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第926話 対面せずに新規顧客を獲得するには

2020年06月03日 | コンサルティング

「すべての社員がイキイキ働くようになる」仕組みと研修を提供する人材育成社です。

「新規の営業活動がしにくくなりました」

これは先日、知り合いの営業パーソンから聞いた言葉です。彼は続けて、「既存の顧客に対しては、ZOOMなどのオンラインで打ち合わせができていますが、新規の顧客の開拓が難しい。テレワークでない会社も結構あるので、電話はある程度はつながりますが、その後の訪問ができないですから。対面せずに顧客にできるのでしょうかね?」とも話してくれました。

「営業は足で稼ぐ」と表現されることがあることからもわかるように、これまでは飛び込みにしろ、アポをとってから訪問するにしろ、営業では直接対面することに重きが置かれていました。そうしたこともあり、顧客への訪問件数を営業会議で発表させたり、件数自体を評価の対象にしたりしている会社も少なくないようです。

今後、コロナウイルスの流行はいずれ終息するにしても、働き方においてはテレワークの割合が高まっていくことは明らかです。こうした流れの中では、営業活動の方法も大きく変わることになるでしょう。

しかし、冒頭の営業パーソンの言葉のように、訪問せずに新規顧客を獲得することは簡単なことではありません。

事実、2019年にHubspot Japan社が経営者や社員を対象に行った調査(「日本の営業に関す

る意識・実態調査」)では、営業担当者の訪問を希望する人が60.7%と高い割合を示しています。その理由は「顔を見ずの商談には誠意を感じない」(35%)がトップで、営業担当者の顔を見ると安心感がある(24.8%)が続いています。

自分自身に置き換えて考えてみても、初対面がオンラインの場合に、その営業パーソンから商品を購入するかどうかを考えると、確かに難しいかなと感じます。もちろん、オンラインであっても複数回話をする機会があれば、信頼感も徐々に高まり購入につながることもあるのでしょうが、それにはある程度は時間がかかりそうです。

また、既存の顧客の場合には、時々「ここだけの話」を聞かせてもらうことがありますが、これもたとえ信頼関係ができている相手であっても、対面でない場合にはそういう非公式の話はあまりしないだろうなと感じます。(そもそも、「ここだけの話」をする際には体を寄せて小声で耳打ちしたりしますが、オンラインではそういう場面は想像しにくいですね)

さらに、新規、継続顧客のどちらであっても、値引きの交渉を受けることがありますが、これも今のところは直接対面する形でないと「腹を割った交渉」は難しいように思えます。

今後、冒頭の話のようにテレワークをはじめとして働き方、営業方法は変わっていかざるを得ないのは確実でしょう。対面せずに新規の顧客を得るための、また既存の顧客との関係をさらに深めるための営業活動をどのように進めていくか、今後の大きな課題になりそうです。

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