Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

今頃年忘れ映画ベスト23!

2008-01-10 21:33:13 | cinema
やや機を逸してしるわけだけれど、昨年の、というか2007年ワタシが観た映画の中から印象に残ったものを勝手に振り返る大会~~っ
完全順不同ベスト23。
(★は劇場鑑賞、無印はDVD鑑賞)

パンズ・ラビリンス
 ベスト3には入るであろう秀作でした。リアルとファンタジーについて体感的に考えさせてくれました。泣いたし。

ブレードランナー・ファイナルカット
 これは世代的にまったく冷静には観れない。大画面デジタルリマスターで見て大満足。画面いっぱいに広がる広告船に涙する。

アカルイミライ
 邦画で意外と心に残り続けた作品。棄景の冷徹さに対置したときの日常的風景のおぞましさにはっとする。

花とアリス
 基本女の子大好きですから、これも好き。鈴木杏ちゃんのアップ演技に惚れる。蒼井優もよし。

ライフ・イズ・ミラクル
 クストリッツァ体験年だったわけだけど、ひとつ挙げるならばこれにしたい。旺盛な生命力、歴史の悪夢を生きる人間の悲喜、華麗な動物使い、といったクストリッツァらしさがよく調和して、作品として特別な全体性があるような気がするのだ。

ヤンヤン・夏の想い出
 これは予期せぬ出会い。すばらしい映画だったな~。エピソードの非特権的充溢という手法がこんなにも有効だったとは。日常こそ偏在するドラマなり。

シンドラーのリスト
プライベート・ライアン
ミュンヘン
戦場のピアニスト
 この4つは勝手に「20世紀史可視化プロジェクト」と位置づける。なにをどのようにどこまで見せるかという、現実認識という名の虚実のボーダーを冒険する。その態度によりスピルバーグとポランスキーの違いも際立つ。

インランド・エンパイア
 リンチファンのためのリンチ映画。いや、ファンをも足元をすくわれるようなフックのないメビウスの輪。でもこれによって「マルホランド・ドライブ」や「ロスト・ハイウェイ」を読む視点というのが浮き立ってきたようにも思う。メビウスの輪としての時空=映画。

サンセット大通り
 「インランド・エンパイア」つながりでこれを観た。撮影所、落ち目の女優、ハリウッドドリーム。物語の設定と、キャストや監督をめぐる現実が密接に関連していてめまいがする。因縁を映像化したものを観たような印象。

二十四時間の情事
 ヒロシマとフランス。巨大な惨劇と微小な惨劇を二人の人物の出会いの中で対置することで、耐え難い時代としての現代を生きることの辛酸が滲む。

街のあかり
 ダメ男三部作のひとつ。いやダメ男ではなかったか(笑)普通に生きていたいだけなのになんだかダウナーなスパイラルに落ち込んでいってしまうのは、いったいどういうメカニズムなの??という、素朴な問い。

パラダイス・ナウ
 テロはYESかNOか?という単純な問いしか持ちあわせない社会には、この映画を注入しよう。自爆攻撃とテロの違いを30字以内で述べよ。

バベル
 これはな~。好き嫌いを別にしてなんだか印象的だったよ。閉塞。閉塞。閉塞。ワールドワードテレコミュニケーションの時代に、人々はそれでも溝を生めることができないでいる。未来の明に注目したのが「WEB進化論」ならば、暗に注目したのが「バベル」か。

はなればなれに
 ゴダールを結構見たのでどれか1本ということでこれを。アンヌたちのダンスのアンニュイが忘れられない。

マリアの受難
 これもベスト3入りか。「パフューム」よりもずっといい。女性の成長の明暗戯画。ハエのコレクション。張り形の友達。家具の裏に詰め込まれた自分宛の手紙。不安の中を成長した女の心の闇。長編デビューでこれ。ヨーロッパの底力。

善き人のためのソナタ
 舞台が80年代というのに驚く。高度に情報統制された社会を、やはりそこを生きる個人の姿に濃縮する。主演男優の急逝も惜しい。


 これまた黒沢。今日本で怨念が巣食う場所といったらどこか、という問いは、現在もっとも歪んだ土地はどこだ、という問いであり、それは水溜りのある湾岸だった。その着眼に1票。

13回の新月のある月に
 去年はファスビンダーも観たなあ。アウトサイドを生きざるを得ない人間に、まったく感情移入を排したまなざしで触れる。その冷徹な愛情は右に出るものなし。自ら掘った穴に落ちてゆく者たち。これを他者と呼びきることが私たちにはできるだろうか?

ロード・オブ・ザ・リング3部作スペシャルエクステンデッドエディション
 急に娯楽大作ですが。エクステンデッド・エディションをがんばって全部観たよ。基本こういう架空体系ものはあまり得意でないんだけど(体系を理解するのに時間がかかっちゃう)こんだけつきあうと大丈夫だね。雄大な自然をわたる英雄たちに素直に感動するも、こんなにお金と手間をかけてもいいものかなあ映画に・・という素朴な疑問も(笑)

デカメロン
 ま、パゾリーニは入れておきたいなということで。こういう批判も拒絶も恐れずわが道を行くよっていう映画はすごいよ。そういう映画をちゃんとみないといけないな。


なんつーような変な反省で終わったりして。
今年は仕事がはじまったので、鑑賞本数はぐんと減りますね~残念。




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