Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「小さな恋のメロディ」ワリス・フセイン

2020-12-28 01:14:56 | cinema

監督:ワリス・フセイン
出演:マーク・レスター |、ジャック・ワイルド、トレイシー・ハイド ほか
製作:デヴィッド・パットナム、デヴィッド・ヘミングス
原作・脚本:アラン・パーカー
音楽:ビー・ジーズ、CSN&Y


某所に「つまらない映画だがすごい好き」的なことを書いたら
一斉に「つまらなくなんかないぞ!」のお叱りを受けたこの映画。

もちろんつまらないとは思っていなくて、
「題材としては一般的には他愛のない少年少女学園恋愛モノであるので
つまらないと言うこともできるかもしれないがワタシにとってはとても好きな映画なんです」
みたいなことの、言葉が足りなかっただけなのですううう。

という言い訳から始まりまして、

映画を観るようになってすぐの少年の頃に、
小遣いで買うのはもちろん「ぴあ」でありました。
たしかまだあの偉大な表紙絵が始まる少し前に買い始めたと思います。
75年ころからあの及川氏表紙とのことなので、そのころ。

で、ぴあには「ぴあテン」「もあテン」という企画がありまして、
(あれはいつ始まったのだろう?)
当時の「もあテン」に上がっていたもののうち印象に残っているのが

 「2001年宇宙の旅」
 「明日に向って撃て!」
そして
 「小さな恋のメロディ」

でした。

当時はとにかくどこかの映画館で上映してくれるか、
TVでやってくれるか、
しか観る機会はないので、
「もあテン」を見て、みんな(少し大人の人たち)がこんなにまた観たいと思う映画ってどんなんだろう??
と憧れを増幅させていったわけです。

なので、ここに挙がった映画は、そういう個人的な増幅した憧れが
必要以上な思い入れとなって宿っているのだろうと思われ、
冷静に観ることができません(笑)


ということで、必要以上に思い入れのある本作。
リバイバル上映!という日がとうとうやって来て、勇んで映画館に行った、と記憶している。


それがいつだったのか。。
調べてみると1974年、1976年、1978年と、結構リバイバル上映してたんですね。
たぶん76年か78年に観たんだろう。
映画館は全く覚えていないが、銀座・有楽町エリアであることは間違いない。
リバイバルものなのでおそらくニュー東宝シネマ1あたりではないかしら。(懐かしい)

で、ググってみてついでに判明したのが、
76年にTV日曜洋画劇場で放映しているとのこと。
これを観ている可能性も非常に非常に高い(見逃すはずはないw)
(wikipediaに初回放送77年とあるが、当時の新聞切り抜きに基づき76年であると論証しているブログがありました。すごい。)

ということで、例によって、調べるほど記憶のいい加減さが際立つのでありました。

****

映画館で観た前後に、小説版書籍が刊行されておりまする。
もちろんこれも買ったわけですが、
主にこれのおかげで「アラン・パーカー」の名は脳に刻まれたのです。

また映画のパンフも買ったので、メイン出演者3人のほか
パーカーを始めワリス・フセイン、デヴィッド・パットナムの名前も記憶しました。

持っている小説本は、
早川書房から1974年に刊行のものですが、
映画を観る前に買っていたかもしれません。(十分あり得る)
 
1972年に近代映画社から出たのが邦訳として最初のようです。
普通にノヴェライズ本かと思っていましたが、
原作本は70年刊行のようで、パットナムの個人的体験をベースにしているとのことで、
かつ脚本(というか映画の内容)はビー・ジーズのいくつかの既成曲を前提に
その歌詞などからの着想もふんだんに盛り込まれているということなので、
映画脚本と同時に小説も進められたものではないかと推測。。
 
****
 
そしてなんといってもビー・ジーズ。
私はこの映画で初めて聴くわけです。
ビー・ジーズ
 
で、盛り上がっていると、
友人が「ご家族が持っているビー・ジーズのレコード」を貸してくれるのです。
なんて素晴らしい。。
 
それはベスト盤だったと記憶している。
「ニューヨーク炭鉱の悲劇」(だったか?)とか「ホリディ」とか「マサチューセッツ」とか。
 
そして、ご多聞に漏れず忘れた頃にサタデーナイトフィーバーが登場し
仰天することになるわけですが。。。
 
ついでというわけではないがCSN&Y
1曲だけ使われているのが彼らの代表作「ティーチユアチルドレン」
ビージーズほどはピンと来なかったのだが、
今はあの良さがわかる。
 
 
。。全然映画の話にならん。
 
抑圧的な教育とか、権威主義的な暴力とか、格差社会とか、貧困とか、富裕層の欺瞞とか、
色々なテーマを盛り込んであって、
またそのカウンターとしての爆弾テロ(?)とか、音楽(サブカルチャー?)とか、サボタージュ(?)とか、
盛りだくさんの要素があるんだけど、
いずれも戯画的というか、
お伽話的なオブラートにくるまれている。
 
先鋭的というかほんとうにヒッピー革命的なことを求めていた人には
ぬるすぎる子供向けのものに見えるだろうし、
逆にそういう先鋭的な世の変化を甘い表層にくるんで、
甘いもの好き層に届けようとしたように見える。
 
過激な真剣さはなんとなく馴染めないが、
鬱屈した社会をさらっと変えてゆくことにどこか別世界的な憧れがある感じがする日本でこの映画が受けたのは、
そういう微妙なところを突いた感じがあるためではないかしら。
とふと思う。
 
『小さな恋のメロディ』 予告編 Melody(S.W.A.L.K) Trailer 1971年
 

サントラCDが今も普通に買えるのがすごい。。

で本

 

コメント
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