更の解字を改めました。
更 コウ・さら・ふける・ふかす 日部
解字 甲骨文は「丙ヘイ+攴ボク(たたく)」の形。丙は建物または台座の形であり、建物ないし器物を作る、あるいは修繕する様子[甲骨文字辞典]。金文は丙を二つかさね、篆文では上の丙が一になり下と連結した。隷書(漢代)になり、丙の内の部分と攴の上部が田に変化し、現代字は更になった。甲骨文の意味は人名。金文は二つの丙をかさねて、つなぐ・継ぐ意。篆文にいたり、説文解字は、「改むるなり」として甲骨文字の建物・器物を修繕する形から出る意味と近くなっている。現在の意味は、あらためる・かえる・かわる意、および金文のつぐ意。日本では、さらに・ふける意でも使われる。
意味 (1)あらためる。かえる。かわる。「更衣室コウイシツ」「更新コウシン」「更改コウカイ」 (2)つぐ。「更続コウゾク」(つづく) (3)[国]さら(更)。あらた。「更地さらち」 (4)[国]さらに(更に)。そのうえ。 (5)[国]深まる。ふける(更ける)。ふかす(更かす)。「更待月ふけまちづき」(陰暦20日夜の月。夜がふけてから昇る月)「夜更かし」
イメージ
器物などを打ち修繕する行為から「打ち改める」(更・便・鞭・甦)
同音の剛コウ(ゴウ)に通じ「かたい」(硬・梗・粳)
音の変化 コウ:更・硬・梗・粳 ソ:甦 ベン:便・鞭
打ち改める
便 ベン・ビン・たより イ部
解字 「イ(人)+更(打ち改める)」の会意。人が自分の前にある障害を打ち改めて、都合のよいように変えること(便利)。その結果、道が通じることから、便り(相手と連絡できる)・お通じ(大小便)の意ができた。
意味 (1)都合がよい。ついで。てだて。「便利ベンリ」「便宜ベンギ」(①都合のよいこと。②都合のよい処置)「便船ビンセン」(都合のよく出る船) (2)たより。手紙。「郵便ユウビン」「便箋ビンセン」 (3)大小の排泄物。「大便ダイベン」
鞭 ベン・むち 革部
解字 「革(かわ)+便(人が打ち改める)」 便は人が打ち改めること。そこに革がついた鞭は、人が馬などを打って行動を改めさせる革製のムチ。
意味 (1)むち(鞭)。むちうつ。「鞭策ベンサク」(馬のむち。むち打つこと。鞭も策も、むちの意)「鞭撻ベンタツ」(①むちうつ。②いましめ励ます)「先鞭センベン」(他人より先に馬に鞭打って走らせる。さきがけ)「先鞭をつける」 (2)むち状のもの。「鞭毛ベンモウ」(微小な生物に見られる細長い毛のような運動器官)
甦 ソ・よみがえる 生部
解字 「生(いきる)+更(打ち改める⇒かわる)」 の会意。生きかわる、つまりよみがえること。蘇ソ(よみがえる)の意味を表す会意文字として六朝時代に作られた。したがって発音はソ。
意味 よみがえる(甦る)。(=蘇る)。生き返る。「甦生ソセイ」(=蘇生)
かたい
硬 コウ・かたい 石部
解字 「石(いし)+更(かたい)」の会意形声。石のようにかたいこと。
意味 (1)かたい(硬い)。かたいもの。「硬貨コウカ」「硬骨コウコツ」(⇔軟骨) (2)つよい。てごわい。意思がかたい。「硬骨漢コウコツカン」(意思が強く権力に屈しない男子)「強硬キョウコウ」 (3)ぎごちない。「生硬セイコウ」
梗 コウ・キョウ 木部
解字 「木(き)+更(かたい)」 の会意形声。木質のかたい木でヤマニレの意。トゲのある木で、これで通路を妨げることを「梗塞」といい、ふさぐ意となる。
意味 (1)ヤマニレ。山野に自生するニレ科の落葉高木。トゲがある。 (2)ふさぐ。ふさがる。「梗塞コウソク」(ふさがって通じない)「脳梗塞ノウコウソク」(脳の血管がふさがる病気) (3)かたい・つよい(=硬) (4)おおむね。あらまし。「梗概コウガイ」(梗も概も、あらましの意。あらすじ) (5)秋の七草の一つ桔梗キキョウに使われる。
粳 コウ・うるち 米部
解字 「米(こめ)+更(かたい)」の会意形声。(炊いたとき、もち米に対して)かたく、ねばりけがない米。
意味 うるち(粳)。⇔糯(もち)。粘り気のすくないふつうの米。うるごめ。「粳稲うるしね」
<紫色は常用漢字>
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
更 コウ・さら・ふける・ふかす 日部
解字 甲骨文は「丙ヘイ+攴ボク(たたく)」の形。丙は建物または台座の形であり、建物ないし器物を作る、あるいは修繕する様子[甲骨文字辞典]。金文は丙を二つかさね、篆文では上の丙が一になり下と連結した。隷書(漢代)になり、丙の内の部分と攴の上部が田に変化し、現代字は更になった。甲骨文の意味は人名。金文は二つの丙をかさねて、つなぐ・継ぐ意。篆文にいたり、説文解字は、「改むるなり」として甲骨文字の建物・器物を修繕する形から出る意味と近くなっている。現在の意味は、あらためる・かえる・かわる意、および金文のつぐ意。日本では、さらに・ふける意でも使われる。
意味 (1)あらためる。かえる。かわる。「更衣室コウイシツ」「更新コウシン」「更改コウカイ」 (2)つぐ。「更続コウゾク」(つづく) (3)[国]さら(更)。あらた。「更地さらち」 (4)[国]さらに(更に)。そのうえ。 (5)[国]深まる。ふける(更ける)。ふかす(更かす)。「更待月ふけまちづき」(陰暦20日夜の月。夜がふけてから昇る月)「夜更かし」
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器物などを打ち修繕する行為から「打ち改める」(更・便・鞭・甦)
同音の剛コウ(ゴウ)に通じ「かたい」(硬・梗・粳)
音の変化 コウ:更・硬・梗・粳 ソ:甦 ベン:便・鞭
打ち改める
便 ベン・ビン・たより イ部
解字 「イ(人)+更(打ち改める)」の会意。人が自分の前にある障害を打ち改めて、都合のよいように変えること(便利)。その結果、道が通じることから、便り(相手と連絡できる)・お通じ(大小便)の意ができた。
意味 (1)都合がよい。ついで。てだて。「便利ベンリ」「便宜ベンギ」(①都合のよいこと。②都合のよい処置)「便船ビンセン」(都合のよく出る船) (2)たより。手紙。「郵便ユウビン」「便箋ビンセン」 (3)大小の排泄物。「大便ダイベン」
鞭 ベン・むち 革部
解字 「革(かわ)+便(人が打ち改める)」 便は人が打ち改めること。そこに革がついた鞭は、人が馬などを打って行動を改めさせる革製のムチ。
意味 (1)むち(鞭)。むちうつ。「鞭策ベンサク」(馬のむち。むち打つこと。鞭も策も、むちの意)「鞭撻ベンタツ」(①むちうつ。②いましめ励ます)「先鞭センベン」(他人より先に馬に鞭打って走らせる。さきがけ)「先鞭をつける」 (2)むち状のもの。「鞭毛ベンモウ」(微小な生物に見られる細長い毛のような運動器官)
甦 ソ・よみがえる 生部
解字 「生(いきる)+更(打ち改める⇒かわる)」 の会意。生きかわる、つまりよみがえること。蘇ソ(よみがえる)の意味を表す会意文字として六朝時代に作られた。したがって発音はソ。
意味 よみがえる(甦る)。(=蘇る)。生き返る。「甦生ソセイ」(=蘇生)
かたい
硬 コウ・かたい 石部
解字 「石(いし)+更(かたい)」の会意形声。石のようにかたいこと。
意味 (1)かたい(硬い)。かたいもの。「硬貨コウカ」「硬骨コウコツ」(⇔軟骨) (2)つよい。てごわい。意思がかたい。「硬骨漢コウコツカン」(意思が強く権力に屈しない男子)「強硬キョウコウ」 (3)ぎごちない。「生硬セイコウ」
梗 コウ・キョウ 木部
解字 「木(き)+更(かたい)」 の会意形声。木質のかたい木でヤマニレの意。トゲのある木で、これで通路を妨げることを「梗塞」といい、ふさぐ意となる。
意味 (1)ヤマニレ。山野に自生するニレ科の落葉高木。トゲがある。 (2)ふさぐ。ふさがる。「梗塞コウソク」(ふさがって通じない)「脳梗塞ノウコウソク」(脳の血管がふさがる病気) (3)かたい・つよい(=硬) (4)おおむね。あらまし。「梗概コウガイ」(梗も概も、あらましの意。あらすじ) (5)秋の七草の一つ桔梗キキョウに使われる。
粳 コウ・うるち 米部
解字 「米(こめ)+更(かたい)」の会意形声。(炊いたとき、もち米に対して)かたく、ねばりけがない米。
意味 うるち(粳)。⇔糯(もち)。粘り気のすくないふつうの米。うるごめ。「粳稲うるしね」
<紫色は常用漢字>
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