Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

パリ記14:オランジュリー美術館から最後の夜

2009-10-31 21:45:43 | パリ記2009
サンジェルマンから一度帰って・・というところで終わってましたね~
パリもいよいよ最後の夜ですよ。

****

9.21mon オランジュリー美術館へGO!
ステュディオにて排泄。荷物を降ろして体も気力も内臓もリフレッシュ。
やる気満々。
仕事では見られないこのやる気はどっから生まれるのか?

さて、15時ちょっと前。どうするか?そうだ、オルセーに行こう。やっぱりパリ3大美術館のひとつだしね。と、一応ガイドブックで調べてみると、あら~月曜は休みじゃないですか。。本当に休みか?という疑念がなくもないが、ここはあまり時間の余裕がないので信じることに。それではと考えた末、オランジュリー美術館に行くことに。モネの睡蓮をみておくのもよいだろう。

ふたたびバス21番でルーブルまで出て歩くことに。さすがにもうバス余裕~ルーブル中庭に停車するはずなので、ルーブル見えたら降りればいいんだもんね。余裕を持って景色を楽しんだ。

ルーブルに着き、カルーゼル凱旋門のほうへ歩く。思えばルーブルもこれで見納めだねえ。

カルーゼル凱旋門


見納めルーブル




オランジュリーはチュイルリー公園のはずれにあるので、公園を歩く。途中池の周りにバカンスな椅子がずらりと並んでいて、思い思いに寝たり本読んだりしてくつろいでいる。優雅でいいけど、直射日光がちょっとね~

池は暑いのにねえ


彫刻に混じってこんなものが


正面にコンコルド広場




ほんとうに公園のはずれまで歩かなければいけないので意外に遠かったが、なんとかオランジュリーの姿を見つける。
ここは入口の列が二つあり、立て札によりミュージアム・パスなどの優先列が表示されている。わかりやすい。

オランジュリー着いた



パンテオン神殿風のつくりの外観に対し、内部はきれいにモダンなつくりになっている。入口で荷物チェックのあと、カバン類はクロークに預けることになっている。リュックを預けると、係のムッシュが「ぱすぽーと、かめら?」と訊くので、預けないサイドバックに入っていると手振りで答える。

館内1Fは睡蓮の間で、自然光が入る二つのオーヴァルになっている。絵の色彩はまったく見事で、なんというか、地味なのである。実際池の風景ってああいう地味な色彩をベースにしているよなあと思う。

睡蓮の間


睡蓮~



地下階にはその他の収蔵品が展示されている。
ルノワール、セザンヌ、ユトリロ。フランス絵画の王道って感じ?
ルノワールの揺らぎ立つような生命力を初めて認識した。
ユトリロの素朴なパリの寒い空気を感じた。こじんまりとしていて、絵と出会うにはちょうどよい規模の美術館だと思う。
けっこう気に入った。

ユトリロ!いいっすね!!



ピカソやルソー、モディリアーニ、マチスなどもあり。
思わず売店で日本語の図録を買ってしまう。睡蓮の横長~なポスターも欲しかったが、家に貼るところがないのでやめる。

トイレを拝借しつつ、閉館時間まで繰り返し絵を眺める。ここがほぼパリの最終行程となったので、とても満足して終わる^^。

オランジュリー美術館のサイトは日本語ページがあると見せかけて
不思議なpdfが飛び出してくる。楽しい。
http://www.musee-orangerie.fr/




コンコルド広場
夕暮れのなか外に出る。木陰にベンチがあったのでちょっと休み、こんどこそ最終行程ということで、すぐそこのコンコルド広場に行ってみる。

コンコルド広場からエッフェル塔~


エジプトから贈られたというオベリスクが立つ広場は、周りをぐるぐる車が走る単なるロータリーなのだが、ここが広場だった時代の断頭台の周りにはさぞや大勢の人が集まることができただろう。そんな幻影を抱きつつ、オベリスクと噴水を撮る。

おべりすく


オベリスクに刻まれた銘版?をみると、この巨大な尖塔も、またさらに巨大な構築物の一部だったように見受けられる。それまたすごい話だなあ。

なにやら書いてある


この噴水写真、なかなかよいなあ


ここでも写真を撮れとたのまれる。
今度はノリのいい推定アメリカ人またはイタリア人カップル。凱旋門をバックに撮れ、というけれど、写真ではきっと豆粒だよ凱旋門。
撮った後これでいいか?と見せると、親指立てて「ぐ~っど!」と言っていた。

凱旋門も見える~




思えば最後のバス~
帰りをどのルートでいくか悩んだが、ルーブルまで歩いてもときたルートで帰ることに。ルーブルの中庭まで来てみたが、どうも帰りのバス停がここにはないらしい。バス地図をよ~く見てみると、確かに帰りのルートにはルーブルのバス停がないわ。しかたなくリヴォリ通りへ出て、オペラ通りとの交点あたりにあるはずのバス停に向かう。リヴォリ通りとオペラ通り。この旅の出発点だなあ・・・と感慨にふけるも、バス停どこ??しばらくうろうろしてしまった。

さらばオランジュリー



バスはなかなか来ず~夕方だし混むかなあ・・と思ったら、はたして、混んだ~。帰りのバス停付近はまだ風景がよくわかってないのでバス停チェックしながら。混んだバスから降りるのは開放感あるのよね。




最寄りカフェ達成
で、今日は、ステュディオから一番近いカフェに行く、というタスクが残っている。思えば初日にこのタスクをこなして、あとはおなじみさんになるというのがよかったのに。

あん・きゃふぇ・しるぶぷれ


カフェはいいぐあいに夕方モード。テラスではみんなビール飲んだりコーヒー飲んだり。アン・カフェしつつモレスキン書きつつ。ふとみると夕暮れ空に飛行機雲が。いいねえ。パリの最終夜だねえ。

飛行機雲~わかるかなあ??




夜は荷造りをする。チョコやチーズは機内持ち込みができないので、リュックに詰める。ぎゅうぎゅうだ。これ以上一つとして買い物をしてはいけなかった。ぎりぎりセーフだ。クスミティーや行きの成田で買ったお財布などは機内持ち込みにする。持込み用の折りたたみバッグを持っていったので、予定通り重宝した。なんて計画的なの?>自分ww

こんな窓の部屋に住みたい。


簡単に部屋の掃除をして寝る。ゴミ捨てと布団カバーはずしは明日の朝だ。




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「シェルブールの雨傘」ジャック・ドゥミ

2009-10-30 00:22:21 | cinema
シェルブールの雨傘 デジタルリマスター版(2枚組) [DVD]

Happinet(SB)(D)

このアイテムの詳細を見る


シェルブールの雨傘LES PARAPLUIES DE CHERBOURG
1963フランス
監督:ジャック・ドゥミ
製作:マグ・ボダール
脚本:ジャック・ドゥミ
撮影:ジャン・ラビエ
作詞:ノーマン・ギンベル
音楽:ミシェル・ルグラン
出演:カトリーヌ・ドヌーヴ、ニーノ・カステルヌオーヴォ、マルク・ミシェル、エレン・ファルナー、アンヌ・ヴェルノン


いや~切ないですよ。
大変な意欲作だと思ったけれども、
扱うテーマは非常にシンプルで、
どこにでもある話。
そしてそこにはなおも人の心を震わせるドラマがある。
人は、人生は、やっぱドラマちっくですよ。
そのことだけに力を注ぎ込んだジャックやミシェルに
ワタシは感謝したい気分満載です。

二度泣いたよ。

一度目は、ギイが出征で列車に乗り旅立つ別れのシーン。
別れ自体十分悲しいのだが、カメラがギイの背後からジュヌヴィエーヴをとらえ、
列車が動き出すとすーっと列車よりもはやく引いて行く。
その空間に、本当に離ればなれになってしまったという、あぜんとするような感じがよく表れている。悲しいだけじゃない、変にあっけない、本当に起きてしまったというあの感じに、見事に引き込まれて彼らの心をワタシは生きた。

そして、最後の再会のシーン。
マドレーヌが出かけるわと言った瞬間にその後の展開が見え見えなのにも関わらず!想像通りの展開の中に彼らの抱えた切ない思い出がありありと感じ取る事ができる。
ジュヌヴィエーヴが幸せなのかはわからないが、不幸だとしてもそこでよりを戻すなんて事を言い出さない。彼女は自分が選んだ道のことをよく知っているのだ。彼女はなぜ遠回りして結婚後初めてシェルブールを訪ねたのだろう?そういうことを想像させるけれど、もちろんそんな説明はない。感じさせる。心を感じさせる。
ギイとジュヌヴィエーヴの子であるはずの少女にもギイは接触したりはしない。彼もまた自分のあるべき姿をわかっている。
帰って来たマドレーヌとフランソワをあたたかく迎え、子供と雪の中戯れるギイのロングショットには泣けた。

誰もがドラマなのだというメッセージに泣けるのは、
やっぱりある程度歳を取ったからなのかな。
若い人には受けないかもしれないが、きっと心の底では受け入れてくれるだろう。
かつての自分がそうだった。
根はロマンチストなのに、突っ張ってメロドラマを馬鹿にしてみせる。

それはそれで若者らしくていいんですけどね。

(何のハナシだ?)



ジャック・ドゥミがアニエス・ヴァルダと運営していた製作会社が関わっているが、この会社は今もあり、アニエスの近作「アニエスの浜辺」の製作も手がけている。
ミュージカルというハリウッド的な装いを、オペラ的なヨーロッパの伝統を踏まえながら自分たちの現代的独自性の中に昇華しようとする試みに感動した。




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パリ記13:サン・ジェルマンから流れ流れて・・

2009-10-27 23:22:08 | パリ記2009
サンジェルマンでお買い物の続き~~

******

9.21mon ゲンズブールの家とかフロマジュリーとか
ラデュレのかさばる紙袋を持ち、次なる目標はやはりショコラティエのル・カカオティエと、フロマジュリーのアンドルーエ。この2件は向かいにあるので楽~

なのだが、ラデュレからそこへ行く途中にうまいぐあいにあるのがセルジュ・ゲンズブールが住んでいたという家。もちろん一般公開しているところではないので、外から見るだけなんだけど。墓に行ったし、家もね。

ここは裏通りのさらに裏通りという感じで、静かな細い路地。家に近づいてみると・・・家の向かい側にちょっと怪しげなムッシュがいる。身なり的にはホームレスな雰囲気で、片手に酒瓶。なんかゲンズブールにふさわしい感じである~。一応警戒しつつも写真を撮るには家の向かいがいいので、推定ホームレスに限りなく接近する。

緊張しつつ写真を撮る。車がちょっと邪魔で残念。
壁がすごいことになっているけれど、これは苦情とか出ないのかな。日本だとまず放置では済まされないだろう。放置されているのだと思いたい。

こんなありさまで


ゲンズブールらしい



この家か~と思う以外に楽しみ方もないので、そうそうに立ち去る。
フロマジュリー&ショコラティエには、ゲンズブールの家の前の道をまっすぐ行くだけだ。ワタシのためにあるような配置。

勇んで道を進んでいると、こんどは店の前で呆然としているマダムがいる。なんだろうと思っていると、なんとその店はワタシが行くはずのフロマジュリー。お・お休みですか^^;

そうか~月曜休みか~。見ると日曜と月曜休みって書いてある。
思わずマダムと顔を見合わせて苦笑する。意思が通じ合ったww

となると向かいのショコラティエも・・・休みだ~~残念。

お休みの写真は撮らなかったな~




世界最古?の百貨店
チョコはまあさっき買ったのでいいとして、チーズはどこかで買わねばならんねえ。奥さんのリクエストだし。

ということで、気を取り直して次の予定地、グラン・デピスリー・ド・パリへ向かう。ここはパリ最古の、いや、世界最古の百貨店といわれるル・ボン・マルシェの別館。生活用品や食料品がわんさと売っているという話だ。

サン・ジェルマン通りからはちょっとあって、ラスパイユ通りを南下する。暑いけど歩く。

ラスパイユ通りから右にちょっと入らなければならないのに、うろ覚えで行ったらまっすぐ行き過ぎてしまった。ワタシ土地勘なくてもけっこう迷わない自身があったのだが、パリではどうやら地図必須らしい・・・

地図をみて接近する。おお、見えてきた。ル・ボン・マルシェ。そしてグラン・デピスリー・ド・パリ。店内に入ると、おお~広大な食料品売り場。1F(パリの0F)が食料品というのもなかなかいいね。

ぼん・まるしぇ~


ぐらんでぴすり~


ばら撒き用に(というと聞こえが悪いが心はこもっているw)ほどよいものと、家用になにか。まずはチョコかお茶かなあと物色する。

チョコは食べない人もいるのでお茶とかかなあと見てみると、なるほど~猫沢さんが推奨するだけあって、クスミティーの小缶パックは実にお手ごろだ。小分けにできるし、品もよさそうだし(いい香りがする~)、缶もかわいいし。いろいろ見たけどフォションとかマリアージュフレールとかは日本でもいくらでも目に付くし高い。
というわけで、クスミティー小缶パックを3セットお買い上げ~

これ。缶はきれいだが机はちょ~きたねえ!



チョコはどうもそれほどおいしそうな感じがしない。やはりショコラティエで買うのがよさそうだし、そうなると鮮度の問題もあるし~

ほかにフォアグラもたくさん売っていた。安いのを買おうかなとも思ったが、安物を買ってもしょうがないし、かといって高いものを買う予算もない^^; ま、高嶺の花ということにしておこう。

そして、家用のフロマージュを買おうと売り場へ。フロマージュ売り場はしっかり店員さんがおり量り売りをしている。むむむ緊張するが、挑戦だ。もともと知識がないので、見た目でおいしそうなものを選ぶ。ブルーチーズ系のものも欲しかったので、いかにも臭そうな表面の黒いもの(名前をメモらなかったのは失敗、しかもそいつは全然ブルーチーズではなかった^^;)と、カマンベールをひとかたまりずつ。マダムにまた「これとこれしるぶぷれ」をやる。それで終わりか?と訊かれたらしいので、その言葉を繰り返す。ブルーチーズ系のものとあとは変わったのがほしいんですけど。とか会話をしてみたいもんである。

あとは生ハムとかワインとかも物色したが、やはりお土産的には限界が。帰りもリュックを飛行機に預けるので、おのずと量もそんなに買えないし、割れ物もムリである。
カウンター売り以外にもチーズのパックがあったので、見た目ゴーダチーズ風のものを二つ選ぶ。チーズは前に買ったのとあわせてこれで6種類なんでいいかな。

レジにならぶ。すると前に並んでいたマダムがお財布をいじっているうちに5ユーロ札がはらりと足元に。気がつかないようだったので、誠意のこもった声で「マダム?」と呼びかけ、足元を指差してみる。マダム、怪しい東洋人に一瞬警戒顔だったが、足元を見て納得。笑顔でお礼を言ってくれたが、その意味はわからんのでした。。表情で必死にyou're welcomeと伝える。


と・トイレに行きたくなってきた!
百貨店なのでトイレがあるだろうと、本館のほうにも行ってみる。が、ざっとみたところトイレがない!2フロアくらいをお客のふりをしてふらふらしてみるが、ない。
うむむ~誤算。(あとで調べてみると、どうやら4Fにあったらしいです。)
しかたなくちょっと我慢。

トイレを探しつつ本売り場で撮る。多分撮影は禁止だろう?



グラン・デピスリーの外でおいしそうなパニーニを売っていたので、ここでお昼ご飯にする。4ユーロくらいでしたかね。その場でオーブントースターで温めてくれる。道端でぱくっと一口。
う・うまいっ!!;;
泣くことはないが、泣くほどうまかった。こんな法外に美味な食物がこんなさりげなく販売されていていいのか?素材も新鮮そうな野菜がはさまっている。先日のファラフェルもそうだけど、こういう手軽な食品が妙においしいと思う。ブーランジェリーもそこらじゅうにあるし、パリはなにか東京とは違う食糧事情にあるのだと実感する。

法外に美味い!パニーニを食う



レ・ドゥ・マゴやらトイレやら
すっかりおなかは元気になったのだが、買い物をした結果荷物が大分重くなってきた。ここで予定では夕方まで買い物をするはずだったが、この時点でまだ13:30だよ。昨日停留所で死闘したバスで帰るのもなんだし、ここはノンビリとふたたびサンジェルマンにもどってカフェといこうではないか。休憩だ休憩だ(休憩好き)。

セーヴル通りで斜めにサンジェルマン通りへ戻る。思えばここでサン・シュルピス教会にでもいけばよかったが、そこまで頭は回らず(脳内には「休憩」の2文字、いや、ニコチン欠乏?)

再びサン・ジェルマン・デ・プレ教会。ろまねすく~~


サンジェルマン通りで、有名カフェのどちらにするか悩む。が、悩むまでもなくカフェ・ド・フロールはテラスはみたところ満席。ドゥ・マゴはひとつ席が空いていたので、そちらに座る。日が当たって暑いけどまあいいや。びしっと服を決めたムッシュが注文をとりにくるので、緊張したけど相手の目をみて、きゃふぇ・くれーむ・すいるヴぷれと言ってみる。一発で通じた。そりゃあ通じるだろうけど。
ポットに入ったコーヒーとミルクが来て、カップに3杯は飲めた。いい気分だ^^

ドゥ・マゴのカフェクレーム^^



1時間ほどモレスキンにパリ記アナログ版を書いたところで思い出す。そうだ。トイレ!カフェで借りるのもよいが、荷物が重いので一旦帰ろうと思ったので、いいや、がまんして帰ろう!と、バスに乗る。もう乗りなれた27番バスなので、途中景色を楽しみつつパリ住人気分を味わう。

再び中世美術館の3世紀遺構。3世紀!!


そうそう、バスに乗るあたりであの公衆トイレに出会う。いかにも個室がそのまま外にあります的トイレは、興味はあるもののちょっと敷居が高いなあ^^;もっと緊迫した状況だったら使っていたかも。

これよ。



と、とわれっと映像で終わるww



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「ボヴァリー夫人」アレクサンドル・ソクーロフ

2009-10-24 04:55:06 | cinema
ボヴァリー夫人SPASI I SOKHRANI
1989/2009ロシア
監督:アレクサンドル・ソクーロフ
原作:ギュスターヴ・フローベール
脚本:ユーリー・アラボフ
出演:セシル・ゼルヴダキ、ロベルト・ヴァープ、アレクサンドル・チェレドニク、ヴィアチェスラフ・ロガヴォイ


圧倒的な風景の力。それに尽きた。
それは風光明媚というのとはまったく違う。人のドラマを描くのに、人が置かれる場所の質感:視覚だけでなく五感に訴える質感に注力すること。そのことによる圧倒的な物語の質感。ソクーロフによる映画化になにがしか特徴を見出すとしたら、この説話をはみ出した力の定着にあるだろう。

ソクーロフ作品を多く観てはいないのだが、そのいずれにも地の魔力が備わっていたと思う。最近作である『チェチェンへ アレクサンドラの旅』においても、アレクサンドラの行く道は概して土や砂にまみれ、それはまた戦場の事実であるとともに、そういう質感がよく伝わるようなほとんどセピアモノクロに近い画質が選ばれていたのもまた作為的事実である。ヒトラーの幻想的とも言える別荘を描いた『モレク神』でも、青と緑と灰色を基調とした山地の風景を霞がかった画面は室内にまで侵食していたはずだ。枯れ木と土で囲まれた寒々しい屋敷が描かれていたのはレーニンの晩年を扱った『牡牛座』だった。

なかでもとりわけ印象深いのは、舞台を中央アジアに置いた『日陽はしづかに発酵し…』の荒涼たる砂の丘と盆地だ。そこでは人物たちが置かれる不可解な世界のありようは、一歩外に出るとどこまでも人に厳しい環境の抗いがたい閉塞感と質感がよく表していたと思うのだ。

『ボヴァリー夫人』はその舞台をカフカスに移されて撮影されたという話だが、そこには『日陽~』で働いたと同じ環境の質感の選択という意図が間違いなく働き、そしてまた同様の抗いがたさの定着に成功しただろう。

この質感の中では物事は洗練された流れをどこまでも拒否し、文字通り五月蝿いハエのつきまとうなか、どこまでも淀み、焦点を失い、拡散し、埋没する。こうした大きな力学のなかでの人間の避け難きありようがソクーロフ的ボヴァリズムなのである。


**


ある種の音楽を聴くとき、直接関係ない光や風景が脳裏に浮かぶことがある。ある種の絵画はまた、脈絡のない、しかし特定の音響を呼び起こすことがある。小説もしかり。映画はどうだろうか。あまり映画でそういう体験をしたことがない。映像や音に密接に関連する触覚が刺激されるということはしばしばあるが。

ソクーロフの映画はそういう点では、その場にありうべからざる湿度や風圧をむんむんと醸し出す珍しい映画なのかもしれない。





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パリ記12:サン・ジェルマン・デ・プレで大冒険(実は小冒険)

2009-10-20 01:14:00 | パリ記2009
むふふ~
パリ記もいよいよパリ滞在の実質最終日に入りますのよ。
もっと冒険がしたかった・・・

【追記】サン・ポールと書いていたのはよく考えるとサン・ミシェルの間違いでした。こっそり直しました。サンポールって洗剤?^^;

*****

9.21monサン・ジェルマン・デ・プレで土産さがし
パリをうろうろできるのも今日が最後。さびしくはあるが充実していたので満足感もあり。
ちょっと乗り慣れてきたバスに乗ってサン・ミシェルまで出よう。
27番でも21番でもOK、余裕余裕。

と余裕かまして来たバスに乗り、風景を楽しんでいたのだが、途中リュクサンブールで突如乗客が全員降りる。こ・これは変だ!とつられて降りてみると、どうやらそのバスはリュクサンブール止まりだったらしい。うむむむ、油断大敵パリのバス。

思えばそこでリュクサンブール公園に行くのもよかったが、土産探しにどれだけ時間がかかるか見えなかったので、おとなしくまたバスを待つ。
次に来たバスはちゃんと行き先表示がサン・ラザールだったので安心して乗る。

ちょっと道が混んでいたのもあるが、サン・ミシェルの手前レゼクールに停車したとき、目の前がソルボンヌ大学だったので、降りてみる。大学の正面もこれまたご大層なもので、こんな学校に通ったら気分がいいだろうなと思う。
通学らしいパリジェンヌたちを眺めながら歩く。

そるぼんぬ~って名前からしてすごくふれんちだよねえ


サン・ミシェル広場のほうまで散歩してみる。いにしえは人が往来する大きな広場であったろう場所を今は車がびゅんびゅん走る。自動車文明の到来で広場や通りの性格もだいぶ変わってしまったことだろう。歩行者は通りから向かいの通りへいくのにぐるっとまわって何本も道を横断しなければならない。昔は広場を突っ切って行ったことだろう。

サン・ミシェル広場のあたり


ときどき大量の水が道を流れているパリ





・・の前に中世美術館で幻惑
カフェで朝ごはんも考えたが、朝ごはんはステュディオで食べたのでやめて、本日の最初の予定である中世美術館へ行く。なにしろ朝からお店はやってないからね。

中世美術館のあるクリュニー館は、展示も中世だが館も古くやはり中世16世紀のもの。しかもその館は3世紀の公衆浴場跡に建てられていて、いまもその3世紀の遺構を見ることができる。
中世美術館については詳しいサイトがあったので無断でリンク↓
http://homepage2.nifty.com/izmreise/France/Gothic/Paris/Cluny/cluny01.htm

3世紀の遺構!つってもわかりにくいね^^;


館に入る前に前庭の時点ですでにタイムスリップ状態。しばし中世の香に幻惑される。

館~やかただねえ


古いねえ


前庭の井戸はよくみると結構怖い



入口にはすでに人の列。並んでみたがなかなか進まない。チケットを買っている列だったので、ミュージアムパスを見せれば先に通れるかもしれない、と思い、列の先のほうに行ってみると、なんだか普通に美術館内へ通じるブティックに入れてしまい、なんか自然とそのまま館内へ^^;
ノーチェックで入ってしまったww
皆さんは真似しないように!

で、この美術館、とてもステキである。
展示はタペストリ、彫刻、絵画、ステンドグラス、レリーフなど、だいたい種類別になっており、それぞれ中世の香りがプンプン!これぞ中世という宗教的構図や人物の表情、モチーフ。それも有名作家のものだけでなく、実際に居室で使われていたものなど生活にあった高度な芸術も多い。

ほら中世!


これも


これも~!


これとか!



有名なものは「貴婦人と一角獣」のタペストリ。
これはジョルジュ・サンドが郊外の城郭で発見したというもので、このタペストリのために薄暗い展示室が用意されている。5枚のタペストリはそれぞれ寓意があるようであるが、まだ解明されていない点もあるらしい。薄暗さとともに、これまたタイムスリップ感満載である。

うすぐらくてちゃんと写らない一角獣



しかし・・写真を撮っていたら、係のマダムがつかつかつかつか・・と寄ってきて、
No Flash! OK?
と怖い口調で言う。
ワ・ワタシはストロボ使ってない・・!ワタシじゃない!ストロボしてたのはあっちのムッシュだよ!!・・・という状況だったのだが、とっさに言い返す言語力がなく、「お・おーけー」といって丸く収めてしまった^^;
なさけない・・^^;

そういやどこでも概して西洋のお方は遠慮なくストロボしてたと思う。ノートルダムでもあの聖なる空間をばしばし照らしていたからね。偏見ですけどねww

ノートルダム大聖堂にあった諸王の像もここにある。革命で破壊されたやつ。

首を撮ってくるのを忘れた。

屋敷の外壁に描かれた日時計


今回行った中ではこの美術館が一番好きかもしれません。一番期待しないで行ったんだけどね。
しかし中庭があったらしいけれど行きそこなった。というか、ちょっと外からのぞいて、まあいいか、と思っちゃったんだよね。そういう思考は観光旅行ではよくないね。


おみやげ第1弾にトライ
中世美術館でしかるべき時間が過ぎたので、いよいよお店関係が開店している時間に。
最初はショコラティエのパトリック・ロジェへ。パリ郊外のショコラティエがパリに進出したもので、なんとかいう賞もとったりしている注目株らしく、日本にもまだあまり知られていないようで、ちょっとかしこまったお土産にいいかなと思い。

お店につくと高級ブティックという趣きの店構え。ちょっと臆するが、えいやっと扉を開ける。

話はそれるけど、扉といえば、パリではどこでもだいたい扉はいわゆるドアになっていて、手動だ。引き戸はまず見ることがなく、自動ドアですら観音開きだったりする。希に大きなモノプリなどでは日本式自動ドアがあったけれど、こういう小さなことも文化によって違うんだよね。小さなことほど違うのか。

で、えいやっと扉を開けました。すると、予想では美しきマダムがにっこりと立っているはずだったが、実際は若きイケメンムッシュがにっこりとしていた。
ぼんじゅーる!
ここで、家で仕込んできた必殺会話帳を活用する。
じゅ・しぇるしぇ・あ・スヴニール・ぷる・ま・ふぁみーゆ・じゃぽん。け・れる・れこまん?(うろおぼえ&てきとーな発音)

・・・・

全然通じてねえ!^^;

イケメンムッシュは、それでもどうやらこちらの意図を察したらしく、英語でDo you want a present for your family?とかなんとか訊いてくれた。いぇ~す!それそれ!(結局英語)

すぐさまムッシュはいいぐあいの詰め合わせの箱を勧めてくれる。これまた高級ブティック風なおしゃれ箱。ほかにもいろいろとバラ売り風小品もあったのだが、そういうものをコーディネイトする能力がなく、素直におすすめに従うことに。
50ユーロ弱お買い上げ~
考えてみると結構高いぞ!(でもおいしかったんだなこれが)

サン・ジェルマンの裏通りは味わい深いね





そしてパリ最古の教会へ
たしか最古だったと思うが、次は道順的にいってサン・ジェルマン・デ・プレ教会へ。ここの教会の歴史は古く6世紀に建てられた修道院が始まりとか。6世紀。建物は11世紀のロマネスク様式のものに、後にゴシック様式部分が増築されたもの。ひときわ高い鐘楼部分はロマネスク様式を今に残す貴重な建築だ。

6世紀・・・


内部はどちらかというとかなり古びて埃っぽい感じだが、それがまた観光地ズレしていなくてよい。こういう教会は厳粛な気持ちになるねえ。生まれた頃からこういうものに触れているとどういう感じなんだろう。影響を受けるとともに反発もあるかもしれないな。

内部はピンぼけ~





思えば教会のミサというのには一度も(というかそう何度も教会には行ってないが)行き当たらなかったので、日曜日のミサに合わせて行ってみるのもよかったな。教会めぐりという旅もできたら楽しそうだ。

教会の入口にはカップを手に小銭を乞う女性が座っていた。か細い声で話しかけられた。パリの物乞いはなぜか皆女性で、いちように非常に奥ゆかしい。消え入るように存在感を消して、ある人は地面にひれ伏したまま微動だにせず。これが奥ゆかしさなのかほんとうに居場所がないことによる抑圧なのかはもちろんワタシにはわからない。女性ばかりということもなにかのヒントになりそうな、そうでないような。。

入口と老女




まかろん!
教会からほど近くには有名中の有名カフェ、レ・ドゥ・マゴとカフェ・フロールがある。いずれも東京にもあるカフェだが(カフェ・フロールは閉店しちゃったと思うけど)、やはりこれが本物だなあ・・と変な感慨で眺める。

ドゥ・マゴの本物(?)


カフェは後回し、今日はお土産をクリアするのが先~というわけで、次はマカロンで有名なお店ラデュレへ。そう、シャンゼリゼで人間充満で断念したお店のサン・ジェルマン店。
サン・ジェルマン通りからはちょっと裏手に入ったところにある。こっちかな?と歩いていると、向こうから次々とラデュレの紙袋を提げた日本人女性!が歩いてくるではないですか。なんとしたことでしょう。日本人は情報源も一緒なのか?(自分含む)

ま、これで道に迷ってないことがわかるのでよしとしましょう。

無事パステルグリーンで彩られたお店が見えてくる。
昨日のシャンゼリゼとうってかわって静かなたたずまいだ。
そっと店内を除いてみると数人の人がならんでいる程度。
よし!並ぶぞ!

並んでいる間必死にカウンターにあるマカロンの群れを見定める。
う~む、なんといって頼めばいいのだ??
よくみると、いろいろな種類の箱がおいてあって、それぞれ5個入り~とか10個入り~とか書いてある。おお、これで指差し注文でいけそう。

晴れて順番が回って来たので、手頃な18個入りの箱を指差し、口をついて出たのは「18 pieces of マカロン しるぶぷれ」という英仏まじり日本なまり言語www
でも一発で通じたのだ。種類も「mix!」と一言で。
ふふっ^^

しか~し、おみやげとは別に自分用にエクレアもひとつ買ってみようと思い、
「えくれ~る・しょこら しるぶぷれ」と言ってみたのだが、
これが通じない!
「えくれ~る」じゃなくて「えくれあ」でいいのかな?
とか
「えくれ~る」のRの発音をいっしょけんめいフレンチにしてみたりしてなんどもトライするが、お店のきれいなマダムはもうしわけなさそうに笑いながらえくすきゅせもあ?わかりませんと顔に書いてある~
困っていると、後ろに並んでいたマダムはわかってくれたようで、
「○×▲」
と助け舟を出してくれる。
すると店のマダムも一発で納得顔!

なんたることでしょう。
め・めるし~まだ~む!

無事エクレアをゲットできました。(無事じゃないだろ)
しかし、あの「○×▲」、全然エクレアに聴こえなかったよなあww
なにか大きな間違いをしてたのか?>自分

ラデュレの店構え



つうわけで、エクレアはさっさと食っちまって写真撮るの忘れました。





サン・ジェルマンの攻防戦はまだ続きます~~が、次回へ。。



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パリ記11:凱旋門からお~しゃんぜりぜ~とか

2009-10-18 02:02:38 | パリ記2009
すこし休みますみたいな事を言いつつも
結局そんなに間があいていないですけど
まあ、つづきです。

****

9.20sun 凱旋門
バスはまた表示+アナウンスのある路線で一安心。アンヴァリッドから凱旋門のあるシャルル・ド・ゴール・エトワールまではすぐだ。
バス停で降りるとそこはもう凱旋門が目の前。だんだん近づいてくるという感動を得ることはできなかったが、いきなり出現するというのもそれはそれで感動的である。

しゃるる・ど・ごーる・えとわーる


目の前凱旋門



凱旋門への入口はそこからシャンゼリゼ通りを渡ったところにある。
ロータリーの外側から地下通路を通って凱旋門に行くのだ。
広い階段を降り通路を通って外に出ると、凱旋門の足元。
おお、でかい。
けど思ったよりはでかくない。

入口~


門のまわりを一回りして準備運動をした後、いよいよ凱旋門内部へ。
ここでも行列ができているが、結構進みは速い。
入口は小さいが、見ると小さなチケット半券をおじさんが渡しているだけで、どんどんフリーパスで人が入っていく。ん?ここはミュージアムパスが使えるのでワタシは心配はないが、入場料は?

・・・あとから調べてみると、どうもこの日曜日はパリの歴史的建造物に無料で入れる日にあたったようだ。年に1回9月の第3週末にあるようだ。
普段は入れないところにも入れるようで、事前に知っていればまた違うプランもあったかも知れない。
でも普段は入れないところはガイドブックの情報もないわけで、この日を活用したプランはけっこう上級者向けかもしれないねえ・・・


というわけで流れるように凱旋門に吸い込まれたワタシであるが、いきなりはじまるらせん階段!またか!
ここは上層までノンストップ。しかもけっこう流れが速く、息も絶え絶えで一気に昇る。メタボにはつらい。

昇りきってみると屋上バルコニーの一つ下の層らしい部屋に出る。
といきなり休憩用のベンチが(笑)みんなここで一休みしていた。
必要だよこのベンチは。

必需なベンチで一休み


部屋には模型やらレリーフやらの展示があり、トイレもある。トイレの給排水はどうしているんだろう?と不思議。
そこからは普通の階段を昇って最上階のバルコニーにでる。

日差しは暑いが風は涼しい。シャルル・ド・ゴール・エトワールの中心にあるだけあって、放射状の街路の中心にいる眺めはなかなかのもんだ。というか、これは偉くなったような気がするね(笑)

余の辞書に不可能という文字はない~~~。。


高層ビル群が遠くに・・


バルコニーにはほとんど日陰がないのだが、わずかに真ん中に建物の影ができ、そこでみんな座って休んでいる。ワタシも座って涼む。ああ、涼しい。
たまたまかもしれないが、座っているのはなぜかみな東洋人である。アジアの人。日本人含む。
なぜだ?

バルコニーの感じ


かわゆすねえ~~


かわゆすね~~~~~



降りるときはふたたび一気降りだ。ぐるぐる~~。
ここはらせん階段の真ん中が結構広く開いており、覗き込むとクラクラする。地獄への入口だ~。怖いのでなるべく壁伝いに降りる。

ぐるぐる~~






しゃんぜりぜ~~
凱旋門を降り無名戦士の碑の炎などを見て、シャンゼリゼ通りへ。
シャンゼリゼの車道の真ん中からは凱旋門どまんなかの写真が撮れるので、結構みんな車線の真ん中に滞留している。ワタシもしっかり真ん中で信号待ちをしつつ写真を撮る。

どまんなか~


お~しゃんぜり~ぜ~♪と歌いながらシャンゼリゼ通りを歩く」というベタな設定を実現する、というのが今回の旅の目的の一つだったのだが、実際にその場で頭の中に鳴り響いたのは、「ニューヨーク・ヘラルド・トリビューン!」というジーン・セバーグの売り声だった。

ジーンとジャン=ポールが歩いた通りは、今は巨大な大通り。巨大な銀座という感じである。映画で見るより歩道が広く車道が狭くなっているような気がする。
歩道はとにかく広く、通り沿いのカフェが、店先だけでなく歩道のど真ん中にも出店を出している。ほんとうにカフェ文化だよねえパリ。

有名カフェふーけっつ






とか思ってあるいているうちに、肝心の「お~しゃんぜりぜ~~」と歌うのを忘れてしまった。た・旅の目的が・・・

こう思うと、けっこう目的は達成されないものも多く、パレ・ガルニエのシャガールの絵を見る!とかね。まあ気にしないんですけど。
(お~しゃんぜりぜ~などはどおでもいい目的だし^^;)



マカロンで有名なお店ラデュレがあったのでちょっとのぞいてみると・・思わずのけぞるほどお客さんが密集していた^^;
うひょ~。
これはまるで映画「砂時計サナトリウム」とか、もしくはブリューゲルの民衆画の世界。密集した人間がうようよ動いている。空気が煙っている。

薄暗い店内に西洋人がうじゃうじゃいる!!www

いちおういちどは店内の列に並んでみたけれど、これは列が進んだらまったく出られなくなってしまう!と思い、断念。
この店はサンジェルマンにもあるので、次の日に行く予定だし、パス。

ラデュレ。このなかには西洋人が充満している・・・・


しゃんぜりぜ~







常軌を逸した・・・
道行く人の写真など撮りながら、シャンゼリゼを東へ進む。
ここから先はノープラン。どうしようかなあ?とノンビリ散歩する。
モノプリがあるけれどお休みだし~ゴーモンの映画館を撮ってみたり~ド・ゴールの像を見てみたり~・・・

しゃるる


と、右手のほうに、なにやら常軌を逸した巨大な建造物が見え始める。
なんだありゃあ?「スチームボーイ」「ハウルの動く城」の世界だわ。
ガラス張りの巨大なドーム。

どうやらあれはグラン・パレというらしい。あの巨大さをなんとか写真にできないかと思い、シャンゼリゼを右に折れ近づいてみるが、入口というか宮殿部分がでかすぎて近づくと温室がかえって見えない~。中に入るにはお金もかかりそうだし疲れていたのもありなぜかやめてしまった。

グラン・パレの向かいにはプティ・パレがある。全然プティではないけれど。
そのまま進むとアレクサンドル3世橋である。ロシアとの友好を記念してパリ万博に併せて竣工したという橋。金色の大きな彫像が四隅にでーんと鎮座する派手な橋だ。派手だなあ。

派手な橋だ


派手だなあ・・


橋も派手だけど、橋から見たグラン・パレもまたでかい!
でかいことにかけては欧米人は得意そうなのだが、ヨーロッパの場合は特に、でかい物好きという以上に、いかに富が偏って存在していたか~と考えてしまうよなあ・・・搾取される人民よ・・

橋から見たグラン・パレ。写真だとちいせえ。。



てなことを考えつつ橋の上で写真を撮っていると、アジアン・ビューティな女性に、写真を撮ってくれと頼まれる。
ワタシは日本にいるときでもしばしば、写真撮ってくださいと頼まれシャッターを押すのだが、海外旅行でも同様のことがよく起きる。
女性のカメラを受け取り、手振りで撮りますよ~と合図してからシャッターを切る。
ちょっとした出会いはいい想い出だ。
こういう環境だとやはり国は違っても東洋人どうしってなにか親近感があるよね~
むこうもそう思っていたかなあ??

セーヌを下る(いや上る)ひとたち


しかし、ふと思うが、一人旅って圧倒的に女性が多くないですか?日本人だけど、チャイニーズ風の女性もひとりでいるのをよく見かけた。
女性は一人旅に惹かれるなにかがあるんでしょうか?
男で一人ってまずみなかったなあ・・
まあ、ワタシが女性しか見ていないだけという可能性もあるが^^;wwww

橋の装飾はけっこう変







バスで帰るが死闘
でと、橋を渡り切った正面はアンヴァリッドじゃないですか。
なんだ、ぐるっと一周してしまったのだな。
結構歩いたので足が疲れたな~と思っているとちょうどバス停があり、調べるとどうやらステュディオ近くのポール・ロワイヤル通りに行くらしい。まだ夕方だったけど、いいや帰っちゃえ、とバスを待つ。

ばす~


ところがこのバス、車内表示はあるけれど、見ると終点をひたすら表示するだけで次の停車を示してはくれず・・・もちろん車内アナウンスもなく。しかも乗降客のないバス停はあっさり通過してしまうので、これは大変だ!と、バス地図と通過する停留所の名前を見比べる。
まったく余裕なしの真剣勝負状態に^^;

バスとの死闘

さらに困難なことに、けっこういい加減なつくりのバス停もあって、ひどいのは名前すら書いていない。
い・いまのはバス停だったの??とか悩んでいるうちに次々とバスは突き進む~~

結局停留所の数からいってここだろう!と思ったところで降りる。ふう。
緊張感から解放されてみると、そこは降りたいところの一つ手前のバス停でしたとさ。


バスはパリジャンでもけっこう悩むとは聞いたことがあるが、こういう感じだと確かにつらいかも。道と降りる場所をよく知っていないとダメだもんね。
よく見ると、このバス、翌日サンジェルマンからのお買い物ツアーの帰り道に使おうと思っていた路線じゃないですか。う~む、これは考え物だぞ・・

ポール・ロワイヤル通りをバス停一つ分歩く。ま、1区間くらい歩きますよ、昨日の地下鉄の混雑にくらべたらはるかに快適だよ(と声に出していた(笑))





買い出しとディナーと死闘again
無事ステュディオに帰り着くと、さあ、夕ご飯と朝ご飯の買い出しだ。
ムフタール市場は日曜はお休みと聞いていたが、確かに閉まっている店が多い。
寄ろうと思っていたフロマージュリーもお休みで残念。

ムフタール通りをちょっと歩いてみたら、小さな通りなのに映画館がぽこんとあってビックリ。パリはけっこうそこら中に映画館があるんだなあ。機会があったらここにも入ってみたい。

映画館「木の剣」?


ムフタール通り


フランプリは開いていたので、ディナー用に生ハム、リンゴ、ヨーグルトを買う。
ステュディオに一番近いカフェに行きたかったが、さっき見たら休みだったので、フランプリ向いのカフェで一息入れる。

カフェ2ユーロ


お世話になったフランプリ


ステュディオに戻りディナー。バゲットに生ハム、チーズ、トマトをはさみ出来上がり。おいしいなあ^^
インスタントコーヒーもいれてゴキゲン。

でぃな~


TVでも見るか~とスイッチを入れたら・・ん?電源が入らない。正確に言うと、ここはADSL経由のケーブルTVで、ADSLのモデムの電源が入らない。
あららら?
と、ここは日頃の職業的反射神経により、電源ケーブルの抜き差しを実施。。
すると電源は入るようになったが・・あらら;;へんなメッセージがでてチャンネンル選択画面にならん~~~

適当にあちこちリモコンでいじりまくり10分ほど。
ディナーどころではない。
これをこわしたら修理費を負担だよ~
と泣きが入ったところで、突然画面復旧!!
お~よかった~
セーフ!
多少なりともシステム的知識があってよかったですよ
ここでも死闘

(あとで気がついたが、この部屋に備え付けのガイドファイルに、TVがおかしくなったときの復旧のしかたってのが載っていた^^;)

死闘TV

このTVが、というかモデムが、電源入れると
ふい~~~~~んと音を出すのでうるさいのよね。
日本ではそんな製品ダメよねえ^^;


ふたたびディナーを満喫し、寝るつづく



前の記事:パリ記10:エッフェル塔にオノボリさん
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「地下鉄のザジ」ルイ・マル 再観

2009-10-16 22:54:50 | cinema
地下鉄のザジ【HDニューマスター版】 [DVD]

紀伊國屋書店

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地下鉄のザジZAZIE DANS LE METRO
1960フランス
監督:ルイ・マル
原作:レイモン・クノー
脚本:ルイ・マル、ジャン=ポール・ラプノー
出演:カトリーヌ・ドモンジョ、フィリップ・ノワレ、カルラ・マルリエ、ユベール・デシャン、ヴィットリオ・カプリオーリ


50周年リバイバルで劇場にて観賞。
冒頭の列車の先頭につけられた(実際は列車のかどうかはわからないけれど)カメラで延々追う線路、すれ違う列車。
これが劇場だととても豊かな感じがする。
ああ、いいなあ、のんびりするなあ。どたばたなのにのんびりするなあ。

ザジが闊歩するパリの街も、なかなかにのんびりしている。
シャンゼリゼを走る車も車線などなく、思い思いの位置でぐんぐん走っている。
車線がちゃんとできたのはいつ頃なんだろう?

サイショにザジと伯父さんを拾ってくれるタクシーのオンボロさも
とてもよくて、型式だってなかなかにレトロ。

そう、ZAZIE DANS LE METROならぬZAZIE DANS LE RETRO?
レトロなパリの空気をそっくりパッケージしてしまったのだ。
観光映画なのでは全然ないのに。
そしてこっそり劇場でパックを開けてみる。
匂い立つ香りにくらくらだ。

****

ザジが瞬間移動するような、メリエス的マジックをふんだんに使っているのだが、今回観て思ったのは、そういう技法は映画的な世界を作るためではなくて、
原作の小説のアナーキーな部分を映画に移し替えようとした試みなのだなあ、ということ。

映画の技法としてどうこうというよりも、小説の持つ時空間を越えてしまうアナーキーに対して、時空間の常識的制約を受ける映画をどう対峙させるかへの、一つの答えとしてあったのだ。

それが成功しているかどうかを知りたくて、原作にもがぜん興味がわいて来たね。
地下鉄のザジ (中公文庫)
レーモン・クノー
中央公論新社

このアイテムの詳細を見る


********

もっとも緊張を強いられるのは、エッフェル塔のくだりだろう。
あの一連のばか騒ぎにはマジでキモが冷えた。
大きなスクリーンでまいったよ。

撮影はどうやっていたんだろうか。
実は命がけだったのかもね~^^;
命がけでドタバタを撮る。
なんだかチャップリン的だ。

ということでは終盤のドタバタは命がかかっていないせいか
ちょっと眠くなってしまった。
中盤まではすごく冴えているのにな。

帰りの列車のシーンはなにか物悲しい。
「僕の伯父さんの休暇」の終わりにちょっとにた感覚を覚える。
終わるのが残念な感じ?



と雑感で終わる。

あ、ニューマスター版がDVD出るんですね。




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猫沢エミさんのライブがあります

2009-10-15 22:33:28 | music
そういや、猫沢エミさんのライブなどがあったら
非力ながらここでも事前にアナウンスしようと
前に思ったんだった。

猫沢エミライブがあります。
11月7日(土)下北沢です。
12:00OPEN(お昼です)

詳しくは猫沢さんのサイト
ここで予約受付中です。

高水準なポップスが聴けますよ~。


*****


パリ記は執筆により体力をかなり消耗したので
ちょっと中休み。
余力が生まれたらまたつづきを書きますよ~~
つぎは凱旋門からなのです。

予告~




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パリ記10:エッフェル塔にオノボリさん

2009-10-12 19:59:48 | パリ記2009
パリ記も10回目です~
いつまで続くんだ?記憶は大丈夫なのか??

******

えー前回は確かエッフェル塔に登るぞ!というとこで終わったはず~(記憶が・・)



9.20sun エッフェル塔にオノボリさん
さて、シャイヨー宮からイエナ橋を渡り、やってまいりましたよエッフェル塔。
パリといえばエッフェル塔。
登るぞ!高いところに!!

麓についてすぐのチケット売り場に並ぶ。北売り場というらしい。
ガイドブックには3階(最上階)までのチケットは北側で売っていると書いてあったのだ。(ちょっとあのガイドブックは親切すぎるな。)
(しかも結論としては、どの売り場でも大丈夫ってことでした)

行列のできるエッフェル塔


華麗な骨組みを見上げつつ並んでいるうちに、高所恐怖性であることをじわじわと思い出し、すでにお尻がむずむずする。
見上げると3階はおろか、1階(パリ式1階ね)ですら十分に高いではないですか。大丈夫か?>自分

鉄のレースとはよく言ったもので



しかし、並んどるなあ~

超メタボの人も並んでいる。(ワタシの腹ではありません。)



チケット売り場に行くためのゲートというのがあって、まずそこに並んでいるのです。ゲートでは例によって荷物スキャン。その後また並ぶ~

並んでいるうちに、チケット売り場の上の掲示板の表示が、「3階はクローズ」という表示に変わってしまった。あらら??クローズ?登れないの?そんなあ・・
と、せっかく来たからには登りたいという気持ちと、どこかほっとした気持ちが錯綜する異国の東洋人。。

チケット買う段になっていちおう3rd floor closed?と訊いてみる。が、どがああっ!!とパリなまりの英語でなにかを説明されたので判らず。売ってくれたチケットはやはり2階までのものだったので、やっぱり3階はダメなのか?

チケットを買ったらすぐにエレベータ乗り場にいける。ふーん足を斜めに登っていくのね~しかも2階建てエレベータ。
エレベータ待ちでふたたびお尻がムズムズ。むき出しで細っこい手すりだけのワイルドな2階だったらどうしよう??!?と意味もなく戦々恐々。

よく見えないけど斜め二階建てのエレベータ


こんな小さい子も行くんだから、負けてなるものか!!


た・高い。すでに高い。。



それでも無事ぎゅうぎゅうのエレベータで2階に上る。おそるおそる出てみると、おお!意外と大丈夫だ。
高いけれど柵も高くしっかりしている。安心安心。

2階からの景色





ひととおり写真を撮って歩いていると、おや??3階へのエレベータに人が並んでいるではないですか。行けるのか?せっかく諦めた(ほっとした)ところだが、ふたたび葛藤が!!登るべきかやめるべきか??そりゃあ登る!でしょう!!
と自らを鼓舞しエレベータ列に並ぶ。

ああ、でもチケットが・・どうみても2階までのチケットだよなあ。。並んでいる皆さんが手にしているチケットをちらちら盗み見てみると、やはり違う。うむむむ~~
列の先にチケットをチェックしているマダムがいる。見せると案の定。2nd floor only!!と冷たく言い放たれ、列からつまみ出される。しょぼ~ん。
しかしどこかでほっとしたような・・・

うなだれて再び2階の売店などをチェックする。職場バラマキみやげにちょうどいいエッフェル塔チョコが売っていたので、こりゃいいやと買ったりしているうちに、おや??おややや??あそこにadditional ticketという表示があるでないの?
表示の先には・・・チケット売り場が。
売っているチケットの値段も、3階までと2階までの差額分5ユーロのものみたいだし。そうかあ、ここで追加チケットが買えるのね?ふたたび希望の光がさすのだが、高所恐怖の自分とは再びここで戦わなければならない(つかれるな^^;)

ここまできたら行くしかないでしょう。

3階への行列~


こんな子供が行くんだから、大丈夫だよね?!



葛藤を押さえ込み再びエレベータの人に。3階までのエレベータは・・・けっこう怖い!^^;
登っていくに連れて周りに見えていた鉄骨がどんどん少なくなっていく。高所で裸にされていくようだ!
しかも、ど・どこまで登るの???というくらい長い。永遠のように長い。このまま宇宙にいってしまいそうだ~~~~
と目を回しているうちに着いた。

びくびくしながらフロアに出てみると・・あ~~よかった、ここは閉鎖されたフロア。壁がある~~
もちろんもっとオープンな展望台はあり、そこから階段で登った一つ上だ。
登るよね?ここまで来たんですから。
登ってみると・・おお、意外と広くて・・大丈夫だっ!

おお~~~高い~~~~

地上の建物や通りが冗談のように小さい。嘘みたいだ。夢か?


シャイヨー宮がおもちゃ状態


こんな子供が上ってるんだから(以下省略・・)


航空写真じゃないよ;;



これは、高いという感覚以上のものだ。これは宇宙に属しているのではないのか?
エッフェル塔3階は宇宙だった~~地球は丸い~~


3階ではなぜかグラスでシャンパンを売るちっこいバーがあり。ここで記念の祝杯をアゲルってことですかね。
酒の飲めないワタシはうっかりこんなことろでアルコール摂取して腰抜かしたら大変なので自粛~

ひとしきり宇宙の住人気分を勝手に味わったら、さあ、降りよう!
エレベータはまた行列~
一度2階に降りて、そこから地上までのエレベータに乗るのだが、そっちはさらに大行列!うんざりしつつ並んでいると、ここでなぜか珍しく頭脳が高速回転!
このエレベータは2階建てだったよね。ということは、この乗り換えフロアの一つ下の階にも乗り場があるはずじゃん?!
列を離れ足早に階段で階下へ。
果たして!全然並んでいないエレベータ乗り場を発見!
すぐにエレベータに乗れた。

すごい!珍しく上手く立ち回ったぞ!!自分らしくない!!!
(こんなことで喜ぶな^^;)

高所難関を乗り切った後なので、ここのエレベータはもう楽勝余裕
やっと地上に降り立ったのでした。
(でも地上はいいなあ~と思わずつぶやいたのも事実)


エレベータにはエレガーさんが・・いや、エレマダム?が



サイショにチケット買うときから薄々感じていたのだが、エッフェル塔に登る人のなかに、日本人というか東洋人をほとんどまったく見かけなかった。パリのどこにでもいる日本人が、申し合わせたようにエッフェル塔の上では見かけなかった。
日本人観光客はこういうところでオノボリさんにならん、ということかしらん??
どういうこと?

でも一句

 エッフェル塔 登ってよかった^^ 宇宙だもん


で、地上に降り立ってからはたと気づいたのだが、
1階には行かなかった^^;しまった^^;



そうそう、エッフェル塔で一番肝を冷やしたのは、この時ではなく、
『地下鉄のザジ』を観たときである。
ほとんど命がけではないのか?という撮影。役者もスタッフも、よくぞこんなところで撮った!というくらいヒヤヒヤする。
先日劇場で再度観て、改めてキモが冷えたワタシなのである。
ニューマスター版が12月に発売なんですと↓
地下鉄のザジ【HDニューマスター版】 [DVD]

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アンヴァリッド行きは命がけ・・
エッフェル塔を来た方と反対の方へ、シャン・ド・マルス公園の方へ歩いてゆく。
エッフェル塔の麓あたりではどうやら馬車が走っているらしく、公園の道にもところどころ馬糞さんが落ちている。
う~ん、牧場の香り~~

馬車のあるところ・・・


・・・馬糞あり



こちらからのエッフェル塔は順光で見栄えが良い。
しかし公園はほとんど日陰がなく、緑地帯の他は土の道で、埃っぽいやら暑いやら。
さすが軍神の公園である。厳しい。





エッフェル塔を振り返り振り返りしつつ、ひたすら公園を抜ける。
公園ではボランティアかなんかの人々がおそろいのTシャツを着てゴミを拾い歩いている。
暑いのにご苦労な事である。
途中木陰のベンチで一休みし、吸い殻をポイ捨てする。
ごめんよ、ボランティア諸君。

ようやく公園の外れにくると、平和の壁というものがある。小さなガラスの凱旋門みたいなものに、各国語で「へいわ」って書いてある。なんなんだこれは?

平和の壁?



よくわからないまま、足はアンヴァリッドに向う。
ノートルダムであった日本人マドモアゼルが、アンヴァリットはきれいだったと言っていたので、予定にはなかったがいってみることにしたのだ。

旧陸軍士官学校を横目で見つつ、トゥールヴィル大通りを通ってアンヴァリッドのドーム教会へ・・・とヘロヘロ歩いていたのだが、青信号でトゥールヴィル大通りを渡ろうとした瞬間、右折自動車が猛スピードでワタシから5cm離れたところをすり抜けて行った!
いや、本当に掛け値なしに5cmだったと思う^^;
車は残像しか残らないくらいのスピードだった。

死ぬところだった。

パリのヤツら(ヤツ呼ばわり)は、基本歩行者優先などという考えは無いようなのだ。かといって車優先とも思っていないようで、要は通れるところを通ったものが勝ちという感じなのではないのか?
歩行者だって信号を守らない。車が来なければ赤信号でもどんどん渡る。
車はさすがに信号無視はいなかったが、今回のように右折時などは横断中の歩行者がいても隙間さえあればどんどん入ってくる。

日本ではこれまた社会全体で、歩行者優先、信号遵守、渡る時は右左、という規律を浸透させている感じがある。パリはそういうところは無頓着、というか、余計なお世話的な感じなのではないかしら?渡れるのに渡って何が悪い?と。

これまたどっちがいいのか?よくわからないけれども、少なくともパリでは必要以上に交通事故には気をつけた方がよさそうだと肝に銘じたのでありました。信号もあてにならん。



アンヴァリッドというかナポレオンの墓所は派手~
アンヴァリッドにつくやいなやトイレを借りる。トイレへの道はすぐ見つかったのだが、トイレは内部なので、扉のところで係の人が立っていてチケットやパスの提示を求めている。みんなトイレに行くためにそこでパスを見せているのはなんだか不思議である。

ここはミュージアム・パスが使えるので、トイレもフリーパスだ。大変助かった(笑)

アンヴァリッドは廃兵院と訳されるが、負傷兵の収容設備としてルイ14世が建てたとか。そのなかにあるドーム教会にナポレオンの棺がある。

ドーム教会


ナポレオンの棺


以前宜保愛子がこの棺の前で「恐ろしいパワーを感じます~」とか言っているTV番組を見た事がある。実際に言ってみると、観光客でごった返すなか、派手ながらもつつましく鎮座している棺には、そんな霊力は感じられなかった。
まあ、もともと霊感はまるでないのですけどね。

とにかく建物も装飾も棺もでかくて派手~
ナポレオンてフランス史的には英雄なんだろうかやっぱり。
時の政権に流刑にされたりしても、後の世でこれだけ奉られるというもがスゴい。

でかい!


派手!!


アンヴァリッドは他に軍事関係の機関が集まっているようであり、軍事博物館もあるのだが、そちらは行かなかった。
軍事大国というだけでなく、死の商人的色彩すらあるフランスのダークサイドを見るにはよかったのかもしれません。今思えば行ってみたかったかも。。


アンヴァリッドの次は凱旋門に行こうと思っているのだが、どうやっていったらいいんだろう??と考えていると、ドーム教会の真正面にバス停が。92番バスがここからシャルル・ド・ゴール・エトワールに行くみたいなので、バスで移動。
バス便利~


つ・づ・くっ





前の記事:パリ記9:モンパルナスでまた浸る
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パリ記9:モンパルナスでまた浸る

2009-10-10 03:18:12 | パリ記2009
パリ記8回目はパリ滞在4日目です。
もう残り少ない日々を目一杯詰め込んでおりまする。

*********

9.20sun モンパルナスへバスで
今日は子供Aの誕生日だ。「おめでとう。誕生日にへろへろ外遊している父を許したまえ~。」と祈りをとなえてからステュディオを出る。

今日はモンパルナスへ。ジャン・コクトー「恐るべき子供たち」のエリザベートとポールが住んでいたところ。永遠の幼年期。
文士たちの通ったカフェも有名。
「地下鉄のザジ」でザジがころがりこむところもたしかモンパルナス。
(←違った!モンマルトルだった!)

でもモンパルナス行きの目的はなんと墓地。ここにはセルジュが眠っている。セルジュ・ゲンズブール。会いに行かねば。死人とならば言葉ができなくても話ができる。(?)



ステュディオのあるサンシエからモンパルナスへはがんばれば歩けない距離ではないのだが、せっかくパスがあるので、ふたたびバスで行ってみる。
ポール・ロワイヤル通りに出るとすぐにバス乗り場がある・・・はずなのだが・・・ない。? 右側通行だし、間違えてないはず・・と、よく見ると真ん中の車線がバス路線になっていて、中州のようなところにバス停がぽつんとある。ああ、あれか~と思ったとたんに、目の前をバスががーっと走っていく。あああ、あのバスだ~。ダッシュで車道を渡りバス停へ。しかし無常にもドアはしまる。必死に腕をバタバタドラえもん状態で振り、乗りま~すをアピールしてドアを開けてもらう。めるしー!と叫びながら二両編成の後部に乗る。

あとで知ったのだが、どうやらバスのドア外側にも「開けて」の意思表示をするボタンが着いているらしい。それを押せばよかったんだね。
ついでにさらに後で気づいたのだが、このときワタシはパスも見せずに普通にタダ乗りをしていた^^;



ル・セレクトのプティ・デジュネとしゃれこむ
バスで数停留所を過ぎるとモンパルナスの中心ヴァヴァンに着く。例によって道が放射状に集まっており、角々に大き目のカフェがある。碁盤目を基本にした東京の街に慣れていると、この放射状の道はなかなかの異国情緒である。どの道を行けばどこへいくのか?はやはり通りの名前を確認しつついくことになる。

モンパルナス通りをちょっと進んだところに、カフェ、ル・セレクトがある。ここはコクトーも通ったという有名カフェなのだが、ゴダール「勝手にしやがれ」でもほんの一瞬だが出てくる。ワルのたまり場みたいにして。
ここで朝ごはんを決め込むことに。

定番のプティ・デジュネ、クロワッサンとコーヒーとジュースで10ユーロ。こんなんで朝ごはんになるのか?というのが健全な日本人の感覚だけれど、クロワッサンが大きくてバターとジャムの小瓶がまるまる一つついてくるので、結構食べた気がする。そして、クロワッサンうまいよ!コーヒーも大変好みの味だし、言うことはない。これは幸せな朝だ。

見た目の5割増でおいしいっすよ、これ!


朝いちだったので、まだお店の前を掃除している。テラス席に陣取ったが、ムッシュが5分くらいそっちの席に移ってくれ、というので、お皿とカップをもって移動。テラスの床を水でだ~っと流して掃除するらしい。

カフェによってテラス席に灰皿がないところもあり、そういうとこはタバコを吸っていいのか悪いのか最初は悩む。
お客さんがすでにいるところでは、お客さんの振る舞いをじっと観察し、吸っている人がいたらOKかなと思っていたんだけれど、後半はもう慣れて適当に。
灰皿なくても普通にタバコ吸って灰を落とし放題、吸殻ポイ捨てし放題で奔放に振舞ってしまった。
あれで正解だっただろうか?(ポイ捨てが正解とは言わないが・・・)

オリジナルカップですねえ


ル・セレクト


ラ・ロトンド


ル・ドームはやってない


ル・セレクトの朝ごはんは気持ちがよく、ついつい長居を。曇り空でちょっと肌寒いので持っていたウインドブレーカーを着る。さて、墓地へ。



モンパルナス墓地は静かな聖空間
ヴァヴァンから一本南の道にいくとエドガーキネ大通り。ここにモンパルナス墓地の入口がある。墓参りにはいい具合の曇天。澄んだ空気。
モンマルトル墓地での感覚からするとここもそんなに広くはないだろうと思い、歩く距離を少なめに見積もる。

入口


入口すぐに右に折れると早速サルトルの墓を見つける。サルトルとボーヴォワールは同じ墓に入っているんだね。サルトルの著作は実はまったく読んだことはない。サルトルに限らず、哲学者の著作は読み始めても早晩挫折して積読になる。ハイデガー、フッサール、メルロポンティ、ベルグソン、フーコー、ドゥルーズ。やれやれ。かろうじて読んだといえるのはロラン・バルトなのだが、彼が哲学者かどうかはやや疑問である。

そういやロラン・バルトの墓はどこにあるんだろう。ペールラシェーズかな。いままで念頭にも浮かばなかった。次回はこの辺も攻略しよう。

あれ?なんだっけ?そうそう。で、サルトル。
ワタシ、むかし芝居していたときの芸名が「サルトル佐助」だったんだよね(笑)なつかしい。・・・・それだけの理由で?サルトルの墓参り?・・そうなんです。それだけなんです
これも当時演じた本の内容にリンクした凝ったネーミングだったんですけどね~^^;

サルトル+ボーヴォワール





サルトルの同じ通りにマルグリット・デュラスもあるはずだ。軽く流して見ていたら、見つからない。この辺だというあたりをなんどか往復するが見つからない。これは比較的新しい墓だという先入観がいけないのか?古ぼけた墓も注意して見る。と、ありました。没年の割にはかなり古ぼけた墓でした。いかにも身寄りのないデュラス。「アガタ」という散文がスキでした。内容は忘れてしまったけれど。それから「ヒロシマ・モナムール」。あの作品はデュラスによって高い水準となったでしょう。

デュラス





そして「パリ・コミューン記念碑」へ向う。記念碑へは、敷地を通る車道を渡っていく。車道への出口に警備員?室があって、朝でヒマそうな警備員?さんが元気よく「ぼんじゅーる!」と言ってくれる。こちらも負けないように元気よく「ぼんじゅ~る!」
全く人気がないこちらがわの敷地。ちょっと歩くと、これかも?と思われる記念碑が幾つもあってワタシのフランス語読解力ではどれがコミューンの記念碑かわからない。なのですべて激写してきた。^^;。
世界初の民衆による革命政府の記憶に対してワタシの知識と能力はあまりにも小さいのお・・

これか?

これか?

これか?

これか?



次は再び車道を挟んでポアンカレ。
ポアンカレ予想。
単連結な3次元閉多様体は3次元球面に同相である
うふふふ?^^;

まあ、そのポアンカレ。2003年にロシアの数学者によってとうとう証明されちゃったですね~
お墓はポアンカレ家の墓のようで、たくさんのポアンカレが埋葬されている。そういうときはどうやって埋葬するんだろうか?フランスは仮想の習慣はないと聞きましたが、新しく一家のものが亡くなった場合は・・・掘り起こすのでしょうか?(コワい)

ポアンカレ

墓石はかなり古くてさわれなかった(コワくて)。ポアンカレさん、あなたの能力をちょっとでいいのでわけて下さい。ワタシに・・


途中墓の中にステンドグラスが・・(ポアンカレの墓ではありません)



そして、いよいよゲンズブールの墓へ。
遠目で見てひときわにぎやかな墓があると思ったらそれがセルジュの墓でした。人気者なのだな。たくさんの植木鉢に覆われて墓盤自体はほとんど見えなくなっている。石盤の上には訪問者によるたくさんの思い思いのお供え物が。小石が積んであったり、メトロのビエが置いてあったり、写真やメモがあったり。

セルジュ


ジェーン・バーキンとの最後のアルバムの曲を適当に口ずさみつつ写真を撮り、石盤に触れる。タバコをくれ、と言われたような気が勝手にしたので、勝手にタバコを1本、雨風に撃たれなさそうなところにおいてみる。

浸る~

にぎやか


ここにジェーンかシャルロットが墓参りに偶然来たりすると劇的なのだが、そう上手くはいかないのがワタシの人生全般。


セルジュに浸りなにやら放心状態となったワタシであるが、気をとり直し、ジーン・セバーグのお墓へ。数日前に「勝手にしやがれ」を観たばかりなので、あの人がここに眠っているというのは不思議な感覚だ。映画を死者の召喚としてとらえることの直接的な意味を感じるようだ。。

ジーン・セバーグ。若くして眠る。


となると、ジーンにほど近いところに眠るアンリ・ラングロワにも詣でなければ。ここもまた違う形で派手な墓である。アクリル板?に写真はちょっと老朽化には耐えられなさそうで心配である。写真の真ん中へんにトリュフォー「大人は判ってくれない」の1カットがあるが、ラングロワがいなかったらヌーヴェルヴァーグだってなかったのだろうと思う。墓碑にはジャン・コクトーのサインがあった。

ラングロワ。派手。


コクトーの文とサインが・・



ふう。
お墓を一巡して、なにやら心が清められたような感じがする。
ほんとうにしたのだ、そんな感じが。
天気もずっと曇天。墓参りにはちょうど良い。

清められたところでトイレを借りる。こういうところのトイレの割には清潔だった。よきかな。



さぁて、ビルアケム!
エドガー・キネの駅まで歩き、眼前のモンパルナスタワーを見上げ、モンパルナスに別れを告げる。

モンパルナスタワーはパリには珍しい風景。

エドガー・キネの市場


メトロで次の目的地ビル・アケムへ。この地下鉄6号線はビル・アケムの前後しばらくの間高架上を走るので、とても気持ちがいい。パリの街をながめながら電車に揺られていると、ああ、異国だなあとしみじみ思う。

ビル・アケムも高架の駅なので、出口に行くには当然ながら階段を下りる。新鮮である。そして出口からすぐにビル・アケム橋が見える。
この橋を歩くのが目的なのだ~。

ビルアケム駅~

メトロ出口


橋!


「ラストタンゴ・イン・パリ」「北の橋」「地下鉄のザジ」などで登場するこの橋。二層の橋で、上を地下鉄が走り、下の中央が歩道、両側が車道になっている。
歩道に立つ鋼鉄の柱の列が特徴的なのだ。
ともかく中央の歩道に行ってみる。

おお~~
映画のまんまだ(あたりまえだ)
おお~

「うがあぁあぁあぁぁ~~~あっ!」
といきなり頭を抱えて叫んでみる(小さな声でね)
マーロン・ブランドのまね~

異国でなにをやってるんだ?>自分^^;

うがあぁあぁあぁぁ~~~あっ!



ビル・アケム橋を渡ると、もう次の駅パッシーの乗り場がある。メトロ、一駅が橋の分だけしかないのか?^^;短い。
パッシー駅へはいきなり屋外むき出しのエスカレータがついていて、これ、メンテナンス大変だよなあと心配になる。
この辺りはどうも高級住宅街のようで、いかめしいアパルトマン群が立ち並ぶ。そのなかにいきなりエスカレータがころころ動いているのも不思議な感じだった。不思議なあまり写真を撮らなかったのだが^^;

橋の向こうは高級そう。この辺に「ラストタンゴ・イン・パリ」のアパルトマンもあったはず。


いかめしいアパルトマン群





シャイヨー宮からエッフェル塔を観るも逆光
太陽が出て来た。
セーヌ右岸をシャイヨー宮へむかって歩く。シャイヨー宮は以前アンリ・ラングロワのシネマテークがあったところで、その痕跡をみてみたいと思ったのだが、事前にその詳しい位置などの情報は得ることができず、映画「ドリーマーズ」などでの記憶を頼りに探すつもり。階段をちょっと降りると鉄柵扉がある場所。
だからシャイヨー宮ってなに?ということは全く知らず、いまもなお知らない。

シャイヨー宮の噴水がさあ・・・


シャイヨー宮、近づくと結構横に広い。派手な噴水のある前の広場を通り(通るとき結構水かぶったんですけど(笑))、シンメトリックな宮殿の真ん中広場に出る。そこはエッフェル塔を望む絵葉書的ポイントなので、観光客も多い。(となると土産物売りも当然多いのだ~。)

土産物売りは、固定店舗ではなくて、ワイヤーに置物やキーホルダーなどをじゃらじゃらつけて、それを持って売り歩く移動式なヤツらなので、ぼんやりしているとどんどん寄ってくる。足早に移動しつつベストポイントでエッフェル塔の写真も撮りたいし、気を使うなあ・・

絵葉書的構図


シャイヨー宮からは午前中は逆光だよとどこかのガイドブックに書いてあった(親切なことだなあ)けれども、はたしてその通りで、ご覧の通りエッフェル塔から太陽が透けて見える完全逆光である。完璧な逆光。これ以上ない逆光。完全無欠。

まぶしいっ!





ああっ!シネマテークのことを忘れていた^^;
ということで、シャイヨー宮の建物の周りをぐるぐる・・・しようかなと思ったけれど、この建物、見た目以上に横に長い!!片翼を途中まで行ったところでもう気力が萎えてしまう。それに見通した感じそれらしい階段?がある気配もないし。。。一応建物の裏表を一所懸命眺めて、これはムリだなとあっさり諦める。逆光に気押されてしまったのかもしれない。きっとそうだ。
またきたときにチャレンジするよ。シネマテークフランセーズ跡。。

********

ということで、いよいよ本日最大のイベント、エッフェル塔に登る!!に挑むのですが、次回に続く~~


前の記事:パリ記8:モンマルトル墓地とか
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パリ記8:モンマルトル墓地とか

2009-10-08 01:16:38 | パリ記2009
パリ記8回目はモンマルトルでだらだらの2回目ですね~
一日モンマルトルにいたんですよぉ

****
9.19sat ピガール恐るべし
お土産を買ったあと、まだ時間があるのでなおもうろうろする。ただうろうろする。
ドゥー・ムーラン周辺はちょっとした市場のようになっていて、少し南下するとキャバレームーラン・ルージュがある大通りに出る。そこはブランシュという駅であるが、ここからピガール方面は話に聞く歓楽街+風俗街。どんな様子か見てやろうとピガール方面に一歩踏み出すとすでにそれらしい店が並ぶ。アメリの彼氏がお勤めのポルノショップもこの辺にあるんだろう。と悠長にいると、数歩も歩かないうちにいかにも胡散臭いムッシュが、いかにもそれ系の小さなカードを見せつつなにやら言い寄ってくる。まだ昼間だってのに。のんのん。と言いながら早足になるが、ムッシュは少しも引き下がらず腕を掴んでくるので、軽く振り払い軽くダッシュで逃れる。ふう。

とため息を着くかつかないかのうちに、いつのまにかまたもやいかにもその道の人という感じのマダムが、流麗なフランス語をとうとうと話しながら、ぴったり寄り添ってくる。う~む^^;
これまたのんのん!と言いながらやはり軽くダッシュ。しかし、マダムは少しもひるまずやはり軽くダッシュして寄り添う距離を変えない。お~い^^;。しかたなく、大通り反対側にモノプリが見えたので、車が途絶えた瞬間に走り、モノプリに避難する。

やれやれ。

ピガール方面に一歩踏み入れたとたんこれだ。男ひとりだけってのがいかにもカモなんだろうなあ。女性一人だと逆に味わわないことかもしれまへん。ピガール恐るべし(笑)

ムーランルージュ


それ系の店が並ぶピガール方面


今考えると、あのまま小走りを続けピガール探検をしてもよかったなと思うのだが、ちょうどモノプリに用があることもあり、あっさり探検をあきらめてしまった。

ブランシュのモノプリ。前にアコーディオンのムッシュが座りパリらしい調べを奏でていた。


モノプリに用とは、もちろん師匠のお土産探し。まだ探してるのか^^;そうなんです。
ここでは事前に撮っておいたバッグの写真を見せて「これあるか?」と訊いてみる。お店の人はわーっとフランス語で説明してくれたが、わからん^^;
どうやらこのバッグはもう置いてないらしい。なにしろ出してくれなかったし。う~ん残念。売れ残りもあるかもしれないので、モノプリ見たら立ち寄ろう方針で行こうと思う。

八百屋と洗濯船
さて、その後なおもうろうろし、アメリにでてくる八百屋~と、伝説の洗濯船跡地を見る。
八百屋は時間的なものか、ちょっと寂びれた感じだったなあ。

コリニョン!


八百屋の窓には「アメリ」がらみの切り抜きがいっぱい


洗濯船跡地はいまは小さなホテルになっていて、往時のことを記す標識と写真展時がある。建物が残っていたらよかったのにね。(火災で焼失)

洗濯船跡

洗濯船在りし日の姿


モンマルトルは坂と階段の街


パリ中にある公衆ゴミ袋




9.19sat モンマルトル墓地~
さて、まだ時間がある~。というのは、映画が始まるのが15時だから。そう。モンマルトルで映画見ようというのが午後のイベント。時間があるので、予定外ながらモンマルトル墓地へ行ってみる。

墓地はモンマルトルのはずれだけれど歩いてすぐ。入口はわかりにくいが野生の勘で真っ直ぐ探し当てた。(あとでよくみたらガイドブックの地図に入口って書いてあったけど^^;)敷地と道を挟んで反対側の階段を下りたところ。道路の下あたりが入口である。

入口には有名人の墓のマップがある。アルファベ順に名前があり、対応する番号が地図上に振ってある。どのくらいの広さか感覚がわからないので、とりあえず対象を絞って見に行く。なにをおいてもここでは、フランソワ・トリュフォーに参らねばならないだろう。

地図を片手に歩く。墓が整然と、でもたくさん並んでいる。古い墓ほど家の形をしている。石造りの家なうえにかなり古ぼけていてなかなか怖い。墓地とはいえ通りに普通に名前が着いていて、墓にも住所があるということでは、家型の墓もよい。新しいものはだいたい石盤を横たえた形のようである。

家型の墓はコワい・・


道をざくざくとあるく。右に折れるとトリュフォーの墓があるはずだが、墓の間の小道もあり大き目の歩道もあり、どこで折れるのかいまいちわからず。広大な墓地だと思っているので、多めに歩いてこのへんかな?と思っていたら、思い切り通り過ぎていた。
戻るようにして墓を眺めながら歩くと、あったあった。フランソワ・トリュフォー。そんなに本数は観ていないけれど、あなたの映画は好きです。とつぶやき墓石に触れる。

トリュフォー




ほかにはベルリオーズの墓(幻想交響曲しか聴いたことはないけれど)、ダリダの墓(これは探しにくかった。昔一時期彼女のレコードを聴いていた)。ダリダの墓を探すのに、奥まったところにあるかなあ?とか墓を分け入って奥に入ってクモの巣にぶち当たったりした。
ま、パリのクモの巣だ。

ダリダ






STUDIO28
ようやく15時近くになったので、映画館STUDIO28に行ってみる。ここはパリ最古の映画館で、内装をジャン・コクトーがやったという話。

STUDIO28


15時から上映とあるのに15時になってもシャッターは閉まったまま。フランスらしいかも。しばらく前でうろうろ。するとよく見ると壁に今月の上映作品紹介とタイムテーブルの紙が置いてある。読んでみる。もちろんフランス語なのでよくわからないが、毎回上映作品が変わるようで、どうやら15時からやるのはアニメらしい。アニメか~。う~ん。しかもアメリカのアニメと書いてある。一つ遅らせて次の回を見るというのも考えたが、まあ、アニメなら言葉がわからなくても楽しめるかもと思い直し、観ることに。
いざチケット買うぞ!

入口すぐに窓口があり、おっかなそうなマダムが座っている。ぼ・ぼんじゅ~るまだむ(にっこり)あんぺるそんしるヴぷれ。マダムは予想通りにこりともしないで、○△?と訊きかえす。タイトルを確認しているんだと思い、うぃ。と言う。ちょっと怪訝な顔のマダム。その顔でちょっと心配になるワタシ。
ま、チケットをみるとちゃんとタイトルも時刻も印刷されているし、料金もちゃんとしている。グッド。

入ると映画人の足形(なぜ足形?(笑))が壁にある。コクトーのイラストやアベル・ガンスの写真などが展示されている。

足形

コクトーのイラストと奥はアベル・ガンスの写真


客席に入る前にもうひとりマダムがいてにこやかにボンジュール!○×△というので、にっこりぼんじゅ~るして客席に入ろうとすると、マダムはあわてて、ちけ!ちけ!という。ああ、チケット見せろということか~^^;汗かくなあ。チケット半券をさらにペリッと切れ目を入れられて無事入場。
客席は紫ベースに赤のシート、スクリーンには赤の緞帳が。そして木の枝?きのこ?のような不思議なシャンデリアが。こじんまりとした小劇場。いいなあ。
客席の最後列中央にすわり、ああ、異国でも映画館は落ち着くなあと思っていると、お客さんが三々五々やってくる。お客さんはほぼ例外なく親子連れ。そうだよな。アニメだもんね。ほぼ例外なく親子連れで、例外はただ一人最後列に座る怪しげな東洋人だけ^^;やれやれ。

魅惑的な色使い


シャンデリア!


15時からといいつつ全然始まる気配がない。どうやらお客さんがひととおり入ってから始めるようだ。しばし待ち、とうとう暗闇が訪れる。予告編なしでいきなり本編が。するとドリームワークスのタイトルが。おお!むむ?これは、ああ、なんだ、これ「アイスエイジ」だよ「アイスエイジ3」だったんだ。そういやフランス語タイトルはL'age de glace 3。言われて見るとわかるねえ^^;

映画はもちろんフランス語吹き替えで、ところどころみんな笑ってるのに自分だけ笑えないところなどがあり、異国情緒満点。でも話自体はわかりやすく、しばし映画空間を楽しみましたよ^^

あいすえいじ3



映画館を出るとき、窓口のマダムと軽くアイコンタクト(めるしー)。するとマダムもニッコリ。めでたしめでたし。

モンマルトルのひこうき雲!



メトロ苦境
さて、帰るとするか今日はちょっと夕方のんびりしよう。
再びアベスからメトロでサンラザールに出て、ここからオペラまで歩いてみる。
夕暮れ時でヒトが多い!
パリの中心地はまたモンマルトルとは違った騒々しさがある。

この時点で予感すればよかったんだけれども・・・

オペラからメトロ7番線に乗る。が、メトロ、途中からがんがん人が乗ってくる。そのうちぎゅうぎゅうになる。うう~~メトロはつかまるところがなくて非常に苦しい、暑い、疲れる!助けて!
サンシエ・ドバントンでも一向に人は降りず。その時点で反対側のドアに押し付けられていたワタシは、「ぱるどん!」を連発して人を掻き分ける。出口付近に立っていた若者がどうも「エクスキュセ・モアだろ?」といったような気がしたので、「エクスキュセ・モア!」と言って降りる。
こういうときは「ぱるどん」か「エクスキュセ・モア」か?その後も周りの人を観察したけれど、結局よくわからない。どっちでもいいような気がする。。
ちょっとどいてもらうときは前者、掻き分けるときは後者かなあ?

関係ないけどイエスの公演があるらしい。


メトロ疲れでよろよろサンシエに降り立つ。ちょっと足ほぐしに、ゴブラン方面にあるモノプリに行ってみることに。しかしここはコスメメインのお店で、どうにも店内では違和感のあるワタシ^^; 一応ささっと店内をみて退散

サンシエ・ドバントン駅でツィター?を弾くマダム。上手。


疲れたのでステュディオに一番近いカフェでお茶を、と思ったら、土曜と日曜は休み~と書いてあってがっくり。
とりあえずステュディオに帰りのんびりする。
いや~一日歩いたあとの休息は気持ちがいいねえ~~~
一日中モンマルトルにいたけど、こういうのものんびりしていいね。


ワッフルとバゲットを買ったのはこの日でした。
前日分(前々回)の記事は間違いでした。

3日は持ちそうなバゲット~

しかしワタシの机はなぜすぐに散らかる?

ステュディオのある建物







前の記事:パリ記7:モンマルトルで一日だらだらする
次の記事:パリ記9:モンパルナスでまた浸る





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パリ記7:モンマルトルで一日だらだらする

2009-10-06 01:16:11 | パリ記2009
パリ記7回目はモンマルトルで一日中だらだら~~
1回で終わるかなあ?

*****

9.19sat バスでサン・ラザール!
さて今日はモンマルトルに行く日なり。モンマルトルにどうやって行こうかなあといろいろ考えていたです。メトロではちょっと行きにくく、7番でオペラに行き3番に乗り換えサン・ラザールでまた乗り換え?とか、67番バスはピガール行きだからピガールから歩くかなあ?でも67番バス乗り場まで遠そうだなあ?とか。

でもパリ行きの前に再観した映画「アメリ」で、アメリがメトロのアベス駅にいたのを見て、これはアベス駅に行かねば!ということで、メトロで訪れることが必須になり。どうしようかな?と思っていたら、ふと昨日乗った21番バスがサン・ラザール行きだったことに思い至り。
おお、これが正解。21番か27番のサン・ラザール行きは乗り場がステュディオに程近いし、2路線あるから便もいいし、サン・ラザールからメトロに乗り換えアベスで降りる。完璧なプラン

いざ、バスでGO!


車窓から~


というわけで、一路サン・ラザールへ。終点までなので余裕で朝のパリ風景を楽しむ。サンジェルマンやルーブルを抜け、オペラを通りサン・ラザールへ。
サン・ラザールの駅舎前にバスは着く。人通りもまばらで朝の光がまぶしい。今回は鉄道を利用しないので、この際駅も見学しておこうと駅舎に入る。
と、外とはうって変わって人がたくさんいる。旅行客だらけ。アメリの写真撮影機があるか見回したが見当たらなかった。こんど訪れるときは郊外へ列車で行くのもいいなあ。

サン・ラザールの駅舎


線路は誘うよ(いや変な意味でなくて旅にね^^;)


ヒトがいっぱいいた





アベス駅でアメリの残り香を嗅ぐ~遭遇!
メトロでアベス駅へ。もちろん駅中でまず写真~オドレイ・トトゥがここにいたのね~と目をハート型にして歩く。
駅から外へ出るにはめずらしくらせん階段をぐるぐる昇る。結構深いところにある駅らしい。階段の壁画が観光客向けに程よく安っぽくなかなかよい。う~ん観光地。

アベス!


駅のらせん階段、壁の絵がポップ


外への出口というかメトロへの入口は、有名なアールヌーヴォーデザイン。これもあってアベスで降りることにしたんだった。写真を撮り、手摺りをなでてみる。1900年に建築家エクトル・ギマールにより作られたもの。100年前か~。

おお、これこれ!これよ!


アベスも朝のせいかあまり人はおらず。9時頃だったと思う。ここからまっすぐ行くと、サクレ・クールへ行く坂道、あの有名な坂道に出る。

下から見上げて、おお~とひたっていると、前から来る黒人さんが、手を前に出し、ちょっと待て、という感じの合図を送る。ちょうど止まっていた清掃車が発車するところだったので、それを待て、ということだと思い、うなづいて待つ。清掃車はあっさり出て行ってしまい、しかしその黒人さんは「待て」のまま近づいてくる。何だろう?と思ったら、黒人さん、すっと色とりどりの紐を出す。あ!なんだよ。これはうわさに聞くモンマルトル界隈ミサンガの押し売りってヤツじゃないですか!いきなり腕に紐巻いて、取れないことをいいことにお金を請求するってヤツ!!
もう即座に「NON!」。事前にそういう情報を聞いていないとこれは引っかかるかもしれない。黒人さんはとてもフレンドリーだし、まず「待て」から入るので最初はなんだろう?となるからね。

「No problem!」と黒人さんは言うが、いや、a lot of problemでしょう!many many problem!ですよ、もう。NON!の一点張り。黒人さんは「NIHON?」と訊くのでイエスというと「こんにちは」。こちらは「こんにちは、さようなら」と返す。日本語ならばこちらのものだ(笑)。

坂~~




サクレ・クール
逃げて改めてモンマルトルの坂を昇る。急な坂だが足で昇ってもたいしたことはない。フニクレール(ケーブルカー)と使うまでもないのだが、チケットはメトロと共通なので、観光で乗ってみるのもいいかも。
見上げると白亜のサクレ・クールが。19世紀末から建設され20世紀始めに完成したという比較的新しい建物だが、すっかり名所となっている。

サクレ・クール


パリ風景/なんかしらんが色違いが撮れた



サクレ・クール前の広場からパリの街が見える。丘の上なんだな~。段々になっている下の広場は『アメリ」の撮影現場でもあるのだが、そこにはみやげ物売りや先ほどのミサンガ野郎の同類がうようよいる^^;真剣な話、1平方メートルにひとりの割合でいる。さすがにそこに降りていくのはためらわれる。今思えばいってみるのもよかったかもしれないが、観光客もまばらで、一人で狼の群れに飛び込むのはやはりムリであろうなあ。

物売りどもゾーン(1平米に一人は大げさか?)



サクレ・クール、内部は撮影禁止になっていた。中はまあ普通の(もう慣れてきた)教会で、塔の上にはどこから上るんだろう?と探してみると・・・建物を出た左手に地下に下りる階段がある。どうやらそこらしい。
行ってみると、地下聖堂クリプトへの入口は閉まっていて残念。塔への入口は無人で券売機が置かれている。おそるおそる5ユーロを投入し、枚数を選び、vボタンを押す。・・・・・・・・・・なにも出てこない・・・・・・・・・・・うそでしょ??しばらくぼおっと立ち尽くしていると、親切なマドモアゼルが通りかかり、ここにお金を入れて画面を操作するのよ~と英語で教えてくれる。のだが、すでに硬貨を入れたんだけれど出てこないのです、と適当な英語でいいかけたとき、はたと気づく。なんだ、チケット出口と思っていたのは違って、チケットは下から出てくるんだ!あ、もう出てるじゃん^^; おお!あった!さんきゅべりまっち。と無事解決、ありがとうマドモアゼル。

ほとんど観光客もいないので、塔への狭く暗いらせん階段をひとりでのぼる。これまたどこまで昇るの~~~~?状態で、なかなかに心細い。階段が300段くらいあるそうだ。

ぐるぐる


一旦中層で外廊下に出て、さらにドームへ昇っていく。ドームの回廊からは丘の高さもあってかなりの眺望である。手摺りが割りと低いのに、ところどころ床が高くなっていて、高所恐怖症にはなかなか刺激的である。

回廊


おお~パリ~~!


ほぼ貸切で眺望に満足したところでさっさと降りる。う~む。高いところ巡りになりつつあるパリ旅行。

カオリさん落書きはいけません。





テルトル広場からモンマルトル界隈をうろうろ
サクレ・クールからテルトル広場に下りる。まだ朝なせいか画家さんたちもまばら。それでも何人かは声をかけてくる。ほんとうに日本語で「安いよ」とか言ってる。あるいはカフェで待ったりしながら遠くからボンジュールとひっそり声をかけてくる奥ゆかしいムッシュもいる。いずれももちろんNONですけどね。ミサンガ売りもほぼ見かけず。この広場の賑わいを知りたければもう少し遅い時間に来るのがよいね。

テルトル広場。そんなに広くない。


モンマルトルの街並みを眺めつつ、ルノワールなども描いたというレストランを撮る。有名な風車も見る。風車の建物はレストランになっている。入口にゴミ箱が並べられていてなんだろな^^;風車も相当古ぼけていてかつ樹木にかこまれていてよく見えない。
坂や階段の多い街並み。「壁抜け男」などを見つつ、ふりかえると家並みの向こうにサクレクールの頭が見えてなかなかいい風情。広場から離れるにつれ閑静な住宅地という感じになる。

有名なレストラン・・名前は・・忘れた^^;


いいかんじの街並


モンマルトルねこ:ん?あれは?犬だ!


フ~~ッ!!!





レ・ドゥー・ムーラン
二つ目の風車の前の道を行くと、映画館STUDIO28のある通りに。STUDIO28はまだ開館していない。入口にあるタイムテーブルを見ると15時に最初の回があるようだ。お昼前なので先にレ・ドゥ・ムーランに行ってみよう。

レ・ドゥ・ムーランは「アメリ」でアメリが働いているカフェ。店の雰囲気こそ違え、映画にも実名で登場する。勝手に地元民向けのカフェで観光客なんかが入っていっても冷たくあしらわれるんじゃないか??とか想像していたが、お昼時に近くなっていたこともありお店は大繁盛。道行く観光客も立ち止まってお店の写真を撮ったりしている。お客さんにも日本人らしき人も混じっている。よし。お昼ごはんといこう。テラス席にちょこんと座る。

忙しそうなマダムがテラスに出てくるのを待ち、にっこりとぼんじゅーる!
だんだんカフェ慣れしてきたね。

レ・ドゥー・ムーラン


あんキャフェとクロックムッシュをたのんでみる。
クロックムッシュ、薄く切ったバゲットにハムとチーズが乗って程よく焼いてある焼きたて~。バルサミコ酢の効いたドレッシングのかかった簡単なサラダもついてお得感もあるが、とにかく美味しい!美味しいぞこれは!思わず日本語で美味しい!とつぶやく。非常に満足なお昼ご飯です。

くろっくむっしゅ!!うめ~~!!


お店の中


ご飯後に、もちろんドゥームーランのトイレを拝借した。あのトイレですよ(詳しくは「アメリ」を観ること)
トイレにはアメリのディスプレイがしてあり、なんだか映画に使われたことを楽しんでいるようだね。

ディスプレイが^^





お土産を買う
カフェから通りの様子を眺めると、おいしそうなフロマージュリーとショコラティエがある。カフェのあと、ちょっと早いけど家にお土産を見繕うことに。
フロマージュリーでは、日本で仕込んで来た会話帳を読みつつ会話を試みる。
「日本の家族へのみやげを探してるんだけど、おすすめある?」
「?」
・・全然通じねえっ!(爆)

しかたなく会話帳そのものを見せる。ふんふん?とかむこうも理解し、
「●と×と▲とシープとあるがどれにする?」と言ってくる。
シープ以外はわからんかったので、これもなにかの因縁と思い、
「しーぷ!」と答えると
「これとこれとこれとこれがシープだ。」と指さす。
なかから美味しそうな2種類を選ぶ。もちろん銘柄とか種類とかはさっぱり今持って理解していない。
「ゔぁきゅーむぱっく?」と言ってくれるので。「うぃ、しるゔぷれ!」と元気よく答える。
支払のとき、小銭を使おうと頑張った結果5サンチームくらい足りなかったのだが、負けてくれた。めるしー!!^^

ふう。なんとか買い物成功。

チョコ屋さんでも同じてを使い、小箱に小さいチョコを詰め合わせたものを2つゲットする。

いい感じ^^

気分がいいので、とおりがかったブーランジェリーでパン・オ・ショコラ!と言ってパン・オ・ショコラ1ユーロを買って食べる。モンマルトルで買い食い~~
あ、しるゔぷれ~言うの忘れた^^;

ちょこやさん


ふろまじゅり


ぱんおしょこら!



********

天気もよく、カフェも暖かく迎えてくれたし、街の雰囲気もいい。商店もどこも活気がある。魚屋さんもダイナミック。モンマルトルいいとこだなあ~~~(単純)

なおも時間があるので、さらにモンマルトルをうろうろするのだが、それは次回に~~^^/(1回で終わらんかったモンマルトル)



魚屋。「魚類」って感じのがどかどか置いてある。




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パリ記6:ノートルダム大聖堂~ポンピドゥーセンターで渇く!

2009-10-04 00:18:28 | パリ記2009
18.Sep.2009 ノートルダム大聖堂
サント・シャペルからノートルダムまではご近所。ノートルダム正面の広場を歩いてゆく。ここが砂漠のような広場で観光客であふれている。ルーブルで買った水も残り少ない。日差しが強く暑い。かなり汗をかいて服が臭い^^;
ノートルダムの北側の外に塔への入口がある。そこから砂漠広場までまた行列が。「やれやれ」と口をついて出る。並ぶと日差しがじりじりと腕を焼く。15時ころ。

街中にこういう銘盤がある。だれそれがここで死んだとか住んでいたとか。


ノートルダム再訪


暇なのでガイドブックを見てノートルダムの閉門時刻などを確認する。パリでは閉門時間=職員が帰る時刻なので、用心だ。夏期間は18時までということで、塔での滞在が30分としても17時には入りたい。まあ大丈夫だろ。

とか適当なことを考えて時間を潰す。と、前に並んでいる女性(東洋人)がどうもちらちらとこちらを見る。サングラス越しに。う~むなんだろう。スリとかサギとかの類かなあ(疑心暗鬼)。サイドバッグをさりげなく押さえ用心する(被害妄想)。疑心暗鬼モードで15分くらいたっただろうか。とうとうあちらから声をかけてくる。「日本の方ですよね?」その発音は明らかに日本人である。この人は一見して日本人という感じではない。特に奇矯なわけではないし、身なりもシックで落ち着いている。普通の人だ。「はい」と答える。

聞くとその女性はもう数ヶ月海外を渡り歩いているそうである。ニューヨークにいたりイタリアにいたり。で数日前にパリに流れ着いたのだとか。世界一周航空券というのがあるらしく、航空券の期限をどんどん延ばしていろいろなところにいけるらしい。無職で日本で仕事を探してもどおせみつからないので、しばらく遊ぶことにしたとか。う~む、うらやましい。「すごいお金持ちなんですか?」と訊いたら「すごいお金持ちではないです」と言っていたので、きっとすごくないお金持ちなんだろう。スリとかサギではなかった^^;疑って悪かった。

パリでどこへ行ったとかそこへ行ったとかお互いに披露しつつ時間を潰す。何日か前にやはりノートルダムの塔に並んだが、夕刻でまだ閉門までは時間があるのに行列を切られてしまったとかで、今日は大丈夫ですよねえ??と時計を見る。いつのまにか並び始めて30分くらいが過ぎているが、列は遅々として進まず。
彼女はバチカンやフィレンツェも感動し、これ以上の感動はないだろうと思っていたが、ノートルダムの内部には改めて感動した、と言っていた。ワタシも前日に感じた内部の崇高な感じはやはりあるんだなあと思う。
そうこうするうちにようやく入口付近に。見ると一度に入場する人数を制限しているようだ。1グループが入るとそのあとしばらくは入場できない。これで列が遅いのだ。ゲートが開いて人が動き、ようやく入れるかな?と思ったら前の前の人でまたクローズ。あらら。前の前の人はチャイニーズの女性で、思わず東洋人どおし笑いあう。ここからがまた長かったがもうすぐだ。

塔への入口


やっと番が回ってきた。入口すぐのところでチケットを売っている。これも列が遅い原因ですね。ワタシはミュージアムパスで入場。ここは構造上優先入場はなし。で、そのあとはまた狭~いらせん階段!ぐるぐる昇るが、列のトップでかつ二人の女性は若いせいか、昇るペースが速い!スタートからハイペースなマラソンにまきこまれたようだ!ど・どこまで昇るの??すでに足が上がらず息が切れてくる。ぜいぜい!
限界か?というころになってようやく階段から部屋にでる。ふう、た・助かった・・・
部屋にいた係の人が「ここで5分くらい待ちます」と英語でいう。よく見ると・・そこはブティックになっていて、なんだろう、ここでまず土産を買え?ということかな?(笑)
5分が10分くらいになって、いい加減グッズをみるのも疲れてきた。まだかなあ?ムードが部屋に充満する。
ようやく扉が開かれると先ほどのらせん階段はさらに上に続いているのがわかる。また昇るのか(当然だ)。こんどは列の先頭ではなくなったので、ロウペース。ああ、よかった!(笑)推定ドイツ人のおばさん(恰幅のいい)が前を歩いていて、ふーっと息も荒く、途中で休んだりする。先ほどのマドモアゼル・ジャポネーゼは、せっかく先頭だったのに~とじれったそうだったが、こちら中年おじさんとしては非常に助かる。

ときおり明り取りの窓から光が入るものの、薄暗く狭い階段をどこまでもどこまでもどこまでもどこまでも~昇る。い・いつまで昇るの?ちらと外を見るとすでに結構高い。

もうイヤというころになりようやく階段は終わり、すがすがしい外に出る。中段の回廊だ。テラスになっているのかと思っていたがそうではなく、狭いオープン構造の回廊で、角では人がすれ違うことができないくらい狭い。いや、自分(メタボ)はここ通れるのか?というくらい狭い。これでは一度に何人も居ることはできないね。入場制限はこういうことだったのね。

回廊からは至近距離で有名なガルグイユをみることができる。おお~これを見に来たんですよ~。思えばパリ初高いところなんで、風景もみなきゃ。セーヌやエッフェル塔、遠くサクレ・クールなども見える。モンマルトルって結構遠いんだねえ。

肘つくな~


モンマルトルは遠い


ここで同行した女性にガルグイユがらみで事故が発生!
いや~これもいい記念ですよといいながらちょっとお手伝いする。
こんなこともあるんだね~ガルグイユの背後には回るな!という警告かなあ?と笑いあう。

狭い回廊


ひととおり回廊をぐるぐるまわり写真を撮りまくり、はて、この上の南塔はどうやって行くんだ?と見ると、順路の矢印表示のとなりに、なにやら手書きっぽい紙で別方向の矢印が貼ってあり。あ、もしかしてこれ?(笑)狭い角を抜けてそちらに行くとまたらせん階段が^^;ぐるぐるぐるぐる昇ると南塔の上に出る。いや~さらに高いパリの街。おのぼりさんモードで涼しい風にあたる。



降りるときはなんと一気に下までのらせん階段だった。目が回る~足が痛い~どこまで降りるの~~@@;とぐるぐるしているうちに外にぽんとでる。地上だ。なるほど、もはやみやげ物を売るスペースはどこにもない。だから最初に時間があるわけね。

先ほどの女性とはノートルダム前広場でお別れする。「東京だからまたどこかで会うかもしれませんね(にっこり)」と彼女が言うので「そうですね~(にっこり)」と返したが、心の中:そ・それはありえないだろう?(笑)
まあ、二度と会うことはありませんという暗黙の意思表示なのでしょうね。
10年前のワタシなら迷わず連絡先を聞いていたのだが、もうそういうことはいいかも(なんちって)


国立近代美術館(ポンピドゥー芸術文化センター)
さて、ノートルダムのらせん階段地獄を終え、とうとう水がそこをつき。夕方だし帰るかなあとも思ったが、まだそんなに疲れていないし、パリの夜更けは遅いのを知ったので、まだどこか回れるねえ。。ということで、予定外だけどポンピドーセンターの近代美術館に行ってみることに。

地図を見ると歩いていけそうなのでてくてく。すると、おお、見えてきた見えてきた^^;なんだあの周囲に溶け込むことをきっぱり拒絶した建物は!それなりの敷地に立っているのかと思っていたが、裏側は普通に市街地のならびにあの建物がある。すごい違和感だ^^;

拒絶!


表側に回ると広場になっていて、芝生の斜面にくつろぐ人々が。

表側~


入口は斜面の下ど真ん中にある。入るとだだっ広いホール。中央にインフォメーションがあり、周囲に「MUSÉE」とか「CAFÉ」とかでっかく表示があるのでわかりやすい。MUSÉEとある表示にしたにはエスカレータがあり、昇ったところにゲートがある。ここでニッコリとミュージアムパスをみせる。ぼんじゅーる。するとゲートをとおったところでムッシュに呼び止められ。なんて言っているのか言語的には全然わからなかったが、不思議と何を言われているのかわかる。どうやら背中のリュックがいけないらしい。これを預けて来いと下の階を指差しているのだ。なんでわかったんだろう?(笑)

エスカレータで下の階に降りてぐる~りと見渡す。荷物を預ける?どこに?と、表示の意味はわからないけれど、どうもそれらしい部屋が。行ってみると英語でdepositとpick up(だったかな?)とカウンターが分かれている。きっとここでしょう。depositのカウンタに荷物をどんと置き、しるヴぷれ~とささやいてみる。とカウンタの隅にマドモアゼルが座っていてこちらを見ている。じっと見て、しばらくしてからおもむろに動き、荷物を受け取って番号札をくれた。あの間はなんだったんだろう?確かにやる気なさそうな感じでしたけどね~

身軽になってふたたびミュゼのゲートに挑む。今度は無事通過~v。で、と、あれ?この先はどこにいくの?矢印のほうは・・・外じゃん?しかしどう見ても外へ行く扉しか行きようがない。おそるおそる行ってみると・・・ああ、ここはあのポンピドーセンターの外側をうねっている階段状のところなんだな。そこがエスカレータになっているんだ~と納得。ミュゼはこっちという表示に従いエスカレータを昇る。見かけどおり殺伐とした感じでいいですね~^^;エスカレータから外を見ると、向かいのとおりにMONOPがあるのを発見。MONOPはモノプリのコンビニ版のようなもの。帰りにあそこで水を買って帰ろう(それだけ渇いていたの)。

正面にニキ・ド・サンファルの人形が二体あるミュゼは2フロアあり、下の階はコンテンポラリー作品、上の階は20世紀前半のものを展示している。コンテンポラリーのほうは、あまりじっくり見なかったが、映像作品が多く、1作をみるにはじっくり付き合わないといけない。全体としてヴィデオ、写真、オブジェという印象であまり強く印象に残らなかった。なかでは写真は力のあるものだと感じた。写真には見入ってしまうものが多かった。

ニキ


上の階には階段を使わないと行けないみたい。シャガール、マチス、ピカソ、からマン・レイ、マグリット、デュシャンなど。こっちのフロアのほうが好きだ。デュシャンの例の便器現物を見て、おお~。シャガールは好きなんだけど、一見してシャガールとわかる。ピカソも初期のものからすでにプリミティヴな要素をはらんでいて迫力あり。

シャガール!


デュシャン!


ピカソ


ポンピドーの近代美術館、まあ、普通の美術館なので、美術に興味がなければ行く必要もないところかもしれませんね。

帰りは荷物を受け取って(さっきの係のマドモアゼル、今度はやる気いっぱいに番号札を受け取ってくれたよ)、さあ、モノップへ。もしかしたら先生のお土産があるかもしれないし。渇きを反映して思わずボルヴィック2本と珍しくコカコーラZEROを買ってしまう。会計を済ませて外に出て、はっと気づく。しまった先生のお土産みるの忘れた^^;よほど渇いていたらしい>自分。
ポンピドー前広場でコーラをぐぐっと飲んで、さあ、帰ろう。広場では革ジャン+ギターで怪しげなロックをがなっているヤツもいて、なんか夜は危険そう~


帰り道、名もない教会を覗いてみる(いや、名はあるでしょうけどね)。ひどく古めかしく、中も外も崩れていきそうだが、雰囲気はすばらしい。なんでもない教会がこの迫力。いにしえのヨーロッパは教会にも富が集中したんだなあと感じさせる。

名もない教会


教会を出るとちょうど門を閉めるところ。19時だ。のんびり帰って夕食の買い物をしよう。メトロで一路サンシエへ。


今日はあの部屋のノートに書いてあった、近所のちいさなブーランジェリーに行ってみよう。バゲットがおいしいということ。パン屋さんでまた「これシルヴプレ」をやり、バゲットを買う。一口かじってみると、確かにおいしい。外は固いが中はふんわりしている。こういうパン屋さんがそこらじゅうにある。いいなあそういうの。

フランプリで水と(また水買った)チョコワッフル(甘いもの~)を買い、ステュディオで食べる。インスタントコーヒーも買ったので、飲む。TVを見ながらぼおっと食べる。マイペース。これがワタシのペースなのだ~^^

【追記】
ああ、間違えた!
バゲットとワッフルを買ったのはこの翌日の出来事でした。
この日は前日のバゲットに、フランプリでリンゴ、トマト、トロピカルジュースを買ったのでした~~


ご近所ムフタール通り



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パリ記5:マレ地区で打撃

2009-10-02 00:29:40 | パリ記2009
パリ記その5は、一度書いたら皆消えやがってリトライ;;

******

18.Sep.2009 マレ地区へ
ルーブルからメトロでSt.Paulへ。ここから少し北上しピカソ美術館に行くのが午後の予定。
途中はユダヤ人街になっていて、シナゴーグやユダヤ料理の店などが連なっているという話。ここで名物のファラフェルを食べるのがお昼ご飯、と思っていたのだが、ルーブル砂漠の出口で予定外お昼を食べてしまったので、ファラフェルはピカソ美術館の後でおやつに食べようと思う。

サン・ポール


このあたりマレ地区は道も狭く、古い建物がたくさん残っている。St.Paul駅周辺の賑わいから、ちょっと裏に入るともう街並みが違う。いかにも古めかしい館とその中庭などを道すがらのぞくことができる。16世紀の建物だよ~とか説明書きを見てう~むとうなりつつでこぼこ石畳を車をよけながら歩く。

マレの雰囲気


こんなのが普通にある


ユダヤ人街の中心ロジエ通りをチェックしてからピカソ美術館へ。最近できたパリのレンタサイクルネットワーク「ヴェリヴ」のおかげで、自転車マークのついた標識がときおり目に付く。ピカソ美術館への標識も角ごとについているので、それを辿っていけば楽々。迷わずにいける・・・はず。途中で趣のある本屋さんの写真など撮りながら緩やかな坂を昇って行くと、あらら?標識がぱったりなくなっている・・・変だなあ(また迷ってる)。地図を出して通りの名前を探すと・・あら、通り過ぎている。いつのまに。

場所をしっかり確認して戻ると・・・ピカソ美術館の入口のはずの門が閉まっている。前に女性が所在無く立ち尽くしている。嫌な予感。閉まっている扉に無造作に何枚かの紙が貼ってある。英語のものを読んでみると・・・どうやらピカソ美術館、作品が海外を巡っているらしく、8月から2012年まで閉館します、と書いてあるみたい。
がろ~~ん。
念のため塀の周りを見てみるがやはり入口はそこだけ。

や っ て な い の か あ あ ぁ ぁ ~

打撃を受け、門前の女性にならい、車止めに腰掛け、所在なさげ~~~な雰囲気を出す。

所在ない女性@ピカソ美術館前;;


本屋さん


しばらく呆然とした後しかたがないので、もと来た道を戻る。と、前からニコニコ顔の希望に満ちた観光客らしき人々が三々五々道を登ってくる。このあと皆一様に所在なさげ~に呆然とすることになるのかと思うとなにやら可笑しくもある。

一見して日本人とわかる(なぜわかるのだろう?)マドモアゼルふたりが前から来たので、よせばいいのに「やってないみたいですよ~」と声をかける。一瞬??的表情になる二人であったが、ひとりが「ピカソ美術館やってないんですか?!」と確認する。「そうなんですよ~」と答えたが、自分の英語力がことによると信頼できない気が急にしたので、「門に張り紙がしてあるので読んでみてください~」とうながす。間違った情報で引き返させたらとりかえしがつかないからね。あぶないあぶない。

小さな広場にベンチがあったので一休みし、「地球の歩き方」をひもとき、さあ、ピカソ美術館がダメだとなるとどこへ行くかな~と考える。このあたりには小ぶりな美術館、博物館の類が散在しているけれど、どれもピンと来ないなあ・・

と、さきほどのお二人が肩を落として戻ってくる。ああ、やっぱりやってないんだなとこちらも確認できてOK。

本に目をやっていると、しばらくして「地球の歩き方見せてもらえますか?」と声がかかる。へ?と顔を上げると一見して日本人の二人のマドモアゼルが(なんでわかるんだろう?)。
「ピカソ美術館ならやってないですよ」と言おうとして、はっと気づく。なんださっきのお二人ではないですか^^;一度通り過ぎたけど戻ってきたんですね。どこに目つけてるんだろうねえワタシは・・・

二人もじゃあどこへいこうか?となっているわけですね。どうやら一人はパリ在住の経験者らしく「ポンピドーセンターは近いよ、でもオランジェリーは行ったことない」そうです。もう一人はどうやらピカソの絵が見たいらしく、ポンピドーの美術館かオランジェリーか迷っている。
またよせばいいのにワタシは口を出して「ポンピドーはフォビズムとかキュビズムとかそろえているようだしピカソもアヴィニョンの娘の習作なんかあるからいいんじゃないでしょか?」とか言う。行ったこともないくせに^^;

二人は夜はオデオンでムール貝を食べるとかいうことで、おお、豪勢ですね~そこらで買って食べるワタシとは大きな違いだ。結局悩んだ末オランジェリーへいくことにしたようです。気をつけて~と言って別れる。二人のマドモアゼルに幸アレ。。。
(結果的に二人がオランジェリーを選んでくれてよかったのかも?と後のワタシは思うのだが)

かろうじて見えるピカソ美術館の建物






ファラフェル!
さてワタシはどうする?それこそご近所のポンピドーに行くのも考えたけれど、明確に予定に組んでなかったノートルダムの塔とサント・シャペルにここは行くべきと思い移動。

でもその前に!ファラフェルを忘れてはいかん。ロジエ通りをしばらく歩くと、人気のファラフェル屋サンL'AS DU FALLAFELが見えてくる。おお、ここか~と看板を仰いでいると、若いムッシュが不意に「ファラフェル?」と聞いてくる。不意打ちでとっさに「うぃ。」とこたえると5ユーロ。という。ああ、店のひとだったのか。

お店~


この店は窓口でファラフェルを売っていて買う人は店の外に並んでいる。ムッシュは謎めいた記号の書かれた紙を渡すので、ああ、これを持って並ぶのね?とてこてこ歩いて列に加わる。と、そのムッシュもなぜか後を着いてくる。ん?ああ、お金いま払うのね?現物引き換えじゃないの?ちょっと怪しい気もしたが、並んでいる人は皆そうしているようなので、5ユーロ払う。現物引き換えのほうがよくない?ムッシュ。

ここで受け取りますね。


無事ファラフェルを手に入れる。ピタのようなパン生地にキュウリ・キャベツ・トマト千切りと、ひよこ豆をつぶしたのを揚げた小さなボール、それから茄子をあげたものが、ぎっしり詰まっている。文字通りぎっしり。
受け取るときに窓口のムッシュが○×△?と聞くので、これはチリソース入れていいか?と聞いている!と直感が働き、うぃ!(でもそれが正しかったのかはわからず)。片手に余るボリュームのファラフェルをずっしり渡される。う~~これはおやつにしてはフルヴォリュームだぁ!
しかも。美味い。
チリソース味なのでまあどこかで食べたような味ではあるものの、炭水化物に野菜にタンパク質とバランスよく摂れる。ヨーグルトのようなマヨネーズのようなソースもかかって味わい深し。道端で人目を気にせずもりもり食べる。うまいなあ。

ファラフェル!



食べながら見るとこの通りはなかなかの文化混交通り。アラブ風のファラフェルを売る店が向かいにあるし、ちょっと向こうにはヘブライ語の本屋さんがある。人がいっぱいいるが、東洋人はまず見かけない。おお!ユダヤ人然とした装束の人が歩いてくるし。う~んヨーロッパだなあ。

ユダヤ教~


いいかんじのカフェもある


ファラフェルについてはこちら




サントシャペルへ
ふたたびメトロでこんとはシャトレへ。シャトレは巨大地下駅でして・・以下省略(笑)。ここらが一番ノートルダム方面に近いかな?という出口を見つけて地上へ。すると・・・み・右も左もわからんでないの^^; ランドマークたるノートルダムも建物の影らしく見えないし・・どっち?

出口でくるくる回って遠くを見てみるが・・わからん^^;と、そこへ缶ジュースをさしだすマドモアゼルが!むむ?これは押し売りか?と思い即座にNON!という。が、マドモアゼル困惑したようにIt's free.とつぶやくが、こちらはいま迷子中なので余裕ないんです~よく考えずにまたNON!と言ってしまう。
ああ、なんかのキャンペーンなのかな。マドモアゼルに悪いことしたな。
ちょっと道を歩いてみることに、すると向こうにいかにもセーヌ沿いらしい車の流れが!あっちだあっちだ。ふたたび歩き出すとまたさっきの缶ジュースマドモアゼルが・・・いまさらながら今度は笑顔でいただく。変な東洋人と思ったこと間違いなし。

ルーブル砂漠の余波でまだ喉が渇いているのでジュース一気飲みして手近のゴミ袋にポイ。なんか便利な感じ(笑)

方向がわかったところで、まずサント・シャペルへ行ってみる。ここはミュージアムパス優先で入れてくれると事前にどこかで聞いていたので、まずは早めにすませておこうというわけ。いってみると道に入場者の列ができている。長い。パスを持ちながら列の先頭に行ってみる。が、係のムッシュにI am sorry! this line!と豪快に言われ、バン!と肩を叩かれる。ああ、並べってことね。優先入場はなにかの事情で無し。

行列~~


列は意外と早く進み、入場。ここでも荷物スキャンと、空港型ゲートで本人スキャンもやっていた。ゲートでピピピと引っかかってしまったが、カギ束をズボンにつけていたのだった。

サント・シャペル、遠目にわかったのだが一部補修工事をしている模様。ゲートのあと建物の下を歩くがやはり一部が白いシートで覆われている。
建物に入るところにまたゲートがあり、ここでチケットを買うようだ。
ああ、そうか、ここでミュージアムパスは優先入場なのかな??

サント・シャペルの外側


建物に入ると下層階は天井の低い小さな聖堂になっていて、ほぼ土産物売り場と化している。そこから端にある狭~~い螺旋階段をちょっと登ると、本堂?に出る。こここそ、高い天井までの壁面全部がステンドグラス(しかもパリ最古の)というサント・シャペルのハイライト。
しかあし、そのステンドグラス、一部は補修工事の白シートに覆われていた~
う~む。全面ステンドグラスのスペクタクル感はちょっと味わえなかった。

下層階


上層階!こんなかんじよ~


最古のステンドグラス~~!


ステンドグラスには聖書の物語が織り込まれているとかで、まあまったく確認できなかったけれどね。。

サント・シャペルを出ると隣りの最高裁判所の前広場に出る。裁判所も観れるのか?(そんなことはないと思う)。

らせん階段。。@@/


屋根から伸びる異形の方達



***

このあといよいよノートルダム大聖堂の塔に挑むのだが、
その辺は次回~~(力つきる)。



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