自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

自由の森学園 30周年記念イベントが終わりました。その2

2014年10月15日 | 自由の森のこんなこと
やっと気持ちの整理がついてきたので、書く事にします。
来られなかった方に紹介をかねて

今回は、私が関わっていたオブジェチームの事を中心に。


30周年の記念企画が立ち上がった時に、1人の高校3年生の生徒がある事にふと気がついた所から
オブジェチームが発足しました。

職員室と会議室のベランダの膨らみを見て
「これを使ったら、大きな樹が出来るんじゃないかな?ここに大きな樹があったらステキだろうな・・・
でっかい樹つくりたい!」

それを聞いた仲間がイメージをデッサンし、生徒と卒業生企画へと発展しました。


今回の、オブジェが完成するまでには沢山の話し合いを重ね、考え、手を動かしてきました。


8月、お盆休みだというのに、学校で集中合宿を行い、1/20模型を作りもしました。

どれも時間がかかり、寝るのはいつも夜中でした。


思うように、模型が作れず何度も構造から考えました。

 これが本物になったら・・・と、何度も職員室の壁を見に行きました。
あの自森坂を何度も往復して正門を見に行きました。



そして、9月。始業の会。

残り30日を迎え、焦る気持ちが芽生えてきましたが、

大きなアーチや、大きな樹を1ヶ月も前から作っておく事も出来ず、直前にならないと作業が進められない事が判明。


最低限、今出来る事は無いのか・・・
と、小さなものを完璧に作り、完璧にそろえておく事。

その準備があれば、後は出来たアーチに取り付ければいいはずだ、と。


一番中心にあるべき構造が無いまま、小物を作るという難しさ。

半泣きで作った、あの1/20模型のありがたみを感じながらの作業です。



そして、評価表記入期間。 作業のストップ。

そして、教員評価表記入期間。 私のストップ。


やっと、大きなものの作成開始です。

手を傷だらけにしながら、卒業生にもらった、番線と結束線との格闘。


山へ行き、7mの 一本物の スギ丸太 を切り出し、
裏山で、竹林から 竹を 何十本も切り出し、担いで学校へ。


ザブザブと、ドラム缶で大きなシーツや布切れを茶色や黒に染める夕方。


大きくなると、なかなか言う事を聞いてくれない材料たち。

1人では、何とも出来ないもどかしさ。


それを見ていると、オレにもなんか手伝わせて!
と、ひとり、またひとりと増えていきます。

そうだ、これが自由の森学園なのだと。
楽しい所にはひとが集まる。それがルールだったなぁ。
つらくても、楽しくやっていればいいのだね。

仲間が増えていくうれしさを、みんなで噛み締めました。




10月9日(2日前)
  フラッグを張る作業のみ を残して、大きな樹「 木のオブディ 」の完成。

その裏では、理科室で、ずっとアーチの飾り付けと、看板の文字をパッチワークでミシンがけという緻密な作業を続ける女の子たち。



10月10日(前日)

早朝から、大きな樹にフラッグをつけ、昼過ぎに完成。
  

正門のアーチを手がけ始める。

望みの綱だった竹が、バキバキとことごとく折れ、設計変更。

真っ暗になった夜8時。小物を取り付けて、ほぼ完成。


そのまま、理科室でまだ終わっていない膨大な細かな作業を片っ端からこなした。


当日、夕方の作業の確認と、早朝作業を残して、当日を迎えました。


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自由の森の正門にかかるアーチ「 つながる門 」 
今回参加した全員がここをくぐってほしいという想いから、車道から歩道まですべてを囲うアーチのデザインです。
 白い板目にパッチワークの文字。 つながるひとの人形




「 大きな木のオブディ 」
中庭、事務局、中学校舎まで、校舎を包み込む直径90mの大きな梢
直前になると、いろいろな所にお願いしていたフラッグがどんどんと集まってきて、うれしかったなぁ。

フラッグを作るために山梨に集まった卒業生がいたり、一本30mを全部手縫いで仕上げた卒業生だったり、保護者だったり。
ひとつひとつの力が集結していく、そんなエネルギーを感じながらの作業になりました。




その下には、卒業生の メッセージステッカー を貼付けるための木「 ステッキー 」




オープンカフェのような中庭


グランドと校舎の境に、みんなが集まる「 あつまる門 」




大きな「 ハイジぶらんこ 」に、みんなはどこにいるのか世界地図「 分布マップ 」

エクアドルから「バナナ送ったから受け取ってね~」と、 6期生。
本当に届いたバナナ
バナナの芳醇な香りが、事務局前から職員室までただよってきていました。
分布マップの南米にシールが貼られた事でしょう。

ここには、竹の風鈴がからんころんしていました。





グランドでは、必ずどこかで音楽や踊りがおきています。



中学生バンドのみんな。作詞作曲のオリジナル曲を演奏していました。




民族舞踊部による「 中野七頭舞 」




ウッドチップの広場で、ライブペイントで完成した3つ目の壁画の横でお昼をとる壁画チーム。

以前、一部をそっと紹介した壁画の完成がこちらです。






鐵道研究部。理科室前から多目的室裏までのロングコースです。
このために、連日レールを溶接して延長させていました。




走っているのは、なんと、本物のSLです。




15時から記念式典を体育館ステージで。

開校、1期生から33期生が一同に集まり、合唱です。



どうして、こんなにも離れていたのに、歌詞が出てくるのか不思議です。体育館が一体になっていく感動的な空間でした。




そして、フィナーレへ。




LIVEチームや、飾り付けチームがつくったこの空間

在校生、卒業生がつくった、30周年オリジナル曲の合唱
 「 世界がいつか愛でみたされますように 」

こちらからダウンロードも出来ます


とても熱く、とにかく贅沢な時間が流れていました。




そのステージのすぐ裏手では、ごおぉ とバーナーの音。

後夜祭 といえば




熱気球ですね。

制作の始まりが遅くなり、10日ほどで完成させた、さっきまでテープを貼っていた気球の登場です。


フライヤー(はがき)のデザインになっていた、30周年の木をモチーフにしたものです。

こちらも、卒業生の佐藤亮介さんのデザインです。




夜の風景






またね!
      森の中にある切り絵のよう。シカが草原の泉の周りで跳ねています。




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まだまだ、本当はいろいろな事が起きていたのだろうけれど・・・
本当に素敵な30周年記念でした。


卒業生たちが書くFacebookなどでも沢山当日の様子が出ていますね。

本当に、たくさんの笑顔と、懐かしい顔に出会い、夢のような時間でした。
ゆえに、なかなかここに書く事が出来ずにいました。


生徒たちはどのチームも、毎日遅くまで本当にがんばっていました。
また、ここまで出来たのも、たくさんの方々からの応援や寄付、物品寄付があったからだと思っています。
それが支えでした。
今後どこかで、この30周年のまとめを作りたいと思っています。

私が出会った以外にも本当に毎日ドラマがありました。
僕たちだけのドラマにしていてはもったいないですから。




明日から、自由の森学園は後期の授業が始まります。

10月11日に色々な人たちからもらった、たくさんの勇気をもって

5年先  35周年まで学校をつくりつづけます。



自由の森学園は、周年行事以外でも、いつでもオープンです。

ぜひ、いつでもいらしてください。

ありがとう。





                        集光アクリル板と青色LED


またきてね♥



てつひさ

 





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