漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符 「毀キ」 < 打ちこわす >

2014年11月30日 | 漢字の音符
 キ・こぼつ・そしる  殳部るまた

解字  金文は、「兒(児)の頭部(こども)+壬テイ(つま先立つ人)+殳シュ(うつ・なぐる)」 の会意。抜きん出る子供をうつこと。古くは子供をなぐる等の意があったと思われる。篆文第一字は、子供の頭を臼に変えた形。篆文第二字は、さらに壬テイ⇒土に変化した毀となった。意味は、打ち壊して損害をあたえること。また、譭(そしる)に通じ、そしる意となる。字形の変化があるので、ごろ合わせで覚えると便利。
覚え方 うす()に、つち()いれ、るまた()で(こぼ)ち、毀損キソンする。
意味 (1)こぼつ(毀つ)。こわす。こわれる。やぶる。やぶれる。「毀ち家こぼちや」(こわした家。あばらや)「毀損キソン」(物をこわす。傷をつける)「名誉毀損メイヨキソン」(名誉を傷つけられる)「毀壊キカイ」(こぼちやぶる。こわすこと) (2)そしる(毀る)。けなす。「毀言キゲン」「毀謗キボウ」(毀も謗も、そしる意)「毀誉褒貶キヨホウヘン」(そしることとほめること。毀と貶ヘンは、そしる意。誉と褒ホウは、ほめる意)

イメージ  「打ちこわす」 (毀・譭・燬)
音の変化  キ:毀・譭・燬

打ちこわす
 キ・そしる  言部
解字 「言(ことば)+毀(打ちこわす)」 の会意形声。言葉で相手を打ちこわすこと。
意味 そしる(譭る)。(=毀)。わるくいう。けなす。「譭言キゲン」(人をそしる言葉。そしり。=毀言)
 キ  火部
解字 「火(ひ)+毀(こわす)」 の会意形声。家や建物をこわすように焼く火。焼き尽くすような強い火をいう。
意味 強い火。烈火。やく。やきつくす。「燬火キカ」(烈火)「燬宅キタク」(烈火にかかる家宅)「燬燓キフン」(やく。燬も燓も、やく意)
<紫色は常用漢字>

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音符「局キョク」<ちいさく区切られた空間> と 「跼キョク」

2014年11月29日 | 漢字の音符
 キョク・(つぼね)  尸部
上が局、下が句
解字 句の篆文が変化した字。句の甲骨文は、ふたつのカギ形で口(場所)を囲ったかたちで、小さく区切る意。金文は、カギ形二つが接近し口の上方に移動、篆文は、上のカギ形がさらに曲がり、下のカギ形が口を半分包むように変化した。局は、句の上のカギ形が尸に変化した形で、句が文章などの一区切りの意となったのに対し、局は小さく区切られた場所の意となった。
意味 (1)限られた部分。ひと区切り。つぼね。へや。「局所キョクショ」(限られた場所。特に身体の一部分)「局地キョクチ」 (2)組織などの区分。「局員キョクイン」「当局トウキョク」 (3)へやの中でおこなう囲碁・将棋などの勝負・回数。「対局タイキョク」 (4)(囲碁・将棋などの勝負から転じて)勝負や事件の情勢。「戦局センキョク」「時局ジキョク」「結局ケッキョク」 (5)[国]つぼね(局)。部屋もちの女官。

イメージ 
 「小さな場所」
(局・跼)  
音の変化  キョク:局・跼

小さな場所
 キョク・せくぐまる・かがむ  足部
解字 「足(あし)+局(小さな場所)」の会意形声。小さな場所に足で入るとき、入口で背をかがめること。
意味 せくぐまる(跼る)。せくぐむ。かがむ(跼む)。かがんで歩く。「跼天蹐地キョクテンセキチ」(天は高いのにかがんで歩き、地は厚いのに、びくびくして歩く(蹐セキ)こと。ひどく恐れること。=跼蹐キョクセキ
<紫色は常用漢字>

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音符 「臧 ゾウ」 <捕虜をおさめる> と 「蔵ゾウ」「臓ゾウ」

2014年11月29日 | 漢字の音符
 ゾウ ・ソウ   臣部

解字 「爿(ショウ)+臣(捕虜)+戈(ほこ)」 の会意形声。臣シンは、下を向いた目の形で、相手に対し下を向く意から臣下(家来)の意味があるが、また戦争で捕獲した捕虜の意がある。臧ゾウは、武器の戈(ほこ)を用いて臣(捕虜)にすること。発音をあらわす爿ショウが、ゾウ・ソウに転音した。捕虜、及び捕虜を獲得したので、「よい」意となる。音符になるとき、捕虜を「収容する・おさめる」イメージを持つ。
意味 (1)(捕虜を獲得したので)よい。「臧否ゾウヒ」(よしあし) (2)捕虜。召使い。奴僕(しもべ)。「臧獲ゾウカク」(戦争などの捕虜。召使い) (3)おさめる。かくす。(=蔵)。「臧匿ゾウトク」(人知れずかくす=蔵匿)

イメージ 
 「捕虜にする」
(臧)
  捕虜を収容する意から「おさめる」(蔵・臓・贓)
音の変化  ゾウ:臧・蔵・臓・贓

おさめる
 ゾウ・くら・おさめる  艸部
解字 旧字は藏で「艸(草)+臧(おさめる)」の会意形声。臧のおさめる意を、草かんむりをつけて表した字。おさめるのほか、物をおさめるくら(蔵)をいう。新字体は、藏⇒蔵に簡略化される。
意味 (1)くら(蔵)。「土蔵ドゾウ」「米蔵こめぐら」 (2)おさめる(蔵める)。しまう。「貯蔵チョゾウ」「蔵書ゾウショ」 (3)かくす。「埋蔵マイゾウ」「秘蔵ヒゾウ」「蔵匿ゾウトク」(人知れずかくす)
 ゾウ・はらわた  月部にく
解字 旧字はで「月(からだ)+藏(おさめる)」の会意形声。身体の中におさまっている諸器官。新字体は「月+蔵」の臓。
意味 はらわた(臓)。内臓。特に、心臓・肺臓・肝臓・腎臓・脾臓を五臓という。「臓器ゾウキ」(内臓の器官)「臓物ゾウモツ」(はらわた)
 ゾウ  貝部
解字 「貝(財貨)+臧(おさめる)」の会意形声。財貨をおさめる意であるが、盗みやワイロなど不正な手段でおさめることをいう。
意味 不正な手段で金品を手にいれる。わいろ。「贓罪ゾウザイ」(不正に金品を入手した罪)「贓品ゾウヒン」(わいろの品物)「贓吏ゾウリ」(わいろを受け取る役人)
<紫色は常用漢字>

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音符 「没ボツ」 <しずむ>

2014年11月22日 | 漢字の音符
[沒] ボツ・モツ・しずむ  氵部  <紫色は常用漢字>

解字 篆文は、「氵(水)+渦巻き+又(て)」 の会意。うずまく水に体をとられ手だけが見えている形。水面から姿をかくすことから、水にしずむ意となる。旧字は、渦巻きが勹に似た形になった沒に変化した。新字体は、さらに没となったが、右辺の殳シュは武器の杖ぼこの意であり、もとの意味とまったく関係がない。字形を丸暗記するしかない。
 しかし、この字はお隣りの中国でも日本と同じ形に変化して大活躍している。持っていない・ない・存在しない意となり、日本の「無」の役割をしている。「没メイ」、また同じ意味の「没有メイヨウ」は、有(ある)の反対語として誰もが使う基本語である。
意味 (1)しずむ(没む)。水中にしずむ。「水没スイボツ」「沈没チンボツ」 (2)ふかく入り込む。「没頭ボットウ」「没入ボツニュウ」 (3)なくす。うしなう。ない。「没落ボツラク」「没交渉ボッコウショウ」「没義道モギドウ」(非道・不人情なこと。無義道ムギドウの転とされる) (4)取り上げる。「没収ボッシュウ」「没官モッカン・ボッカン」(官をとりあげる) (5)死ぬ。(=歿)「没年ボツネン

イメージ  「姿をかくす」 (没・歿)
音の変化  ボツ:没・歿

姿をかくす
歿 ボツ  歹部
解字 「歹(しぬ)+沒の略体(姿をかくす)」 の会意形声。死んで姿をかくすこと。
意味 死ぬ。おわる。「歿年ボツネン」(=没年)「死歿シボツ」(=死没)

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音符「傷ショウ」 <きず>  と 「殤ショウ」「觴ショウ」

2014年11月21日 | 漢字の音符
 ショウ・きず・いたむ・いためる  イ部  

解字 篆文第一字は「六書通」にある異体字で、「矢+人の変形+昜(あがる)」の会意形声。下からあがってきた矢にあたり人がキズつくこと。𥏻は正字ではないが、傷の成り立ちを探るうえで手掛かりとなる字。第二字は正字で、矢の代わりに人が付いて人がきずつく意とする。現代字は、「イ(人)+𠂉(ひと)+昜(あがる)」の傷になった。
意味 (1)きず(傷)。けが。「傷病ショウビョウ」「重傷ジュウショウ」「深傷ふかで」(重傷。深手) (2)きずつく。きずつける。「傷害ショウガイ」 (3)いたむ(傷む)。いためる(傷める)。かなしむ。「傷心ショウシン」「感傷カンショウ」(感じて心をいためる)

イメージ 
 「きずつく」
(傷・殤)
 「ショウの音」(觴)
音の変化  ショウ:傷・殤・觴

きずつく
 ショウ・わかじに  歹部
解字 「歹(しぬ)+傷の右辺(きずつく)」の会意形声。傷ついて若くして死ぬこと。
意味 わかじに(殤)。若死に。二十歳前後で死ぬこと。怪我をして死ぬ。「夭殤ヨウショウ」(若くして死ぬ)「国殤コクショウ」(国のために死んだ人。また、その霊魂)


ショウの音
 ショウ・さかずき  角部
解字 「角(つの製のさかずき)+傷の右辺(ショウ)」の形声。ショウという名の角製の盃をいう。なお、「漢典の觴」(出た画面で[字源字形]をクリック)で、金文は「爵シャク+昜ヨウ」の爵昜(これで一字)。爵シャクは酒を温める器、また温めた酒をつぐ「さけつぎ」で、この発音がヨウ(?)。酒をつがれて受ける酒杯の意。説文解字の籀ちゅう文(戦国時代)も同じく爵昜(これで一字)である。発音は昜ヨウに湯トウ・ショウ・ヨウがあり、また愓トウ・ショウもあることから、「爵昜」の発音もショウと思われる。
 古い字体の籀文を書きとめた[説文解字]の著者・許慎は、大胆にも爵⇒角に変え、昜を発音のはっきりわかる傷ショウの右辺に変えた「觴ショウ」を作りだしたのではなかろうか。
意味 (1)さかずき(觴)。さかずきはもと獣角で作ったので角。発音は傷の右辺を付けた字。觴は獣角のさかずきの意で、酒杯の総称。「觴杯ショウハイ」(さかずき)「濫觴ランショウ」(濫はあふれる意、觴はさかずき。大河の源も觴(さかずき)からあふれた程のわずかな水からはじまる。物事の初めをいう)「羽觴ウショウ」(両方の耳(もちて)を羽の形にしたさかずき) (2)酒をすすめる。さかずきをさす。「觴詠ショウエイ」(酒を飲み詩歌を吟ずる)「觴酌ショウシャク」(酒をくみかわす)
<紫色は常用漢字>

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音符「斿ユウ」<旗竿のまわりであそぶ子ども>と「遊ユウ」「游ユウ」

2014年11月19日 | 漢字の音符
 ユウ  方部

解字 甲骨文から金文まで「吹き流しのついた旗竿+子(こども)」の会意。篆文から吹き流しが「方𠆢」の形に変化した。現代字は、𠆢⇒𠂉に変化した斿となった。斿は、旗竿のまわりで遊ぶ子供たちの意となる。(篆文の斿は、游から抜きだして作成)
意味 はた。ふきながし。あそぶ。

イメージ  
 子供たちが旗竿のまわりで「あそぶ」(遊・游・蝣)
音の変化  ユウ:遊・游・蝣

あそぶ
 ユウ・ユ・あそぶ  之部
解字 「辶(ゆく)+斿(あそぶ)」 の会意形声。あそんで歩くこと。
意味 (1)あそぶ(遊ぶ)。楽しむ。「遊戯ユウギ」「遊興ユウキョウ」(遊び興ずる)「遊山ユサン」(山野に遊びに出る) (2)旅をする。勉学に他国へ行く。「漫遊マンユウ」(心のままに諸国をめぐり旅をする)「遊学ユウガク」(よその土地で学問をする) (3)自由に動きまわる。「遊撃ユウゲキ」(戦況に応じて敵を攻撃したり、味方をたすけること)「遊軍ユウグン」(遊撃する軍隊) (4)すさぶ(遊ぶ)。すさび(遊び)。きのむくまま。「手遊(てすさ)び」「遊(すさ)び事」(なぐさみごと) (5)使われずにいる。「遊休地ユウキュウチ
 ユウ・およぐ  氵部
解字 「氵(みず)+斿(あそぶ)」 の会意形声。水で遊ぶ。およぐ意となるが、また、遊と通用する。
意味 (1)およぐ(游ぐ)。「游泳ユウエイ」(およぐこと)「浮游フユウ」(浮かび游ぐ。ふわふわと漂う) (2)あそぶ(游ぶ)。「游民ユウミン」(遊んで暮らしている人=遊民) (3)旅をする。「游子ユウシ」(旅の人=遊子)
 ユウ  虫部
解字 「虫(むし)+斿(あそぶ)」の会意形声。空中をあそぶように漂う虫。
意味 「蜉蝣カゲロウ」に使われる字。蜉蝣カゲロウとは、①空中を浮遊するトンボより小さい昆虫。産卵後数時間内で死ぬので、はかないことの例えに引かれる。「蜉蝣カゲロウの命」 ②トンボの古名。
<紫色は常用漢字>

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音符「岡コウ」<山の尾根>と「綱コウ」「鋼コウ」「剛ゴウ」

2014年11月14日 | 漢字の音符
 コウ・おか   山部

解字 篆文は、「网(あみ)+山(やま)」の会意。網を立てたように長く連なった山の尾根。現代字は、网のメメ⇒䒑(ソ+一)に変化した岡になった。山の尾根は風雨に直接さらされ、かたい岩石が露出して続くので、岡を音符に含む字は、「かたく強い」のイメージがある。日本では岡(おか)とよみ、丘キュウ(こだかい土地)の意味でつかうが、原義は山の尾根をいう。
意味 (1)山の背・尾根。山脊サンセキ(山の尾根)。 (2)おか(岡)。(=崗)。小高い土地。「岡陵コウリョウ」(岡も陵も、おかの意。高いおか)「岡阜コウフ」(小高いおか。岡も阜も、おかの意) (3)地名。「岡山おかやま」(日本の県名、市名)

イメージ  
 「おか(山の尾根)」
(岡・崗)
  山の尾根は岩石が露出し「かたく強い」(剛・綱・鋼)
音の変化  コウ:岡・崗・綱・鋼  ゴウ:剛

おか・山の尾根
 コウ・おか  山部
解字 「山(やま)+岡(おか・山の尾根)」の会意形声。岡の意味を、山をつけて表した字。岡と同じ意味で使われる。
意味 (1)山の尾根。岩山。 (2)おか(崗)。小高い丘。(=岡)。 (3)岩石の名。「花崗岩カコウガン」(堅く美しい火成岩で、御影石ともいう) (4)地名など。「雲崗石窟ウンコウセックツ」(中国山西省にある仏教遺跡。岩壁に石窟をうがち石仏が彫ってある)

かたく強い
 ゴウ・コウ・つよい  刂部 
解字 「刂(刀)+岡(かたく強い)」の会意形声。刀のようにかたく強いこと。人に移して使う。発音のゴウは慣用音。
意味 つよい(剛い)。(⇔柔ジュウ)。かたい。「剛気ゴウキ」(強く屈しない意気)「剛力ゴウリキ」(力が強い)「剛柔ゴウジュウ」(かたいと、やわらかいと)「金剛コンゴウ」(①金属のなかで最もかたいもの。ダイアモンド。②極めて強固なもの)
 コウ・つな  糸部
解字 「糸(ふとい糸)+岡(かたく強い)」の会意形声。かたく強いつなをいう。網(あみ)を張る「つな」に使うことから、物事を支え引き締める意ともなる。
意味 (1)つな(綱)。おおづな。「大綱おおづな」「横綱よこづな」(相撲力士の最高位) (2)物事を支え保つ。おおもと。物事をとりしまる。「綱紀コウキ」(綱は大づな、紀は小づなで、大小のつなの意。大小の綱で引きしめて国を治めること)「綱紀粛正コウキシュクセイ」(国を治める政治家や役人の乱れを正すこと)「綱領コウリョウ」(統べる(領)ための綱。物事の要のところ) (3)分類上の区分け。「綱目コウモク」(綱はあみのつな、目はあみの目の意。物事の大綱と細目)
 コウ・はがね   金部
解字 「金(金属)+岡(かたく強い)」の会意形声。かたく強い金属。
意味 はがね(鋼)。かたくきたえた鉄。「鋼鉄コウテツ」「鋼玉コウギョク」(ルビー・サファイヤなどの硬い玉石)「鋼索コウサク」(ワイヤーロープ)
<紫色は常用漢字>

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音符 「班ハン」 <わける・わかれる> と 「斑ハン」

2014年11月10日 | 漢字の音符
 ハン・わける  玉部

解字 金文・篆文ともに「王(ぎょく)+刀+王(ぎょく)」の会意で、王はここで玉(宝石類)の意。金文・篆文まで玉は王で表された[音符「玉」を参照]。二つの玉が合わさって1組になった玨カク(二つで一組の玉。=珏)に刀をいれて分けること。のち、分け与える・分けた人員などの意味に拡がった。現代の字形は、刀⇒刂に変化した班になった。
意味 (1)わける(班ける)。わかつ。分配する。「班田ハンデン」(田地を分配する) (2)配るときの順序・席次「首班シュハン」(席次のトップ。特に内閣の総理大臣)「首班指名」 (3)全体をいくつかに分割したときの一つ一つのグループ。「班長ハンチョウ」「炊事班スイジハン」 (4)わかれる。はなれる。「班馬ハンバ」(はぐれ馬)

イメージ 
 「わける・わかれる」
 (班・斑)
音の変化  ハン:班・斑

わかれる
 ハン・まだら  文部
解字 「文(もよう)+班の略体(わかれる)」の会意形声。文様が分かれて分布しているさま。
意味 まだら(斑)。ふ(斑)。ぶち。むら。「斑点ハンテン」(まだらに散らばっている点)「斑竹ハンチク」(とらふだけ)「斑白ハンパク」(しらがまじりの頭髪) 
難読 「斑鳩いかるが」(①イカル(鳥)の別称。②地名。奈良県生駒郡斑鳩町。法隆寺がある)「斑入ふいり」(ちがった色がまだらに混じる)「斑濃むらご」(所々が濃く、その周囲をぼかした染め物)
<紫色は常用漢字>
 
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音符「𠂢ハイ」<川から支流がわかれる> と 「派ハ」「脈ミャク」

2014年11月10日 | 漢字の音符
𠂢 ハイ・ハ  厂部

解字 川の本流から流れが分かれた形。本流から水を引いて農業用水などが分かれる形と思われる。わかれ出る意で音符となる。

イメージ 
 「分かれ出る」
(派・脈)
音の変化  ハ:派  ミャク:脈

分かれ出る
 ハ・わかれる  氵部
解字 「氵(水)+𠂢(分かれ出る)」の会意形声。本流から流れが分かれ出る意。分流する、分かれた集団、一部を分けて遣わす、という意味がある。
意味 (1)わかれ。わかれる(派かれる)。本流や本家から分かれ出たもの。「学派ガクハ」「別派ベッパ」「分派ブンパ」「派閥ハバツ」 (2)一部分をさいて、つかわす。「派兵ハヘイ」「派出ハシュツ」「派遣ハケン」(分けて遣わす)
 ミャク  月部にく
解字 「月(からだ)+𠂢(分かれ出る)」の会意。細く分かれ出て身体の中を網の目のように通る血管。
意味 (1)すじ。すじみち。血のすじ。血管。「動脈ドウミャク」「静脈ジョウミャク」「血脈ケツミャク」(血縁でつながること)「脈絡ミャクラク」(物事のつながり。すじみち)  (2)血管が波打つこと。「脈拍ミャクハク」「脈脈ミャクミャク」 (3)すじになって続くもの。「水脈スイミャク」「山脈サンミャク
<紫色は常用漢字>            
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音符「庄ショウ」<土間のある田舎の家>と「粧ショウ」

2014年11月07日 | 漢字の音符
 ショウ・ソウ  广部
解字 楷書から現れた字で、「广(やね)+土(土間)」の会意。土間のある平屋の家の意。荘ソウ・ショウ(村里・いなか・荘園などの意)の俗字として特に日本で広く使われた。
意味 (1)いなかの家。「村庄ソンショウ」(いなか家) (2)いなか。むらざと。「庄屋ショウヤ」(江戸時代の村長) (3)[国]荘園。私有の領地。「庄園ショウエン」(奈良時代から室町時代まであった貴族や社寺の私有地=荘園)「庄司ショウジ」(荘園の雑務に当たった役職=荘司)

イメージ 
 「いなかの家」
(庄)
 「形声字」(粧)
音の変化  ショウ:庄・粧

形声字
 ショウ・よそおう  米部
解字 「米(=粉。こな)+庄(ショウ)」 の形声。ショウは妝ショウ(よそおう)に通じ、粉(白粉おしろい)を塗って化粧すること。現代中国では妝(妆)ショウを使う。
意味 よそおう(粧う)。つくろう。めかす。「化粧ケショウ」「美粧ビショウ」(美しく粧う)
<紫色は常用漢字>

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