眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

納豆の法則

2022-06-17 22:00:00 | 短い話、短い歌
 おばあさんは納豆を混ぜていた。一定のリズムで箸を動かすスピードは少しも老いを感じさせない。納豆は少しずつ艶を増し十分な粘りを放ち始めた。それでもまだおばあさんの勢いは止まらない。始まった頃と変わらぬペースで運動が続いていく。
 おばあさんが当たっているのは納豆という組織だ。けれども、その愛情は一粒一粒に対して注がれている。
「こうしている間がいちばん幸せかもね」
 そう言って笑う時も、手を止めることはなかった。




揺るぎない仕草につれて満ちて行く幸福は個の運動の中


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