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第929話 テレワークは管理職選別の場

2020年06月14日 | 研修

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

緊急事態宣言が解除されて、徐々にオフィスに人が戻りはじめています。中には、今まで在宅勤務を強いられていたせか、晴れ晴れとした表情の人たちがいます。それは特に管理職に多いようです。

ところが、今回の在宅勤務の期間が「管理職選別の場」となっているようです。

次は、ある中堅商社の若手社員の話です。「うちの部の上司は、会社が在宅勤務に移行してからやたら細かい指示を四六時中出すようになってきました。」「それも、どうでもいいようなものが多かったです。」「どうやら自分の目の届かないところで何をやっているのか、不安に思ったのでしょう。」

私が問題だと思ったのは、次の言葉です。「その上司は細かいことを言ってくるのに、自分は何もしないのです。それがすごくイヤです。」

聞いてみると、どうやらこの上司はテレワークが苦手なようで、ZoomやTeamsのような遠隔会議も上手く仕切れず、役員に提出する報告書も要領を得ない内容になっていたようです。

それでもこの上司、オフィスで仕事をしているときは書類に目を通したり、部下を呼びつけて指示を出したり、会議を仕切ったりと、とても忙しそうにしていたそうです。それがテレワークに移行したとたん、空回りをはじめたわけです。しかも、テレワークでこの部の仕事の生産性が下がることはありませんでした。

つまり、この上司は「不要不急の管理職」だったということが、はっきりしたわけです。

テレワークを通じて、ほとんどの部下がそのことを認識しました。当然経営者層もそのことに気づきました。

この会社は、先週あたりから徐々に出勤体制に戻りはじめました。この上司も晴れ晴れとした表情で出勤してきました。しかし、上司を見る周囲の目は明らかに変化していました。

「不要不急の○○部長」そんなレッテルが貼られてしまったようです。

今回のコロナ禍をうけて、役員たちは早急に会社の運営構造を変えるべく検討に入りました。いずれまた同じような事態が生じることは十分考えられるからです。それもごく近いうちに。

新体制下で、この○○部長は今のポジションから外されることが決まりました。それも事実上の降格です。

こうした話は他の会社でも、ちらほら聞こえてきます。

「選別」されてしまった管理職の方々には申し訳ないのですが、コロナ禍を通じて会社の強靭化が一歩前進したようです。

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