「割れたから食べない?」館長は大きくひびの入った黄金の壷を抱えて私の眼の前に差し出した。--割れたから?--私は一歩遠退きながら頭を下げるとその亀裂の入った部分にそっとツノの先端で触れた。「どこも割れていないようです」館長は眼を見開いて、黄金の壷を回し始める。 #twnovel
「遠いから旅行みたいだね」と妹が言った。少し遠いけど、安いからこの場所を選んだのだ。お父さんもいたらねと母が言い、馬鹿なことを言わないでと姉が叱った。1年ぶりの父の墓参りだった。「あっちの青い星は? 人が住んでいるのかな?」私の言うことは誰も相手にしなかった。 #twnovel
「私の日々は発見の連続だった。私にとって生きていくということは、毎日毎日新しいことを見つけていくことの積み重ねだった。私に足りなかったのは、発表することだった。発見の上に発見を重ねて、今日の発見の下に昨日の発見を埋もれさせてしまったこと。それこそが私の失敗。」 #twnovel
「自分で切ってるの?」最近は、鼻が伸びるのがとても早くなったので、マイ鋏を持ち歩いてこまめに切るようにしているのだと言う。「嘘だらけの人生も大変ね」ピノは、そうでもないと言う。「嘘で固めた人生もそれなりに素晴らしいものだよ!」すると鼻が一気に30センチ伸びた。 #twnovel