行き先不明人の時刻表2

何も考えずに、でも何かを求めて、鉄道の旅を続けています。今夜もmoonligh-expressが発車の時間を迎えます。

行ってきました!秋田・尾去沢鉱山

2020年07月04日 | 土木構造物・土木遺産


緊急事態宣言が解除され。都道府県間の移動が解かれる頃、秋田県鹿角市の「尾去沢鉱山」に行く機会をいただいた。近代産業遺産で、土木学会選奨Aランクの遺構だ。(ここのところ、近代遺産の話が多くて恐縮です。)

弊社東北支店が管轄する建設現場視察のため、仙台から秋田県北秋田市への移動。仙台からは東北自動車道を北上し、秋田県北部に入るコースが時間的にも、クルマを運転するストレス軽減にも良いようだ。
降りるインターチェンジは花輪八幡平IC。鉄道ファンにとっては、JR花輪線が気になるところだが、近代土木遺産を調べてみると、あの尾去沢鉱山がすぐ近くにあるではないか?これは、少し時間を要しても見学するべきと思い、山間の道を10分ほど駆け上がったところに、レストランや資料館など様々な施設が立ち並ぶ場所に到着。

施設群のその奥に、坑道が静かに構えていた。江戸時代には金も採掘されたそうだが、ここは鉱脈型銅鉱床で知られる尾去沢鉱山・石切沢通洞坑の入り口だ。
外は蒸し暑いのに、坑道の中はヒンヤリをを通り越して寒いくらい。佐渡金山と同じく、各所に手掘りの跡や落石防止の木組みの坑道がアリの巣のように奥まで続く。各鉱山は、明治に入って近代化が進んだのだが、それ以前の時代においては過酷で、危険な採掘作業があったことは容易に想像できる。
佐渡金山と同じく、採掘作業などを再現するため、人形などが配置され、所々で解説のアナウンスなども自動再生される。

運営会社は、なんと「ゴールデン佐渡」。佐渡金山と同じ会社。この地に来て「佐渡」の文字があるので目を疑ったが、三菱マテリアルのつながりということのようです。(岩崎家から三菱合資会社、三菱鉱業へ)



近代化産業遺産に認定されている尾去沢鉱山だが、土木遺産としてランク付けされているのは坑道ではないんですよね。鉱石を取り出すための選鉱場関連の施設がそれ。坑道巡りに時間を費やしていたら、危うく見逃すところでした。
特に、選鉱場(跡地)がAランクのほか、大シックナー、発電所、煙道・煙突なども登録されている。佐渡金山の北沢浮遊選鉱場と同様、日本の近代化を支えてきた施設群である。廃墟マニアにはたまらない光景なんでしょうね。(近くに行けないため、シックナーなどの施設は確認できなかった。残念。)



尾去沢鉱山事件(採掘権問題)、沈殿貯水池の決壊事件、閉山後の重金属を含んだ廃水問題など、負の部分も多い鉱山でもあるが、見学施設内では、あまりこのことは触れられていない。



コメント
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