黄砂の季節です。「霾バイ・つちふる」を追加しました。
里 リ・さと 里部
「田(四角く区切りをつけた耕地)+土(土地神を祀る形)」の会意。区画された耕地とその土地神を祀るほこらがある集落(さと)をいう(大修館漢語新辞典)。村里の意味を表す。また、耕地の大きさから、距離の単位も表す。
意味 (1)さと(里)。むらざと。いなか。「村里むらざと」「郷里キョウリ」「里謡リヨウ」 (2)みちのり。距離の単位。一里は周代で三百歩(405メートル)、現代中国は500メートル、日本では約4キロ。「里程リテイ」(みちのり)「五里霧中ゴリムチュウ」(広さ五里にわたる霧の中にいる)「千里眼センリガン」
イメージ
「村里・いなか」(里・俚・狸・埋・霾)
区画された耕地から「すじめがつく」(理・裏・厘・糎・鯉)
みちのりから「距離の単位」(哩・浬)
音の変化 リ:里・俚・狸・理・裏・鯉 リン:厘 マイ:埋 バイ:霾 センチ:糎 マイル:哩 カイリ:浬
村里・いなか
俚 リ イ部
解字 「イ(人)+里(村里・いなか)」の会意形声。村里に住む人。都ふうでない人。
意味 いやしい。いなかくさい。「俚言リゲン」(①上品でない言葉・②地方の特有の言葉)「俚俗リゾク」「俚諺リゲン」(民間のことわざ)「俚歌リカ」(民間で流行する歌)
狸 リ・たぬき 犭部
解字 「犭(けもの)+里(村里・いなか)」の会意形声。村里に棲む動物であるたぬき。
意味 (1)たぬき(狸)。「狐狸コリ」(きつねとたぬき)「狸穴まみあな」(2)ずるがしこい人。「狸親父たぬきおやじ」
埋 マイ・メ・バイ・うめる・うまる・うもれる 土部
解字 「土(つち)+里(=狸の略体」」の会意。狸の仲間が土に穴をほって冬ごもりすること。穴をほって入口を塞ぐので、転じて、うめる・うまる意となる。会意の発音マイは、マイ(昧:くらい)と同系の発音。
意味 (1)うめる(埋める)。うずめる。「埋葬マイソウ」「埋蔵マイゾウ」(2)うまる(埋まる)。うもれる(埋もれる)。「埋没マイボツ」(3)(国)うめる(埋める)。他の物でおぎなう。「損を穴埋めする」
霾 バイ・マイ・つちふる 雨部
解字 「雨(ふる)+貍バイ(=薶(埋):うずめる)」の会意形声。雨は、ここで降る意。貍バイは同音の薶バイ(埋の異体字)に通じ、うずめる意。土ぼこりが降り地上をうずめること。中国で黄砂が降る意で用いられる。
意味 つちふる(霾ふる)。モンゴルや中国北部の黄土地帯で、春の吹き荒れる季節風によって大量の細かな砂塵が空高く舞い上がって大気中に広がり、遠くまで及ぶ現象。3月から5月に多く、日本にも飛来する。春の季語。「霾翳バイエイ」(巻き上げられた土砂が空を覆って暗いこと)「霾晦バイカイ・よなぐもり」(風が土をふらして暗いこと。訓の[よな]は、日本で噴火による降灰をいう)「霾風バイフウ」(土ふらす風)「黄霾コウバイ」(黄砂の土ふる)
すじめがつく
理 リ・ことわり・おさめる 玉部
解字 「王(=玉)+里(すじめがつく)」の会意形声。宝石の表面にすけて見えるすじめ。転じて、物事のすじみちの意となる。また、玉の原石を磨いて肌理(きめ)を出すことから、ととのえる意となる。
意味 (1)宝石のすじめ。きめ。もよう。「玉理ギョクリ」「地理チリ」「節理セツリ」(岩石の割れ目。物事の筋道)(2)ことわり。物事のすじみち。「理解リカイ」「理由リユウ」(3)おさめる。ととのえる。「管理カンリ」「理事リジ」「整理セイリ」(4)自然科学。「理科リカ」「理学リガク」
裏[裡] リ・うら 衣部
解字 「衣(ころも)+里(すじめがつく)」の会意形声。衣を縫うとき、縫い目(すじめ)が表にでないように縫う。すると縫い目が裏側になるので、うらの意味を表す。また、衣の裏である内側をいう。裡リは同字。もと、うちがわ・内部の意で、よく用いられた。
意味 (1)うら(裏)。うらがわ。「裏面リメン」「表裏ヒョウリ」「裏打うらうち」(2)うち(内)。うちがわ。「脳裏ノウリ」(頭のなか)「屋根裏やねうら」「袖裏そでうら」
厘 リン 厂部
解字 「厂(がけ)+里(すじめがつく)」の会意形声。がけの下の狭い土地の筋目の意で、わずか・こまかい意を表す。(釐リの略字だが、厘で解字した)。
意味 わずかな量を表す単位。(1)少数の単位。1の百分の1。(2)貨幣の単位。一厘は一銭の十分の一「厘毛リンモウ」(ごくわずかな金銭)(3)重さの単位。一匁(もんめ)の百分の一。
鯉 リ・こい 魚部
郡山市の鯉
解字 「魚(さかな)+里(すじめがつく)」の会意形声。うろこのすじめがはっきり見える魚の「こい」。本来は里リという名の魚であり形声字であるが、覚え方として里の田畑のような模様のうろこを持つ魚と覚えるとよい。
意味 こい(鯉)。コイ科の淡水魚。「緋鯉ひごい」「錦鯉にしきごい」「鯉幟こいのぼり」
距離の単位
哩 リ・マイル 口部
解字 「口(くちまね)+里(距離の単位)」の会意形声。一里の長さを英語で口まねする意で、英語のマイル(mile)を表す。
意味 マイル(哩)。1マイルは1.6km。
浬 リ・かいり 氵部
解字 「氵(海)+里(距離の単位)」の会意形声。カイリ(海里)の意。
意味 (1)カイリ(浬)。1海里は1.852km。 (2)ノット(浬)。1ノットは1海里/毎時
糎<国字> センチメートル 米部
解字 「米(メートル)+厘(少数の単位。百分の1)」の会意。1メートルの百分の1の長さ。
意味 センチメートル(糎)。長さの単位。1メートルの100分の1。
<紫色は常用漢字>
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里 リ・さと 里部
「田(四角く区切りをつけた耕地)+土(土地神を祀る形)」の会意。区画された耕地とその土地神を祀るほこらがある集落(さと)をいう(大修館漢語新辞典)。村里の意味を表す。また、耕地の大きさから、距離の単位も表す。
意味 (1)さと(里)。むらざと。いなか。「村里むらざと」「郷里キョウリ」「里謡リヨウ」 (2)みちのり。距離の単位。一里は周代で三百歩(405メートル)、現代中国は500メートル、日本では約4キロ。「里程リテイ」(みちのり)「五里霧中ゴリムチュウ」(広さ五里にわたる霧の中にいる)「千里眼センリガン」
イメージ
「村里・いなか」(里・俚・狸・埋・霾)
区画された耕地から「すじめがつく」(理・裏・厘・糎・鯉)
みちのりから「距離の単位」(哩・浬)
音の変化 リ:里・俚・狸・理・裏・鯉 リン:厘 マイ:埋 バイ:霾 センチ:糎 マイル:哩 カイリ:浬
村里・いなか
俚 リ イ部
解字 「イ(人)+里(村里・いなか)」の会意形声。村里に住む人。都ふうでない人。
意味 いやしい。いなかくさい。「俚言リゲン」(①上品でない言葉・②地方の特有の言葉)「俚俗リゾク」「俚諺リゲン」(民間のことわざ)「俚歌リカ」(民間で流行する歌)
狸 リ・たぬき 犭部
解字 「犭(けもの)+里(村里・いなか)」の会意形声。村里に棲む動物であるたぬき。
意味 (1)たぬき(狸)。「狐狸コリ」(きつねとたぬき)「狸穴まみあな」(2)ずるがしこい人。「狸親父たぬきおやじ」
埋 マイ・メ・バイ・うめる・うまる・うもれる 土部
解字 「土(つち)+里(=狸の略体」」の会意。狸の仲間が土に穴をほって冬ごもりすること。穴をほって入口を塞ぐので、転じて、うめる・うまる意となる。会意の発音マイは、マイ(昧:くらい)と同系の発音。
意味 (1)うめる(埋める)。うずめる。「埋葬マイソウ」「埋蔵マイゾウ」(2)うまる(埋まる)。うもれる(埋もれる)。「埋没マイボツ」(3)(国)うめる(埋める)。他の物でおぎなう。「損を穴埋めする」
霾 バイ・マイ・つちふる 雨部
解字 「雨(ふる)+貍バイ(=薶(埋):うずめる)」の会意形声。雨は、ここで降る意。貍バイは同音の薶バイ(埋の異体字)に通じ、うずめる意。土ぼこりが降り地上をうずめること。中国で黄砂が降る意で用いられる。
意味 つちふる(霾ふる)。モンゴルや中国北部の黄土地帯で、春の吹き荒れる季節風によって大量の細かな砂塵が空高く舞い上がって大気中に広がり、遠くまで及ぶ現象。3月から5月に多く、日本にも飛来する。春の季語。「霾翳バイエイ」(巻き上げられた土砂が空を覆って暗いこと)「霾晦バイカイ・よなぐもり」(風が土をふらして暗いこと。訓の[よな]は、日本で噴火による降灰をいう)「霾風バイフウ」(土ふらす風)「黄霾コウバイ」(黄砂の土ふる)
すじめがつく
理 リ・ことわり・おさめる 玉部
解字 「王(=玉)+里(すじめがつく)」の会意形声。宝石の表面にすけて見えるすじめ。転じて、物事のすじみちの意となる。また、玉の原石を磨いて肌理(きめ)を出すことから、ととのえる意となる。
意味 (1)宝石のすじめ。きめ。もよう。「玉理ギョクリ」「地理チリ」「節理セツリ」(岩石の割れ目。物事の筋道)(2)ことわり。物事のすじみち。「理解リカイ」「理由リユウ」(3)おさめる。ととのえる。「管理カンリ」「理事リジ」「整理セイリ」(4)自然科学。「理科リカ」「理学リガク」
裏[裡] リ・うら 衣部
解字 「衣(ころも)+里(すじめがつく)」の会意形声。衣を縫うとき、縫い目(すじめ)が表にでないように縫う。すると縫い目が裏側になるので、うらの意味を表す。また、衣の裏である内側をいう。裡リは同字。もと、うちがわ・内部の意で、よく用いられた。
意味 (1)うら(裏)。うらがわ。「裏面リメン」「表裏ヒョウリ」「裏打うらうち」(2)うち(内)。うちがわ。「脳裏ノウリ」(頭のなか)「屋根裏やねうら」「袖裏そでうら」
厘 リン 厂部
解字 「厂(がけ)+里(すじめがつく)」の会意形声。がけの下の狭い土地の筋目の意で、わずか・こまかい意を表す。(釐リの略字だが、厘で解字した)。
意味 わずかな量を表す単位。(1)少数の単位。1の百分の1。(2)貨幣の単位。一厘は一銭の十分の一「厘毛リンモウ」(ごくわずかな金銭)(3)重さの単位。一匁(もんめ)の百分の一。
鯉 リ・こい 魚部
郡山市の鯉
解字 「魚(さかな)+里(すじめがつく)」の会意形声。うろこのすじめがはっきり見える魚の「こい」。本来は里リという名の魚であり形声字であるが、覚え方として里の田畑のような模様のうろこを持つ魚と覚えるとよい。
意味 こい(鯉)。コイ科の淡水魚。「緋鯉ひごい」「錦鯉にしきごい」「鯉幟こいのぼり」
距離の単位
哩 リ・マイル 口部
解字 「口(くちまね)+里(距離の単位)」の会意形声。一里の長さを英語で口まねする意で、英語のマイル(mile)を表す。
意味 マイル(哩)。1マイルは1.6km。
浬 リ・かいり 氵部
解字 「氵(海)+里(距離の単位)」の会意形声。カイリ(海里)の意。
意味 (1)カイリ(浬)。1海里は1.852km。 (2)ノット(浬)。1ノットは1海里/毎時
糎<国字> センチメートル 米部
解字 「米(メートル)+厘(少数の単位。百分の1)」の会意。1メートルの百分の1の長さ。
意味 センチメートル(糎)。長さの単位。1メートルの100分の1。
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