ISLAND日記

点在する日々のつぶやき…

緑の模様画

2008-09-10 18:06:49 | 
「緑の模様画」高楼方子(たかどのほうこ)作 /平澤朋子装画 福音館創作童話シリーズ内容紹介

小学校の卒業式が終わり中学進学前の春休みに出逢った3人の女の子。
その中の一人の子が「小公女」のアーメンガードに似ているということから、その登場人物や出来事にシンクロして進む話し。
それは読み終わった時に「あぁ、これはあの場面を違えてなぞっているんだ」って判るような感じ、でも語られる物語の根幹は「小公女」とは全く別の話であるのだけれど。

裕福な境遇から一転して寄宿学校の屋根裏に追いやられる少女セーラの話はもう一つの「小公子」と併せて子供の頃にワクワクしながらページをめくったものだったけど、彼女たち3人ともがそれを読んだことがあるということで話が盛り上がりそこから絆が出来ていく。
そして思いがけない不思議な出来事がその話をしたバスの中から始まる、一人の老人を巻き込んで。キーワードは「小公女」と「春」
3人の秘密の場所、大きな木の根方のクローバーの茂み。
その三つ葉と同じように絡み合う、それぞれが抱えている「思い」や彼らに関わる人たちを色々な角度から映しながら、途中で時系列を変えたもう一つの話が語られはじめる。
ここからがおそらくはファンタジーの真骨頂、丁寧に描写された一つ一つのシーンがまるで映画を見ているように頭の中に広がります。

そんな物語の中にすっと差し込まれているファンタジーと現実を繋ぐようなエピソード。
あちこちで出逢う「少女たちが3人揃った時に現れる茶色の瞳の青年」の存在。
その人に自分だけを見て欲しいと思ってしまう、他の2人に対するささやかなやきもち、それがトゲになってその絆をつつき、傷をつける。
でもその答えは青年がいなくなることで出せずに終ってしまい、小さな傷を修復して3人はまた一つになっていく。
現実でもやはり起こりうる不機嫌な心の揺れがちゃんと描かれてる意地悪さにホッとして、またいくつになってもそれは変わらず誰かしらの心に潜んでるだろうと苦笑してしまいました。
「恋」をすることの素晴らしさと苦しさはいつどこにでもあるのでしょう。

ところで「小公女」を読んだことがある人にとっては2倍の楽しさがあるだろうけど、全く知らない人はどういう感覚でこのお話を読むのかしら?

図書館の児童書のコーナーで「時計坂の家」以来久しぶりに高楼方子さんの本を手にしました。
家で読み始めたらやめられなくなって3時間位かけて読み終えてしまったけど、本にぎゅっと掴まれたまま時間がいつの間にか過ぎていました。

はらっぱ便り
キアゲハの幼虫

買い物帰りアスファルトの歩道で目の前をせっせと歩いているのに遭遇。
可愛かったのでそのままつまんで連れ帰り、庭のノラニンジンの所に放した。
終齢幼虫なので、きっと蛹になる場所を探して歩き回っていたのでしょう。
成虫になるには少し遅くないかな?蛹で越冬するのかな?
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7 コメント

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いつか (ももんがーママ)
2008-09-10 23:49:45
小公女は読んだ事ありますが、高楼方子さんの作品は読んだ事…ないと思います。
いつか読んでみたいです。
中学進学前の女の子達って、生意気だったり、子供だったり…
自分の事を思うと、娘がどんな風になるのか楽しみなようで、心配もあります。
若いって、いいね!
小公女 (SHIMA)
2008-09-11 01:06:57
登場人物とあらすじを大体憶えていれば、この「緑の模様画」はすごく楽しいと思います。
でも書店ではあまり見かけないので、まず図書館で探してみて下さい。
少女の思春期は小学6年生あたりから始まるんじゃないかな?と自分を振り返りつつ。まだ「若い」とも言えないほど若すぎる年齢。(笑)
自分たちも親に色々心配されながら育って来たんですよね、きっと。
キアゲハの幼虫 (タイタン)
2008-09-11 07:07:27
連れ帰るなんて…すごいですね、SHIMAさん!
放っておいたらどうなるんでしょう。
ぜひその後の様子もお知らせください。

小公女は…内容は覚えてるけど、もう登場人物の名前がちんぷんかんぷんです(^_^;)
小公女 (桜 源八郎)
2008-09-11 09:20:45
子供の頃に読んでるはずなんですけどまったく記憶に残ってません(笑)
拙者のようなバカな男子は冒険活劇みたいな話にしか興味がなかったんでしょうなぁ、わははは。

キアゲハの幼虫、綺麗~~
 (SHIMA)
2008-09-11 10:17:47
さっき地震がありました。9時20分ごろ。
震度3だけどかなり揺れました。。

☆タイタンさん
既に庭のどこに行ったのか行方不明になってます。(笑)
ちゃんとサナギになれてたらいいな。
アゲハの幼虫は卵から羽化まで育ててたことがあるんです。なので習性が判ってたから。
「小公女」今の子たちは読んだことあるのかなぁ?
これを読んでから読むのもいいかもですね。


☆桜 源八郎殿
そうですね~、私は親が買ってくれた1冊でしたから。図書室で読む人は少ないかな?
それにやっぱり女子向けです。(笑)

幼虫、ちょっと怖がらせたらオレンジ色の角と芳香を・・
色がピッタリ! (Shannon@Feel Fine)
2008-09-11 21:08:45
小公女、小公子、
小学校の図書館で借りた記憶が。。。

女の子って、男の子と比べて、
やっぱり思考が複雑で繊細な気がします。
あ、気持ち的には男の子のほうが繊細かもしれませんが・・・

小学校卒業したころ。。。
自分でも十分いろんなこと考えてたかもしれません。
そういう心理を表現した本って、
読み応えもありそうですね。

一応、児童書なんですね。

それはそうと、SHIMAさん、
この本の表紙、
すっごく今のテンプレートにマッチしてて、
とってもGOODじゃないですか~!

それと、イモムシさんも!(≧∇≦)

イモムシや毛虫は苦手ですが。。。
何のイモムシかわかってれば
そんなにキモくはないような気がします。
先日、朝顔のツルにへばりついてたでっかいイモムシ!
ゾゾゾ~ッ!でしたけど!


緑の模様 (SHIMA)
2008-09-12 12:40:46
そう言われてみると、ペパーミント系の色合いが似てますね。
幼虫も緑だし。(笑)
高楼方子さんの作品は最初はごく普通の日常だった筈なのにいつのまにか不思議の世界や魔法がたっぷり溢れてしまいます。
子供の頃に空想の世界で遊んだことのある人ならその入り込み方に懐かしさを感じるかも。

朝顔の芋虫は茶色くて巨大ですよね?
それはたぶんスズメガの幼虫です。
大きいからあっという間には葉っぱ食べられちゃうんですよね。
素手で触るのはちょっと出来ないなぁ私も。。

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