自由の森日記

埼玉県飯能市にある自由の森学園の日常を校長をはじめ教員たちが紹介

中学入学式

2012年04月10日 | 自由の森のこんなこと

新入生のみなさん、入学おめでとう。

みんなが自由の森学園にやってくるこの日を、本当に待ちわびていました。
学校はこれまで春休みで、生徒たちのいない時間が多かったんだけど、今日みんなを迎えることができて、中学校の3学年が全員揃いました。
これから始まるみんなの時間をたっぷり楽しめるように、そのお手伝いをしたいと思っています。

みんな、失敗することや間違ったりしたときに、怒られた経験があるんじゃないかな。
だから何かをしようと思っていても、気持ちが前に出なかったり、ちょっとめんどくさいからやめちゃおうっていうふうに思うときがあるかもしれない。失敗を恐れる気持ちがあんまり強くなっちゃうと体が動きにくくなったり、あれをやろうこれをしたいという素直な気持ちにブレーキがかかったり。でも、今日からはじまる新しい学校生活は、そういうことをあんまり気にせず、いろんな冒険をしていってほしいなと思います。
今日はっきり言いますが、失敗とかしちゃったら入学式の日に校長の中野が「失敗してもいいって言ってたから」と、私のせいにすればいい。それに、人は失敗や間違いからいろんなことを学ぶ。だから、いろんな経験を学校という場でしていってほしい。

みんなは学ぶということをこれから始めていくわけだけど、「学ぶ」という行為が自分にとってどんな意味であったのかがわかるのは、実はもっと後のこと。何年か経ったあとに、「学ぶ」ってこういうことなんだなってわかるときが必ずやって来ます。
そして「学ぶ」ことを通して、「知る前」と「それを知った後」、あるいは「学ぶ前」と「それ学んだ後」とでは、自分の中の感じや価値観に変化が起こります。「あぁ、そういうことだったのか」とか「いままでこういうふうに考えていたけど全然違ってた」とか。いろんなことに気付いて変化をしていくこと、つまりみんなのひとりひとりの中に「事件」が起こるわけです。
授業でもそう、これから経験する行事も、遊びの中でさえも、「事件」を起こすようないろんな材料が、この学校にはどっさり転がっています。それを自分でひとつひとつ探していって、いろんな事件を自分の中につくっていってほしいと思っています。

学校生活が始まると、楽しいこともあるけれど、楽しいということはあんまり長続きしない。飽きちゃうから。「楽しい」という感覚を超えて、そのことを自分で「楽しめる」ような、そんな人になっていってもらえたらいいなと思います。みんなを迎えるためにこの入学式をつくってきた人たちは、ものを楽しむことがすごく上手なんです。

もうひとつ。失敗の話もそうだけれど、みんなには自分自身を自分で縛っていることがある。それをひとつひとつはがしたりほどいたりしていってほしいなと思います。そのお手伝いができるといいなぁと思っています。
そんな中で、だんだんと「楽しいもの」から「楽しめるもの」にとらえ方が変化していく。そんな時間を一緒につくろう。そして、一緒に笑いながら、学校そのものを楽しんでいこうね。

終わります。
なかの

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