お友達の(と勝手に交遊を結んでしまう^^;)ntmymさん責任編集の同人誌をいただきました。「ツルバミ」というタイトルのそれは、鮮やかで深い紅の表紙の小粋な小冊子でした。どうもありがとう。
二度三度通して読んでみたので、ぽつぽつと感想を書いてみます。
あくまでも個人的な思いを連ねるだけですので、それによって同人の方々の作品の価値がどうこうとかいうハナシではありません。このように作品を持ち寄ることが出来たことを心より祝福申し上げます、とあらかじめ申し添えておきましょう。
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まずは、最初にこれについて語りたい。
「夢の中で」=YUKIDOKE主宰者ntmymさんのエッセイ+マンガです。
エッセイのほうは、主に夢についてと創作の原泉について書かれたものだとワタシは解釈しましたが、この文章はなんともワタシの心をがっしりと鷲づかみにしてしまったのですよ。
自分が深く魅了される心象風景を改めて思い起こしてみて、それを、自分の源泉のような世界を、自分は創作の世界に表したことが実はなかったことへの気づき。そして、よし、私は自分の原風景を表現してみようではないか、という、創作地点の意識化。
ひとりの人間の中に起こった意識の動きを簡明に表現したエッセイは、同時に創作についてのひとつの考察になっていて、ワタシはその表すところにいたく共感してしまった。
原風景に創作の足場をすえること、表現するならば自分自身にとって深い意味のあるものにしたい、この思いはまるまるワタシの思うことでもあって、このことをはっきり言葉にしてしまったntmymさんの力に、ワタシはもううっとりしてしまいましたです。
同時に、これは自意識過剰すぎるだろうか?というntmymさんの問いもまた、ワタシの共有するものです。単に自家中毒的センチメンタリズムに陥っているのではないのか?そのような動機で表現されたものに価値はあるのか?
手前味噌になるが、son*imaのアルバムを作ったときの事を書こう。
アルバムを作ろうと思い立ったとき、それまで作り溜めていた曲を収録曲として並べてみたのだが、いざそれを「外に出す」という視点で眺めてみたら、もっと違う形のものがあっていいんじゃないか?という思いにとらわれ、と同時に、それまでとは違う種類の創作意欲(というか衝動)が自然と生まれ、結局一気に新しい曲を5曲次々と作ってしまい、収録したのはアルバム製作を思い立ってから新たに書き起こした曲ばかりという展開になったのだ。
新しい曲たちは、創作の原点として自分の原風景を形にしたものにしたいという動機においては従来の作品となんら変わることはなかったのだが、それに更に「外から」見てもちゃんと伝えたいことが形になっているかという観点が加わって、ようやく本当に納得のいくものとして成立したのだといえる。
回答になっているかどうかはわからないが、創作の初期揺動に「内と外」の視点を与えることで、ひとりよがりでない、自分にも他者にも届く創作の地点というものをきっと見出せるのだと信じたい。
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ワタシは幼少の頃海辺に住んでいた関係で、記憶に残り大切にしている風景は圧倒的に海辺のものが多い。この点でもえらくntmymさんと共通するのですが、特に「浜辺に打ち上げられた巨大な電球」の風景は、まさに海辺に長くいたものにのみ許される記憶でしょう。電球もありましたし、大きなブイのようなガラス球を見つけたこともありました。薄く青緑色に透き通るガラス玉は長らく我が家のベランダに鎮座することとなりました。海の記憶はson*imaの「クレヨン」という曲に織り込みました。(もう一つ「砂の下遠い昔の絵」という歌もあるのですが歌曲としては未発表のままです。)
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ntmymさんのエッセイのあとには、ステキなマンガが続いています。ワタシはntmymさんのマンガのファンなのですが。原風景とほぼ同程度に人の心象を形作る「夢」というものの、「心に残り方」をよく表現した秀作だと思います。これは先のエッセイにおける「創作と原風景」というテーマの一つの実践なのでしょう。「いい夢」というだけでは言い尽くせない(自分にとって)「深い」夢を見たときの心持はまさにこんな風だと思います。というか、はいはい、ワタシも見たことあります~こういう夢~という共感ですね。ほら、ちゃんと「内と外」がつながりましたよ^^
しかし!
こんないい文章とマンガが書ける/描けるなんて、ntmymさん、なんてすてきなひとなんでしょう!これはぜひご本人にお会いしたい!ご本人に会って握手したい!両手を握ってぶんぶんしたい!という気分ですよ!!
(できればハグもしてみたい。その先はまだいいです。)
(何書いてるんだ??)
^^;
うむむ、ntmymさんのことだけでこんなに長くなってしまった・・^^;
他の作品たちについては別の機会に書きますね~
~つづく~
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