Credo, quia absurdum.

旧「Mani_Mani」。ちょっと改名気分でしたので。主に映画、音楽、本について。ときどき日記。

「突然炎のごとく」フランソワ・トリュフォー

2010-03-31 03:42:06 | cinema
フランソワ・トリュフォーDVD-BOX「14の恋の物語」[III]

角川エンタテインメント

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突然炎のごとくJULES ET JIM
1961フランス
監督:フランソワ・トリュフォー
原作:アンリ=ピエール・ロシェ
脚本:フランソワ・トリュフォー、ジャン・グリュオー
撮影:ラウール・クタール
音楽:ジョルジュ・ドルリュー
出演:ジャンヌ・モロー、オスカー・ウェルナー、アンリ・セール、マリー・デュボワ、サビーヌ・オードパン、ミシェル・シュボール

久方ぶりに観賞。
例によってほとんど記憶になかった。
印象的な最後近くの「あの」シーンの他は、
ギター伴奏で歌をうたうところ、
ジムがジュールとカトリーヌを訪ねて行くときに絵を持って行ったところ、
くらいしか記憶になかった。
この忘却力によって、既に観た映画でも十分に新鮮に楽しめるのは幸運なのかどうなのか??

男二人に女ひとりということなので、これは黄金の愛憎入乱れパターンかと思いきや、必ずしも3人の関係ばかりの話ではなかったところがよいと思う。

カトリーヌはジュールとジムの両方をそれなりに愛するのだが、彼らの他にもまた愛人的関係をもっているようでもあるのだ。
カトリーヌはそういう奔放なところを持ちつつも、そうすることで生じる不安定な感情を持て余してもおり、ジュールの包容力のある愛情にすがって涙したりもする。

奔放であり、清廉なところもある、強く引きつけると思えば弱々しく自己否定をしたりする、混沌をはらんだ存在の魅力をこの映画は描こうとしている。
カトリーヌが自身でそうあること以上に、それは男が魅了される女の像であるのだ。魔性の女。運命の女。

翻弄される男たち、とくにジュールの視点から描かれているのだが、ひとえにそういうあやういところに結像する女性の像を描くことにこの映画の労力は注がれている。それ以外には関心がないようだ。

トリュフォーってほんとに女性に魅了されていたんだろうなあ。
魅了されるその感覚、微妙で言葉にしようとしても本質をつかむなど到底出来そうにない感じ、そういうものをなんとか形にしてみたかったんだろうなあ。
と勝手に思う。

***

男2女1、という組み合わせはなかなかにスリリングである。
コクトーの「恐るべき子供たち」のエリザベートとポールは姉弟であるけれど、そこに男がひとり(名前忘れちまった)入ってくることでスイッチが入り一気に転げ落ちて行く。
そのプロットを意識的に反映しているのがベルトルッチ『ドリーマーズ』なのだろう。
ほかにはあるかなあ。
ドリカムの3人組もああいうことで二人になってしまい。
ELTもまた2人になってしまった。
ブリグリとかいきものがかりとかは、きっとこれから疾風怒濤となるのかもしれない。

ほんとかな。

*****

という余計なことはさておき、舞台をパリとドイツ、第一次大戦を挟んだ時期に置いたこの映画、戦争ではジュールとジムは敵同士になってしまうにも関わらず、そんなこと一向に重要視しないかのようにあっさり個人的な価値観にのみ生きる二人もまた興味深い存在だ。(そもそも原題は「ジュールとジム」なのだ。)

二人のがお互いを尊重し常に心を開き理解しあう姿は感動的だ。その基本姿勢はカトリーヌをめぐる愛憎ぐるぐるの中でもいっこうに揺るがない。もちろん戦争などで変わりようがない。こういう個人主義のよい面をこの映画はまた描いているだろう。


もう少し言葉を重ねたくもあるが、しばらくは反芻することを楽しみたい。




あ、いちばんかわいかったのはあのタバコ逆さに加えて汽車~をヤル彼女だったな。



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「アメリカの影」ジョン・カサヴェテス

2010-03-25 02:32:52 | cinema
アメリカの影 HDリマスター版 [DVD]

Happinet(SB)(D)

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ジョン・カサヴェテス 生誕80周年記念DVD-BOX HDリマスター版

Happinet(SB)(D)

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アメリカの影SHADOWS
1959アメリカ
監督:ジョン・カサヴェテス
製作:モーリス・マッケンドリー、シーモア・カッセル
撮影:エリック・コールマー
音楽:チャールズ・ミンガス
出演:レリア・ゴルドーニ、ヒュー・ハード 他



前から所有していたんだけれどようやく観たカサヴェテスのインディペンデント作品第1弾。

原題はSHADOWSだけなのでこれもかっこいいんだけど、「アメリカの」とつけた邦題もなかなか意味深いな。

というのも、この映画で描かれる若者たちの会話のノリや内容、友情や愛情を保っていくぎりぎりのところでの駆け引き、他者に対する腹の探り合いなどに染み付いているかれらの「流儀」はハナシに聴くアメリカ流であって、これはワタシのいるこの現代日本(東京?)でのそれとは、あまりにも異質であるなあと、しみじみとこの映画を観て感じたのであるから。

ああ、オレはやっぱりアメリカ人ではないんだ。どんなに影響を受け親しんでいるつもりでも、アメリカの本当のところなどこれっぽっちもわかっていないんだ、と改めて知ることとなった。そういうことで、これはまさにワタシにとっての『アメリカの影』なる映画だったのだ。

**

だから、観たあとで、かっこよかったとか面白かったとかいうのがなんとなくはばかられる。わかってないくせに~と。
でもねえ、それでもかっこよく面白かったんだよね。
14の断章からなるこの映画、断章は必ずしも説話的に繋がりのあるものではなく、かつ背景説明などもいっさいないんだけれど、それでも全体としてぼんやりと人物たちの性格や生きるうえでの希望やあきらめや悟りみたいなドラマが感じられるんだよね。
語らずして伝えるということに自覚的で、しかしそれでも伝えるべきものは何かがわかっているという感じ。

即興的演出によるもの(とエンドロールでわざわざ断り書きを入れている)だが、一部のカットは編集後に必要を感じて台本的に撮られているようで、ヒロインのレリアが愛へのあこがれと虚しさの気づきを絶妙な表情で演じてしまうダンスのシーンなど、意外と重要な部分がそれにあたるようである。
(それらのシーンによって、レリアは奇跡的な存在美を得ている)

そう考えると、形式破壊や脱文脈の手段としての即興ではなくて、なにか(と、なんだか上手く言える言葉がなくて)に届くような生き生きとした表現を求めての即興手法だったのだろうと思う。
それを成し遂げるには方法とその結果の統合において、ビジョンと直感にすぐれていなければならないのは当然だが、カサヴェテスはそれを成し遂げてしまったのだ。

****

映画的即興と演劇的即興、という適当な概念を作ってみる。
前者は視覚聴覚の世界で起きることをすべて被写体として、説話的方法でないものも含めてチャンスを捉えて映画を形にする、としてみる。
後者は人物の作り出すバーバル/ノンバーバルな発信をとらえて被写体とするもの、してみる。

『アメリカの影』は圧倒的に後者のような気がする。即興とは人物たちの会話や動きにおける即興を意味し、そこで作り出された二度とないコミュニケーションの姿を映像にとらえること。これを方法としただろう。

対称的なのはたとえばなんだろう?
ゴダールの同じ59年の『勝手にしやがれ』は手触りはよく似ているけれども、疾走する自動車、画面奥へと広がるシャンゼリゼ通り、など、映画はなにものにも回収されない生命をとらえている。これは映画的即興ではないのか?

ゴダールのほうには脚本があり、その上で即興を行う結果、あくまで映画的であるのに対し、カサヴェテスは脚本のないところからスタートし、しかしあくまで演劇的な即興性を手法とした、というふうに感じる。

****

とはいえ、『アメリカの影』にだって圧倒的に映画を感じるシーンもあるわけで、そんなにくっきり物事は概念化されない。
冒頭の人が密集し大騒ぎするなかで、移動するひとりの人物を全く引きもしないで窮屈に撮り続けるカメラ。
あるいはニューヨークの危険な夜を歩いていくレリアが見上げるネオンサイン群に彩られた街。
はっと引き込まれるそうした瞬間をなんどか体験できることもこの映画の魅力である。

59年というのは映画にとっては、世界的にいろいろと面白い年だったのだ。

音楽はチャールズ・ミンガスだが、意外と地味だ。


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ソクーロフ/カネフスキー/チャットモンチー/aiko/YUKI

2010-03-25 01:40:48 | diary
いろいろ発売なんですよねこの時期は。
全部買うのかなあ??

アレクサンドル・ソクーロフ DVD-BOX 3

紀伊國屋書店

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ソクーロフBOX3は3月27日発売
収録は
『チェチェンへ アレクサンドラの旅』『牡牛座 レーニンの肖像』『ボヴァリー夫人』



ヴィターリー・カネフスキー DVD-BOX

紀伊國屋書店

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カネフスキー奇跡のBOXは4月24日発売。
収録は『動くな、死ね、甦れ!』『ひとりで生きる』『ぼくら、20世紀の子供たち』
※【追記】発売が7月24日になったようです。


表情<Coupling Collection>

KRE

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チャットモンチーのアルバムは、シングルカップリング曲のコレクション。
アコースティックセルフコピーも含めた2枚組。
これはもう発売してますね。

ギャラリー茶友―チャットモンチー

ソニー・マガジンズ

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いつの間にかこんな本が出ていたチャットモンチー。


BABY(カラートレイ&限定ブックレット付)(初回限定仕様盤)

ポニーキャニオン

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aikoの新しいアルバムは3月31日発売。
初回限定版。
こんどはどうなってるかなあaiko


うれしくって抱きあうよ(初回生産限定盤)(DVD付)

ERJ

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YUKIのアルバムも発売中ですね。
これは手元にあるんだけれどまだ聴いてないの。



散財を強いるよなあ。
トリュフォーのDVDBOXも1しか持ってないので、他のも欲しいし。



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Bob Dylan & HIS BAND @Zepp Tokyo

2010-03-22 03:20:28 | music
Bob Dylan & HIS BAND
@Zepp Tokyo
2010.3.21sun

行ってきました。ボブ・ディラン来日公演。
ワタシは78年の初来日公演以来32年ぶりのディランでした。

実は『欲望』『激しい雨』以降のディランのアルバムは
それなりに持っているのだがどうも聴き込むに至らず、
事実上70年代終わりで脳内ディスコグラフィは止まっている。

なので今回の公演のセット中、曲名がわかったものは
5~6曲くらい。
新しい曲は聞き覚えがあるものは何曲かあるがもちろんタイトルは出ず。
古い曲でも知らない曲があるうえに、どうせアレンジや歌い方は別物になっているので、わからず。

という、ファンな割には情けないレベルでの参戦となりました。

それでも最近のボブの、しゃがれ声をはるかにとおりこした破壊的歌声にはかなり慣れていたので、音響的にとても楽しめました。
聞き慣れるとあの声でも奥底には往年のディラン節はちゃんとあることがわかるのですね。

演奏は基本ギターロックンロール/カントリー/R&Bバンドという趣で、
全編わりと音のでかいロックンロール大会となりましたね。
そういう点では、思い切り踊って聴ければよかったんですけど、
ぎゅうぎゅうのスタンディングライブなのでそれもほどほどという感じで。

あちこちに出ている各公演のセットリストをみると
だいぶ公演によってヤル曲が違うようですね。
デゾレーション ロウをヤルかと思っていたですがやらなかったし。

Don't think twice,It's all right
Mr. Tambourine man
All along the watchtower
A ballad of thin man
Like a rolling stone
Highway 61 Revisited

そんなとこでした。知ってた曲は。

こちらのサイトでこのツアーの選曲の雰囲気がよくわかるので
無断リンク。
結構へえ!と思う曲もあるので、時間とお金と体力が無尽蔵にあったら
全公演追っかけてみるのも面白いですね。

****

演奏陣はよく知りませんが、
チャーリー・セクストンがまた復帰しているようですね。
彼は風貌やギタープレイで、ちょっとだけ往年のロビー・ロバートソンを思わせるものがありました。
ベースはたぶんトニー・ガルニエさんだったですかね。すっかりディランの右腕的存在となったようですね。バックバンドメンバーとしては最長在籍期間なのだそうです。
あとはもうひとりギターと、スティールギター、そしてディランがオルガンとギターとブルースハープ。

音的にはそんな多彩にはなり得ず、ふとローリング・サンダー・レビュー(前半)や78年武道館の面白いサウンドのライブを思い出してしまいました。
正直なところあのスカーレットのヴァイオリンが鳴り、故イアン・ウォーレスのドラムがばたばた鳴るエキセントリックなライブをまた聴いてみたいと思う気持ちを禁じ得ません。

まあ、もちろんそういう過去をボブが繰り返すはずもないことはもうわかり切っているので、現状を否定する気などさらさらありませんのですが。
というか、70年代の時点で、同じ曲でもパフォーマンスの度にアレンジや歌い方やメロディラインさえも!全く別物に変えてしまうディランのやりかたには子供心に実にかっこよく見えた、あの心躍るやりかたをディランはいまだ続けているのだということですね。


〆にレナルド&クララのDVD(もちろんヤミ^^;)でもみることにしましょうか。




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粒谷区立管弦楽団サジタリウス・初リハでしたよ #2289oke

2010-03-20 02:39:31 | 粒オケ
粒谷区とは・・?
twitter上に出来上がったエア行政区です。
そしてそこに管弦楽団があるのです。
粒谷区立管弦楽団サジタリウス

最近ついったーにどっぷりハマりこちらの更新がおろそかなワタシは
無謀にもこのオケに手を挙げてしまい。

そしてこのエア行政区立のオケは、なんとリアルで演奏会をすることになりまして、3月19日(金)はリアルリハ初日だったのです。@新宿文化センター。

twitterらしくゆるく自主的な活動なのですが、そのわりには
事務方さんや楽器パート世話役さんたちの動きが本気で!
とてもボランティアとは思えないすばらしさ。

演奏するほうもなんだかんだと1ヶ月くらいの準備期間があって、
事務方さんや楽器パート世話役さんたちに恥じぬように
ワタシなりに、ガチ練習をして臨んだのではありましたが・・
・・・・・甘かった^^;

リハももう本気な緊張感。
タダでさえ弾けないところは、もうメタメタに弾けず。
1stバイオリンの1プルト裏に座っていたのですが
内心赤面、穴があったら入って演奏したかったですわ。

このくやしさを忘れずに、次回リハまでに苦手箇所を克服しておきたい!
とひとり反省会を繰り広げなう。なのです。

曲目は、
ワーグナー:ニュルンベルクのマイスタージンガー第一幕前奏曲
ブラームス:交響曲第1番
シュトラウス:ラデツキー行進曲

ブラームスは高域の音程の問題以外はなんとか指はまわるのだけど(30年くらい聴き続けてるからねww)
マイスタとラデツキーはなんかまだ体が覚えてなくてぼろぼろ。
2曲はおぼえるところまで弾くことから始めよう。

****

メンバー皆さん、けっこう水準高く、
あからさまにおっこっちゃうとかいう人は(ワタシを除き)皆無だったようなきが・・・・
指揮者の方の耳にはどうだったかわかりませんが、これはいいですね~
管楽器なんかは初回としてはカンペキでは?
弦楽器もですけど(ワタシを除き;;)

上手な人たちと演奏すると自分が引き上げてもらえるような気がして気持ちがいいです。

がんばろう。

****

反省会(うちあげw)を会場近くの中華料理屋さんでやりました。
ここではみんな飲み食べ歓談しながら
手元はiPhoneやケータイでつぶやくというすごい忙しいタスクをこなしておりました。
リアルとついったー上の両方で会話してたりして
目が回る~~

朝まで飲む組もあるらしく、いままだ進行中なのでしょうね~ww



****

twitterのタグは #2289oke
ここにも写真が・・・
ねむねむさん(ob)

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コメント (2)
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猫沢エミLIVE Fete Blanche‐フェット・ブロンシュ/白の祭

2010-03-15 01:50:53 | 猫沢エミ
猫沢エミLIVE
Fete Blanche‐フェット・ブロンシュ/白の祭 2010 @下北沢440
2010年3月14日(日)
猫沢エミ(vo.per)円山天使(g)坂和也(key)岩見継吾(w.b)末藤健二(d)三谷峰生(Vln)高橋保行(Trb)



例によって行ってきました猫沢エミライブ。

今回はいつものバンド編成にプラスバイオリンとトロンボーンが加わっての新しい試みのようなので、期待大でした。

ライブはそれはもう夢の中の出来事のようで、え、こんな曲もやるのか~こういうアレンジなのか~と、ホントの夢でありがちなおどろきが実際に形になっているという感じ。
MCで今年の抱負として(というかいつもの抱負として)猫沢さんが思っていることは「アイディアを形にする」ということだと言ってましたが、そういう感じです。

実際バイオリンやトロンボーンでメロディ楽器が加わることで、やはりアレンジは深みを増すのだなあと実感。最近の猫沢バンドはわりとバッキング系楽器で成り立っていて、ギターやキーボートで旋律を弾く以外には横に流れる音が少なかったので、メロ楽器を加える路線はよい方向だと思います。

以前はフルートやアコーディオンも加わることがありましたが(岩下さんと田ノ岡さんw)そういう楽器を入れて行くのはいいですね。
結果としてレパートリーも増えていって、昔の曲で往年のファンを喜ばせるもよし、新しいファンの人に過去の名作達を披露するもよし、てことですね。

メロディ楽器が増えると、アレンジをきっちり決めていって、ここはバイオリンが立つところ!とかメリハリをつけるともっとよいのかもしれません。ベースとなる4人+1人のグルーヴは適当でもどうにかなりそうですし(違wあとはウワものの処理と考えるといいのかも。

自分もバイオリンをライブで弾いたりしていたのでわかるのですが、バンドでのバイオリンの音作りはかなりムズカしく、たいがいうまくいかないのです(自分の場合ね)
高域を立てると音が固くなってしまって耳障りになるので、演奏する方も高域を落とし気味にするとやりやすいのですが、こんどはバンドで鳴ったときに埋もれちゃうということになる。そこのバランスをうまくとるのがね~。それこそリハのときは上手く行っても客席にお客さん入ると全然だめになっちゃうとかあるし。
今回のライブでは、微妙に埋もれ側に傾いてしまった感じでやや残念ですが、耳障りよりははるかによいと思いますね~

あとバイオリンはエフェクトかけるのもムズカしくてね!
持続音だからかなあ、位相が変に変わっちゃうとすぐ音質が楽器っぽくなくなっちゃったりするんだよね~



あらら、例によって感想らしくなくなってきて・・・・


あ、そうそう、それと、前もちょっと感じたのだけれど、音量の問題かイコライジングの問題なのか、ボーカルが沈み気味な気がしました。声量で勝負するタイプではないので拾うのがむずかしいのかな。。なにしろとにかく歌詞と声質が合わさったところにこそ猫沢的快楽がある!ので、ライブでの歌声の抜けをもっと追求するといいなあ。
箱やお客さんの入り具合で変わっちゃうからむずかしいんだよね~~

このへんにしとくか。


にしても、全部で17曲。サービス満点ですよ。


******

以下セットリストを兼ねて一言コメント。
一言にしないとね。長過ぎちゃう。

30分押しくらいで始まったのですが、
今回ギター円山氏とキーボード坂氏のまえにマイクがあるのが
気になるね~~w

Les Cafés
定番のちょっとこわれぎみなベースリフが印象的なカフェソング
(カフェソングっていうと、すごいイメージ違うww)
ギターのボトルネックがしょっぱなから聴けてうれしいのです。円山さん上手いす。
これはいつものメンツ5人での演奏。

Alaskaの恋
CDのシンセ音を再現するアレンジでした。これもなかなかいいね。
ここからバイオリン登場。ちょっと緊張気味か今ひとつ音がとけ込んでいないような感じ・・・
そして案の定、円山氏のコーラスが!!初めて聞いた?かも?

SCOOTER
な~んと!スクーターやりました!!しつこくアンケートでリクエスト書いてたのですが(笑)いいんですよね~若々しくてスカッとした青空の下、パリの街をスクーターでどこまでも走ってくって感じがよく出ている。曲調もなんかその~、昭和30年代ころのヨーロッパへのまぶしいあこがれみたいな曲調でさ(何だそりゃ?)
一瞬ベースがびょ~~んてグリッサンドしたのがかっこよかった。
アルバム「GOLDFISH PIE」から




C'est vous sur le pont
何度も言うようですが素晴らしい曲だわよ。そして今回はバイオリンがオリジナル音源でのストリングスを再現して、ちょっと鳥肌でしたわよ。音色もフェイザー系かなにかでいい感じ~
オリジナルのオシャレなアレンジも大好きなのです。
Sunaga t'Experience「CROUKA」より←このアルバムも素敵だ。

目に見えないもの
ここからトロンボーンが参加。原曲には華麗なトロンボーンのソロがあるのです。
前奏間奏のホーンのリフをバイオリンとトロンボーンで重ねてやっていましたが、トロンボーンを普通にマイクで拾っているせいかバランスがはっきり定まらず、ちょっと残念。ホントはホーン3人くらいでやるとカッコいいのかもしれませんが、あまり大所帯もまたつまらないところもあるし・・
でも当時隆盛だったR&B(いわゆる)なアレンジでかっちょよいのです。
坂さんのハイトーンコーラスが聴き所か。



JANE
これもどこか影のある渋曲なのですが、いいんだけれど、かなり女の子な歌なので、ワタシが歌っていると自分でも不気味です^^;
フルート風の音をバイオリンでやってて気持ちよし。

Happy Song
キターー!的な選曲です。4月に結婚するというトロンボーン高橋氏に捧げますといって始まりました。トライアングルの響きが祝祭的でいいですね~パーカッションというのも音楽に深みを与えるね。
しかし衝撃的だったのは、坂+円山両氏による「しゃらららー」というコーラスだったのかもしれません(冗談です)
あ、バイオリンのピチカートがよかったですね。



ミルクの冠
この曲、某所の某活動によりカラオケ配信が決まったということで、そのお披露目とともに、あのイントロだけで悶絶するリズムで始まるのでした。
この名曲を皆で覚えてカラオケで歌いましょう。(男子が歌うと・・どうなんだろう??)

Colors
これはライブでやったことがあったっけ?地味な選曲です。
アルバム「Cafe Tu Ronronnes」に入っているのです。

ここでトロンボーン退場

****

ここで恒例の猫沢エミQ&Aコーナーでした。
予約時にメールに猫沢サンへの質問を書き込まなくてはいけないのですが(いけないってことはないのか?)そのなかから選んだ質問に応えるコーナー。
今回は回答を文章にしてきたようで、それを朗読/棒読み(笑)
この棒読みワタシはなかなか気に入りました。
言葉がしっかり選んであるし、簡潔だし、なんかライブ全体のメリハリに貢献しているような(笑)
あ、でも内容は忘れてしまったな^^;なんだったっけ??

*****

羊飼いの少年へ
最近はちょっと内省的なアレンジになっていたこの曲ですが、今回はアルバムにあるようなどこかキラキラした感じになっていました。どっちかというとこっちのほうが好きかな。
サビのコード進行が変わっていたのが今回はアルバムの通りとなり、これもこっちの方がいいなあやっぱり。サビ頭はキーのメジャーコード。でしょう。
円山氏のペダルがかっちょいい。
あとジャンベの音の拾い方はいままで聴いたなかでも最高の出来だと思いました。エンジニアの勝利。

K.
これも大分原曲に近いアレンジでした。末藤氏のドラムは暖かいけれども正確でメカニックなところもあるので、この際もっとクールに電子音に近いアレンジにしちゃっても面白いかなと思いながら聴きました。ジャンベのジャングルビートもかっこいいんだけれども。
神様はいるんだろうか、ワタシたちをみているんだろうか。。

ここでバイオリン退場




Mon petit chat
ワタシもパリに行ってちっちゃいアパルトマンに泊まったので、勝手にあのアパルトマンの裏庭や階段を猫がうろうろしたり昼寝をしたりしている姿を思い浮かべつつ、なんだかリアルな手触りの曲になって参りました。歌詞はフレンチなので全然わからんけれども^^;

TABACの森
オトナの曲ですよ。歌詞がもっと伝わるともっとかっこいい。
タバコが彼の白い骨で森と結びつけるてのは、なんというか、岡田史子的世界。

Air FRANCHESCA
えーるふらんちぇすか、と読むのが正しいようです。
あれ?ふらんしぇすか?
これも空飛んでるイメージがちゃんとアレンジに出ていてサスガだよな~
キーボードがおいしい曲です。

Zo-wa-zo Oiseaux
なんかこの曲は小編成の方がはじけ飛びかたが激しいような気がするw
今回はちょっと落ち着き気味。こっちもちょっと眠くなってきてたのでそう聴こえたのかもしれないが。




******
こっからアンコール

BROKEN SEWING MACHINE
いいねえ。しみじみするねえ。名曲だねえ。
バイオリンがまた参加で間奏のフレーズを弾いてくれる。
弾いてくれてありがとう。

Mandarin World
これで〆るとハッピーでいいですね。
愛はここに~~という歌詞のままですよ。
むわっとするほど愛が込められている。





***********

てことでした。

ライブのあとは滅多に来ない下北沢を観光し、通りや路地をぐるぐる。
しばらくしてライブハウスのほうまでまたもどって
裏側から表通りに出るところで片付け中の円山氏にばったり会ってしまって、
まだうろうろしてるのか的存在になってしまいちょっと恥ずかしかった。
実際まだウロウロしてたわけで、まあいいんですけど。

いろいろ物色し、美味しそうなラーメン屋でとんこつなラーメンをいただき、
これまたいろいろ物色していごこちよさそうなカフェをさがして
カフェオレをいただき、
読書してついったーいじりをしてました。

カフェ中に地震があったのでビックリしましたが
あとで聞くと震源地は猫沢さんの故郷付近だったので、
これもなにかの??不思議な力????ww


***

猫沢さん、次回は4月にライブをしたいと画策中だそうです。
興味のある方は猫沢さんのHPをマメにチェックしてみてください。
Ou est mon Chat?





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沖縄記1998 2:波照間島

2010-03-03 02:03:43 | 沖縄記1998

沖縄記1998 2:波照間島

次の日は波照間島へ船で。
八重山諸島で最南端にあるこの島へなぜ行くことになったのか?
友人親子とここで落ち合ったので、そういうノリで決めたのだろう。

石垣島から波照間島への船旅は、時間にして小一時間だったかな。
しかし、その道程は厳しいものだった!
外海の波は高かった!20人くらいが乗る小さな船だったが、揺れるなんてモンじゃない。
ぐ~っと何メートルも持ち上がったかと思うと、どど~ん!と落ちる、ほとんどジェットコースターのノリである。
ジェットコースターみたいに体を押し付けるものはないので、乗客は必死こいて椅子にしがみつくが、
落ちるたびに体が浮かび上がるありさま。
きゃ~~とかひえ~~とか悲鳴を上げながらひたすら耐える。
下の子はワタシのひざに抱っこされ、あまりの現実の厳しさにすやすやと寝て逃避!
上の子は必死に耐えたけれども、船が港に着いたところでとうとうげろ~~~っと・・・

甲板においてあった荷物などはふっとんでいないのだろうかと心配だったが、
なんとか港に着きへろへろになりつつ下船したワタシたちを待つのは、宿の送迎の車。
ってよく覚えてないけど。


宿は最果ての島らしくどこまでも民宿チックな、あるいは最果ての島にしては整った、趣のあるところ。
ここには1週間弱の滞在だ。

宿のことはあまり覚えていないのだが、
ここで落ち合った友人の子供はウチの下の子と同じくらいの年で、
宿の入口で一緒に遊んでるところを写真に撮ったな。
それから初日の夕ご飯はソーキ入りのカレーライスだった。

波照間島、とにかくのどかでいいところ。
集落には石垣と赤瓦の伝統的な家が並び、ふとのぞくと入口に置く石垣塀(ヒンブンというそうですね)の向こうに、
戸を広く開け放した板の間におばあさんがノンビリ涼をとっているのが見えたりする、
現役の沖縄文化です。
白い砂の砂利道を散歩すると、普通にバナナの木が道端に生えていたりして南国。
それに、暑い!もう細かいことはどうでもよくなるほどに暑い。
どこにいっても暑いのであきらめるほかない。

島の真ん中辺に集落があって、そこに多少商店や食堂がある。
ないこともないという風情。
沖縄そばの店があってお昼はだいたいそこで食べた。
泡盛に沖縄の唐辛子を漬け込んだクースという調味料が美味で、そばにかけて食べた。
クースは帰りにお土産で買って帰ったが、
我が家のものはだいたいは、大事に大事に取っておいた末、カビが生えるというパターンで
クースもまた同様の運命を辿ってしまった。

宿から最寄の浜辺までは自転車で10分くらい。
ちょっと遠かったが、結局海で遊ぶ以外にはあまりやることがない。
遠浅の澄んだ海。海が初めてな下の子2歳は、浮き輪に乗っかりながらびーびー泣いていた。
地図を改めて見てみたが、どの浜にいったのか記憶にすでにない。
ニシ浜というところかな~と思う。
泊まったところはみのる荘というところだったはずだ。

浜の近くにちょっとおしゃれ風なカフェというか食堂というか、
いかにも都会から新天地を求めて来た人がやっていそうな店があって、何度か行った。


そこにはたくさん本が置いてあって、
そのなかにボブ・ディランの70年代ローリング・サンダー・レビューの行状をルポした
サム・シェパード著「ディランが街にやってきた」があった。
最果ての地で当時既に絶版だったあの本に出会うとは、なんとも不思議な感覚だ。
その店は新しい建物なんだけれど、四面を大きく開け放てるようなつくりになっていて、
気候によくあった設計だった。
よく考えて作られているのだなあ。いまはどうなっているだろうあの店。

宿の近くで原付を貸してくれるところがあったので、2日ほど借りて、
家族が昼寝しているあいだに島内一周した。
時間はかかるが、そんなに長旅というほどではない。
日本最南端の碑(実際の最南端は南鳥島らしいけど)を見て感慨にふけり、
そのちょっと先の断崖絶壁の縁まで行ってお尻をむずむずさせたり、
丘にぽつんと立つ灯台の写真を撮ったり。

島内は概してサトウキビ畑がずーっと広がる、なにもないところ。
昔の村跡などがあるが、島民の聖地のようになっており勝手に入るといけないとかで、自粛。
沖縄での岡本太郎のことなども思い出す。
(彼はきっと立ち入り禁止など気にしないだろう)

バイクの足乗せるところに上の子をたたせて海岸まで乗っていったりして、
よい思い出である。
上の子はいまだにそれを覚えているそうだ。

****

波照間島での事件といえば次のふたつか。

ひとつめは、サンピン茶のボトルなどをよく買った雑貨屋さん。
アイスなんかもあったので子供も喜んで行っていたのだが、
あるとき、買い物に寄ったとき下の子がなにやら微妙な表情になり、
こ・これは!と思ったが既に遅く、こどもの足元にだんだん水のしみが大きくなっていく・・・(おもらしw)。

床はコンクリートのたたきなので、どんどんしみてしまう(笑)。
そこで妻がひとこと「逃げろ!」(笑)
反射的にわたわた逃げ出した親子とばーちゃんでしたが、
考えたら逃げる必要も道理もないよなあ・・・

もうひとつ。
上の子5歳は現地の女の子Kちゃんとちょっと仲良くなり、道端で一緒に遊んだりしていたのだが、
ある日、やはりジモティな坊主狩りの男子(やはり子供と同年代くらい)がわらわら4人くらい自転車でやってきて、
女の子たちにちょっかい出し始めた。

Kちゃんとは顔見知りであるようで、なんだかんだと難癖をつけいじめ始めた。
Kちゃんの自転車を倒したりして目に余る。
ワタシは分別ある大人として、威厳を持ちつつ
「おいおい、男の子は女の子にやさしくなきゃいかんぞ!」とかなんとか適当に阻止を図ったのだが、
奴らいっこうに聞く耳もたず。
「うるせー」とか「女じゃねえの?」(ワタシはロン毛ストレートだったモンで・・)とか実に憎たらしい。

それでもなんとか冷静にやめろと諭していたのだが、
やつらKちゃんの自転車を棒でがんがん叩き出し「壊してやる~」とかやり始めた。
その瞬間ワタシの脳のなかでなにかがブチブチッと音を立てた。

「てめえらいいかげんにしろぉおぉ~~!!!」

腹の底から喉も裂けよとばかりの大声で
「ぶっころしてやる!」と思いつく限りの罵詈雑言が口から出る。
と同時に体はつかみかからんばかりに奴らを追いかける。
びっくりした奴らは、文字通り飛び上がり、
それはもう真剣な顔つきになってサンダルも脱げんかという勢いで脱兎のごとく散っていった。
頭に完全に血が上りつつも、そのやつらのあまりのあわてぶりがなんだか可笑しかった。

事態を不安げに見守っていた上の子は、ガキどもが散っていくと、「ふふっ」と笑い、
Kちゃんのもとに走っていった。
Kちゃんのおかあさんが公民館にいるということなので、
がきんちょどもの復讐を避けて、自転車引きながらKちゃんを公民館まで連れて行った。
おかあさんにそんなことがありましたと話して保護下に。

あのあと保育園だかでKちゃんが、このことをネタにいじめられるかもな~と後悔したが、
やってしまったものはしかたがない。

すべてが終わったころにウチの奥さんが自転車でやってきて、
その自転車のカゴに下の子がちょこんと乗っかっていたのを覚えている。

そのあと自転車で海にいったのだが、途中の民家のなかから少年が恨めしそうにこちらを見ていた。
蹴散らしたがきんちょのひとりだったろう。
こっちもにらみながら通っていった。



あとは、あれだ。当時docomoだったワタシのケータイに職場から電話があったんだ。
こんな日本の果てまで追ってくるなー!ということもあるが、
たまたまケータイを携帯していないときにかかってきて、
それに出たのがいっしょに来ていた友人(♀)。
奥さんじゃない女の人がでたぞ、manimaniは一体誰と沖縄に行ってるんだ?疑惑が職場で吹いたそうである(笑)


とにかく暑い波照間島。
圧倒的な日差しの誰もいない砂浜でめげる子供たち。
宿のクーラーが1時間100円のコイン式だったので、寝苦しくなるまで必死に我慢した夜。
波照間島はそんなところかな。

あ、まだあった。夜に天文観測所で星を見るツアーがあったので参加したな~。
南十字星とか見て軽く終わるのかなと思ったら、天文台の人が異様に話が長く、
小一時間熱心な説明を聴き続けて、正直疲れた。
天文には至極興味がある大人のワタシですらそうなのだから、
もう子供は眠い~まだおわらないの~?とか言い出すしね。

天文台の周りには明かりがまったくなく、星はそれはきれいだったけど。


そいから、夜港でバーベキューやるというので行ったな。
泡盛が進むと現地のひとは当然サンシンを弾きだし一大オキナワンダンス大会に。
ワタシも子供を肩車してぐるぐる走って踊ったよ。
子供の笑い声がいまも耳に残るよ。


つづく~~~~


(2020.10.31改行調整と若干文言修正)

コメント
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