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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「念ネン」 と 「捻ネン」「鯰ネン」「稔ジン」「唸テン」

2025年04月12日 | 漢字の音符

 改訂しました。 

 ネン・おもう  心部  
                       上が念ネン、下が今コン
解字 「心(こころ)+今(コン⇒ネン)」の形声。いちずに心の思いをこめることを念ネンという。今コンは「いま」の意味があるが、念では発音のネンのみを表している。後漢の[説文解字]は「常に思う也(なり)。心に従い今の聲(声)、(発音は)奴店切(ネン)」とする。念は金文からあり、[簡明金文詞典]は「金文の初義は心中で黙念(黙って考える)と為すが、引伸して思念(常に心に思う)、懐念(懐かしい思い)、忘れず、などの義と為す」としている。※今コンの音符は、音符「今コン」を参照。

意味 (1)おもう(念う)。思う気持ち。「念頭ネントウ」「残念ザンネン」「念願ネンガン」 (2)心にとどめる。とどめて忘れない。「執念シュウネン」「念書ネンショ」(後日の証拠として相手に渡す書面)「丹念タンネン」( まごころをこめ念をいれる)(3)となえる。「念仏ネンブツ」(仏の名前を唱えること)「念珠ネンジュ」(数珠)(4)よむ。「念書人ネンショジン」(中国で学者の意)

イメージ 
 「おもう」
(念)

 「形声字」(捻・稔・唸・鯰)

音の変化  ネン:念・捻・鯰  ジン:稔  テン:唸

形声字
 ネン・ひねる  扌部
解字 「扌(手)+念(ネン)」の形声。手や指でひねることを捻ネンという。[説文新附]は「指でひねる。手から構成され念ネンが音」とあり、扌(手)へんだが、指でひねる意味を強調している。                                                  意味 ひねる(捻る)。ねじる。よじる。「紙捻シネン」(紙をねじったこより)「捻挫ネンザ」(関節をねじって傷めること)「捻出ネンシュツ」(ひねり出す)「捻転ネンテン」(ねじれて向きがかわる。「腸捻転チョウネンテン」)
 ジン・ニン・ネン(慣用)・みのる  禾部
解字 「禾(こくもつ)+念(ネン⇒ジン)」の形声。穀物がみのることを稔ジンという。後漢の[説文解字]は「穀コク熟(みの)る也(なり)。禾に従い念の聲(声)(発音は)而甚切(ジン)」とする。
意味 (1)みのる(稔る)。「豊稔ホウジン」(ゆたかにみのる)「稔熟ジンジュク」(穀物が十分に稔る)「稔歳ジンサイ・ネンサイ」(穀物がよく実った年)(2)とし(稔)。穀物が一回みのる期間。(=年)
 テン・うなる・うなり  口部
解字 「口(くち)+念(ネン⇒テン)」の形声。口を閉じてうなることを唸テンという。
意味 うなる(唸る)。うなり(唸り)。長くひくい音を出す。「唸り声」          <国字> ネン・なまず  魚部
解字 「魚(さかな)+念(ネン)」の形声。ネンは粘ネン(ねばる)に通じ、体表面がぬるぬるする魚の「なまず」をいう。

                                なまず(鯰)(釣倶楽部「ナマズの特長」より)
意味 なまず(鯰)。ナマズ科の淡水魚。うろこがなく体表はなめらか。「鯰に瓢箪ヒョウタン」(鯰をヒョウタンでつかまえる意で、とらえどころのないこと)            ※中国では、粘ネン(ねばる)の占をつけた鮎ネンが、なまずの意。日本では鮎ネンは、あゆの意。                                                     <紫色は常用漢字>

    バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

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