「あ、あちー」
地獄のような熱さだった。つけた足を引っ込めて服を着た。まだ踏み込むのが早すぎた。部屋に引き上げて時を待つことにした。その時が来たら、また改めて湯船に向かおう。
「お食べ」
ばあちゃんがたこ焼きを持ってきてくれた。楊枝に刺して口に運ぼうとしたが、唇に触れた瞬間、身の危険を感じて引き離した。それは大変な熱さだった。とても今すぐ口に入れることはできない。その時を待って、僕はたこ焼きを食べることにした。
それから僕は本を開いた。開いた瞬間、挟まっていた尻尾が抜けて猫が逃げて行った。猫の夢のあとに物語は広がっている。今こそ本を読む時なのだろう。時折、開けっ放しの窓から風が入ってくる。もう、秋である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます