中小企業のための「社員が辞めない」会社作り

社員99人以下の会社の人材育成に役立つ情報を発信しています。

「地位が人を作る」という誤解

2018年09月23日 | コンサルティング

「私は昇格するにつれ自分自身に厳しくなっていった。管理職、役員と地位が上がるたびに、自分自身に課すルールを増やし厳格にしてきた。」「思えば、その過程でリーダーシップが身についてきたのだと思う。」ある大手企業の社長の言葉です。そしてこう締めくくっています。「これが『地位が人を作る』ということだろう。」

おそらく皆さんはこう思われたことでしょう「いやいや、それはあなただからできたことで、普通の人には無理です」と。・・・私もそう思います。

どんな会社でも、昇格するたびに自分に厳しくなれる社員は、全体の1%もいないでしょう。冒頭の社長のような強い意志を持つ人ならいざ知らず、ほとんどの人は「給料が上がった、部下が増えた」と喜ぶだけで終わります。「地位が人を作る」ことは、まずあり得ません。

さて、当社が担当する自治体の階層別研修では、消防士の方々が受講者になることがよくあります。消防士は採用されてから1年ほどの訓練期間を経て現場に配属されます。「訓練はとても厳しく、辛いときもありましたが、訓練で身に付けたことが現場の活動のすべてを支えています。」一人の受講者の言葉です。

消防の仕事に限ったことではありません。どんな職場であってもまったく同じことが言えます。昇格して一段高いレベルの仕事をこなすためには、しっかりとしたトレーニングが必要になります。「昇格したら自動的にワンランク上の仕事ができるようになる」などということは絶対にありません。

だからこそ、どのような組織においても研修を含め昇格時のトレーニングは極めて重要なのです。

「地位が人を作る」のではなく「人が地位を作る」のです。

人材育成のホームページ

 


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。