自殺対策
「相談会が心の支え」
さいたまでシンポ
自殺対策「相談会が心の支え」 さいたまでシンポ
http://www.tokyo-np.co.jp/article/saitama/20140601/CK2014060102000139.html
自殺対策についてのシンポジウムが三十一日、さいたま市浦和区東高砂の浦和コミュニティセンターで開かれ、
生活苦や精神的な問題など自殺の原因を解決する取り組みを話し合った。
県が二〇一〇年からJR大宮駅前で毎週開いている「暮らしとこころの総合相談会」の活動報告では、実際に
会に通った当事者二人が体験を語った。
四十三歳の男性は職場になじめずに退職し、約三百五十万円の多重債務を抱えて自殺未遂を起こした。
相談会では債務整理を進める一方、人付き合いが苦手だった原因がアスペルガー症候群だったことも判明。
「早く診断を受ければ人生が変わっていたかもしれない。相談会に来るまで、本当に生きづらい人生だった」
と振り返った。
夫が借金をつくって失踪したさいたま市在住の女性は「本当に困ったときは身内や友人にも話せない。
相談会が心の支えになった」と話した。県疾病対策課によると、昨年度は延べ五百六十八人が相談会を利用。
県内の年間自殺者数は、相談会開始前の〇九年の千七百九十六人をピークに、昨年は千五百二十四人まで
減ったという。
基調講演では宇都宮健児・元日弁連会長が「四年連続で減ってはいるが、一日に平均約七十四人が自殺して
いる。
日本は依然として自殺者が多い社会だ」と指摘。ソーシャルワーカーらによる討論もあった。
埼玉弁護士会と埼玉司法書士会が主催し、約四十人が参加した。 (谷岡聖史)