ISLAND日記

点在する日々のつぶやき…

露草

2008-09-06 12:20:49 | 映像
道ばたの露草の、丸くて青い花びらに黄色い雄しべが目立つ。
名前の由来は『昼を過ぎるとしぼんでしまう、朝露のように儚い花だから』というのと『色が付く意味の”つき草”が訛った』という説がある。
そして古くは「月草」と呼ばれていたとか・・その2つの意味を併せたような?
万葉集に出て来る「月草」は露草だったんですね。
 月草に 衣は摺(す)らむ 朝露に 濡れての後は 移ろひぬとも
 例え色あせてしまうとしても今この時の思いこそあれ・・
儚く消えてしまうものであってもその時の「思い(記憶)」が消えることはないから...

◆「キサラギ」オフィシャルサイト

少し前にレンタルDVDで観た映画「キサラギ」。
その内容等は上記の公式HPや映画紹介記事で読んで頂くとして、別の視点からの感想を。

物語としての私の簡単な感想は・・・
舞台劇風密室会話ミステリーの中で、妙にナチュラルな(褒めてます!)小栗旬、日頃見せない頑張りに溢れた(?)ユースケサンタマリア、とっても濃くて粘っこい人物像を何故か爽やかに感じさせてしまう香川照之、場の張りつめた雰囲気を落とすドランク塚地の空気感、そしていかにもな芝居的ハイテンションを演じ続けた小出恵介のおかげで最後まで現実(臨場)感がなく、ミステリーとしての真相なんてどうでもいいかもって思ってしまった面白い[コメディ]映画でした。

さて本題ですが、このDVDには『聴覚障害者向け日本語字幕』が付いていたんです。
しかもワンシチュエーションの舞台劇風台詞の多い映画だと言うことは判っています。
となると多少聴覚力が劣っている私にとっては魅力的な選択肢・・。
それに実際日本映画に日本語の字幕というのはどういうものか興味もあったので、まずは冒頭からの15分ほどをそれぞれ観てみました。
通常版では時として口調や声の強弱で聞き取りにくい言葉があり、普通に見ていたらそこは想像で補うしかないかなというもの、バックの音で聞き取りにくくなる声が字幕が付いたことではっきりと判るということは、字幕付の洋画を見てるのと同じ感覚でしかも元の声も耳にちゃんと入っているため字幕と台詞の語尾が違っているのを発見したりと照らし合わせも可能。重要な音の説明がト書き風に付いています。
そして試しに字幕部分を手で被って音声を聞くのと字幕を見ながら聞くのと比べた結果、私自身の感覚として字幕があった方が言葉がはっきり聴こえる・・というか頭の中でそう感じているみたいでした。
人間は脳内で自分が聞きたい音を取捨選択してるということだから、言葉を確認することでより聞きたい音が鮮明になるのでしょうか。
となると耳が遠くなって来ている人にとっても字幕付はよいのかも、無駄に音量を上げる必要もなく。
歳を取ると身体の機能はどんどん低下していくわけだから。
勿論だからと言って何にでもすべて字幕が付いていたら煩いだけだし絵的にはどうかなと思うけれど、外国映画のDVDに吹き替えと字幕の選択肢があるなら日本映画にもその選択肢が普通にあってもいいかもって思いました。

調べてみたら他にもいくつか字幕付のDVDや映画館での上映、PCへの字幕配信事業などがあるようですがやはり数は限られているし情報も少ない。
そんな中「キサラギ」のようなマニアックな映画がこういう試みをしてるということでその存在のバリアフリー化を進める効果があったとしたら嬉しい事だと思います。(どうだろう?)
少なくとも私は考える切っ掛けになってありがたかったです。
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14 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
字幕賛成! (桜 源八郎)
2008-09-06 22:17:34
今後はテレビもデジタル化されるのだからテレビ番組でも字幕付きを選択できるようにして欲しいです。

亡くなった父はかなり耳が悪かったので実家のテレビの音量はかなりのものでした。
それでも父にはあまり聞き取れてなかったみたい。
字幕があればずいぶん違ってたんだろうなぁ。
立原正秋と古今和歌集 (タカヤマポンタ)
2008-09-06 22:28:31
立原正秋という作家は万葉集よりも古今和歌集をこよなく愛した作家でした。
彼は日本の四季の移ろいの中に人々、とくに愛についてとかく移ろいやすい心の裏を織り込んで珠玉のような、まさに大人の恋愛小説を書いていました。

彼のどの作品(随筆だったかもしれない)だったか忘れましたが、古今集から、
「月草に 衣はすらむ あさ露に ぬれてののちは うつろひぬとも 」
という読み人知らずの歌を引用して、流麗かつ静謐な筆致で色恋の一面を描いていました。
秋が深まり行くにつれて、こういった「大人の小説」をじっくり読んでみるのも一興ですね。
???? (白亜森)
2008-09-07 06:55:49
いつブログのデザイン変わったんですか・・・?
毎日見ているつもりでしたが。
字幕必須 (タイタン)
2008-09-07 07:00:51
私も耳が悪いので、テレビでドラマ(バラエティはどうにかなる)を見るには絶対『文字放送』が必要です。
討論番組などもそうですが、難しい意味の言葉をさらっと言われた場合、文字が出ると漢字から意味を察することが出来るし、言ってる方の発声がはっきりしない場合が多いから特に必要性を感じます。
日本のドラマでも字幕付きはここ数年、結構多いですよ。
自分がどうしても「ドラマをオンタイムで見る!」と固く思っているのは、その「文字放送」の文字まで録画するには、とってもHDDのメモリ容量をくってしまうからなのです。
…まあ、ただ野球放送(生)にまで字幕はいらないと思いますけどね(^_^;) ←テレ朝が…
字幕は必要です。 (Shannon@Feel Fine)
2008-09-07 10:37:34
露草・・・いい色ですね。
子供の頃、母と散歩していて、
いつも道端に咲いてたなぁ・・・
なんだか懐かしい場面が浮かんできました。

朝顔もそうですが、本当に朝露のように儚くて・・・
タカヤマポンタさんが書いていらしたけど、
うつろいやすい心っていうか、
そういうものも感じさせられますよね。

さてさて、字幕付きDVD、
日本語であっても字幕がついてるっていうのは、もう今の時代あたりまえって気がします。
ついてないのが遅れてるって意識で、
もっとつけてほしいですよね。
私たちでも、「えっ?今なんて言ったのかな?」って時ありますもんね。

それと、私、知り合いの外国人に、妻夫木くんの「涙そうそう」(なだそうそう)っていうDVDを見せたことがあるんですが、
これ、字幕付きでとってもよかったです。
日本語もかなりできる人でしたが、
目でも確認できてよかったと言っていました。

語学学習用に、英語の字幕付きのビデオは、もうずいぶん前から出てますよね。

以前、NHKのTVドラマだったかな、
目のご不自由な方のための音声解説っていうのを体感したんですが、
こういうのもいいですよね。
場面の説明もありましたし・・・

言葉 (SHIMA)
2008-09-07 11:17:18
☆桜 源八郎殿
生活していく上での娯楽を家族の中でどう楽しむか・・考えますよね。
で、このことについてタイタンさんが書いて下さっているのですが、「文字放送」、その存在は何となく知っていてもどうすればいいのかは知ろうとしないと&調べないと判らないんですね。
で「文字放送」で検索してみたら、チューナーか文字放送受信機内蔵TVが必要。なるほど。
パッと調べられるのもネットのおかげだけど。
地デジになったら簡単に選択できるといいですね・・でも受像機が対応してないと駄目なのかな?判らない??
http://ja.wikipedia.org/w/index.php?title=%E6%96%87%E5%AD%97%E5%A4%9A%E9%87%8D%E6%94%BE%E9%80%81&oldid=21560707


☆タカヤマポンタさん
この歌は万葉集にも古今集にも載っているんですね。
当時人気の和歌だったかも?
艶やかな恋愛小説は涼やかな季節に...
昔の作家さんの作品は手頃な文庫では手に入りにくくなっているものが多いので図書館で探してみるのも良いでしょうか・・読書の秋。
続き・・ (SHIMA)
2008-09-07 11:52:29
☆白亜森さん
テンプレートは試行錯誤しつつ8月の終りに替えました!


☆タイタンさん
ありがとうございます
また色々調べる切っ掛けになりました。
家のTVでは観ることが出来ないので普段は気にかけていなかった「文字放送」、必要な人はちゃんと調べて使っているんですね。
スポーツ番組や音楽番組、生放送番組には必要性は感じないけど、脚本や原稿があるドラマや映画やニュースには必要だなって思います。
デジタル化でより視聴が容易くなるとありがたいですね。どうなるのかな?


☆Shannonさん
露草の青って鮮やかですよね。小さい花なのに道ばたで目立ちます。
日本の花なのかと思ったら世界中にってあって、ちょっとびっくり。(笑)

>字幕付きDVD、日本語であっても字幕がついてるっていうのは、もう今の時代あたりまえって気がします。

そうなんですか!
私は「キサラギ」で初めてだったんです『聴覚障害者向け日本語字幕』と『視力障害者向け音声ガイド』が付いているのって。
他のも気をつけていれば気付くのかな?「日本語字幕」
キサラギ (fao)
2008-09-08 13:37:56
またまたSHIMAさんと好みがあった~!!それもこのタイミングで!!と、ちょとびっくり!

実は先日…8月半ば頃だったかなぁ…テレビでこの『キサラギ』放映されていたのです。
ほとんど最後のほうをちょっと見ただけでしたが、これって舞台でやれるじゃん!というか、この笑い、空気感は舞台のほうがぴったりじゃん!と思い、ちょうどうちの劇団がしばらく活動休止になるのもあり、これを女性版舞台版に書き直せたら、台本送って上演許可取ってみようか…なんて考えたりもしていたので、DISCASで予約入れてたのですが、予約多数のようで他の、優先順位の低いものばかりが送られてきて、なかなか来ず…だったのが、やっと昨日来たところでした!

台詞起こし大変だぞ…と思っていたけど、そんな素敵な機能がついていたなんて!
ちょっと別の視点からですが、大喜びした次第です!楽しみ~!!
如月だと読めない人が・・・ (mach)
2008-09-08 16:11:31
 ご無沙汰です。
 こういう良質の室内劇を見ることが出来る幸せはたまりません。出演者も旬の俳優がそろえてありますしね。
キサラギ如月 (SHIMA)
2008-09-08 18:07:35
☆faoさん
そうそう、地上波で放映ありました。そちらは観られなかったのでDVDを借りて来たんです。(笑)
日本語字幕・・確かに台詞起こしに便利ですね!総言う使い方もあるんだ
女性版だとまた台詞も微妙に変わって面白そう~
「いちご姫」が何になるのか?とか?(笑)
そちらの視点と作業、頑張ってくださ~い!


☆machさん
映画と舞台のどちらの演出方法も混ざった面白さがあったように思います。
全員が歌って踊るシーンはまさに舞台で見たら幸せかも。(笑)

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