漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

第6回漢字音符研究会のお知らせ

2017年10月29日 | 漢字音符研究会
              第6回漢字音符研究会のお知らせ

日 時  2017年11月11日(土) 10時30分~12時
会 場  喫茶ほっとはあと  京都市中京区西大路御池北西角  地下鉄東西線「西大路御池」下車すぐ
    http://www.kyoto-hotheart.jp/cafe/shops/oike/
講 師  石沢誠司氏  ブログ「漢字の音符」編集者
テーマ  人の姿の音符 その2
 漢字は絵文字(象形文字)に由来するものが非常に多い。なかでも人の姿やその部分が特に多い。これは日常生活にあって常に目に触れている人のさまざまな形態を絵文字にしたもので漢字の原点ともいえる。私は、ブログ「漢字の音符」で紹介した音符の中から人の姿をかたどった音符を中心にまとめた冊子「人の姿の音符 Ⅰ」を本グログで2017年3月8日に公開しました。
 http://blog.goo.ne.jp/ishiseiji/e/37c3743f834c111a2dcd85ab1fb8e9a0 
 今回は、引き続きその続編となる「「人の姿の音符 Ⅱ」をまとめましたので、発表させていただきます。内容は人の姿の変形である、女・母・子などの基本的な字と、これらと結びついて音符となっている字、および老・長・亡などの音符を中心にまとめました。
参加費  300円(資料代を含む) ※飲み物は各自、別途注文してください。
参加申込  コピー資料作成の都合がありますので、事前に下記へお申し込みください。
          電話 072-627-0271(石沢誠司)
          メール seijiishizawa@yahoo.co.jp


    <予告> 第7回漢字音符研究会の予定
以下の予告は継続して準備する必要があるため取り止めになりました。ご了承ください。

日 時  2018年1月13日(土) 10時30分~12時
会 場  喫茶ほっとはあと  京都市中京区西大路御池北西角  地下鉄東西線「西大路御池」下車すぐ
講 師  山本康喬氏  『漢字音符字典』著者・漢字教育士
テーマ  漢字の基本形 300字
主 旨 (狙い 目的)
 小中学校での漢字教育では、一つ一つの漢字を個別に憶えることが、一般的である。もし文字の数が少なく、百字や二百字ほどであれば個別に憶えた方が効率が良い。しかし、漢字は中学卒業までに、国語の時間に習う常用漢字だけでおよそ二千字あり、それ以外にも人名・地名によく用いられる漢字や、理科や歴史の用語に使われるものなどがあるので、少なくとも三千字程度は知っておく必要がある。文系の高等教育まで考慮すれば、四千字~五千字程度の知識は必要であろう。
 三千字あるいはそれ以上を、個別に憶えるのは大変である。しかし、会意文字や形声文字は、複数の字形を組み合わせて作られているので、漢字を分解すると、意味のある形としては三百ほどにまとめられる。(方法によって数値は上下する)。それで三千字を個別に憶えるよりも三百程の基本形を憶え、その組み合わせとして三千種類の漢字を理解した方が、効率が良くまた強く印象に残ることになる。学校教育において、現在の字形が何を構成要素としているのかを知っておいた方が、効率的に多くの漢字を憶えられるのである。(以上は、落合淳思著『漢字の成り立ち』の「結び」の部分を抜粋させていただきました。)
 私も落合淳思先生の文章に触発され、学校での効率的な漢字教育を目的として三百程の漢字の基本形(構成要素)をまとめることにしたい。
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音符 「春シュン」 <はる>

2017年10月27日 | 漢字の音符
 シュン・はる  日部

解字 甲骨文第一字は、「多くの木+屯トン・チュン(木の芽の象形)」の会意形声で、木々の中で木の芽が伸びるかたち。第二字は「木木+日(太陽)+屯(木の芽)」で、春に日の光が強まり木木の芽が伸びるさまを表し春の意。発音は、屯チュン⇒シュンに変化。[甲骨文字辞典]。金文と篆文は、「艸(くさ)+屯(木の芽)+日(太陽)」の形で、木々⇒艸に変化した。草が日の光を受け芽吹いて生ずるさま。季節の春の意味を表わす。現代字は「艸+屯」⇒「三+人」に変化した春になった。
意味 (1)はる。「早春ソウシュン」「春眠シュンミン」 (2)年のはじめ・正月。「賀春ガシュン」「迎春ゲイシュン」 (3)活動の盛んな年頃。「青春セイシュン」 (4)とし。「春秋シュンジュウ
覚え方  さんにん(三人)で、ひ()なたぼっこする

イメージ  「はる」 (春・椿・鰆・蠢)
音の変化  シュン:春・鰆・蠢  チン:椿

はる
椿 チン・つばき  木部
解字 「木(き)+春(はる)」の会意形声。日本で、はる(新春から春)に咲く花である椿をいう。めずらしい意は、珍チン(めずらしい)の仮借カシャ(当て字)。
意味 (1)[国]つばき(椿)。ツバキ科の常緑高木の総称。「椿油つばきあぶら」(椿の種子からとった油。頭髪用、また、食用とする) (2)チャンチン(香椿)。センダン科の落葉高木。 (3)思いがけない事。「椿事チンジ」(珍しいこと)
 シュン・さわら  魚部
解字 「魚(さかな)+春(はる)」の会意形声。日本では、春に産卵のために沿岸へ寄るため人目に付きやすく、「春を告げる魚」という意味のサバ科に属する海水魚をいう。。
意味 [国]さわら(鰆)。サバ科に属する海水魚。細長い体の大型肉食魚で、成長に従って呼び名が変わる出世魚。回遊魚で、春に瀬戸内海を産卵場としている。
 シュン・うごめく  虫部
解字 「虫虫(多くのむし)+春(はる)」の会意形声。虫たちが春に動き始めること。
意味 (1)うごめく(蠢く)。「蠢動シュンドウ」(虫がうごめくこと。つまらない者が騒ぎたてること) (2)おろか。無知な。「蠢愚シュング」(おろかなこと。蠢も愚も、おろかな意)
<紫色は常用漢字>

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紛らわしい漢字 「衝ショウ」 と 「衡コウ」

2017年10月24日 | 紛らわしい漢字 
 「衝ショウ」と「衡コウ」は、どちらも行コウに挟まれた字。音符は衝が中に挟まれた重ジュウ、衡は両側の行コウである。

 ショウ・つく  行部  
解字 「行(ゆく)+重(おもみがかかる)」 の会意形声。重い物が行き当ること。ぶつかること。発音は重ジュウが変化したショウ。
意味 (1)つく(衝く)。ぶつかる。「衝突ショウトツ」「緩衝カンショウ」(あたりを和らげる)「折衝セッショウ」(敵の衝いてくる戈先をくじき(折)とめる。外交のかけひき) (2)つきうごかす。「衝動ショウドウ」 (3)かなめ。大事な所。「要衝ヨウショウ
参考 音符「重ジュウ」へ

 コウ・はかり・くびき  行部
    
  スキをつけたくびき     車をつけたくびき        天秤ばかり

解字 金文・篆文は、「角(牛のつの)+大(牛のからだ)+行コウ(渡す)」 の会意形声。二頭の牛の角とその体(大)の間の首にかけ渡し(行)た横木(くびき)をいう。行の字は左右に分かれている。現代字は角が略体の「ク+田」になった。写真で分かるように牛のくびきの中央後ろにスキをつけて田畑を起したり、荷車を引かせたりする。この横木は後に、天秤ばかりの横棒の意となり、はかりを意味するようになった。転じて、つり合いがとれる。横の意ともなる。
意味 (1)くびき(衡)。横木。馬車や牛車の横木(くびき) (2)はかり(衡)。はかり竿。重さをはかること。「度量衡ドリョウコウ」(度は長さ、量は容積、衡は重さ。ものを測ること、また、その単位) (3)平らか。つり合いがとれている。「平衡ヘイコウ」(つりあいがとれる。=均衡) (4)よこ。「連衡レンコウ」(東西の国が同盟すること)「合従連衡ガッショウレンコウ」(従ショウは縦の意で、合従は南北の国が同盟すること。連衡は東西の国が同盟すること。あわせて、どちらの同盟に入るか外交上のかけひきをすること)
参考 音符「行コウ」へ
<紫色は常用漢字>

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紛らわしい漢字 「昜ヨウ」 と 「易エキ」

2017年10月12日 | 紛らわしい漢字 
 ヨウは太陽(日)の下に、上昇をしめす字形に日の光(彡)がつき太陽が昇る形。易エキは太陽(日)が雲(曲線)から半分出た形に日の光(彡)がつく。従って「雲+太陽の光(彡)」が変化した勿は、日とくっついている。

 ヨウ  日部

解字 甲骨文は太陽とその上昇を示すT字型からなる形で、日がのぼる意。金文以降は太陽の光を表わす彡印をそえ「昜」の字形が整った。「日が高くあがる」意味をもつ。昜は単独で用いられることはなく、さまざまな部首と組み合わせて字が作られる。
意味 (1)あがる。日がのぼる。(2)明るい。日なた。あたたかい。

音符「昜ヨウ」を含む常用漢字
イメージ 
 「あがる太陽」
(陽・場) 
 「あがる」(揚・湯・瘍)
 「同音代替」(腸)
音の変化  ヨウ:陽・揚・瘍  ジョウ:場  チョウ:腸  トウ:湯
あがる太陽
 ヨウ・ひ  阝部こざと
解字 「阝(おか)+昜(あがる太陽)」の会意形声。あがった太陽の光が丘に当たる形。太陽の光の他、丘の日の当たる側、ひなたの意味を表わす。
意味 (1)ひ(陽)。日の光。「太陽タイヨウ」「陽光ヨウコウ」 (2)ひなた。日のあたる。山の南側。「山陽サンヨウ」 (3)あかるい。あたたかい。「陽春ヨウシュン」「陽気ヨウキ」 (4)易の用語。主に男性的・積極的な性質をもつものを指す。対語: 陰。「陰陽インヨウ
 ジョウ・ば  土部
解字 「土(つち)+昜(あがる太陽)」の会意形声。あがってくる太陽を祭る儀式が行われる土地。
意味 (1) ば(場)。神を祭るための地。 (2)ところ。事が行なわれる場所。「会場カイジョウ」「劇場ゲキジョウ」「戦場センジョウ」 (3)とき。おり。「場合ばあい」「急場きゅうば」 (4)劇の場面「一幕二場」
あがる
 ヨウ・あげる・あがる  扌部
解字 「扌(て)+昜(あがる)」の会意形声。手で高くあげること。
意味 (1)あげる(揚げる)。あがる(揚がる)。「揚力ヨウリョク」「掲揚ケイヨウ」 (2)勢いがある。気分が高まる。「高揚コウヨウ
 トウ・ゆ  氵部
解字 「氵(水)+昜(あがる)」の会意形声。勢いよく湯気をあげて沸きたった湯。
意味 ゆ(湯)。水を沸かしたもの。また、風呂。「湯気ユゲ」「熱湯ネットウ」「湯治トウジ」(温泉に浴して治療する)
 ヨウ  疒部
解字 「疒(やまい)+昜(もちあがる)」の会意形声。皮膚がもちあがるできもの。
意味 できもの。悪性のはれもの。「腫瘍シュヨウ」「潰瘍カイヨウ」(ただれくずれること)
同音代替
 チョウ・はらわた・わた  月部にく
解字 「月(からだ)+昜(チョウ)」の形声。チョウは長チョウ(長い)に通じ、細長いはらわた(消化器官)のこと。
意味 はらわた(腸)。わた(腸)。消化器官のひとつ。「大腸ダイチョウ」「小腸ショウチョウ」「胃腸イチョウ


      エキ <雲間の太陽から光(彡)が差す>
 エキ・イ・かえる・かわる・やさしい・やすい  日部

解字 甲骨文は雲間の太陽から光(彡)が差す形。曲線が雲、半円が太陽、彡が日光で、穏やかな天候、および、曇りの意の天候用語[甲骨文字小事典]。金文第一字もほぼ同じ形。第二字は雲のかたちがS状に湾曲し太陽に点が描かれた。篆文から日(太陽)が上に独立した易の形となり現代にいたる。易は太陽(日)が雲(曲線)から半分出た形なので、「雲+太陽の光(彡)」が変化した勿は、日とくっついている。意味は雲間からでる太陽の光が変化すること。かわる・かえる意となる。また、雲の状況から天気をうらなうことから、うらないの意となった。やさしい意は、仮借カシャ(当て字)の用法。
意味 (1)かえる(易える)。かわる(易わる)。あらためる。とりかえる。「改易カイエキ」(官職をやめさせて他の人に替える)「貿易ボウエキ」(外国と品物をとりかえて通貨で決済する取引) (2)占い。筮竹ゼイチクなどによる占い。「易者エキシャ」「易占エキセン」(筮竹ゼイチクなどを使う易の占い) (3)やさしい(易しい)。やすい(易い)。「安易アンイ」「容易ヨウイ
音符「易エキ」の常用漢字
イメージ 
 「かわる」
(易) 
 「同体異字」(賜)
音の変化  エキ:易  シ:賜
同体異字
 シ・たまう・たまわる・たまもの  貝部            
 
解字 金文第一字は、酒器から杯に酒を注ぐ形で、それぞれの下に手が描かれている。目上の者が酒をたまう意。第二字は、酒器だけを描いたもので、たまう意。酒器の取っ手周辺と中身の酒をしめす彡が第三字で、「酒器の変化した形」になり、これに貝(財貨)がついて、目上から財貨をたまう意となった。篆文は金文第三字の酒器が変化した形⇒易となり、「貝(財貨)+易(たまう)」の賜となった。賜とは、目上より下の者に財貨等を与えること。目下の者は、あたえられる(たまわる)意となる。この字の易は、酒器の部分象形であり、交易の易とは異なる字である。
意味 (1)たまう(賜う)。目上の人が目下の者へ物を与える。「下賜カシ」(高貴の人が下の者に物を与えること)「賜杯シハイ」(臣下に杯をあたえること。天皇・皇族から競技の勝者に贈られる優勝杯) (2)たまわる(賜る)。目上の人から物をいただく。「恩賜オンシ」(恩も賜も、たまわる意。天皇や主君から物をたまわること) (3)たまもの(賜)。いただきもの。「賜物たまもの=賜」(たまわった物。他者から受けた恩恵の結果)
<紫色は常用漢字>

参考 音符「昜ヨウ」
    音符「易エキ」

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音符「冓コウ」<同じかたちに組み立てる>「構コウ」「講コウ」「溝コウ」「購コウ」「再サイ」

2017年10月04日 | 漢字の音符
 コウ  冂部   

解字 同じような形のものが上下に結ばれたかたち。この字形については諸説があり、木組み、竹組みの籠、紐結びを上下にあわせたかたち説などがある。いずれにしても、上下や左右を二つ同じような形に組んでつくった物を指す。木組み説では構コウ(かまえ)の原字。竹籠説では、篝コウ(ふせご)の原字。紐結び結合説では、結合部分で双方が「あう」ことから、遘コウ(あう)の原字となる。
 イメージは、同じ形を「組み立てる」、上下左右が「同じ形になる」、上下左右が中心で「出会う」となる。
意味 くみたてる。かまえる。

イメージ  
 「組み立てる」
(構・篝) 
  左右が「同じ形になる」(溝・購・講・再)
  上下が「であう」(覯・媾・遘)
音の変化  コウ:構・篝・溝・購・講・覯・媾・遘  サイ:再

くみたてる
 コウ・かまえる・かまう  木部
解字 「木(き)+冓(組み立てる)」の会意形声。木をバランスよく組み立てること。
意味 (1)かまえる(構える)。組み立てる。「構築コウチク」「構成コウセイ」 (2)しくみ。「機構キコウ」 (3)[国] ①かまえ(構え)。準備をととのえる。「身構える」「一家を構える」 ②かまう(構う)。かかわる。相手にする。「子供を構う」
 コウ・ふせご・かがり  竹部
解字 「竹(たけ)+冓の旧字(組み立てる)」の会意形声。竹を組み、バランスよく組み立てた物。竹カゴの一種であるが、香炉や火鉢にかぶせて用いる。また、火鉢にかぶせることから、転じてかがり火のかがりの意にもなる。
意味 (1)ふせご(篝)。香炉や火鉢の上におおいかぶせるかご。香炉にかぶせて衣服をのせ香の匂いを移したり、火鉢にかぶせて衣服をのせ乾かす。 (2)かがり(篝)。かがり火をたく鉄製のかご。「篝火かがりび

同じ形になる
 コウ・みぞ  氵部
解字 「氵(水)+冓(同じ形になる)」の会意形声。両側を同じ形に組み立てて造られた水を流すみぞ。
意味 みぞ(溝)。どぶ(溝)。用水路。「排水溝ハイスイコウ」「溝渠コウキョ」(みぞ。水路)「溝板どぶいた
 コウ・あがなう  貝部
解字 「貝(財貨)+冓(同じ形になる)」の会意形声。貝(お金)が相手に渡り、同じ対価である品物がこちら側にくる取引。
意味 あがなう(購う)。買い求める。「購入コウニュウ」「購読コウドク」「購買コウバイ」(買い入れること)
 コウ  言部
解字 「言(いう)+冓(同じ理解になる)」の会意形声。話すほうと聴くほうが同じ理解になるよう論じること。
意味 (1)説く。説き明かす。「講演コウエン」「講義コウギ」 (2)話し合いで双方が同じ理解になること。「講和コウワ」(戦争を終結し平和をとりもどす) (3)[国]こう。寺社への参詣などのために集まる信者の団体。「伊勢講イセコウ
 サイ・サ・ふたたび  冂部           

解字 「一+冓の下半分(同じ形になる)」の会意。冓の下半分に一印を添えて、同じ物事がもう一つある、ことを示した字。
意味 (1)ふたたび(再び)。もう一度。「再会サイカイ」「再生サイセイ」 (2)くりかえす。「再三再四サイサンサイシ」「再再サイサイ

であう
 コウ・あう  見部
解字 「見(みる)+冓(であう)」 の会意形声。出会って見ること。
意味 あう(覯う)。出会う。「稀覯本キコウボン」(まれに出会う本)「覯閔コウビン」(閔(うれえる・人の死)にあう。愁いにあうこと)
 コウ・あう  女部
解字 「女(おんな)+冓(であう)」 の会意形声。女と出会い縁をむすぶこと。
意味 (1)あう(媾う)。出会って縁をむすぶ。「婚媾コンコウ」(夫婦の縁組)「媾曳あいびき」(愛し合う男女がひそかにあう=逢引。相引。) (2)まじわる。男女がまじわる。「媾合コウゴウ」(男女がまじわる) (3)よしみ(媾)。夫婦がたがいにいつくしむ。
 コウ・あう  之部
解字 「之(ゆく)+冓(であう)」 の会意形声。双方から出向いてあうこと。同音である逅コウの同音代替となる字。旧字体のため、二点しんにょう。
意味 あう(遘う)。「邂遘カイコウ」(めぐりあう=邂逅)「遘禍コウカ」(わざわいにあう)
<紫色は常用漢字>

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音符「安アン」<やすらか・やすんじる>と「案アン」「按アン」「鞍アン」「晏アン」

2017年10月01日 | 漢字の音符
 アン・やすらか・やすい  宀部            

解字 「宀(たてもの)+女(おんな)」の会意。宀は祖霊をまつる廟(ビョウ)の建物、その中で女がひざまずき静かに祈っている形で、静かで落ち着いた安らかなさまを意味する。値段が安い意は、後に日本で付けられた意味である[字統]。
 意味 (1)やすらか(安らか)。しずか。おだやか。「平安ヘイアン」「安康アンコウ」(世の中が平穏無事) (2)やすんじる(安んじる)。おちつく。「安心アンシン」 (3)おく。すえる。「安置アンチ」(据えて置く) (4)たやすい。「安易アンイ」 (5)[国]やすい(安い)。値段が安い。「安価アンカ

イメージ 
 「やすらか・やすんじる」(安・案・鞍・按・晏) 
 「形声字」(鮟)
音の変化  アン:安・案・按・鞍・晏・鮟

やすらか・やすんじる
 アン  木部  
解字 「木(き)+安(やすんじる。安定した)」の会意形声。脚のある安定した木の台で、つくえの意。また、机の上で練った計画や下書きをいう。
意味 (1)つくえ(案)。物をのせる台。「几案キアン」(つくえ。几も案も、机の意) (2)考える。考え。机の上で練った計画。「考案コウアン」「案出アンシュツ」 (3)下書き。「草案ソウアン」「案文アンブン
 アン・くら  革部
解字 「革(かわ)+安(やすんじる。安定する)」の会意形声。馬の背において乗るひとを安定させる革製のくら。
意味 くら(鞍)。人や荷物をのせるために牛や馬の背につける道具。また、鞍のような形。「鞍馬アンバ」(①鞍をおいた馬。②体操競技の種目の一つ)「鞍替(くらが)え」(馬の鞍をかえる。職などをかえる)「鞍部アンブ」(山の稜線のくぼんだ所)
 アン・おさえる  扌部
解字 「扌(て)+安(やすんじる)」の会意形声。手をおいて、おさえたり、なでたりすること。また、手でおさえる意から転じて、とりしまる意ともなる。
意味 (1)おさえる(按える)。なでる。もむ。「按摩アンマ」(もんで、さする) (2)さだめる。おちつける。「按排アンパイ」(ぐわいよく並べる) (3)取り締まる。調べる。「按察使アンサツシ」(地方の行政・風俗を検察する長官)
 アン・おそい  日部  
解字 「日(太陽)+安(やすらか)」の会意形声。安らかな太陽の意から、①晴天で雲がないこと。②安らかに通じ、静かで安らかの意味となるほか、形声字としての意味もあり、暗アン(くらい)に通じ、暮れる・晩の意。また遅い意となるなど、多様な意味のある字。
意味 (1)晴天。「晏温アンオン」(晴れて温かい)「晏日アンジツ」(よく晴れた日) (2)静かで安らか。「晏然アンゼン」(おだやか)「晏晏アンアン」(やすらかなさま) (3)暮れる。晩。「晏駕アンガ」(日暮れに出発する霊柩車。天子の崩御を意味する) (4)おそい(晏い)。時刻・時期がおそい。「晏起アンキ」(朝おそく起きる。朝寝坊)「蚤寝晏起ソウシンアンキ」(蚤(はや)く寝ね晏く起く。赤子や幼児の様子。蚤は早と同じ) (5)人名。「晏子アンシ」(斉の宰相・晏嬰アンエイの敬称)

形声字
<国字> アン  魚部
解字 「魚(さかな)+安(アン)」の形声。アンという名の魚。
 鮟鱇アンコウ(ウィキペディアより)
意味 鮟鱇アンコウに用いられる字。鮟鱇とは海底にすむアンコウ科の海魚。体は平たく口は大きい。背びれに突起があり、これで小魚を誘引して呑みこむ。「あんこう」の語源は、口をあんぐり開けるから「あん口コウ」という説がある。日本語の「あんこう」という名の魚に、魚へんに安康をつけて表したもの。「鮟鱇形アンコウガタ」(鮟鱇のように太って腹の出ている力士)
<紫色は常用漢字>

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