Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

猫沢エミLE CAFE DU BONBON LIVE

2006-05-30 18:31:23 | 猫沢エミ
猫沢エミさんは歌を歌っている時、どこを見ているのだろう。
そのまなざしはどこか遠く、ここでないどこかをじっと見つめているようだ。
どんな会場でも変わらない、遠いまなざしが印象に残る。

**

代々木八幡ちかくのLE CAFE DU BONBONは、製菓教室とカフェを営む小さなアトリエ。
おそらくはインターネット予約で集まった30人ほどのお客を前に、
猫沢さんは、最近のなかで一番ゆる~いライブをやってくれました。

最初はカフェの主宰者、クボタユキさんとのトークタイム
猫沢さんのトークはいつもひよひよの綱渡りを見ているようでハラハラ。
でもなごやかにゆるやかに時は流れる。
猫沢さんはパリに住んでもう4年。4年かあ。
ここまできたら、もうパリも東京も関係ないのでは?という話になる。
うん、そうかもしれない。どこにいても猫沢エミでいられるのだろう。
その力強さにうたれる。

**

トークのあとは、ギターの円山天使さんとのミニライブのはじまり。
ギター一本とパーカッションでちゃんとグルーヴもサウンドもできていていいなあ。

L'ete de la vie~夏の模様~
Le Monde~私の世界~(Necozawa+Antonio Carlos Jobim)
The Return of Alan Bean(Stina Nordenstam)
c'est vous sur le pont
Les Cafes
Mon petit chat
ノワイエ(Serge Gainsbourg)
T'en va pas(エルザ)
Marshmallow-Waltz
Mandarin World

こんなとこだったかな?
マシュマロワルツは、むかーしクアトロワンマンのときに聴いて以来じゃないかしら??

**

ライブ後、猫沢さんにぷちインタビュー敢行!!

 Q1:マシュマロ・ワルツを歌う時は、泣かないようにバカボンのパパを思い浮かべながら歌う、
    と昔言っていたが、今日もそうか?
 A1:(一笑に付し)昔はそう言っていたが、今はそんなことはしない。
    歌う側が泣いてしまわないようには努力する。
 (↑われながらアホなことを訊いてしまったもんだ)

 Q2:「イエスコリの橋」の歌の作曲者は誰か
 A2:コード進行は須永辰緒氏、メロディは猫沢である。
    須永氏の考えで、作曲もアレンジもみんな含めて印税配当を受けるべしということで、
    クレジットはSunaga 't Experienceにしている。

インタビュー終わり。

う~ん、もっと訊きたいことがあったよなあ。
そもそも「イエスコリの橋」ってなんだろう?ネットで検索したけれど、自分のブログだけがヒットしたという(笑)

まあいいや、次回また訊こう。

**

猫沢さんは今後は年の半分は日本で活動するくらいにだんだん軸足を移していこうという考えとのこと。
今後会う機会も増えそうでウレシイことです。

というわけで、リラックスしたゆる~いライブでした。
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リドリー・スコット「ブレードランナー」

2006-05-28 23:31:40 | cinema
ディレクターズカット ブレードランナー 最終版

ワーナー・ホーム・ビデオ

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1982/1992 アメリカ/香港
監督:リドリー・スコット
原作:フィリップ・K・ディック
特撮:ダグラス・トランブル
デザイン:シド・ミード
音楽:ヴァンゲリス
出演:ハリソン・フォード、ルトガー・ハウアー、ショーン・ヤング、ダリル・ハンナ

「ソラリス」の口直しというとなんだけれど、まあ観たくなって観た。

82年公開版をずっと以前に観て、ディレクターズカット版は初めて観た。
さすがに細部は憶えていないが、ほとんど記憶のとおりで、ディレクターズカット版と当初公開版がどこがどう違うかはまったくわからなかった。

こうしてぼんやりした私の映画体験は頼りない澱となって心のどこかでさまよっちゃうのだ。

**

で、やはり、この未来都市ビジョンは群を抜いている。
さまざまな言語が飛び交う、雑然と混交した文化の姿としての、異様に騒然とした街路のえも言われぬ魅力。
ひたすら降りしきる雨(酸性雨だと信じたい)
すこしもスマートでなく薄汚れた建物や乗り物。
これだけの都市像を作り上げたチームに、いまさらながら感心する。

ルトガー・ハウアー扮するレイの最期は、最初観た時の印象ではもっと神秘的、
聖なる一瞬というイメージだったな。
デッカードを助け、死期を悟り、鳩を放つ。
人間とアンドロイドの境界はどこか、感情や精神性とはなにか、人間性とはなにか。
そういう原作の持っている問題提起を、映画ではなんとかもうしひらきのできる程度にすくいあげているが、そのたよりなさも、このレイの最期のシーンの聖性ですべて帳消しになっているように思う。
それだけの象徴性を鳥の映像はもっているのだ。

一方レイチェルの行く末は、こんな結末だったかなあ?
ここがよく思い出せないところ。

同じ寿命をもったレプリカントだとすると、それに与えられた記憶というものの物悲しさ。
所詮過去は与えられた記憶と大差ないのではないか。
私たちは記憶を日々再構築してそれにすがりながら生きている点で、レプリカントと変わるところはないのではないか。
そんなはかなさを、映画ではただデッカードの部屋にある大量の過去の写真や、
レイチェルの持っていた「幼い頃の」写真を映すことで表現している。

そんな具合に、なにか説明を超えたところに映像の力がある、そんな映画だと思うのだ。

**

とはいっても、やっぱり原作の面白みとはだいぶ違うものになっている。
別物だ。
「フィリップ・K・ディックの思い出に捧ぐ」というエンドタイトルもむなしく・・・
フォークト・カンプフ法(だったっけ?)テストの面白さも、未来社会の心性も描ききれていない。
そこまで踏み込んでいたら、もっといい映画になっていただろう。

我々は本当の意味で「ディックの映画化」といえる作品に巡り会うことができるのだろうか。
(まずは「スキャナー・ダークリー」に期待か?)
コメント (8)
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スティーヴン・ソダーバーグ「ソラリス」

2006-05-27 17:42:52 | cinema
ソラリス (特別編) [DVD]

20世紀フォックス・ホーム・エンターテイメント・ジャパン

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2002アメリカ
監督:スティーヴン・ソダーバーグ
出演:ジョージ・クルーニー、ナターシャ・マケルホーン
   ジェレミー・デイヴィス、ヴィオラ・デイヴィス、ウルリッヒ・トゥクール

いや、退屈な映画を見てしまった^^;

もともと心配してたんだ。
「セックスと嘘とビデオテープ」を公開時に観て「苦手!」と思っていらい手を出していなかったソダーバーグに、どう考えても映画化の難しいスタニスワフ・レムの「ソラリス」、この組み合わせ・・

監督自身がメイキングで語っているように、この映画はラブ・ストーリーであって、他の何モノでもなかった。
ラブ・ストーリーが悪いとは全然思わないし、むしろ好きな方である。

でもこの映画は・・?どうなんだろ

メイキングで製作のジェームズ・キャメロンは自信をもって「これはリメイクではない」と言い切っていたけれど、原作の持つ多様な深みをそぎおとして、個人の愛情、罪悪、後悔、喪失感というものにのみスポットを当てた、という点では、むしろタルコフスキーの映画に対する姿勢に通じるモノがあるだろう。という意味では積極的なリメイクとみたほうが適切なんじゃないかと思った。

それにしても、ほとんど映画的興奮とはほど遠いつくりにはかえって驚きである。ソダーバーグなりのリアリティなのかも知れないが、あの整然とした宇宙ステーション内部は、タルコ版ソラリスやブレードランナー、エイリアンを経た21世紀にあって、どんな意味のある美術だったのだろうか。

始終バストショット切り返しばかりの地球の回想シーンは、差し挟まれるたびに、ああまたか・・・という気分になる。まあ原作やタルコ版を観ているから、解説的なシークエンスはいらない!と思うだけかもしれないが・・・

ラストの設定もすこしもひねりがない・・・というか、明らかに反レム的(そしてタルコフスキー的)指向をもったエンディングだし、同じ構想を持つなら、タルコ版は偉大だったなぁ~という感慨を禁じ得ない。

タルコ版も同じように、個人の記憶、愛情、罪と罰、後悔、そしてそれに直面した時の弱さと選択についての映画である。
が、タルコ版のほうがよっぽど深い。というか、すっかり自分の世界にしちゃっている分見応えがあるというもの。

***

だいたいジョージ・クルーニーの顔があたしゃ気にくわない。
なんというか、シェービング・クリームくさい顔なのだよ。
後悔しても苦しんでもなんだか真実みがないのです。

妻役のナターシャさんも、悪くないんだけど、どうしてもタルコ版のナタリヤと比べてしまうと、圧倒的に神秘性に乏しい。人間の愛や苦悩を一身に受け止める役にしてはちょっとふつうのひと過ぎるよな~

そう考えると、スノー役のジェレミー・デイヴィスの、ひとりだけ異様でしかし妙に地球くさい過剰な演技は、奇妙に突出していて面白かったかも。このくらいの楽しみがないと最後まで観てらんないです。

う~ん、やっぱりソラリスであるからには「SF」が観たかったなぁ・・・

<追記>
そうそう肝心なことを書き忘れた。
ラストの妻さんの態度はちょっとないんじゃないか?
あの開き直りは・・・いったいこれまでの苦悩はなんだったの?
ぜんぶちゃらで新しい人生ってことですか?
そんな無茶なぁっ!


コメント (3)
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スティーヴン・スピルバーグ「宇宙戦争」

2006-05-24 04:56:01 | cinema
宇宙戦争

パラマウント・ホーム・エンタテインメント・ジャパン

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監督:スティーヴン・スピルバーグ
原作:H・G・ウェルズ H.G. Wells
出演:トム・クルーズ、ダコタ・ファニング、ジャスティン・チャットウィン

おくればせながら、というか、なにも考えなくてよさげな映画を観たい~と思ってのチョイス。
巷ではいろいろいわれているようですが、私的には結構気に入りました。

原作にある、非常時で緊迫感がありながらも妙にほっとした時間がある感じとか、人があっさり殺されていく感じとか、逃げまどう群衆のどこかのどかな荒れ具合とかが、時代は変わりながらもそれなりに再現されていたように思うし。

ラストも原作読んでないと「なんだこりゃ?」と思うかもしれないが、結構SF的には正しい結末ではないかとわたしは思うのだ。
(とはいえ、人類が誕生する前から侵略を仕組んでいたという設定の割には、エイリアンよ、準備が足りないんじゃない??映画では「火星」とは明言していないけれど、逆に思いつきで侵略したという発想の方がラストは生きたかも・・)

かえって原作にはない、異星人が家の中を物色するシーンとか、メカニックで生物的な眼+腕みたいなのに追い回されるところとかは、正体不明の異性物という存在感を矮小化しちゃったかなあと思って残念。

でも特撮は地味ながらも随所でかなり凝っていると思う。
地中から「三本足」が出てくるシーンの地割れが建物におよんでガラスがパーンと弾けとぶところとか、
建物の亀裂のはいりかたとか、なかなかリアルな感じ。

あと全体的に、雲は多いんだけど日差しはさしていて、でも薄暗い、という画面のトーンがなかなか良い感じだ。

**

さてと、
19世紀に書かれた原作に特徴的だったのは、情報の伝わり方を克明に描写していたこと。
列車、電報、新聞という当時のメディアによって、事の次第は(現代からみると)非常にゆっくりと伝わる様が描かれていて、一種のメディア論になっていたところ。

スピルバーグの映画ではここのところはバッサリとそぎ落とされている。
むしろネットワークの機能停止でまったく役に立たないマスメディア像を、ネットから弧絶してしまったTVクルーによって描いている。
湾岸戦争以来の、現代の有事におけるマスメディアの機能を描かなかったのは、それだけ異星人の侵略規模もしくは質が世界的かつ徹底的だったことを表現したのだろう・・・かな?
(の割には、ボストンの街は壊滅に至る前になんとか救われているあたり、侵略は結局局所的だったんじゃないか?とも思わせるなあ)

・・・なんとなく、擁護のしにくい作品ではあるな(笑)

**

ダコタ・ファニングは、必要以上に演技してなくて、普通のこどもらしくて好演。
トム・クルーズも果敢に行動するわりにはピーナツバター塗りたくったパンを投げたりして抜けている。
別にトムじゃなくてよかった。70年代ならダスティン・ホフマンあたりがやりそうだ。

子供はもう一回観たいと言っている。



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↑なにとぞぼちっとオネガイします。
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痛飲・・・いや通院日

2006-05-22 13:02:27 | movelog

今日は通院日
通院日を月一回にして2ヵ月目
日を忘れてしまいそう

朝出勤前に頭と体が重くなること、
それで2日休んでしまったことを話す。

出かけようという気持ちに体が着いていかないとしたら、その朝の重苦しい感じは、精神的なものではないかもしれませんね

ということで、後に残りそうなクスリを削ってみることに。

期せずして減薬だ!

とりあえず夜飲んでたドグマチールをカット
それから夕方飲んでるアモキサンとレキソタンを飲む時間を遅らせて、夜のアモバンをカット。

これで朝がすっきりすればこわいものなしだ!

・・・・・・・・

怖い物なし?
とんでもない、世の中怖い物だらけだ。
一番怖いのは人間
なに考えてなにするかわからない
人間に毎日会ってすごさないといけないなんて、なんて厳しいことだろう。

ふと思う
ホヤみたいな存在がよかったな
動かず知らないうちに育ち知らないうちに朽ちてゆく
食べられてもいいから

スタバで猫沢エミをききながらホヤの夢を見る・・・・・・

あ・でもドグマチールやめたら太るのがストップするかも)^o^(
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ビヨーク「サラウンド」

2006-05-20 11:30:24 | music
サラウンド

ユニバーサルインターナショナル

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ビョークのオリジナルアルバムのボックスが出るらしいです。
CDとDVDのデュアルディスクで、
DVDサイドには5.1サラウンドミックスと数曲のビデオクリップが入るようです。
これで1万円ちょいなら買おうかな。
うちには5.1ミックスが聞ける環境はないんだけどさ・・・
ビョークのDVD/CD BOX
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サミュエル・R・ディレイニー「アインシュタイン交点」

2006-05-16 21:55:43 | book
アインシュタイン交点

早川書房

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タイトルから勝手にハードSFっぽいのを想像していたのだけれど、見事に裏切られた。
そもそもタイトル自体、原著出版時に編集者によってえいやっとつけられてしまったものらしい。
著者の想定していたタイトルは、
A Fabulous,Formless Darkness
「摩訶不思議な混沌とした闇黒」
だそうで、なるほどぉこっちのほうが絶対しっくりくる!

というわけで、裏切られたけれどそれはそれで大変面白かった。
物語というよりは、叙事詩に近いかもしれない。
論理的な表現よりも曖昧さの力を求め、
まっすぐな物語よりも曲折する状況や思いを信じるような作風。

わかるかわからないかというと、一読ではさっぱりわからんというのが正直なところ。
深読みをいくらでも許す小説で、う~んと、感覚的には60年代の幻想的な映画を観るような感覚。
そう、映画にしてくれれば結構のめりこんで何回か見返しそうな作品だと思った。

<カバー裏表紙解説を引用>
遠未来の地球。人類はいずこへか消え失せ、代わりに住み着いた異星生物が懸命に文明を再建しようとしていた。ロービーは人の心を音楽で奏でることができる不思議な青年。恋人の死を契機に旅に出た彼は、古代のコンピュータ、ドラゴン使い、海から来た暗殺者など。様々な存在との出会いを経て、世界の大いなる謎を解き明かしてゆく・・・<引用終わり>

おお?世界の謎を解き明かしたのか?そうだったんだ~気が付かなかった(^^;)
なにしろ冒頭いきなり「フィネガンズ・ウェイク」からの引用(しかもスペルをいじくってある)とかではじまり、随所でイエイツだのチャタトンだのディキンスンだのロートレアモンだのの言葉が引いてあるし、いきなり著者の日記は挟まれるわで、もう大変。

この作品でネビュラ賞を受賞しているんだけれど、ネビュラ賞、ふところ広い!

ジーン・ハーロウとかビリー・ザ・キッドとかいろいろと登場するんだけれど、なぜかみ~んな早死にした人ばかりっていうのも気になるし。

Something elseっていうのはジャズ語で「いかしたやつ」とかいうニュアンスがあるんだってのも初めて知った。
キャノンボール・アダレイの名盤があるよね。

再読したい本です。
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夢こそがすべて・・ニキ・ド・サンファル展

2006-05-15 13:06:31 | art
於:大丸ミュージアム東京
5月11日~22日(月)

没後初の回顧展ということで、初期の絵画作品にはじまって、ニキの創作の軌跡を追った展示だった。



有名な「NANA」のシリーズを見るといつも「土偶」と思ってしまう。
大地豊穣の母、グレートマザーのイメージ。

しかしこの豊穣は、伝統社会や文明のなかで培われたものではない。
ニキという個人の内面を徹底的に掘り下げた結果出てきた物なのだ。
そこがすごいと思う。

神経症からの癒しとして描かれた初期の絵画から、
グロテスクなオブジェ、射撃絵画といった前衛の時代を経て、
NANAに代表されるポップでユーモラスな立像へ。
その軌跡は、内面の吐露から、それの破壊、そして再構築、その絶えざるくりかえしだったのだ。

特に前衛の時代は壮絶だ。内面にかなりぐちゃぐちゃ詰め込まれたものがあって、しかもそれを一度ならず何度か打ち壊しては再構築していったんだなあ、とそんな印象だ。

また、「力」というリトグラフのシリーズがあって、獰猛な竜に手綱がついていて、それを女性が握っている絵柄のシリーズ。
女性(=自分)の内面には獰猛な竜がいて、女性は御しがたいそれをなんとか手なずけていく、という構図は、
ニキの内面の激しさとともに、それを自覚しつつ、ポップで包容力のある作品として昇華していった彼女のしたたかさを感じさせた。


夫となったジャン・ティンゲリのことば、「技術ではない、夢こそが全てだ」という言葉のみに勇気づけられて、原初の衝動やただひたすら自分自身をみつめることによって、自由な女性としての豊穣や成熟の表現を、ひとり黙々と発見し表現していったニキの軌跡がよくわかる展示だった、という点ではなかなか成功した回顧展ではないかしら。

ただ、大型の作品の数が少なく、物足りない。
会場のキャパの問題もあろうが、神秘的でユーモラスでもある古代の神々の像とかがあったらもっと全体像がつかめただろうと想像する。

まあ、また機会があったら那須に出向くのもいいかも。
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寒いけどアンサンブル

2006-05-13 18:06:40 | movelog

恐怖の弦楽アンサンブル
リハーサルも今日を入れて残すところ2回(汗)
助っ人のチェロとビオラも入り強力に・・・

助っ人?

・・・どこを弾いているのかわからなくなっちゃうチェロが加わりますます混迷の度を深めるのでした(^_^;)・・・・

テンポも音程も危機的な2ndの上に浮き草のように漂う1stバイオリン
曲が進むにつれもつれてゆく音の糸
これぞ増大するエントロピー

こうなると一種の犯罪ではないか?
え~となんだ?「冒涜」だ(^_^;)

しかも人に聴かせようっていうんだから
度胸あるっていうか無鉄砲というか怖い物知らずというか身の程知らずというか僭越というか暴挙というか・・・・・

しかしですね、
こんなアンサンブルの中にもふとした瞬間に鳴り響く響きに、妙にしっかりした構造を見出だせたりもするんですよ。
ビオラと2ndバイオリンの掛け合いや和声なんかにキラリと光る瞬間があって・・・・
そのへん、さすがモーツァルトだよなあと。

これはちょっと7月に向けては個人練習頑張るかなぁ
一人で弾いててもイマイチつまらないんだけど

しっかし!
会費の他に「演奏会費」を取られた~さんまんえんも~
冒涜に費やすコストにしちゃ高すぎない?
今日の気温とともに財布の中身まで冷え切って帰る帰り道ですのだ・・・・・
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ヤン・シュヴァンクマイエル「短編集」

2006-05-13 04:20:34 | cinema
ヤン・シュヴァンクマイエル 短篇集

コロムビアミュージックエンタテインメント

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再観。
やはり「フード」の「ブレックファスト」が好きだな。
よくみると普通に動けばいいような人物の動きもすべてアニメーションでつくられていて、全編異様なたたずまいを持つ。

あと「フローラ」は非常に短い時間に凝縮された生命のエネルギーみたいなものを感じて、インパクトあり。

あとは過去記事と意外なほど同じ感想(手抜き・笑)

過去記事
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ハレーション!

2006-05-11 16:41:46 | movelog

つつじ満開

色と色のぶつかり

同じ個体のなかでのぶつかり

いきいきとしたぶつかり

自分がどうあろうと
変わらないぶつかり

はかなく 変わらない
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うにょ~~~っ

2006-05-11 12:21:34 | diary
駄目だぁっ
今日も仕事にいけない病で、
朝から惰眠。

ちゃんと6時頃には起きるのに、朝食を調子良く食べたあと、異常に眠くなってまた布団にごろ~~ん、ぬくぬく、ああ気持ちいい、ぐ~~~・・・・
・・・・
・・・・
・・はっ!と気づくと既に10時。

時ならぬ惰眠をむさぼる父の姿を横目で見つつ子供たちはしっかり学校に出かけて行ったらしい。
子供の方がよっぽどしっかりしている・・・くそお・・・

しかたがないのでおととい買ってきた「よつばと!」を読んでまったりする。
まったりしすぎてなんだか焦燥感に襲われる。
いや、なにやってんの?<自分

今日からニキ・ド・サンファル展だから、それに行くには絶好のタイミング。
だけど自分的にはとても億劫だ。今日は無理だ。どこにも行けない。
これはなんだ?ひきこもり?うつうつの発作?低気圧のせい?
四月中は調子良かったのにな~~~~~~

***

いままでこのブログはmixiの日記も兼ねていたんだけど、
そろそろ両者を分離しようかなと思う。
理由はとくにないけど、mixiの閉鎖的な世界はそのまま閉鎖的にしておいた方がいいんじゃないかなと思って。

というわけで、分離っ!
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ヤン・シュヴァンクマイエル「ジャバウォッキーその他の短編」

2006-05-10 22:31:47 | cinema
ヤン・シュヴァンクマイエル「ジャバウォッキー」その他の短編

コロムビアミュージックエンタテインメント

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比較的初期の、60年~70年代の短編を集めたもの。
作品にもよるが、わりとアニメーション度の低い作品が多く、それはそれで新鮮に思えた。

というか、アニメ度が低い分、実写度が高くなり、作品に含まれる悪夢感がむき出しになってしまっているような気がする。
「家での静かな一週間」や「庭園」では、他の作品でどこか感じられるばかばかしい滑稽さがなく、深刻な感じさえ受け取れる。

シュヴァンクマイエル全体を見渡した場合、ある程度初期の習作時代のものと考えることができるだろう。
とはいえ、壁ばかり描かれる「J.S.バッハ G線上の幻想」などは、環境ビデオ的にリピートしたい独特の暗いトーンが初期作品のそれなりの魅力を代弁している。

悪くない。
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A DAY IN THE LIFE

2006-05-09 16:36:00 | movelog

やってしまった
朝ごはんのあといつのまにか二度寝。
起きたら10時10分。
あわてて職場にTELして休暇扱い

やれやれ休暇少ないのに

しかたがないのでシュウァンクマイエルのDVDを観る。
観ながらまた寝る(^_^;

いいかげん疲れてるのか~?<自分

結局1時半
ヤポ用を思い出し区役所まで歩く
iPod連れて歩く
いいなあ
やはり自分、マイペース・ノーワークが自分らしい人間らしい

ま、たまにはいいか

途中新しいスタバ発見!
覗いてみるもちょと店内狭めでスルー
いつものホームグラウンドスタバGCOでスコーンタイム

いいなあこの根無し感



明日は仕事行こうね・・・・・・
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ヤン・シュヴァンクマイエル「アリス」

2006-05-08 13:02:03 | cinema
ヤン・シュヴァンクマイエル アリス

コロムビアミュージックエンタテインメント

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1988スイス
監督・脚本:ヤン・シュヴァンクマイエル
出演:クリスティーナ・コホトヴァ

浅草でシュヴァンクマイエルの展示と回顧上映&ご本人来日!イベントがあったんだけれど、なんとなくGWをだらだらと過ごし、行けず。
かわりにDVDで極私的シュヴァンクマイエル祭を実施。

シュヴァンクマイエル長編第1作の「アリス」は、ルイス・キャロルの「不思議の国のアリス」を、シュヴァンクマイエル独特のセンスで映像化したもの。
これを撮ったときに、ヤンはすでに50代。
やはり筋金入りのファンタジストなのだ。

彼の作品には非常に独特の間合い、クローズアップ、切り返し、ズームインがある。
極限までの細部のアップや、短いカットの連続、スピードのあるズームが、彼のグロテスクでどこかなつかしいオブジェ群に纏いつき、生命のうごめきをを与える。
そこに宿るディテールの魂に浸る。

妙なこだわりをじっくりと堪能する。
毎回取っ手がすっぽ抜けてしまう机の引き出し。
ウサギの腹の裂け目からこぼれ落ちるおがくず。
ウサギが懐(というか腹の中)から懐中時計をひっぱりだすときくっついてくるおがくずを払う音。
毎回おかしなところから出てくる部屋の鍵。
ト書きを喋るアリスの口の超アップ。
はさみをかみ合わせるときのシャキンシャキンいう音。
クッキーを食べるときの音。

そう、なにもかもとっても偏執狂的。
毛色はちがうけれど、その細部へのこだわりようはジャック・タチ的かもしれない。

***

などと考えたのは観た後のこと。
観てる最中はすっかり童心にかえり・・・
あの、部屋の隅っこのくらがりのがらくたにわくわくするような童心にかえって、
アリスの勇敢な冒険に見入ってしまった。
なつかしい子供の頃の、時間の止まったような夕暮れ時を過ごしたような気分。

なんていうのは、シュヴァンクマイエルを観たときの一般的な反応なのかしら??
古巣に帰った気分・・・

ヤン・シュヴァンクマイエル「ジャバウォッキー」その他の短編

コロムビアミュージックエンタテインメント

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ヤン・シュヴァンクマイエル「ドン・ファン」その他の短編

コロムビアミュージックエンタテインメント

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オテサーネク

ビデオメーカー

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ヤン・シュヴァンクマイエル 悦楽共犯者

コロムビアミュージックエンタテインメント

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ヤン・シュヴァンクマイエル 短篇集

コロムビアミュージックエンタテインメント

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ヤン・シュヴァンクマイエル ファウスト

コロムビアミュージックエンタテインメント

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