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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

「外国人に日本語を教える日本の能力の低さを心配している」柯隆氏

2025年03月18日 | 日本語

 日本で去年(2024)1年間に生まれた子どもの数は、外国人なども含めた速報値で75万8631人で、前の年より4万1097人減少した。人口問題研究所の予測では出生数が76万人を下回るのは2035年と推計していたので、想定より10年以上早く少子化が進行しており本格的な少子高齢化社会の到来である。

 中国経済の分析で定評のある中国出身の柯隆氏は、中国経済および社会の分析に定評があり、私もよく柯隆氏のYouTube を拝見する。最近見た「中国人の中国観 上編・後編」では、早稲田大学教授の劉傑氏との対談で、在日外国人に対する日本人の対応に危機感を募らせている。私も共感するところがあるので、その部分を紹介させていただきます。

対談企画 中国人の中国観【後編】(劉傑教授×柯隆特任教授)

 YouTube全32分のうちの24分30秒から。せっかく先生(劉傑教授)が日本人と違和感のない日本語を話されているので(関連して)外国人に日本のことば・文化・習慣などを教える体制についてお話したい。これから日本は少子化が進んで、大学の存在も問われる状況になっている。そこで日本人の外国人に日本語を教える能力の低さを心配している。外国から留学生がきて学び、そのうちの何割かは日本に定住する。それ以外にも日本に移住してくる人もたくさんいる。

 外国人を受け入れるのはいいんだけれども、きちんと日本語を教えてあげないと、外国人が日本の社会に入ってきて、とけこんでいけなくなった場合、孤立してしまう可能性が高いと思う。また、日本の大学では、学生のほうから留学生と積極的に交流しようとする意志をもつ人がすくない。大学の留学生にも日本語の教育課目を課して4年間にちゃんと覚えてから、日本の社会にとけこめるような教育システムを作ったほうがいい。

 例えば、イギリスは英語のGDP(国内総生産=英会話教材や英語の字書)などは農業のGDPより大きい。Uチューブを見ると英会話のいろいろな動画がある。日本語はわずかしかない。(国内の教育は昔にくらべると多少ましになっているかもしれません)

 今朝、うちの家の真ん前の家が外壁の塗装の工事に入っているが、その職人というか労働者は、ほぼ全員がベトナム人なんですよ。彼らはほとんど日本語をしゃべっていない。こういう状態だと彼らはポツンと日本の社会で孤立してしまって、将来に社会不安・治安の悪化など、いろいろ出てくるわけですが、日本では誰もこのことを問題視していない。改善しようともしていない。国会でも議論されていない。

 調べてみたら、カナダでは移住してくる外国人に対して英会話のスクールに申し込んだら、卒業するまで毎月800ドル(日本円で10万円以上)の生活費を渡す。子供がいる場合、ベビーシッターの手当もはらう。それで彼らが英語をきちんとマスターできて、カナダ社会にとけこんでいける。日本は受け入れ体制は残念ながら非常に脆弱な気がする。社会全体でみた場合、弱いような気がする。

劉傑氏 日本の大学でも以前と比べると外国人にたいする日本語教育は進歩したように思うが、現状は英語プログラムで留学する学生が多く、卒業するとオーストラリアやアメリカに留学および就職することが多い。日本語の授業も英語プログラムのように日本語および日本の社会について理解できるようにする必要がある。

 以上、簡単な要約です。なお、今回からカテゴリーに「日本語」を追加しました。漢字を用いる文章である日本語についての論考も随時掲載したいと思っております。(石沢)

 

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