増訂しました。
勹 ホウ 勹部
解字 身をかがめている人を横から描いた象形。つつみこむ意となる。単独で用いられないが、部首となり、つつむ意を表す漢字等に用いられる。
意味 つつむ。つつみこむ。
参考 勹は部首「勹つつみがまえ」になる。漢字を上から包むように付き、つつむ意味などを表す。常用漢字は包ホウ・匂におう・勾コウの3字、
勹部の主な字は以下のとおり。
つつむ意味
包ホウ・つつむ(旧字は、巳+音符「勹ホウ」)
勾コウ・まがる(勹+音符「ムコウ」)
匍ホ(勹+音符「甫ホ」)
匐フク(勹+音符「富フ」)
匊キク(勹+米の会意)
匈キョウ(勹+音符「凶キョウ」)
匀キン(勹+二の会意)
その他
勺シャク(勹+﹅ の会意)
匂におう(勹+ヒの会意の国字)
匁もんめ(国字)
包 ホウ <胎児を身ごもる>
包 ホウ・つつむ 勹部
解字 篆文・旧字は「巳(胎児)+勹ホウ(つつむ)」 の会意形声。勹ホウは、人が身をかがめている形の象形で、つつみこむ意がある。巳はここで胎児の形。包は胎児を身ごもるさま。つつむ意で使われ、胎児を身ごもる意は、胞であらわされる。新字体は勹の中が巳⇒己に変化する。
意味 つつむ(包む)。くるむ。つつみ。「包囲ホウイ」「包装ホウソウ」「包括ホウカツ」(包んでしめ括る)「包丁ホウチョウ」(=庖丁。①[国]料理用の刃物。②料理人)
イメージ
「胎児を身ごもってつつむ」(包・胞)
「つつむ」(抱・砲・庖・苞・疱・鞄・袍・鉋・雹)
お腹が大きくなることから「まるくふくれる」(泡・飽・皰・鮑)
「ホウの音」 (咆)
音の変化 ホウ:包・胞・抱・砲・庖・苞・疱・鞄・袍・鉋・泡・飽・皰・鮑・咆 ハク:雹
胎児を身ごもってつつむ
胞 ホウ・えな 月部にくづき
解字 「月(からだ)+包(胎児をみごもって包む)」の会意形声。胎児をみごもって包む体の器官をいい、胎児を包む皮膜や胎盤の総称。
意味 (1)えな(胞)。胎児をつつむ膜と胎盤。「胞衣えな」(出産直後に母体から出る胎児を包んでいた膜や胎盤など) (2)はら。母の胎内。同じ胎内から生まれた兄弟。同国人。「同胞ドウホウ・はらから」(兄弟姉妹。同じ国民・民族) (3)外部を膜で包まれている小さな生物体。「細胞サイボウ」(生物体の構造上・機能上の基本単位)「胞子ホウシ」(植物および菌類が無性生殖の手段として出す生殖細胞)
つつむ
抱 ホウ・だく・いだく・かかえる 扌部
解字 「扌(手)+包(つつむ)」の会意形声。手で包むようにかかえること。
意味 いだく(抱く)。だく(抱く)。かかえる(抱える)。「抱負ホウフ」(抱えもつ計画や決意)「介抱カイホウ」(たすけ抱く)「抱擁ホウヨウ」(抱きかかえる)
砲 ホウ・つつ 石部
①②
①攻城戦,後方の石投げ機(中国のネットから)②復元された石投げ機
①https://www.163.com/dy/article/FM1P42V8052386FT.html
②https://www.sohu.com/a/244473059_99981111?_f=index_chan10news_60
解字 「石(いし)+包(つつむ)」の会意形声。丸い石を包んで天秤棒状の一端に吊るし、他端から伸びた縄を大勢の人がひっぱり、反動をつけて城壁の内側に石を投げ飛ばす兵器の抛ホウ石机・抛石車を言った。跳ねつるべ(天秤)井戸の原理に似ている。後に火薬を爆発させ砲弾をとばす大砲・鉄砲をいう。
意味 (1)石投げ機。包んだ石を弾き飛ばして敵に当てる武器。抛石机・抛石車。 (2)つつ(砲)。大砲・鉄砲のたぐい。炮ホウとも書く。「砲煙ホウエン」「砲声ホウセイ」「砲火ホウカ」
庖 ホウ・くりや 广部
解字 「广(やね)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。肉など、料理にもちいる食材を包んで保存する部屋の意。転じて、食材を用いて料理をする厨房チュウボウの意となった。
意味 (1)くりや(庖)。台所。料理場。「庖厨ホウチュウ」(庖も厨も、くりやの意。料理場) (2)料理人。「庖人ホウジン」(料理人)「庖丁ホウチョウ」(①料理人。元は料理人の丁さんの意。②[国]料理用の刃物)。
苞 ホウ・つと 艸部
解字 「艸(くさ)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。ワラなどを束ね、中に物を包んだもの。
納豆を包んだ藁苞(「北山・京の鄙の里・田舎暮らし」より)
意味 (1)つと(苞)。あらまき。「藁苞わらづと」 (2)(つとにいれた)みやげ。「家苞いえづと」(家へ持ち帰るみやげ)
疱 ホウ・もがさ 疒部
解字 「疒(やまい)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。膿(うみ)を包んで膨らんだ瘡(かさ)ができる病。
意味 (1)もがさ(疱)。ほうそう。天然痘。「疱瘡ホウソウ」(疱も瘡も、もがさの意。高熱を発し全身に膿疱を発する感染症。天然痘の別称) (2)とびひ。皮膚病の一種。「疱疹ホウシン」(皮膚に小さな水疱と膿疱ができること。ヘルペス)
鞄 ホウ・かばん 革部
解字 「革(かわ)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。物を包み込むようにいれる革製のかばん。古くは、なめし皮および皮革を製造する職人を指したが、日本では、カバンの意で用いられる。
意味 かばん(鞄)。革・布などで作り、物を入れて携帯するかばん。「鞄持(かばんも)ち」(上役の鞄を持つ者)
袍 ホウ・わたいれ 衤部ころも
旗袍チーパオ(通販の広告から)
解字 「衤(衣ころも)+包(つつむ)」の会意形声。身体を包み込む衣で、長い上衣の意。また、綿を入れた上着や、束帯や衣冠の上に着る上着をいう。
意味 (1)上衣。長い上衣。「袍子ホウシ」(長上衣)「道袍ドウホウ」(道士の着る長上衣)「旗袍チーパオ」(①チャイナドレス。もとは満族婦人の長衣。②満族の八旗からなる軍隊の長衣。乗馬のため横に切れ目がはいる) (2)わたいれ(袍)。寒さを防ぐために綿を入れた着物。どてら。ぬのこ。「綿袍メンポウ」(どてら)「縕袍オンポウ」(わたいれ) (3)束帯や衣冠の上に着る上着。「錦袍キンポウ」(錦の上着)「位袍イホウ」(位階によって色が決められた上着)
鉋 ホウ・かんな 金部
鉋(カンナ)(「本格的な大工道具を知ってみよう」から)
解字 「金(金属の刃)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。金属の刃を木の台に包んだかんな。
意味 かんな(鉋)。材木の面を削ってなめらかにする道具。「台鉋だいがんな」(木の台に刃を付けた鉋)「鉋掛(かんなが)け」「鉋屑かんなくず」「鎗鉋やりがんな」(穂先の反った槍形の鉋⇔台鉋)
雹 ハク・ひょう 雨部
解字 「雨(あめ)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。雨を包みこんだように白い固まりになって空から降ってくるひょう。発音のハクは白ハク(白い)から来ているか。
意味 ひょう(雹)。積乱雲から降って来る氷の白い固まり。豆粒から鶏卵ほどの大きさ。直径5mm未満のものは霰(あられ)と呼ばれる。「雹害ひょうガイ」(雹による作物の被害)「降雹コウひょう」(雹が降る)
まるくふくれる
泡 ホウ・あわ 氵部
解字 「氵(水)+包(まるくふくれる)」の会意形声。まるくふくれた水の泡。
意味 あわ(泡)。うたかた。「水泡スイホウ」「泡沫ホウマツ」(あぶく。はかない物の例え)
飽 ホウ・あきる・あかす 食部
解字 「食(たべる)+包(まるくふくれる)」の会意形声。食べすぎてお腹がふくれること。食べ飽きること。
意味 (1)あきる(飽きる)。腹いっぱい食べる。充たされる。「飽食ホウショク」(食物に不自由しないこと)「飽和ホウワ」(限界まで満ちる) (2)あかす(飽かす)。ふんだんに使う。「金に飽かす」
皰 ホウ・にきび 皮部
解字 「皮(ひふ)+包(まるくふくれる)」の会意形声。顔の皮膚にまるくふくれたふきでもの。にきびをいう。
意味 にきび(皰)。面皰とも書く。青年のころに顔に出るふきでもの。「面皰にきび」
鮑 ホウ・あわび 魚部
あわび
解字 「魚(海中にすむ生き物)+包の旧字(ふくれる)」の会意形声。海中の岩に、ふくれた殻をくっつけてすむ貝のあわびをいう。また、古くは魚を開いて塩で包み(漬けて)発酵させた食品をいった。
意味 (1)あわび(鮑)。鰒フク・蚫ホウとも書く。日本各地の岩礁にすむミミガイ科の巻貝。岩礁に付いて生息するため、巻貝であるが螺旋形でなく、片側のみがふくれた形をしている。貝殻は工芸品の材料、肉は食用になる。「熨斗鰒のしあわび」(アワビの肉を薄く細くはいで乾燥させたもの。進物にそえる)「鮑の片思い」(アワビが二枚貝でなく片貝であることから、自分が相手を思うだけで相手が自分を思わないこと) (2)塩漬けして発酵した魚。「鮑魚ホウギョ」(塩漬けにして発酵させ臭いを放つ魚) (3)人名。「鮑叔牙ホウシュクガ」(春秋時代の斉の大夫。管仲カンチュウの親友で二人の友情についての故事がある)「管鮑(カンポウ)の交わり」(利害を超えた親密な友情)
ホウの音
咆 ホウ 口部
解字 「口(口からだす声)+包の旧字(ホウの音)」の形声。ホウという叫び声を口から出すこと。
意味 ほえる(咆える)。獣がほえる。「咆哮ホウコウ」(猛獣などがほえること。咆も哮も、ほえる意)
<紫色は常用漢字>
匁 <国字> もんめ <文モンの草書体とメの続け字>
匁 <国字> もんめ 勹部
解字 「文(モン)の草書体+メ(め)」の続け字。文(モン)の草書体と片仮名のメを続けて書いた字(文の草書体を途中まで書き、つづいてメを書いたかたち)の「モンメ」で、日本の重さの単位である匁(もんめ)を表した。中国通貨の銭が日本に伝わり、一文銭の重さが一文目(一文の目方)と呼ばれるようになったのに合わせ、この字が発生した。尺貫法の時代に使われたが、1958年12月に尺貫法が禁止された結果、日常では使われなくなり、2010年には常用漢字表から削除された。※匁は勹部のため、ここに収録した。
意味 匁(もんめ)。(1)重さの単位。1貫の千文の一。3.75グラム。明治時代に銭を通貨「円」の補助通貨として採用されることに伴い、重さの単位として匁が公式に採用され、1匁 = 3.75gと定められた。 (2)江戸時代の貨幣の単位。小判の一両の60分の1。
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勹 ホウ 勹部
解字 身をかがめている人を横から描いた象形。つつみこむ意となる。単独で用いられないが、部首となり、つつむ意を表す漢字等に用いられる。
意味 つつむ。つつみこむ。
参考 勹は部首「勹つつみがまえ」になる。漢字を上から包むように付き、つつむ意味などを表す。常用漢字は包ホウ・匂におう・勾コウの3字、
勹部の主な字は以下のとおり。
つつむ意味
包ホウ・つつむ(旧字は、巳+音符「勹ホウ」)
勾コウ・まがる(勹+音符「ムコウ」)
匍ホ(勹+音符「甫ホ」)
匐フク(勹+音符「富フ」)
匊キク(勹+米の会意)
匈キョウ(勹+音符「凶キョウ」)
匀キン(勹+二の会意)
その他
勺シャク(勹+﹅ の会意)
匂におう(勹+ヒの会意の国字)
匁もんめ(国字)
包 ホウ <胎児を身ごもる>
包 ホウ・つつむ 勹部
解字 篆文・旧字は「巳(胎児)+勹ホウ(つつむ)」 の会意形声。勹ホウは、人が身をかがめている形の象形で、つつみこむ意がある。巳はここで胎児の形。包は胎児を身ごもるさま。つつむ意で使われ、胎児を身ごもる意は、胞であらわされる。新字体は勹の中が巳⇒己に変化する。
意味 つつむ(包む)。くるむ。つつみ。「包囲ホウイ」「包装ホウソウ」「包括ホウカツ」(包んでしめ括る)「包丁ホウチョウ」(=庖丁。①[国]料理用の刃物。②料理人)
イメージ
「胎児を身ごもってつつむ」(包・胞)
「つつむ」(抱・砲・庖・苞・疱・鞄・袍・鉋・雹)
お腹が大きくなることから「まるくふくれる」(泡・飽・皰・鮑)
「ホウの音」 (咆)
音の変化 ホウ:包・胞・抱・砲・庖・苞・疱・鞄・袍・鉋・泡・飽・皰・鮑・咆 ハク:雹
胎児を身ごもってつつむ
胞 ホウ・えな 月部にくづき
解字 「月(からだ)+包(胎児をみごもって包む)」の会意形声。胎児をみごもって包む体の器官をいい、胎児を包む皮膜や胎盤の総称。
意味 (1)えな(胞)。胎児をつつむ膜と胎盤。「胞衣えな」(出産直後に母体から出る胎児を包んでいた膜や胎盤など) (2)はら。母の胎内。同じ胎内から生まれた兄弟。同国人。「同胞ドウホウ・はらから」(兄弟姉妹。同じ国民・民族) (3)外部を膜で包まれている小さな生物体。「細胞サイボウ」(生物体の構造上・機能上の基本単位)「胞子ホウシ」(植物および菌類が無性生殖の手段として出す生殖細胞)
つつむ
抱 ホウ・だく・いだく・かかえる 扌部
解字 「扌(手)+包(つつむ)」の会意形声。手で包むようにかかえること。
意味 いだく(抱く)。だく(抱く)。かかえる(抱える)。「抱負ホウフ」(抱えもつ計画や決意)「介抱カイホウ」(たすけ抱く)「抱擁ホウヨウ」(抱きかかえる)
砲 ホウ・つつ 石部
①②
①攻城戦,後方の石投げ機(中国のネットから)②復元された石投げ機
①https://www.163.com/dy/article/FM1P42V8052386FT.html
②https://www.sohu.com/a/244473059_99981111?_f=index_chan10news_60
解字 「石(いし)+包(つつむ)」の会意形声。丸い石を包んで天秤棒状の一端に吊るし、他端から伸びた縄を大勢の人がひっぱり、反動をつけて城壁の内側に石を投げ飛ばす兵器の抛ホウ石机・抛石車を言った。跳ねつるべ(天秤)井戸の原理に似ている。後に火薬を爆発させ砲弾をとばす大砲・鉄砲をいう。
意味 (1)石投げ機。包んだ石を弾き飛ばして敵に当てる武器。抛石机・抛石車。 (2)つつ(砲)。大砲・鉄砲のたぐい。炮ホウとも書く。「砲煙ホウエン」「砲声ホウセイ」「砲火ホウカ」
庖 ホウ・くりや 广部
解字 「广(やね)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。肉など、料理にもちいる食材を包んで保存する部屋の意。転じて、食材を用いて料理をする厨房チュウボウの意となった。
意味 (1)くりや(庖)。台所。料理場。「庖厨ホウチュウ」(庖も厨も、くりやの意。料理場) (2)料理人。「庖人ホウジン」(料理人)「庖丁ホウチョウ」(①料理人。元は料理人の丁さんの意。②[国]料理用の刃物)。
苞 ホウ・つと 艸部
解字 「艸(くさ)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。ワラなどを束ね、中に物を包んだもの。
納豆を包んだ藁苞(「北山・京の鄙の里・田舎暮らし」より)
意味 (1)つと(苞)。あらまき。「藁苞わらづと」 (2)(つとにいれた)みやげ。「家苞いえづと」(家へ持ち帰るみやげ)
疱 ホウ・もがさ 疒部
解字 「疒(やまい)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。膿(うみ)を包んで膨らんだ瘡(かさ)ができる病。
意味 (1)もがさ(疱)。ほうそう。天然痘。「疱瘡ホウソウ」(疱も瘡も、もがさの意。高熱を発し全身に膿疱を発する感染症。天然痘の別称) (2)とびひ。皮膚病の一種。「疱疹ホウシン」(皮膚に小さな水疱と膿疱ができること。ヘルペス)
鞄 ホウ・かばん 革部
解字 「革(かわ)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。物を包み込むようにいれる革製のかばん。古くは、なめし皮および皮革を製造する職人を指したが、日本では、カバンの意で用いられる。
意味 かばん(鞄)。革・布などで作り、物を入れて携帯するかばん。「鞄持(かばんも)ち」(上役の鞄を持つ者)
袍 ホウ・わたいれ 衤部ころも
旗袍チーパオ(通販の広告から)
解字 「衤(衣ころも)+包(つつむ)」の会意形声。身体を包み込む衣で、長い上衣の意。また、綿を入れた上着や、束帯や衣冠の上に着る上着をいう。
意味 (1)上衣。長い上衣。「袍子ホウシ」(長上衣)「道袍ドウホウ」(道士の着る長上衣)「旗袍チーパオ」(①チャイナドレス。もとは満族婦人の長衣。②満族の八旗からなる軍隊の長衣。乗馬のため横に切れ目がはいる) (2)わたいれ(袍)。寒さを防ぐために綿を入れた着物。どてら。ぬのこ。「綿袍メンポウ」(どてら)「縕袍オンポウ」(わたいれ) (3)束帯や衣冠の上に着る上着。「錦袍キンポウ」(錦の上着)「位袍イホウ」(位階によって色が決められた上着)
鉋 ホウ・かんな 金部
鉋(カンナ)(「本格的な大工道具を知ってみよう」から)
解字 「金(金属の刃)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。金属の刃を木の台に包んだかんな。
意味 かんな(鉋)。材木の面を削ってなめらかにする道具。「台鉋だいがんな」(木の台に刃を付けた鉋)「鉋掛(かんなが)け」「鉋屑かんなくず」「鎗鉋やりがんな」(穂先の反った槍形の鉋⇔台鉋)
雹 ハク・ひょう 雨部
解字 「雨(あめ)+包の旧字(つつむ)」の会意形声。雨を包みこんだように白い固まりになって空から降ってくるひょう。発音のハクは白ハク(白い)から来ているか。
意味 ひょう(雹)。積乱雲から降って来る氷の白い固まり。豆粒から鶏卵ほどの大きさ。直径5mm未満のものは霰(あられ)と呼ばれる。「雹害ひょうガイ」(雹による作物の被害)「降雹コウひょう」(雹が降る)
まるくふくれる
泡 ホウ・あわ 氵部
解字 「氵(水)+包(まるくふくれる)」の会意形声。まるくふくれた水の泡。
意味 あわ(泡)。うたかた。「水泡スイホウ」「泡沫ホウマツ」(あぶく。はかない物の例え)
飽 ホウ・あきる・あかす 食部
解字 「食(たべる)+包(まるくふくれる)」の会意形声。食べすぎてお腹がふくれること。食べ飽きること。
意味 (1)あきる(飽きる)。腹いっぱい食べる。充たされる。「飽食ホウショク」(食物に不自由しないこと)「飽和ホウワ」(限界まで満ちる) (2)あかす(飽かす)。ふんだんに使う。「金に飽かす」
皰 ホウ・にきび 皮部
解字 「皮(ひふ)+包(まるくふくれる)」の会意形声。顔の皮膚にまるくふくれたふきでもの。にきびをいう。
意味 にきび(皰)。面皰とも書く。青年のころに顔に出るふきでもの。「面皰にきび」
鮑 ホウ・あわび 魚部
あわび
解字 「魚(海中にすむ生き物)+包の旧字(ふくれる)」の会意形声。海中の岩に、ふくれた殻をくっつけてすむ貝のあわびをいう。また、古くは魚を開いて塩で包み(漬けて)発酵させた食品をいった。
意味 (1)あわび(鮑)。鰒フク・蚫ホウとも書く。日本各地の岩礁にすむミミガイ科の巻貝。岩礁に付いて生息するため、巻貝であるが螺旋形でなく、片側のみがふくれた形をしている。貝殻は工芸品の材料、肉は食用になる。「熨斗鰒のしあわび」(アワビの肉を薄く細くはいで乾燥させたもの。進物にそえる)「鮑の片思い」(アワビが二枚貝でなく片貝であることから、自分が相手を思うだけで相手が自分を思わないこと) (2)塩漬けして発酵した魚。「鮑魚ホウギョ」(塩漬けにして発酵させ臭いを放つ魚) (3)人名。「鮑叔牙ホウシュクガ」(春秋時代の斉の大夫。管仲カンチュウの親友で二人の友情についての故事がある)「管鮑(カンポウ)の交わり」(利害を超えた親密な友情)
ホウの音
咆 ホウ 口部
解字 「口(口からだす声)+包の旧字(ホウの音)」の形声。ホウという叫び声を口から出すこと。
意味 ほえる(咆える)。獣がほえる。「咆哮ホウコウ」(猛獣などがほえること。咆も哮も、ほえる意)
<紫色は常用漢字>
匁 <国字> もんめ <文モンの草書体とメの続け字>
匁 <国字> もんめ 勹部
解字 「文(モン)の草書体+メ(め)」の続け字。文(モン)の草書体と片仮名のメを続けて書いた字(文の草書体を途中まで書き、つづいてメを書いたかたち)の「モンメ」で、日本の重さの単位である匁(もんめ)を表した。中国通貨の銭が日本に伝わり、一文銭の重さが一文目(一文の目方)と呼ばれるようになったのに合わせ、この字が発生した。尺貫法の時代に使われたが、1958年12月に尺貫法が禁止された結果、日常では使われなくなり、2010年には常用漢字表から削除された。※匁は勹部のため、ここに収録した。
意味 匁(もんめ)。(1)重さの単位。1貫の千文の一。3.75グラム。明治時代に銭を通貨「円」の補助通貨として採用されることに伴い、重さの単位として匁が公式に採用され、1匁 = 3.75gと定められた。 (2)江戸時代の貨幣の単位。小判の一両の60分の1。
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