goo blog サービス終了のお知らせ 

漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「足ソク」< あ し > と「促ソク」「捉ソク」「齪セク」

2025年04月04日 | 漢字の音符

 ソク・あし・たりる・たる・たす  足部 zú・jù    上は足、下は止  
解字 足の甲骨文第1字は「ひざから足首までの形+ あし先)」の象形。第2字は「口(ひざの関節部分)+あし先(=止の甲骨文)」の形。いずれも、ひざから足先までの形を表す。金文は「口+金文の止の変形」になり、篆文はその形がほぼ続いたが、現代字は「口+ 」の足になった。あし、あるく意の他、足は本体から出ているので、本体に「たす」意となり、さらに、たすと「たりる」意となる。
意味 (1)あし(足)。人間や動物のあし。また、人の足首から下の部分。「足下あしもと」「足袋たび
 (2)あるく。「遠足エンソク」「足早あしばや」(早くあるく) (3)たす(足す)。たりる(足りる)。「補足ホソク」「満足マンゾク」 (4)はきものを数えることば。「二足の草鞋わらじ」(5)地名。姓。「足柄あしがら」(①神奈川県の地名。②姓のひとつ)「足利あしかが」(①栃木県の市。②姓のひとつ)
参考 ソクは、部首「足あし・あしへん」になる。漢字の左辺や下部に付き、足の意味を表す。常用漢字は11字、約14,600字を収録する『新漢語林』では166字が含まれる。                      <足部の常用漢字は以下のとおり>                                                           
ソク・あるく(部首)・キョ・へだてる(足+音符「巨キョ」)・シュウ・ける(足+音符「就シュウ」)・セキ・あと(足+音符「亦エキ」)・セン ・ふむ(足+音符「戔セン」)・ソウ・あと(足+音符「宗シュウ」)・チョウ・はねる(足+音符「兆チョウ」)・トウ・ふむ(足+音符「沓トウ」)・ヤク・おどる(足+音符「翟テキ」)・ヨウ・おどる(足+音符「甬ヨウ」)・ロ・みち(足+音符「各カク」)


イメージ 
 「あし」(足)
 「あるく」(促・捉・齪)
音の変化  ソク:足・促・捉  セク:齪

あるく
 ソク・うながす  イ部 cù
解字  「人(ひと)+足(あるく)」の会意形声。人のうしろから人のあるく足が迫る意。
意味 (1)うながす(促す)。せきたてる。「催促サイソク」(せっつく)「督促トクソク」(せきたてる)「促進ソクシン」(うながし進める)「促成ソクセイ」(野菜や草花を早く生育させる)「促成栽培」(2)間をつめる。せまる。「促音ソクオン」(つめて発音する音。例:もっぱら・さっき)
 ソク・とらえる  扌部 zhuō  
解字 「扌(手)+足(=促。間をつめる)」の会意形声。あるいて人に追いつき手でつかむこと。
意味 (1)とらえる(捉える)。つかまえる(捉まえる)。「捕捉ホソク」(2)とる。つかむ。にぎる。「把捉ハソク」(しっかりとつかまえる)(3)地名。「択捉島エトロフトウ」(北方領土の一つ。発音はアイヌ語に由来する)
 サク・セク  歯部 chuò
解字 「齒(は)+足(=促。間をつめる)」の会意形声。歯ならびが詰まるさま。
意味 齷齪アクセクに使われる字。齷齪とは、本来、歯と歯の間が詰まっている意だが、歯に限らず、詰まる・切迫する意で使われる。もと、アクサクの発音であったが、転音したアクセクが広く使われる。これはセクの発音が、せく(急く)に通じることから。「齷齪アクセク」(休む間もなくせかせかと仕事などをする)「齷齪アクセクと働く」
<紫色は常用漢字>

    バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 音符 「聶ショウ」 <耳をよ... | トップ | 音符「召ショウ」<めす・ま... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

漢字の音符」カテゴリの最新記事