行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

山都のそばのルーツ「宮古」に行ってきた

2020年07月21日 | 食(グルメ・地酒・名物)


「宮古」といっても岩手県三陸の宮古ではない。福島の山の中にある「蕎麦(そば)」の里・宮古である。
前回お客様をお連れしたときにでも行きたいと思っていたところだったが、急に予定変更となったため、今回、磐越西線のボルチモアトラス橋を巡る一人旅で、訪れることができた。いやいや、こっこがかなり人里離れた山の中なんですねー。

宮古のそばは、今や押しも押されぬ蕎麦の一大産地で、そば屋がひしめく「山都そば」の原型。飯豊の清流と高知で栽培されるそばの実をが使われる。
製粉の歩留まりを70%以下に抑えて、100%そば粉が宮古の、そして山都のそばのスタイル。そばの実の中心部を使うため、白く口当たりもいいものの、つなぎを使わないため、ソバを打つのは大変な作業となる。

宮古という集落では、あまり人が訪れないこともあって、客人を歓待するために各家庭でこの上等なそばを振舞っていた。食堂とかがないもので、工事関係者あ県職員などが、農家にお願いしてそばを食していたようだ。
それがいつしか評判を呼ぶようになって、山都町(現・喜多方市山都)の町おこしとして、町ぐるみでそばを全面的に押し出した。昭和50年代になってからのことだそうだ。



宮古集落では8軒ほどがそば店をやっている。どっれも民家改造型の店で、そこに住む人がそばを打っている。
今回その中から「権三郎」にお邪魔する。多分、宮古の中心くらいに位置する場所。田舎の農家らしく、広い玄関に続き間座敷、中央には囲炉裏があって、立派な仏壇も置かれている。
実は他に狙いを定めていた店があったのだが、コロナ禍の中休業中(他店でも休みのところがあったようだ。)。昼過ぎにもかかわらず、権三郎も、広い座敷に客は私一人だけ。まあ、平日の雨の日だから、外でも人には会わなかった。

お店には店主(?)の奥さん一人だけ(この人が、関口榮子さん?店に飾られた表彰状にあったお名前)。お勧めを聞いて、会津地方の郷土料理が付く「夢見そば」というセット物を注文する。
季節の山菜の天ぷら(何の葉っぱか分からいものも)、刺身こんにゃく(思ったより柔らかい)、ニシンの山椒漬け(思ったより半生)、そして会津と言えば「こづゆ」が付く。

そばはご覧のように確かに白い。口当たりは最高!何でも、「水そば(水に浸かって出てくる、又は水を付けて食べる)」というのがあって、もちろんつゆも付いてくるのだが、最初はそのまま食べてほしいと言われた。(そばが小さく見えるが、器の底が深く、結構ボリュームがありました。)
そばのみの外側の部分を除くため、ソバの香りを楽しむには、何もつけずにまず食べてその口当たりやのど越しとともに、本来のそばの味を確かめてほしいというところか?はい、十分堪能しましたよ。

コメント
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