眠れない夜の言葉遊び

折句、短歌、言葉遊び、アクロスティック、夢小説

卒業

2019-04-09 21:54:30 | ナノライト
最前列は先生の目に近く
最も睡魔と戦いやすい
背中にかかるプレッシャーも
振り返らないと決めたなら
誰もいないに等しい
 
窓際の席に着いたら
誰よりも雨を早く知り
庭かける犬とコンタクトする
いつも外の世界に目を向けながら
輪の中に入らずに過ごせるかも
 
真ん中の席は覚えにくい
逃げ場がなくて辛そうだけど
上手く溶け込んでしまえば
どこからも見えなくなって
誰にも狙われずに済むはず
 
最後列の真ん中に着いて
声を上げずにふんぞり返ってもみたい
個別のテーマには加わらず
気ままに絵の具を溶いたら
ゆっくりと全体をスケッチする
 
結局のところどこでも同じではないかな
 
その場に合った生き方を見つけさえすれば
そこを自分の居場所にすることができる
どこに行っても間違いじゃない
どこに行っても怖くはない
さあ くじでも何でも引いてくれ
 
「出て行け!」
 
お前の席はないと先生は言い放った
いったい僕が何をしたの
 
「お前はとうの昔に卒業したんだ」
 
 
 
 

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