詆テイ・觝テイを追加しました。
氐 テイ 氏部
上が氐テイ、下が氏シ
解字 「氏(人が前にかがまる)+一(下の面)」の会意。氏は人が身を前にかがめる形(音符「氏シ」を参照)。それに一(下の面)がついた氐は、人が身をかがめて地面に手を触れること。ふれた地面から、もと・いたる意となる。
意味 もと(本)。いたる。おおよそ(=抵)。
イメージ
手が地上に「あたる・ふれる」(氐・抵・詆・底・砥・觝・胝・鴟)
手をふれる姿勢が「ひくい」(低・祗)
「形声字」(邸)
音の変化 テイ:氐・抵・詆・低・底・觝・邸 シ:砥・鴟・祗 チ:胝
あたる・ふれる
抵 テイ・あたる 扌部
解字 「扌(手)+氐(あたる)」の会意形声。手が地面にあたること。あたる意から転じて「相当する」、あたりに対する反発(さからう)の意ともなる。
意味 (1)ふれる。あてる。「抵触テイショク」 (2)あたる(抵たる)。相当する。「抵当テイトウ」(抵も当も、あたる意。借金のかたや担保をいう)「大抵タイテイ」(おおいに相当する。おおよそ) (3)こばむ。さからう。「抵抗テイコウ」
詆 テイ・そしる 言部
解字 「言(いう)+氐(=抵。さからう)」の会意形声。相手にさからって言うこと。そしる意となる。
意味 (1)そしる(詆る)。人の悪口をいう。「詆毀テイキ」(詆も毀も、そしる意)「詆欺テイギ」(そしりいつわる)「詆辱テイジョク」(そしりはずかしめる) (2)あたる(=抵)「詆罪テイザイ」(罪にあたる。罪になる)
底 テイ・そこ 广部
解字 「广(建物のやね=建物)+氐(地面にあたる)」の会意形声。建物の地面に当たるところ。転じて、そこをいう。
意味 (1)そこ(底)。もっとも下の部分。「底辺テイヘン」「湖底コテイ」「心底シンそこ」「徹底テッテイ」(底までつらぬく。残る所なく行き届かせる) (2)もとになるもの。「根底コンテイ」「底本テイホン」(もとになる本。原本)
砥 シ・と・といし 石部
解字 「石(いし)+氐(あたる・あてる)」の会意形声。刃物を当てる平らな石。刃物を当ててとぐ砥石をいう。
意味 (1)と(砥)。といし(砥)。「砥石といし」(刃物をとぐ石)「砥礪シレイ」(①といし。砥は目がこまかいといし、礪は目が粗いといし。②学問・修養につとめる) (2)とぐ(砥ぐ)。みがく。
觝 テイ・ふれる 角部
解字 「角(つの)+氐(ふれる)」 の会意形声。動物の角がふれること。動物の角がふれるとは、角を突き合わせることであり、ぶつかる意ともなる。
意味 (1)ふれる(觝れる)「觝触テイショク」(觝も触も、ふれる意。=抵触) (2)ぶつかる「角觝カクテイ」(角を突き合わせる。優劣を争う)「觝排テイハイ」(ぶつかって排除する。おしのける)
羝 テイ・おひつじ 羊部
解字 「羊(ひつじ)+氐(=觝。角にふれる)」 の会意形声。羊の角にふれること。すなわち角のある雄のひつじをいう。
意味 おひつじ(羝)。「羝乳テイニュウ」(羝(おひつじ)が授乳する。ありえないこと)「羝羊触藩テイヨウ ショクハン」(おひつじが、藩(かきね)に角を触れて動けなくなる。勇気にまかせて猛進する者は失敗する)
胝 チ・たこ 月部にく
解字 「月(からだ)+氐(ふれる)」 の会意形声。身体にいつもふれる部分が、厚くなって固くなること。
意味 (1)たこ(胝)。表皮の堅く厚くなったもの。まめ。「胼胝ベンチ」(胼も胝も、たこの意)「ペン胝だこ」「座り胝だこ」 (2)同じことのくりかえし。「耳に胝たこができる」
鴟 シ・とび 鳥部
解字 「鳥(とり)+氐(ふれる)」の会意形声。空から地上にふれるようにして獲物をとる猛禽類をいう。トビやフクロウ、中国ではハイタカを指す。
意味 (1)とび(鴟)。とんび。タカ科の大形の鳥。「鴟尾シビ」(瓦葺屋根の大棟の両端につけられる飾り。訓で「とびのお」と読むが、実際は魚の尾を象ったものといわれる) (2)ふくろう。「鴟梟シキョウ」(鴟も梟もフクロウの意。また、心の曲がった悪人)「鴟目シモク」(ふくろうのような目つき)「鴟目虎吻シモクコフン」(ふくろうのような目つきと、虎の口つき。凶悪で残忍な人相のたとえ)
ひくい
低 テイ・ひくい・ひくめる・ひくまる イ部
解字 「イ(人)+氐(ひくい)」の会意形声。人の背が低いこと。また、人が姿勢を低くすること。人以外にも及ぼして使う。
意味 (1)ひくい(低い)。高さ・位置がひくい。「低地テイチ」「低空テイクウ」 (2)程度がひくい。少ない。「低級テイキュウ」「低額テイガク」 (3)たれる。うなだれる。「低頭テイトウ」
祗 シ・つつしむ 示部
解字 「示(神)+氐(ひくい)」の形声。神の前で姿勢をひくくすること。つつしむ意となる。また、助字で「まさに」ともなる。祇ギ(くにつかみ)とは別字。
意味 (1)つつしむ(祗む)。つつしみ。「祗畏シイ」(つつしみおそれる)「祗役シエキ」(①つつしんで任務にでる。②[国]参勤交代の江戸勤番。)「祗服シフク」(つつしんで従う)「祗候シコウ」(①つつしんで貴人のそばに仕える。②給仕の役。) (2)まさに(祗に)。
形声字
邸 テイ・やしき 阝部おおざと
解字 「阝(=邑。都市)+氐(テイ)」の形声。テイは亭テイ(宿)に通じ、地方の諸侯が都に上ったとき宿泊にあてる屋敷をいう。
意味 (1)公用の屋敷。「藩邸ハンテイ」「官邸カンテイ」「公邸コウテイ」 (2)やしき(邸)。大きな家。「邸宅テイタク」「豪邸ゴウテイ」「私邸シテイ」 (3)やど。「旅邸リョテイ」(やどや)
<紫色は常用漢字>
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氐 テイ 氏部
上が氐テイ、下が氏シ
解字 「氏(人が前にかがまる)+一(下の面)」の会意。氏は人が身を前にかがめる形(音符「氏シ」を参照)。それに一(下の面)がついた氐は、人が身をかがめて地面に手を触れること。ふれた地面から、もと・いたる意となる。
意味 もと(本)。いたる。おおよそ(=抵)。
イメージ
手が地上に「あたる・ふれる」(氐・抵・詆・底・砥・觝・胝・鴟)
手をふれる姿勢が「ひくい」(低・祗)
「形声字」(邸)
音の変化 テイ:氐・抵・詆・低・底・觝・邸 シ:砥・鴟・祗 チ:胝
あたる・ふれる
抵 テイ・あたる 扌部
解字 「扌(手)+氐(あたる)」の会意形声。手が地面にあたること。あたる意から転じて「相当する」、あたりに対する反発(さからう)の意ともなる。
意味 (1)ふれる。あてる。「抵触テイショク」 (2)あたる(抵たる)。相当する。「抵当テイトウ」(抵も当も、あたる意。借金のかたや担保をいう)「大抵タイテイ」(おおいに相当する。おおよそ) (3)こばむ。さからう。「抵抗テイコウ」
詆 テイ・そしる 言部
解字 「言(いう)+氐(=抵。さからう)」の会意形声。相手にさからって言うこと。そしる意となる。
意味 (1)そしる(詆る)。人の悪口をいう。「詆毀テイキ」(詆も毀も、そしる意)「詆欺テイギ」(そしりいつわる)「詆辱テイジョク」(そしりはずかしめる) (2)あたる(=抵)「詆罪テイザイ」(罪にあたる。罪になる)
底 テイ・そこ 广部
解字 「广(建物のやね=建物)+氐(地面にあたる)」の会意形声。建物の地面に当たるところ。転じて、そこをいう。
意味 (1)そこ(底)。もっとも下の部分。「底辺テイヘン」「湖底コテイ」「心底シンそこ」「徹底テッテイ」(底までつらぬく。残る所なく行き届かせる) (2)もとになるもの。「根底コンテイ」「底本テイホン」(もとになる本。原本)
砥 シ・と・といし 石部
解字 「石(いし)+氐(あたる・あてる)」の会意形声。刃物を当てる平らな石。刃物を当ててとぐ砥石をいう。
意味 (1)と(砥)。といし(砥)。「砥石といし」(刃物をとぐ石)「砥礪シレイ」(①といし。砥は目がこまかいといし、礪は目が粗いといし。②学問・修養につとめる) (2)とぐ(砥ぐ)。みがく。
觝 テイ・ふれる 角部
解字 「角(つの)+氐(ふれる)」 の会意形声。動物の角がふれること。動物の角がふれるとは、角を突き合わせることであり、ぶつかる意ともなる。
意味 (1)ふれる(觝れる)「觝触テイショク」(觝も触も、ふれる意。=抵触) (2)ぶつかる「角觝カクテイ」(角を突き合わせる。優劣を争う)「觝排テイハイ」(ぶつかって排除する。おしのける)
羝 テイ・おひつじ 羊部
解字 「羊(ひつじ)+氐(=觝。角にふれる)」 の会意形声。羊の角にふれること。すなわち角のある雄のひつじをいう。
意味 おひつじ(羝)。「羝乳テイニュウ」(羝(おひつじ)が授乳する。ありえないこと)「羝羊触藩テイヨウ ショクハン」(おひつじが、藩(かきね)に角を触れて動けなくなる。勇気にまかせて猛進する者は失敗する)
胝 チ・たこ 月部にく
解字 「月(からだ)+氐(ふれる)」 の会意形声。身体にいつもふれる部分が、厚くなって固くなること。
意味 (1)たこ(胝)。表皮の堅く厚くなったもの。まめ。「胼胝ベンチ」(胼も胝も、たこの意)「ペン胝だこ」「座り胝だこ」 (2)同じことのくりかえし。「耳に胝たこができる」
鴟 シ・とび 鳥部
解字 「鳥(とり)+氐(ふれる)」の会意形声。空から地上にふれるようにして獲物をとる猛禽類をいう。トビやフクロウ、中国ではハイタカを指す。
意味 (1)とび(鴟)。とんび。タカ科の大形の鳥。「鴟尾シビ」(瓦葺屋根の大棟の両端につけられる飾り。訓で「とびのお」と読むが、実際は魚の尾を象ったものといわれる) (2)ふくろう。「鴟梟シキョウ」(鴟も梟もフクロウの意。また、心の曲がった悪人)「鴟目シモク」(ふくろうのような目つき)「鴟目虎吻シモクコフン」(ふくろうのような目つきと、虎の口つき。凶悪で残忍な人相のたとえ)
ひくい
低 テイ・ひくい・ひくめる・ひくまる イ部
解字 「イ(人)+氐(ひくい)」の会意形声。人の背が低いこと。また、人が姿勢を低くすること。人以外にも及ぼして使う。
意味 (1)ひくい(低い)。高さ・位置がひくい。「低地テイチ」「低空テイクウ」 (2)程度がひくい。少ない。「低級テイキュウ」「低額テイガク」 (3)たれる。うなだれる。「低頭テイトウ」
祗 シ・つつしむ 示部
解字 「示(神)+氐(ひくい)」の形声。神の前で姿勢をひくくすること。つつしむ意となる。また、助字で「まさに」ともなる。祇ギ(くにつかみ)とは別字。
意味 (1)つつしむ(祗む)。つつしみ。「祗畏シイ」(つつしみおそれる)「祗役シエキ」(①つつしんで任務にでる。②[国]参勤交代の江戸勤番。)「祗服シフク」(つつしんで従う)「祗候シコウ」(①つつしんで貴人のそばに仕える。②給仕の役。) (2)まさに(祗に)。
形声字
邸 テイ・やしき 阝部おおざと
解字 「阝(=邑。都市)+氐(テイ)」の形声。テイは亭テイ(宿)に通じ、地方の諸侯が都に上ったとき宿泊にあてる屋敷をいう。
意味 (1)公用の屋敷。「藩邸ハンテイ」「官邸カンテイ」「公邸コウテイ」 (2)やしき(邸)。大きな家。「邸宅テイタク」「豪邸ゴウテイ」「私邸シテイ」 (3)やど。「旅邸リョテイ」(やどや)
<紫色は常用漢字>
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