睪 エキ・タク・ト 罒部
解字 金文と篆文は「罒(め)+㚔ジョウ」の会意。㚔ジョウは甲骨文字で手枷(てかせ)となる字で、執シツでは甲骨文字が手枷の形になっている。楷書から㚔ジョウ⇒幸コウになった。㚔ジョウは手枷をはめられた捕虜の意味もあり、睪は多くの捕虜を見張っているさまと思われる。したがってイメージは、捕虜が繋がれて「次々とつらなる」イメージがある。新字体の音符になるとき睪⇒尺になる。
意味 (1)うかがう。うかがい見る。(2)さわ=沢。
イメージ
「次々とつらなる」(駅・沢・釈・懌・繹・択・訳)
「形声文字」(鐸)
音の変化 エキ:駅・懌・繹 シャク:釈 タク:沢・鐸・択 ヤク:訳
次々とつらなる
駅 エキ・うまや 馬部
解字 旧字は驛で「馬(うま)+睪(次々とつらなる)」の会意形声。乗り換えのための馬を置いた「うまや」が次々とつらなること。馬を置いた中継所をいう。新字体は駅に変化。
意味 (1)うまや(駅)。馬を置いた中継所。「駅馬エキバ」(駅に用意し官用に使う馬)「駅鈴エキレイ」(公務出張の折、駅馬を使用できる印の鈴)「駅伝エキデン」(駅から駅へと人や馬が交代しながら伝えてゆくこと) (2)鉄道の停車場。「駅舎エキシャ」「駅弁エキベン」
沢 タク・さわ 氵部
解字 旧字は澤で「氵(水)+睪(次々とつらなる)」の会意形声。水たまりと草地がつながる湿地。また、よどみが連なる山間の渓谷。水分がたくさんあるところから、うるおう・うるおす意ともなる。新字体は沢に変化。
意味 (1)さわ(沢)。①水たまりと草地がつながる湿地。「沼沢ショウタク」(沼と沢)②水のたまっているところ。「湖沢コタク」③[日本]よどみが連なる山間の渓谷。「沢登(さわのぼ)り」 (2)うるおい(沢い)。めぐみ。「潤沢ジュンタク」(潤も沢も、うるおう意。また、十分ゆとりがあること)「沢山タクサン」(十分あること)「沢雨タクウ」(めぐみの雨)「恩沢オンタク」(おかげ) (3)つや。ひかり。「光沢コウタク」(なめらかな面が光を受けて輝く) (4)姓。「沢田・澤田さわだ」「沢木・澤木さわき」「成沢・成澤なるさわ」「寺沢・寺澤てらさわ」ほか、非常に多い。
繹 エキ 糸部
解字 「糸(いと)+睪(次々とつらなる)」の会意形声。糸がもつれずに次々と引き出されること。
意味 (1)引く。糸を引き出す。ぬく。 (2)つらなる。つらなりつづく。「絡繹ラクエキ」(絶え間なく続くこと)「繹騒エキソウ」(さわぎが続く)(3)のべる。陳述する。「演繹エンエキ」(①一つの事柄から他の事柄に押し広めて述べる。② deduction(推論の結果)の訳語。前提を認めるなら結論も認めざるをえないもの。数学における証明などをいう)
釈 シャク・セキ・とく・ゆるす・ぬぐ 釆部
解字 旧字は釋で「釆ハン(分ける)+睪(次々とつらなる)」の会意。釆は、けものの指の分かれた形の象形で、分ける意。釈は次々とつらなっているものを分けて解き放つこと。解く意となる。転じて、解き明かす意ともなる。新字体は釈に変化。
意味 (1)ときはなつ。ほどく。ゆるす(釈す)。「釈放シャクホウ」「保釈ホシャク」 (2)とく(釈く)。ときあかす。「解釈カイシャク」「注釈チュウシャク」 (3)言い訳をする。「釈明シャクメイ」 (4)薄める。「希釈キシャク」 (5)すてる(釈てる)。ぬぐ。「釈甲シャクコウ」(よろいをぬぐ。転じて戦争をやめる)「釈褐セッカツ」(粗末な褐布の衣服をぬぎ、絹の官服を着る。はじめて役人になる) (6)仏や仏教を表わす語。「釈迦シャカ」「釈門シャクモン」
懌 エキ・よろこぶ 忄部
解字 「忄(こころ)+睪(=釋・釈の略。ときはなつ)」の会意形声。心がときはなたれて感じるよろこび。
意味 よろこぶ(懌ぶ)。たのしむ。「欣懌キンエキ」(欣も懌も、よろこぶ意)「懌悦エキエツ」(懌も悦も、よろこぶ意)
択 タク・えらぶ 扌部
解字 旧字は擇で「扌(て)+睪(次々とつらなる)」の会意形声。つらなる中から手で選び出すこと。新字体は択に変化。
意味 えらぶ(択ぶ)。えらびとる。「選択センタク」「択一タクイツ」(二つ以上の中から一つを選ぶ)「採択サイタク」(えらびとる)
訳 ヤク・わけ 言部
解字 旧字は譯で「言(ことば)+睪(=擇・択。えらぶ)」の会意形声。いろんな言葉から最も適当なものを選んで異民族の言葉を通訳すること。新字体は訳に変化。
意味 (1)やくす(訳す)。「翻訳ホンヤク」「通訳ツウヤク」 (2)訳したもの。「英訳エイヤク」 (3)[国]わけ(訳)。意味。ゆえ。いわれ。
形声文字
鐸 タク 金部
解字 金文は「金(金属)+睪の古形(タク)+両手」の形声。タクという名の金属製の手で振ってならす鐘(かね)をいう。振って鳴らすので中に舌ゼツがある。篆文以降、「金(金属)+睪(タク)」の形成字となった。
意味 (1)舌ゼツで鳴らす鐘(かね)。ベル。柄を振ってならしたり、舌からのびる紐を引いて鳴らす。「金鐸キンタク」(舌が金属でできた鈴)「木鐸ボクタク」(①舌が木でできた鈴。法令を人民に示すとき鳴らした。②世の人を教え導く人) (2)祭礼の大鈴。「銅鐸ドウタク」(青銅製の釣鐘形の舌のある楽器。古代、西日本で祭器として使われた)
<紫色は常用漢字>
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解字 金文と篆文は「罒(め)+㚔ジョウ」の会意。㚔ジョウは甲骨文字で手枷(てかせ)となる字で、執シツでは甲骨文字が手枷の形になっている。楷書から㚔ジョウ⇒幸コウになった。㚔ジョウは手枷をはめられた捕虜の意味もあり、睪は多くの捕虜を見張っているさまと思われる。したがってイメージは、捕虜が繋がれて「次々とつらなる」イメージがある。新字体の音符になるとき睪⇒尺になる。
意味 (1)うかがう。うかがい見る。(2)さわ=沢。
イメージ
「次々とつらなる」(駅・沢・釈・懌・繹・択・訳)
「形声文字」(鐸)
音の変化 エキ:駅・懌・繹 シャク:釈 タク:沢・鐸・択 ヤク:訳
次々とつらなる
駅 エキ・うまや 馬部
解字 旧字は驛で「馬(うま)+睪(次々とつらなる)」の会意形声。乗り換えのための馬を置いた「うまや」が次々とつらなること。馬を置いた中継所をいう。新字体は駅に変化。
意味 (1)うまや(駅)。馬を置いた中継所。「駅馬エキバ」(駅に用意し官用に使う馬)「駅鈴エキレイ」(公務出張の折、駅馬を使用できる印の鈴)「駅伝エキデン」(駅から駅へと人や馬が交代しながら伝えてゆくこと) (2)鉄道の停車場。「駅舎エキシャ」「駅弁エキベン」
沢 タク・さわ 氵部
解字 旧字は澤で「氵(水)+睪(次々とつらなる)」の会意形声。水たまりと草地がつながる湿地。また、よどみが連なる山間の渓谷。水分がたくさんあるところから、うるおう・うるおす意ともなる。新字体は沢に変化。
意味 (1)さわ(沢)。①水たまりと草地がつながる湿地。「沼沢ショウタク」(沼と沢)②水のたまっているところ。「湖沢コタク」③[日本]よどみが連なる山間の渓谷。「沢登(さわのぼ)り」 (2)うるおい(沢い)。めぐみ。「潤沢ジュンタク」(潤も沢も、うるおう意。また、十分ゆとりがあること)「沢山タクサン」(十分あること)「沢雨タクウ」(めぐみの雨)「恩沢オンタク」(おかげ) (3)つや。ひかり。「光沢コウタク」(なめらかな面が光を受けて輝く) (4)姓。「沢田・澤田さわだ」「沢木・澤木さわき」「成沢・成澤なるさわ」「寺沢・寺澤てらさわ」ほか、非常に多い。
繹 エキ 糸部
解字 「糸(いと)+睪(次々とつらなる)」の会意形声。糸がもつれずに次々と引き出されること。
意味 (1)引く。糸を引き出す。ぬく。 (2)つらなる。つらなりつづく。「絡繹ラクエキ」(絶え間なく続くこと)「繹騒エキソウ」(さわぎが続く)(3)のべる。陳述する。「演繹エンエキ」(①一つの事柄から他の事柄に押し広めて述べる。② deduction(推論の結果)の訳語。前提を認めるなら結論も認めざるをえないもの。数学における証明などをいう)
釈 シャク・セキ・とく・ゆるす・ぬぐ 釆部
解字 旧字は釋で「釆ハン(分ける)+睪(次々とつらなる)」の会意。釆は、けものの指の分かれた形の象形で、分ける意。釈は次々とつらなっているものを分けて解き放つこと。解く意となる。転じて、解き明かす意ともなる。新字体は釈に変化。
意味 (1)ときはなつ。ほどく。ゆるす(釈す)。「釈放シャクホウ」「保釈ホシャク」 (2)とく(釈く)。ときあかす。「解釈カイシャク」「注釈チュウシャク」 (3)言い訳をする。「釈明シャクメイ」 (4)薄める。「希釈キシャク」 (5)すてる(釈てる)。ぬぐ。「釈甲シャクコウ」(よろいをぬぐ。転じて戦争をやめる)「釈褐セッカツ」(粗末な褐布の衣服をぬぎ、絹の官服を着る。はじめて役人になる) (6)仏や仏教を表わす語。「釈迦シャカ」「釈門シャクモン」
懌 エキ・よろこぶ 忄部
解字 「忄(こころ)+睪(=釋・釈の略。ときはなつ)」の会意形声。心がときはなたれて感じるよろこび。
意味 よろこぶ(懌ぶ)。たのしむ。「欣懌キンエキ」(欣も懌も、よろこぶ意)「懌悦エキエツ」(懌も悦も、よろこぶ意)
択 タク・えらぶ 扌部
解字 旧字は擇で「扌(て)+睪(次々とつらなる)」の会意形声。つらなる中から手で選び出すこと。新字体は択に変化。
意味 えらぶ(択ぶ)。えらびとる。「選択センタク」「択一タクイツ」(二つ以上の中から一つを選ぶ)「採択サイタク」(えらびとる)
訳 ヤク・わけ 言部
解字 旧字は譯で「言(ことば)+睪(=擇・択。えらぶ)」の会意形声。いろんな言葉から最も適当なものを選んで異民族の言葉を通訳すること。新字体は訳に変化。
意味 (1)やくす(訳す)。「翻訳ホンヤク」「通訳ツウヤク」 (2)訳したもの。「英訳エイヤク」 (3)[国]わけ(訳)。意味。ゆえ。いわれ。
形声文字
鐸 タク 金部
解字 金文は「金(金属)+睪の古形(タク)+両手」の形声。タクという名の金属製の手で振ってならす鐘(かね)をいう。振って鳴らすので中に舌ゼツがある。篆文以降、「金(金属)+睪(タク)」の形成字となった。
意味 (1)舌ゼツで鳴らす鐘(かね)。ベル。柄を振ってならしたり、舌からのびる紐を引いて鳴らす。「金鐸キンタク」(舌が金属でできた鈴)「木鐸ボクタク」(①舌が木でできた鈴。法令を人民に示すとき鳴らした。②世の人を教え導く人) (2)祭礼の大鈴。「銅鐸ドウタク」(青銅製の釣鐘形の舌のある楽器。古代、西日本で祭器として使われた)
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