君はカウンターにかけてパンを食べていた。硝子の向こう側にはもう一つのパン屋さんがあり、人々はトングを手に真剣な顔で好きなパンを選んでいた。迷わず次々とトレイにパンを載せていく人がいる。いつまで経っても選べずに、ただトングだけを持ったまま固まっている人がいる。迷いながら話しながらさまようトングを持った人々がいる。
ベルが鳴る。新しいパンが焼き上がり商品棚の中を新しい形で満たした。また新しい人たちが、狭い店内に押し寄せてきた。焼きたてのパンのよい香りが、硝子を突き抜けて君のいるところまで届いた。
思い詰めたような表情でパンを選ぶ人。あんなに真剣な目をしなくてもいいのに。パンを一つ選ぶくらいのことで……。
「あれは自分だ!」
君は硝子の向こう側に過去の自分を見つけてしまう。そこに見えているのは過去のパン屋さんだった。違う。それじゃない。
君は過去の自分とは違う選択をみせた。
あれはもう一つの世界だ。
わかるよと
互いに通う
詩の上で
触れあう
粘土作りのキリン
折句「渡し舟」短歌
ベルが鳴る。新しいパンが焼き上がり商品棚の中を新しい形で満たした。また新しい人たちが、狭い店内に押し寄せてきた。焼きたてのパンのよい香りが、硝子を突き抜けて君のいるところまで届いた。
思い詰めたような表情でパンを選ぶ人。あんなに真剣な目をしなくてもいいのに。パンを一つ選ぶくらいのことで……。
「あれは自分だ!」
君は硝子の向こう側に過去の自分を見つけてしまう。そこに見えているのは過去のパン屋さんだった。違う。それじゃない。
君は過去の自分とは違う選択をみせた。
あれはもう一つの世界だ。
わかるよと
互いに通う
詩の上で
触れあう
粘土作りのキリン
折句「渡し舟」短歌
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます