勹ホウの中に二本線を入れたのが匀キンで、一本線が勺シャクである。匀キンの中の二本線は、何と金(青銅)の延べ棒!!だ。勺シャクの中の一本線は、ひしゃくで酌んだ中身を表している。
匀 キン <むらなく行きわたる>
匀 キン 勹部
解字 金文は、「二印キン+腕をまるくひとまわりさせた形」の会意形声。二印は、銅の延べ棒二つを積んだ形(音符「金キン」を参照)。銅(青銅)は古代中国で主要な金属として器・武具・銅貨などに利用されており、原材料としての銅は、金の延べ棒のように一定の形と重さをもった固まりとして流通した。この二印に腕を一回りさせた形を加えた匀キンは、銅の延べ棒を包んだ形と思われる。鈞キンの原字。篆文で「二印+勹ホウ(人が手をのばして全体でまるくなった形)」になった。意味は二印(二本の延べ棒)にあり、延べ棒は、①中がむらなく行きわたっている。②延べ棒の重さや形が等しい、意となる。この意味をもとに鈞と均が作られた。
意味 ととのう。ひとしい。ゆきわたる。あまねし。むらがない。
イメージ 「むらなく行きわたる」(鈞・均)
音の変化 キン:均・鈞
むらなく行きわたる
鈞 キン・ひとしい 金部
解字 「金(金属)+匀(むらなく行きわたる)」の会意形声。匀は銅の延べ棒の形。金をつけて意味を確認した字。一定の形にむらなくゆきわたり重さが同じなので、重さの単位及びおもりの意となった。
意味 (1)中国古代の重さの単位。30斤。周代の1鈞は、7.68kg。 (2)おもり。「鈞石キンセキ」(おもり。1鈞は30斤、1石は4鈞) (3)ひとしい(鈞しい)。(=均しい) (4)ろくろ。
均 キン・ひとしい・ならす 土部
解字 「土(つち)+匀(むらなく行きわたる)」の会意形声。土がついた均は、表面にむらがない意となり、土のデコボコをならして平らにすること。転じて、公平にする・平均する意となる。また、匀キンの意味である重さ・形がひとしい意としても使われる。
意味 (1)ならす(均す)。公平にする。「均一キンイツ」「平均ヘイキン」 (2)ひとしい(均しい)。同じ。「均等キントウ」「均分キンブン」「均田キンデン」(耕地を均等に分ける)
勺 シャク <ひしゃく>
勺 シャク 勹部
勺
解字 甲骨文~篆文は、ひしゃくの形の象形。スプーンで液体の一部を酌んださまを描いている。現代字は勹に丶を加えた形。丶はスプーンにすくった少しの量を示している。杓の原字。
意味 (1)ひしゃく。 (2)くむ。 (3)枡目の単位。一合の十分の一。一勺は約18cc。「酒一合五勺を飲む」
イメージ
「ひしゃく」(勺・杓・酌)
液体の一部分を汲むことから「一つを取り出す」(的・釣)
音の変化 シャク:勺・杓・酌 チョウ:釣 テキ:的
ひしゃく
杓 シャク・ヒョウ・ひしゃく・しゃく 木部
解字 「木(き)+勺(ひしゃく)」の会意形声。木製のひしゃく。
意味 (1)ひしゃく(杓)。「柄杓ヒシャク」とも書く。水を汲む道具。「杓子シャクシ」(汁や飯をすくったり盛ったりする道具。しゃもじ)「杓子定規シャクシジョウギ」(杓子の柄を定規にする。自分の基準で他人を律する) (2)しゃくう(杓う)。すくう。
酌 シャク・くむ 酉部
解字 「酉(さけ)+勺(ひしゃく)」の会意形声。ひしゃくで酒をくむこと。
意味 (1)くむ(酌む)。酒をくむ。「晩酌バンシャク」「媒酌バイシャク」(結婚の仲立ちをする) (2)意をくむ。「参酌サンシャク」(意見を聞いて参考にする)「斟酌シンシャク」(意を酌んで処置する) (3)[国]酒を杯につぐこと「お酌シャク」
一つを取り出す
的 テキ・まと 白部
解字 「白(しろ)+勺(一つを取り出す)」の会意形声。一つ取り出して置いた白いもの。白くて目立つ弓の「まと」をいう。
意味 (1)まと(的)。めあて。ねらい。「目的モクテキ」「射的シャテキ」 (2)あたる。たしか。あきらか。「的確テキカク」「的中テキチュウ」 (3)英語の~ticの音訳字。「劇的ゲキテキ」
釣 チョウ・つる 金部
解字 「金(つり針)+勺(一つを取り出す)」 の会意形声。釣針で魚一匹を釣り上げること。
意味 (1)つる(釣る)。魚をつる。「釣人つりびと」「「釣竿つりざお」「釣果チョウカ」(釣りの成果) (2)つる。つるす「釣鐘つりがね」 (3)[国]つりせん。「釣銭つりせん」
<紫色は常用漢字>
参考 音符「匀キン」へ
音符「勺シャク」へ
匀 キン <むらなく行きわたる>
匀 キン 勹部
解字 金文は、「二印キン+腕をまるくひとまわりさせた形」の会意形声。二印は、銅の延べ棒二つを積んだ形(音符「金キン」を参照)。銅(青銅)は古代中国で主要な金属として器・武具・銅貨などに利用されており、原材料としての銅は、金の延べ棒のように一定の形と重さをもった固まりとして流通した。この二印に腕を一回りさせた形を加えた匀キンは、銅の延べ棒を包んだ形と思われる。鈞キンの原字。篆文で「二印+勹ホウ(人が手をのばして全体でまるくなった形)」になった。意味は二印(二本の延べ棒)にあり、延べ棒は、①中がむらなく行きわたっている。②延べ棒の重さや形が等しい、意となる。この意味をもとに鈞と均が作られた。
意味 ととのう。ひとしい。ゆきわたる。あまねし。むらがない。
イメージ 「むらなく行きわたる」(鈞・均)
音の変化 キン:均・鈞
むらなく行きわたる
鈞 キン・ひとしい 金部
解字 「金(金属)+匀(むらなく行きわたる)」の会意形声。匀は銅の延べ棒の形。金をつけて意味を確認した字。一定の形にむらなくゆきわたり重さが同じなので、重さの単位及びおもりの意となった。
意味 (1)中国古代の重さの単位。30斤。周代の1鈞は、7.68kg。 (2)おもり。「鈞石キンセキ」(おもり。1鈞は30斤、1石は4鈞) (3)ひとしい(鈞しい)。(=均しい) (4)ろくろ。
均 キン・ひとしい・ならす 土部
解字 「土(つち)+匀(むらなく行きわたる)」の会意形声。土がついた均は、表面にむらがない意となり、土のデコボコをならして平らにすること。転じて、公平にする・平均する意となる。また、匀キンの意味である重さ・形がひとしい意としても使われる。
意味 (1)ならす(均す)。公平にする。「均一キンイツ」「平均ヘイキン」 (2)ひとしい(均しい)。同じ。「均等キントウ」「均分キンブン」「均田キンデン」(耕地を均等に分ける)
勺 シャク <ひしゃく>
勺 シャク 勹部
勺
解字 甲骨文~篆文は、ひしゃくの形の象形。スプーンで液体の一部を酌んださまを描いている。現代字は勹に丶を加えた形。丶はスプーンにすくった少しの量を示している。杓の原字。
意味 (1)ひしゃく。 (2)くむ。 (3)枡目の単位。一合の十分の一。一勺は約18cc。「酒一合五勺を飲む」
イメージ
「ひしゃく」(勺・杓・酌)
液体の一部分を汲むことから「一つを取り出す」(的・釣)
音の変化 シャク:勺・杓・酌 チョウ:釣 テキ:的
ひしゃく
杓 シャク・ヒョウ・ひしゃく・しゃく 木部
解字 「木(き)+勺(ひしゃく)」の会意形声。木製のひしゃく。
意味 (1)ひしゃく(杓)。「柄杓ヒシャク」とも書く。水を汲む道具。「杓子シャクシ」(汁や飯をすくったり盛ったりする道具。しゃもじ)「杓子定規シャクシジョウギ」(杓子の柄を定規にする。自分の基準で他人を律する) (2)しゃくう(杓う)。すくう。
酌 シャク・くむ 酉部
解字 「酉(さけ)+勺(ひしゃく)」の会意形声。ひしゃくで酒をくむこと。
意味 (1)くむ(酌む)。酒をくむ。「晩酌バンシャク」「媒酌バイシャク」(結婚の仲立ちをする) (2)意をくむ。「参酌サンシャク」(意見を聞いて参考にする)「斟酌シンシャク」(意を酌んで処置する) (3)[国]酒を杯につぐこと「お酌シャク」
一つを取り出す
的 テキ・まと 白部
解字 「白(しろ)+勺(一つを取り出す)」の会意形声。一つ取り出して置いた白いもの。白くて目立つ弓の「まと」をいう。
意味 (1)まと(的)。めあて。ねらい。「目的モクテキ」「射的シャテキ」 (2)あたる。たしか。あきらか。「的確テキカク」「的中テキチュウ」 (3)英語の~ticの音訳字。「劇的ゲキテキ」
釣 チョウ・つる 金部
解字 「金(つり針)+勺(一つを取り出す)」 の会意形声。釣針で魚一匹を釣り上げること。
意味 (1)つる(釣る)。魚をつる。「釣人つりびと」「「釣竿つりざお」「釣果チョウカ」(釣りの成果) (2)つる。つるす「釣鐘つりがね」 (3)[国]つりせん。「釣銭つりせん」
<紫色は常用漢字>
参考 音符「匀キン」へ
音符「勺シャク」へ