音符「火カ」と「炎エン」は、火が一つと二つの形。発音は異なるが、それぞれ燃える火の意味で音符を作っている。
火 カ・ひ・ほ 火部
解字 火の燃える形の象形(金文は単独字としては存在しないが、炎から1字を抜き出した)。「ひ」の意味を表わす。火は部首となり、火の意味で会意文字となる。
意味 (1)ひ(火)。ほのお。「火力カリョク」(2)かじ。「火災カサイ」「失火シッカ」(3)光りのあるもの。明かり。「灯火トウカ」(4)五行(木・火・土・金・水)の一つ。「火星カセイ」(5)七曜の一つ。「火曜日カヨウビ」
参考 火は部首「火ひ・ひへん」になる。漢字の左辺(偏)や下部に付いて、火や火の状態を表す。常用漢字は14字、約14,600字を収録する『新漢語林』では194字が収録されている。主な字は以下のとおり。
火カ[部首]:
灯[燈]トウ(火+音符「登トウ」)
焼ショウ(火+音符「尭ギョウ」)
煙エン(火+音符「垔イン」)
燃エン(火+音符「然ゼン」)
燥ソウ(火+音符「喿ソウ」)
爆バク(火+音符「暴ボウ」)
煩ハン(火+頁の会意)
炉[爐]ロ(火+音符「盧ロ)
灰カイ(火+又の会意)
災サイ(火+音符「巛サイ」)
炎エン(火+火の会意)
このうち、灰カイ・炎エン、は音符になる。
火が下部に付いたとき、多くが部首「灬れっか・れんが」に変化する。常用漢字で12字、『新漢語林』では45字が収録されている。主な字は以下のとおり。
灬れっか・れんが[部首]:
点テン(灬+音符「占セン」)
烈レツ(灬+音符「列レツ」)
煎セン(灬+音符「前ゼン」)
照ショウ(灬+音符「昭ショウ」)
煮シャ(灬+音符「者シャ」)
熟ジュク(灬+音符「孰ジュク」)
熱ネツ(灬+音符「埶ゲイ」)
熊ユウ・くま(灬+能の会意)
焦ショウ(灬+隹の会意)
為イ(灬を含む会意)
このうち、焦ショウ・為イ、は音符になる。
イメージ
「ひ」(火・灰・炭)
「同音代替」(恢・詼)
音の変化 カ:火 カイ:灰・恢 タン:炭
ひ
灰 カイ・はい 火部

解字 篆文は「又(て)+火」の会意。手であつかえるようになった火。つまり火が燃えつきて粉状になり手であつかえることのできる灰を表している。この字の面影は旧字に残っている。旧字のナの部分は手の形。現代字は、ナ⇒厂に変化した灰になった。
意味 (1)はい(灰)。もえがら。はいにする。「灰汁あく」(灰を水に溶いた上澄み液)「灰燼カイジン」(灰ともえかす。ほろびる)「灰塵カイジン」(灰とちり。値打ちのないもの)(2)活気がないもの。静かなさま。「灰心喪気カイシンソウキ」(失意のあまり元気をなくす)
炭 タン・すみ 火部
解字 「山(やま)+灰(もえがら)」の会意。ここで灰は、完全に燃え尽きた灰(はい)でなく、酸素の供給を断たれて燃え尽き、炭素のかたまりとなった「すみ」である。炭は、山中のカマでむし焼きされてできた燃えがら。即ちすみ。「すみ」は原料の木がすぐ取れる山で作られる。部首は火部になっているので注意。
意味 (1)すみ(炭)。木をむし焼きにして作った燃料。「木炭モクタン」「薪炭シンタン」(まきと炭)(2)石炭のこと。「炭坑タンコウ」(3)元素の一つ「炭素」のこと。炭素は非金属元素のひとつ。「炭化タンカ」(有機物が化学変化により炭素分が大部分を占めるようになること)「炭酸タンサン」(二酸化炭素が水に溶けた時できる弱い酸)
同音代替
恢 カイ・ひろい 忄部
解字 「忄(こころ)+灰の旧字(カイ)」の形声。カイは傀カイ・魁カイ(おおきい)に通じ、心が大きく広いこと。心にかぎらず、ひろい・おおきい意で使われる。
意味 (1)ひろい(恢い)。おおきい。「恢恢カイカイ」(広く大きいさま)「天網恢恢テンモウカイカイ疎ソにして漏らさず」(天の網は広く目は粗いが何一つ取りこぼすことはない。悪事をはたらいた者は必ずその報いがある<老子>。)「恢宏カイコウ」(ひろいさま。事業などをおしひろめる。=恢弘カイコウ) (2)かえる。もどる。「恢復カイフク」(失ったものをとりもどす。=回復)
詼 カイ・たわむれる 言部
解字 「言(いう)+灰の旧字(カイ)」の形声。[広雅、釈詁四]に「調(たわむ)るるなり」とあり、詼謔カイギャク(ざれごと)をいう。
覚え方 カイは諧カイ(たわむれる)に通じ、たわむれる意。(注:詼カイ(クワイ)と諧カイは日本語では同音だが、中国語の古代音および現代音ともに異なるので同音代替にならないので「覚え方」として)
意味 たわむれる(詼れる)。おどける。からかう。「詼諧カイカイ」(おどけ)「詼謔カイギャク」(ざれごと)「詼調カイチョウ」(ふざけかう)「詼笑カイショウ」(おどけてわらう)
炎 エン <ほのお>
炎 エン・ほのお 火部
解字 「火(ひ)+火(ひ)」の会意。火をかさねて火焔(ほのお)を表わす。ほのお・もえる・あつい意味を示す。
意味 (1)ほのお(炎)。「火炎カエン」(2)もえる。「炎上エンジョウ」(3)焼けるように熱い。「炎天下エンテンカ」(4)痛み・はれ・熱をともなう症状。「肺炎ハイエン」「炎症エンショウ」
イメージ
「ほのお・熱い」(談・痰)
炎がもえるさまから「さかんに」(啖・餤)
「同音代替」(淡・毯)
音の変化 エン:炎 タン:啖・痰・餤・淡・毯 ダン:談
ほのお・熱い
談 ダン・タン・かたる 言部
解字 「言(ことば)+炎(ほのお)」の会意。炎がもえる囲炉裏を囲んだり暖炉の近くで話をすること。くつろいで話すこと。
意味 (1)かたる(談る)。話す。「会談カイダン」「雑談ザツダン」(2)はなし。ものがたり。「美談ビダン」「冗談ジョウダン」
痰 タン 疒部
解字 「疒(やまい)+炎(熱い・炎症)」の会意形声。喉の炎症が原因で、気管から吐き出される粘液性のたん。転じて、ひろく気管から排出される分泌物をいう。
意味 たん(痰)。「血痰ケッタン」(血の混じったたん)「痰壷たんつぼ」(たんを吐きいれる壷)「喀痰カクタン」(痰を吐くこと)
さかんに
啖 タン・くう・くらう 口部
解字 「口(くち)+炎(さかんに)」の会意形声。口からさかんに食べること。また、口から激しい言葉を言うこと。
意味 (1)くう(啖う)。くらう。むさぼり食う。「健啖ケンタン」「健啖家ケンタンカ」(大食い)(2)勢いするどい言葉をいう。「啖呵タンカ」(勢い鋭い言葉。まくしたてる)「啖呵を切る」
餤 タン 食部
解字 「食(たべる)+炎(さかんに)」の会意形声。さかんに食べまた、相手にすすめること。また、啖と通用する。
意味 (1)くらう(餤う)。すすむ(餤む)。かつかつと食べる。 (2)くらわす(餤らわす)。すすめる(餤める)。 (3)小麦粉をこねて作った食品。「餅餤ヘイタン」(ビスケット状の菓子)
タンの音
淡 タン・あわい 氵部
解字 「氵(水)+炎(タン)」の形声。タンは覃タンに通じる。覃タンは、壷の中に塩で味付けした食物が熟している形。淡は、そこに水をいれて味がうすまること。音符「覃タン」を参照。
意味 (1)あわい(淡い)。うすい。味がうすい。色がうすい。「淡彩タンサイ」「淡白タンパク」(味がうすい。欲がない)(2)欲がない。あっさりとした。「淡交タンコウ」(あっさりした交わり)「冷淡レイタン」(3)塩分を含まない。「淡水タンスイ」
毯 タン 毛部
解字 「毛(け)+炎(タン)」の形声。タンは亶タン・セン(厚い)に通じ、毛を織り込んだ厚めの敷物。毛氈モウセンの氈セン(「毛+亶タン・セン(厚い)」=毛織の厚い敷物)と成り立ちが同じ。
意味 毛で織った敷物。もうせん(毛氈)。けむしろ。「絨毯ジュウタン」※絨ジュウは厚い毛織物の意。
<紫色は常用漢字>
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火 カ・ひ・ほ 火部
解字 火の燃える形の象形(金文は単独字としては存在しないが、炎から1字を抜き出した)。「ひ」の意味を表わす。火は部首となり、火の意味で会意文字となる。
意味 (1)ひ(火)。ほのお。「火力カリョク」(2)かじ。「火災カサイ」「失火シッカ」(3)光りのあるもの。明かり。「灯火トウカ」(4)五行(木・火・土・金・水)の一つ。「火星カセイ」(5)七曜の一つ。「火曜日カヨウビ」
参考 火は部首「火ひ・ひへん」になる。漢字の左辺(偏)や下部に付いて、火や火の状態を表す。常用漢字は14字、約14,600字を収録する『新漢語林』では194字が収録されている。主な字は以下のとおり。
火カ[部首]:
灯[燈]トウ(火+音符「登トウ」)
焼ショウ(火+音符「尭ギョウ」)
煙エン(火+音符「垔イン」)
燃エン(火+音符「然ゼン」)
燥ソウ(火+音符「喿ソウ」)
爆バク(火+音符「暴ボウ」)
煩ハン(火+頁の会意)
炉[爐]ロ(火+音符「盧ロ)
灰カイ(火+又の会意)
災サイ(火+音符「巛サイ」)
炎エン(火+火の会意)
このうち、灰カイ・炎エン、は音符になる。
火が下部に付いたとき、多くが部首「灬れっか・れんが」に変化する。常用漢字で12字、『新漢語林』では45字が収録されている。主な字は以下のとおり。
灬れっか・れんが[部首]:
点テン(灬+音符「占セン」)
烈レツ(灬+音符「列レツ」)
煎セン(灬+音符「前ゼン」)
照ショウ(灬+音符「昭ショウ」)
煮シャ(灬+音符「者シャ」)
熟ジュク(灬+音符「孰ジュク」)
熱ネツ(灬+音符「埶ゲイ」)
熊ユウ・くま(灬+能の会意)
焦ショウ(灬+隹の会意)
為イ(灬を含む会意)
このうち、焦ショウ・為イ、は音符になる。
イメージ
「ひ」(火・灰・炭)
「同音代替」(恢・詼)
音の変化 カ:火 カイ:灰・恢 タン:炭
ひ
灰 カイ・はい 火部

解字 篆文は「又(て)+火」の会意。手であつかえるようになった火。つまり火が燃えつきて粉状になり手であつかえることのできる灰を表している。この字の面影は旧字に残っている。旧字のナの部分は手の形。現代字は、ナ⇒厂に変化した灰になった。
意味 (1)はい(灰)。もえがら。はいにする。「灰汁あく」(灰を水に溶いた上澄み液)「灰燼カイジン」(灰ともえかす。ほろびる)「灰塵カイジン」(灰とちり。値打ちのないもの)(2)活気がないもの。静かなさま。「灰心喪気カイシンソウキ」(失意のあまり元気をなくす)
炭 タン・すみ 火部
解字 「山(やま)+灰(もえがら)」の会意。ここで灰は、完全に燃え尽きた灰(はい)でなく、酸素の供給を断たれて燃え尽き、炭素のかたまりとなった「すみ」である。炭は、山中のカマでむし焼きされてできた燃えがら。即ちすみ。「すみ」は原料の木がすぐ取れる山で作られる。部首は火部になっているので注意。
意味 (1)すみ(炭)。木をむし焼きにして作った燃料。「木炭モクタン」「薪炭シンタン」(まきと炭)(2)石炭のこと。「炭坑タンコウ」(3)元素の一つ「炭素」のこと。炭素は非金属元素のひとつ。「炭化タンカ」(有機物が化学変化により炭素分が大部分を占めるようになること)「炭酸タンサン」(二酸化炭素が水に溶けた時できる弱い酸)
同音代替
恢 カイ・ひろい 忄部
解字 「忄(こころ)+灰の旧字(カイ)」の形声。カイは傀カイ・魁カイ(おおきい)に通じ、心が大きく広いこと。心にかぎらず、ひろい・おおきい意で使われる。
意味 (1)ひろい(恢い)。おおきい。「恢恢カイカイ」(広く大きいさま)「天網恢恢テンモウカイカイ疎ソにして漏らさず」(天の網は広く目は粗いが何一つ取りこぼすことはない。悪事をはたらいた者は必ずその報いがある<老子>。)「恢宏カイコウ」(ひろいさま。事業などをおしひろめる。=恢弘カイコウ) (2)かえる。もどる。「恢復カイフク」(失ったものをとりもどす。=回復)
詼 カイ・たわむれる 言部
解字 「言(いう)+灰の旧字(カイ)」の形声。[広雅、釈詁四]に「調(たわむ)るるなり」とあり、詼謔カイギャク(ざれごと)をいう。
覚え方 カイは諧カイ(たわむれる)に通じ、たわむれる意。(注:詼カイ(クワイ)と諧カイは日本語では同音だが、中国語の古代音および現代音ともに異なるので同音代替にならないので「覚え方」として)
意味 たわむれる(詼れる)。おどける。からかう。「詼諧カイカイ」(おどけ)「詼謔カイギャク」(ざれごと)「詼調カイチョウ」(ふざけかう)「詼笑カイショウ」(おどけてわらう)
炎 エン <ほのお>
炎 エン・ほのお 火部
解字 「火(ひ)+火(ひ)」の会意。火をかさねて火焔(ほのお)を表わす。ほのお・もえる・あつい意味を示す。
意味 (1)ほのお(炎)。「火炎カエン」(2)もえる。「炎上エンジョウ」(3)焼けるように熱い。「炎天下エンテンカ」(4)痛み・はれ・熱をともなう症状。「肺炎ハイエン」「炎症エンショウ」
イメージ
「ほのお・熱い」(談・痰)
炎がもえるさまから「さかんに」(啖・餤)
「同音代替」(淡・毯)
音の変化 エン:炎 タン:啖・痰・餤・淡・毯 ダン:談
ほのお・熱い
談 ダン・タン・かたる 言部
解字 「言(ことば)+炎(ほのお)」の会意。炎がもえる囲炉裏を囲んだり暖炉の近くで話をすること。くつろいで話すこと。
意味 (1)かたる(談る)。話す。「会談カイダン」「雑談ザツダン」(2)はなし。ものがたり。「美談ビダン」「冗談ジョウダン」
痰 タン 疒部
解字 「疒(やまい)+炎(熱い・炎症)」の会意形声。喉の炎症が原因で、気管から吐き出される粘液性のたん。転じて、ひろく気管から排出される分泌物をいう。
意味 たん(痰)。「血痰ケッタン」(血の混じったたん)「痰壷たんつぼ」(たんを吐きいれる壷)「喀痰カクタン」(痰を吐くこと)
さかんに
啖 タン・くう・くらう 口部
解字 「口(くち)+炎(さかんに)」の会意形声。口からさかんに食べること。また、口から激しい言葉を言うこと。
意味 (1)くう(啖う)。くらう。むさぼり食う。「健啖ケンタン」「健啖家ケンタンカ」(大食い)(2)勢いするどい言葉をいう。「啖呵タンカ」(勢い鋭い言葉。まくしたてる)「啖呵を切る」
餤 タン 食部
解字 「食(たべる)+炎(さかんに)」の会意形声。さかんに食べまた、相手にすすめること。また、啖と通用する。
意味 (1)くらう(餤う)。すすむ(餤む)。かつかつと食べる。 (2)くらわす(餤らわす)。すすめる(餤める)。 (3)小麦粉をこねて作った食品。「餅餤ヘイタン」(ビスケット状の菓子)
タンの音
淡 タン・あわい 氵部
解字 「氵(水)+炎(タン)」の形声。タンは覃タンに通じる。覃タンは、壷の中に塩で味付けした食物が熟している形。淡は、そこに水をいれて味がうすまること。音符「覃タン」を参照。
意味 (1)あわい(淡い)。うすい。味がうすい。色がうすい。「淡彩タンサイ」「淡白タンパク」(味がうすい。欲がない)(2)欲がない。あっさりとした。「淡交タンコウ」(あっさりした交わり)「冷淡レイタン」(3)塩分を含まない。「淡水タンスイ」
毯 タン 毛部
解字 「毛(け)+炎(タン)」の形声。タンは亶タン・セン(厚い)に通じ、毛を織り込んだ厚めの敷物。毛氈モウセンの氈セン(「毛+亶タン・セン(厚い)」=毛織の厚い敷物)と成り立ちが同じ。
意味 毛で織った敷物。もうせん(毛氈)。けむしろ。「絨毯ジュウタン」※絨ジュウは厚い毛織物の意。
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