眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

ソーシャルディスタンスの崩壊

2020-12-04 02:26:00 | 幻日記
 1番目の客と適切な距離を取りながら並んでいた。

「どうぞ!」
 2人体制のレジなので流れがスムーズだ。店員に呼ばれてかごを置いた。中身が少ないのですぐにすべてのスキャンが終わった。
「……円になります。少々お待ちください」
 1番目の客はまだ会計が終わらない。ポイントを使うのか、ギフト券か、チャージするのか、ややこしいのか。なかなか済まない。

「どうぞ!」
 だけど、3番目の客が呼ばれスキャンが始まっている。前は渋滞しているのに。僕は終わったけれど、終わってない。そして始まっている。戻れない。進めない。挟まれた。
 詰んだ。
(負けました)
 レジ前の牢獄に捕まってしまったのは何の罰か。
 狭いよ。近いよ。息苦しいよ。

おい!
ソーシャルディスタンスは?-い????
ソーシャルディスタンスどこ行ったー?

 適切な距離を守り並んでいた自分。
 あれはずっと昔のことだったろうか……。


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