我孫子市では1,100の全ての事務と事業)
「行政が出したいもの」ではなく「民間がやりたいもの」を <市民の利益>を基準に審査
○「質」を測る物差しも行政が一方的に決めず、民間から提案
○一部分だけ「協働」を進める制度ではなく、全ての分野で行政の在り方を問い直すもの

昨日は県議会レク、市民の時代報告、農業者との懇談。