漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「攸ユウ」<身を清める>と 「悠ユウ」「修シュウ」「条ジョウ」

2021年05月23日 | 漢字の音符
 ユウ・ユ  攴部

解字 金文は、「イ(人)+ 三つの点(水のたれるさま)+攴ボク(木の枝でたたく)」の会意。人の背中に水をかけ、手にもった枝葉でたたいて身を洗い清めること。篆文は、三つの点⇒タテの棒線に変化し、さらに現代字は、攴⇒攵に変化した攸になった。身を洗い清める意で、悠の原字。しかし、本来の意味は、悠と修が受け持つので、攸は、ここに・~のところ、などの助字として使われる。
意味 (1)ここに。 (2)ところ(所)。「往く攸(ところ)有り」 (3)ゆったりと。(悠)。「攸攸ユウユウ」(①はるかなさま。②のびやかなさま)

イメージ 
 「身を清める」
(攸・悠・修・条・滌)
  「枝・すじ(條)」(篠・脩・絛)
音の変化  ユウ:攸・悠  シュウ:修・脩  ショウ:篠  ジョウ:条・滌   トウ:絛

身をきよめる
 ユウ  心部
解字 「心(こころ)+攸(身を清める)」の会意形声。身を洗い清めた心の状態をいう。また、ゆったりしたさまから転じて、はるか・とおい意となる。
意味 (1)ゆったりしたさま。「悠然ユウゼン」「悠長ユウチョウ」「悠悠ユウユウ」 (2)はるか(悠か)。とおい。「悠久ユウキュウ」「悠遠ユウエン
 シュウ・シュ・おさめる・おさまる  イ部
解字 「彡(かざり)+攸(身を清める)」の会意。身を清めてから、新らたに飾り(彡)を身につけること。身を清める行をおえて、新たなものを得ること。
意味 (1)おさめる(修める)。学んで身につける。「修学シュウガク」(学問を修め習う)「研修ケンシュウ」 (2)形をととのえる。「補修ホシュウ」「修理シュウリ」 (3)かざる。模様をつける。「修飾シュウショク」「修辞シュウジ」(言葉を飾り立てること) (4)梵語の音訳語。「阿修羅アシュラ」(天上の神々に戦いを挑む悪神)「修羅場シュラば」(はげしい戦闘の場)
[條] ジョウ・えだ・すじ 木部  
解字 旧字は條で、「木(き)+攸(枝葉でたたいて身を清める)」の会意形声。身を清めるため背中を洗うとき使う木の枝や葉を束ねたもの。北欧のサウナで束ねた白樺の枝葉で身体を叩いて血行を良くするが、これに近い。木の枝の意となる。さらに、細長い枝から、すじ・すじみち、へと意味が展開した。新字体は、旧字の條⇒条へと簡略化される。
意味 (1)えだ。木の枝。小枝。「柳条リュウジョウ」(柳の木の枝) (2)すじ(条)。すじみち。「条里ジョウリ」(里につけたすじ。土地の区画)「条理ジョウリ」(物事のすじみち。道理) (3)くだり。一つ一つの文。「条項ジョウコウ」「箇条カジョウ」 (4)長いものを数える語。「一条」
 ジョウ・テキ・デキ・あらう  氵部
解字 「氵(水)+條(身体を洗い清める枝葉)」の会意形声。水と枝葉を用いて体を洗うこと。
意味 (1)あらう。「洗滌センジョウ」(=洗浄) (2)よごれを洗いさる。「滌除テキジョ」(洗いそそぐ。洗いきよめる)

えだ・すじ(條)
 ショウ・しの  竹部
解字 「竹(たけ)+條(木の枝)」の会意形声。木の枝のような細い竹。
意味 しの竹。しの(篠)。細くて群がり生える竹。「篠竹しのだけ」「篠笛しのぶえ
 シュウ・おさめる  月部にく
解字 「月(にく)+攸(=條。細く長いすじ)」の会意形声。ほした肉を細長くさいたもの。また、修シュウ(身をととのえる)に通じて用いる。
意味 (1)ほしじ。ほした肉。肉をほして細長く裂いたもの。「束脩ソクシュウ」(①束ねた干し肉。②初めて入門する時の師への礼物。転じて入学金) (2)ながい。「脩竹シュウチク」(長い竹)「脩久シュウキュウ」(ながく久しい) (3)おさめる(脩める)。(=修める)。姿をととのえる。ととのえる。(=修)「脩身シュウシン」(=修身)
 トウ・ジョウ  糸部
解字 「糸(ひも)+攸(=条。細く長いすじ)」の会意形声。細く長い紐の意。ジョウは慣用音。
意味 (1)細長く平らに編んだひも。さなだひも(真田紐)。さなだ(絛)。「絛虫ジョウチュウ」(さなだむし。扁平で長い寄生虫)「絛縄トウジョウ」(書札を束ねるひも)「絛辮トウベン」(くみひも) (2)[国]「馬絛バトウ」(鞍を結びつけるため馬の腹に締める腹帯)
<紫色は常用漢字>

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音符「京キョウ」<大きな高楼> と「鯨ゲイ」「涼リョウ」と「亮リョウ」

2021年05月14日 | 漢字の音符
 キョウ・ケイ・キン・みやこ  亠部

京と高は、どこが違うか
解字 京と高の甲骨文と金文はよく似ている。両字とも上部は屋根と二階部分を表し、ともに高楼の建物を表している。両字の違いは下部にある。一階の冂のなかに、京はタテ棒、高は口を描いている。京のタテ棒について[説文解字]は「高き形に象(かたど)る」として高い意を表すという。一方、[字統]は「アーチ状の門の形」としてタテ棒には触れていない。
 一方、高の冂のなかの口について、加藤常賢氏は[漢字の起原]で入口の形としている。[甲骨文字辞典]は「口サイは、おそらく建物に収めた物資(祭器とする説もある)を表している」とする。高は、どちらの説にしても、高い建物で「高い」意味となるのであまり気にする必要はない。
 問題は京の字のタテ棒である。私はこの棒は、二階部分を支えるつっぱり棒、すなわち柱であると思う。柱をわざわざ描いたということは、柱が何本もある高楼で巨大な建物を意味しているのではないか。
 甲骨文字の意味は、①施設名。高楼建築。②地名またはその長。③祭祀名という[甲骨文字辞典]。金文になると、地名・人名のほかに、①周王の宗廟名である「京宮」。②都城(みやこ)の意味である「鎬京コウケイ」としての用法がある[簡明金文詞典]。察するに、周王の宗廟の「京宮」は、柱が何本もある大きな高楼であろう。周王が居る高楼の「京」は、のちに建物の意味を超えて王の住む「みやこ」すなわち首都の意味になったと思われる。なお、京は大きな建物であることから「おおきい」イメージがある。
 発音のキョウは呉音、ケイは漢音、キンは唐音。いずれも最初の音がカ行の同行変化という特徴がある。
意味 (1)みやこ(京)。天子・天皇のいるみやこ。「京師ケイシ」(天子のすむみやこ)「上京ジョウキョウ」「帰京キキョウ」 (2)洛陽。北京。京都の略。「京洛キョウラク」(洛陽。日本では京都)「京劇キョウゲキ」(北京で発展した歌舞劇)「北京ペキン」(発音は唐音)(3)大きな数から。数の名。「京ケイ」(兆の一万倍)

イメージ 
 「みやこ」(京)
 大きな建物から「おおきい」(鯨)
 「形声文字」(掠・涼・椋・諒・黥・勍)
音の変化  キョウ:京  ケイ:勍  ゲイ:鯨・黥  リャク:掠  リョウ:涼・椋・諒

おおきい
 ゲイ・くじら  魚部
解字 「魚(さかな)+京(おおきい)」の会意形声。大きい魚であるくじら。
意味 くじら(鯨)。くじらのように。「鯨飲ゲイイン」(酒を一度にたくさん飲む)「鯨波ゲイハ」(大波。鬨ときの声)

形声文字
 リャク・リョウ・かすめる・かすれる  扌部
解字 「扌(手)+京(リャク)」の形声。[説文解字]は「奪い取る也。手に従い京の聲(声)。本(もと)の音は亮リョウ」とする。リャクは略リャク(うばいとる)に通じ、手でうばいとる取る意。
意味 (1)かすめる(掠める)。かすめとる。「掠奪リャクダツ」(=略奪) (2)[国]かすれる(掠れる)。かすかに触れる。文字がかすれる。声がかすれる。「掠れ字」「掠れ声」
 リョウ・すずしい・すずむ  氵部
解字 「氵(水)+京(リョウ)」の形声。この字の成り立ちははっきりしないが、地名の涼州リョウシュウから成り立ちを探ってみたい。涼州は前漢にかつて存在した州。現在の甘粛省・寧夏回族自治区一帯に設置された。推測であるが、涼州の涼は州内に涼(リョウ)という名の川があったのではないか。この川のあった涼州は古来、天山山脈を越えてヨーロッパへ通ずる東西路の交通の要所(河西回廊)であり、雨量が少なく乾燥した厳しい自然環境で、夜と昼の温度差は大きい。涼しい意は夜の涼州を表し、荒涼たる風景は涼州の自然環境を表していると思う。京の発音の、キョウ⇒リョウへの変化は、五十音のキ(カ行い段)からリ(ラ行い段)への同段変化。
意味 (1)すずしい(涼しい)。すずしさ。「涼風リョウフウ」「納涼ノウリョウ」(暑さを避けて涼しさを味わう) (2)ものさびしい。「荒涼コウリョウ
 リョウ・むく  木部
解字 「木(き)+京(リョウ)」の形声。[説文解字]に「即來ソクライ(むく)也。木に从(したが)い京の聲(声)。呂張切(リョウ)」とあり、ムクの木をいう。リョウは粱リョウ(おおあわ)に通じ、おおあわと似た実をつけるムクの木。
意味 むく(椋)。ニレ科の落葉高木。春に淡緑色の花をつけ、球形の実は秋に熟して紫黒色となり、食用となる。「椋鳥むくどり」(椋の木の実を好んで食べる鳥)
 リョウ・まこと  言部
解字 「言(ことば)+京(リョウ)」の形声。[説文解字]に「信(まこと)也。言に从(したが)い京の聲(声)。力讓切(リョウ)」とする。[同注]に「方言。周南、召南、衞之語也」とあり、具体的な地域は不明であるが南方の方言であったようである。リョウは亮リョウ(はっきりとした)に通じ、はっきりとした言葉。まこと・いつわりがない意となる。
意味 (1)まこと(諒)。いつわりがない。「諒暗リョウアン」(まことに暗しの意で、天子が父母の喪に服する期間) (2)おもいやる。明らかにする。さとる。「諒察リョウサツ」(相手の立場を思いやる)「諒解リョウカイ」(理解する)「諒恕リョウジョ」(思いやってゆるす)
 ゲイ・ケイ・いれずみ  黒部
解字 「黒の旧字(くろ)+京(ケイ)」の形声。[説文解字]は「墨刑ボクケイの面に在也。黑に从(したが)い京の聲(声)」とする。ケイは刑ケイ(刑罰)に通じ、顔に黒い入れ墨をする刑罰をいう。多くは目の周辺、鼻の上、額(ひたい)・頬(ほお)などに施したという。ゲイの発音はケイが変化した慣用音。
意味 いれずみ(黥)。罪人の顔に墨をいれる刑罰。「黥首ゲイシュ」(刑罰で顔に入れ墨をすること)「黥面ゲイメン」(入れ墨をした顔)「黥徒ゲイト」(入れ墨の刑罰を受けた罪人)
 ケイ  力部
解字 「力(ちから)+京(ケイ)」の形声。ケイは巠ケイ(タテ糸を張った形)に通じ、力を入れてタテ糸をつよく張ること。つよい意となる。勁ケイ(つよい)と同じ。
意味 (1)つよい(勍い)。「勍勍ケイケイ」(つよいさま)「勍敵ケイテキ」(つよい敵。=勁敵)「勍寇ケイコウ」(強敵。寇は外敵の意)

   <リョウ・あきらか>
 リョウ・あきらか・すけ  亠部
解字 「儿(ひと)+京の略体(リョウ)」の形声。諒リョウと同音であり、諒の意味のあかるい・あきらかの意味を受け持つ。亮の字の上部は一見したところ高の略体に見えるが、実は京の略体である。高と京は篆文までで殆ど同じ形をしており、下部が口かタテ棒の違いだけ。京の発音に涼リョウ・椋リョウ・諒リョウがあり、高の音符字にリョウがないことから、亮リョウの字が京の略体であることは明らかである。
意味 (1)あきらか(亮か)。あかるい。はっきりしている。「明亮メイリョウ」(あかるい)「亮然リョウゼン」(あきらかなさま) (2)[国]すけ(亮)。長官を補佐する官。
<紫色は常用漢字>

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音符「児ジ」<幼児の髪型・左右に分ける> と「睨ゲイ」「猊ゲイ」「霓ゲイ」

2021年05月11日 | 漢字の音符
[兒] ジ・ニ・ゲイ・こ  儿部

 総角に似た髪型の唐代の人形
https://zhuanlan.zhihu.com/p/335525103
解字 総角(あげまき)という髪型に結っている幼児の象形。総角とは、のびた髪を左右二つに分けて頭上に巻き上げ、角状に両輪をつくったもの。幼年男女の髪形であるが、男の子の意味も表わす。篆文から頭部が臼の形に変化し、新字体では上部が、臼⇒旧に変わった。[甲骨文字小字典]によると、この字は甲骨文字で地名(国名)や、その領主の呼称として使われていた。のち、幼児の意に用いられるようになり、地名(国名)は「郳ゲイ(周代の国名)」、人名(姓)は「倪ゲイ」に分化したものと思われる、としている。
意味 (1)幼い子ども。わらべ。こ(児)。「児童ジドウ」「幼児ヨウジ」「小児麻痺ショウニマヒ」 (2)親にとっての我が子。「愛児アイジ」 (3)若者。青年。「健児ケンジ

イメージ 
 幼児の髪型から「幼児」児・麑
 髪を「左右にわける」睨・猊・鯢・霓・鬩
 「その他」
音の変化  ジ:児  ゲイ:麑・睨・猊・鯢・霓・倪  ゲキ:鬩

幼児
 ゲイ  鹿部
解字 「鹿(しか)+兒(幼児)」 の会意形声。鹿の幼児、すなわち鹿の子をいう。
意味 かのこ。鹿の子。こじか。「麑鹿ゲイロク」(こじか)「麑裘ゲイキュウ」(小鹿の皮の白いかわごろも)

左右にわける
 ゲイ・にらむ  目部
解字 「目(め)+兒(左右にわける)」 の会意形声。目を右と左にむけて見つめること。
意味 にらむ(睨む)。(1)横目で見る。顔を正面に向けたまま、目玉を左右にむけて見る。「睥睨ヘイゲイ」(①横目でじろりとみる。②あたりを睨めつける) (2)鋭い目をして見つめる。「睨競にらみくらべ
猊[貎] ゲイ  犭部
解字 「犭(けもの)+兒(=睨。左右をにらむ)」 の会意形声。左右を睨みつける威厳のあるけもの。貎ゲイは異体字。
意味 (1)しし(獅子)。 (2)[仏]仏の座。また、高僧の座。「猊座ゲイザ」(仏の座る場所。転じて高僧の座)「猊下ゲイカ」(高僧の敬称)
 ゲイ・さんしょううお  魚部
解字 「魚(さかな)+兒(=睨。左右をにらむ)」 の会意形声。目が左右に離れてついており、この目で左右をにらむ魚。この他、メスの鯨の意や、児(こども)に例えて小魚の意もある。
オオサンショウウオ
http://japan.people.com.cn/BIG5/n/2014/0707/c35467-25249284.html
意味 (1)さんしょううお(鯢)。山椒魚。サンショウウオ科の両生類。山間の渓流・湿地に生息する。「鯢魚ゲイギョ」 (2)メスの鯨。「鯨鯢ゲイゲイ」(メスの鯨) (2)(児こどもに例えて)小魚。「鯢鮒ゲイフ」(小魚)
 ゲイ・にじ  雨部
解字 「雨(あめ)+兒(左右)」 の会意形声。雨の中を左右に横断して架かる虹。
意味 にじ(霓)。にじを龍とみなし、雄のにじを「虹」、雌のにじを「霓」という。「虹霓コウゲイ」(にじ)「霓裳ゲイショウ」(にじのように美しいもすそ。裳はスカート) 
 ゲキ・せめぐ  鬥部
解字 「トウ(たたかう)+兒(左右)」の会意形声。左右にわかれて争うこと。鬥トウは音符「鬥トウ」を参照。
意味 せめぐ(ぐ)。いいあらそう。なかたがいする。「鬩訟ゲキショウ」(口論する)「鬩牆ゲキショウ」(兄弟げんか。兄弟(けいてい) (かき=垣根の内側)に (せめ)ぐ、 から)「兄弟牆に鬩げども、外(そと)其の務(あなど)りを禦(ふせ)ぐ(詩経)」(家の牆の内側で兄弟げんかをしていても、外から務(あなど)りを受けると兄弟がそろって禦(ふせ)ぐ)「闘鬩トウゲキ」(せめぎあい。闘も鬩も、あらそう意)

その他
 ゲイ  イ部
解字 「イ(人)+兒(人名)」の会意形声。兒は甲骨文字で人名(姓)としても使われており、イ(ひと)を付けて、その意味を明確にした。また、兒のイメージの「左右」から、左右の両端の意で用いられる。
意味 (1)姓のひとつ。(2)両端のきわ。はて。「端倪タンゲイ」(端は、いとぐち、倪は、はての意。はじめから終わりまで。全体)「端倪すべからず」(初めから終わりまで、その全貌が測り知れない)(3)ながしめ。(=睨)「俾倪ヘイゲイ」(=睥睨)
<紫色は常用漢字>

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音符「滕トウ」< 上にあがる >と「藤トウ」「騰トウ」「謄トウ」「勝ショウ」

2021年05月08日 | 漢字の音符
 トウ・わく・あがる  水部       
 
上段が滕、下段が朕。
解字 滕は「水(みず)+朕チンの変形(両手でさしあげる)」の会意。朕は天子の自称の意で使われる字であるが、もとはどんな字かというと、「月(舟形=盤。さら)+关ソウ(両手で物を奉ずるかたち)」である。关ソウは、金文でよくわかるように、貴重なものを両手でささげもつ形。これを月(盤)に入れてささげる形が朕で、上にあがる意味がある(天子に物をささげる意から転じて、天子の自称の意となった)。したがってこれに水がついた滕は、水が上にあがってくること。水がわく意となる。
 篆文で朕にあたる部分は滕でも同じであるが、楷書になると、両者の字形に変化が生じた。朕は右辺が关になったのに対し、滕は右辺が「ハ+夫」の形になった。両者は字形が変化しただけで、あがる意は変わらない。
意味 (1)わく。水がわきあがる。 (2)あがる。 (3)地名。山東省滕県。

イメージ 
 「水があがる」
(滕・藤・籐)
 「上にあがる」(勝・騰・謄・鰧・縢・媵)
音の変化  トウ:滕・藤・籐・騰・謄・鰧・縢  ショウ:勝  ヨウ:媵

水があがる
 トウ・ふじ  艸部
解字 「艸(草木)+滕(水があがる)」の会意形声。水がつるの中を上ってくるつる性の草木。
意味 (1)ふじ(藤)。「藤色ふじいろ」「藤棚ふじだな」「藤蔭トウイン」(藤棚の木陰) (2)つる状に生える木の総称。かずら。つる。「葛藤カットウ」(葛やつる性の木(藤)がもつれからむ。いざこざ) (3)[国]藤原氏のこと。源・平・藤・橘の4大貴種名族のひとつ。
 トウ  竹部
解字 「竹(たけ)+滕(水があがる)」の会意形声。水がつるを上がってくる竹に似たつる性の木。
意味 (1)とう(籐)。とうづる。ヤシ科のつる性の木。竹に似て自由に曲げて細工ができる。 (2)とう編みの器具。「籐椅子トウイス」「籐細工トウザイク

上にあがる
 ショウ・かつ・まさる  力部
解字 「力(ちから)+滕の略体(上にあげる)」 の会意形声。力を入れて物を持ちあげてたえること。長く持ちこたえた人は他の人よりすぐれており(勝る)、相手をしのぐ(勝つ)意となる。
意味 (1)たえる(勝える)。もちこたえる。 (2)まさる(勝る)。すぐれる。「健勝ケンショウ」(健康がすぐれる)「景勝ケイショウ」(景色がすぐれる) (3)かつ(勝つ)。かち(勝)。力を入れて相手をしのぐ。「勝利ショウリ」「勝算ショウサン
 トウ・あがる  馬部  
解字 「馬(うま)+滕の略体(上にあがる)」の会意形声。馬に乗る意。転じて、高くあがる意となる。
意味 あがる(騰がる)。のぼる。たかくあがる。「騰貴トウキ」(物価や相場のあがること)「沸騰フットウ」(沸き上がる)「高騰コウトウ」「騰勢トウセイ」(物価や相場などが騰がる勢い)
 トウ・うつす  言部
解字 「言(文字)+滕の略体(上にのせる)」の会意形声。言(文字)の上に紙をのせて写しとること。
解字 うつす(謄す)。原本をしきうつす。原本通りに書き写す。「謄写トウシャ」(書き写す)「謄本トウホン」(原本の内容を全部そのまま写し取った文書。また、戸籍謄本の略。対語は、抄本ショウホン。)
 トウ・おこぜ  魚部
 おこぜ
解字 「魚(さかな)+滕の略体(上にのせる⇒お供えする)」の会意形声。山の神にお供えする魚である「おこぜ」をいう。おこぜは醜い顔の魚であるため、女神である山の神は顔が不器量なうえ嫉妬深いので、醜いオコゼの顔を見ると、安心して静まるのだといわれる。
意味 おこぜ(鰧)。虎魚とも書く。カサゴ目の海魚のうちオコゼ類の総称。特に食用となるオニオコゼ(鬼鰧・鬼虎魚)をさすことが多い。頭は凹凸が激しく、背びれのとげが強大で奇異な姿をしている。本州中部以南の海底に分布し、山の神の供物にするなど山の神と関係のある伝承が多い。
 トウ・かがる・からげる  糸部
解字 「糸(ひも)+滕の略体=朕チン(貴重なものを月(盤)に入れて両手でささげもつ)」の会意形声。この文字で、月(舟月ふなづき=盤)は凾(はこ)の意。中に貴重なものを入れた凾を糸(ひも)で綴じること。かがる・からげる・とじる意となる。
意味 (1)かがる(縢る)。からげる(縢げる)。とじる。「金縢キントウ」(縢った金庫[金櫃かなびつ])。文書を保管する金庫)「縢書トウショ」(金縢の中の書)「緘縢カントウ」(緘も縢も、紐でとじる意。また、封をする意)「封縢フウトウ」(かがって封をする) (2)なわ。「縢履トウリ」(なわぐつ)「行縢コウトウ」(むかばき。脚絆)  
 ヨウ・おくる  女部
解字 「女+滕の略体=朕チン(貴重なものを月(盤)に入れて両手でささげもつ)」の会意形声。貴重な自分の娘を嫁ぎ先に送りだすとき、婚家に贈る品物をいう。また、嫁ぎ先に娘と一緒につきそう同姓の親族(姪めいや甥おい)をいう。
意味 (1)おくる。嫁入りの器をおくる。「媵爵ヨウシャク」(爵を贈る。爵は酒器) (2)(嫁入りの)つきそいの姪(めい)や甥(おい)「媵侍ヨウジ」(入嫁のときのつきそい)「媵臣ヨウシン」(入嫁した女のつきそい男)「媵婢ヨウヒ」(つきそいの侍女)
<紫色は常用漢字>

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音符「久キュウ」<ひさしい> と「畝ホ」

2021年05月05日 | 漢字の音符
  久の解字をやり直しました。
 キュウ・ク・ひさしい  ノ部 

解字 久の字源は諸説ある。[説文解字]は、人の後ろからお灸をする形とする。白川氏は[字通]で、死体を後ろからつっかい棒を当てた形とし、柩(ひつぎ)と関連づけて説明している。一方、[新字源][漢字源]は、人と後ろに引っ張るしるしの乀がついた字とする。しかし、これらの説明でどうして「久しい(時間が長い)」という意味がでてくるのか。白川氏は久が死体だから死後の世界は永遠になると説明するが、この解字では素直にうなずけない。この字はもっと複雑な字から一部分を抜き出したものではないのか? そういう疑問をいだき、伝承古文字の中に手がかりはないか探ってみた。
 明代の[六書通]は伝承古文字を集めた字典として知られる。ここに久の異体字として「镹キュウ」という字が収録されている。この字は「長(ながい)+久」の合字である。そこで、長の字と、この伝承古文字を並べてみよう。
  長の字形(上)と、久の伝承古文字(下)


 長の甲骨文第一字は長髪の人の象形。第二字は老と同じく杖をついた長髪の人を象り、いずれも長髪の老人を象っている。金文は下部に杖を持つ形がうけ継がれ、篆文を経て現代字は長となったが、上部は長髪、下部は杖をもった人が変化した形。
 一方、伝承古文字「長+久」①は、長の甲骨・金文の頭部と形が近く古形を残しているが、杖の変形部分は篆文にちかい。そして②の長の部分は篆文の形をほぼ継承している。そこで、両字は①が古く(金文と篆文のあいだの時期)、②は新しい形(篆文の時期)と思われる。また、①②の右側の人は両字ともお尻をタテの線の上につけて腰かけているようにみえる。そこで、镹の字は人がタテの線(字通のつっかい棒)に長時間、腰かけているさまと解釈することができ、時間がひさしい意となる。
 この伝承古文字から人が腰かけた形が単独字として久となったと考えたい。なお、久のつっかい棒の意味として[周礼]に「(これを)諸牆ショショウに久して以て其の撓(たわ)みを観る」([武器の長柄を]壁に押し当ててそのたわみを調べる[全訳漢辞海による])との文に残っている。
意味 ひさしい(久しい)。長い間。「久遠クオン」「久故キュウグ」(長いあいだの知人)「永久エイキュウ」「耐久タイキュウ」(長く耐える)「恒久コウキュウ」(久しくかわらない。永久。)

イメージ 
 「ひさしい」(久・灸・疚・匛・柩)
 「キュウ・クの音」(玖・粂)
 「その他」 (畝)
音の変化  キュウ:久・灸・疚・匛・柩  ク:玖  ホ:畝  くめ:粂

ひさしい
 キュウ・やいと  火部
解字 「火(ひ)+久(ひさしい)」の会意形声。長いあいだ残る火。モグサ(ヨモギの葉を乾かして綿のようにしたもの)に火をつけて長いあいだ効果を持続させるお灸をいう。
意味 きゅう(灸)。やいと(灸)。皮膚の上にモグサを置いてこれに火をつけ焼き、その熱によって病を治療すること。「灸治キュウジ」(灸による治療)「灸術キュウジュツ
 キュウ・ク・やむ・やましい  疒部
解字 「疒(やまい)+久(ひさしい)」 の会意形声。病気がながく続くこと。また、「病む」が形容詞化し「病(やま)し」⇒「病(やま)しい」(病気の感じ)⇒うしろめたい意へと変化する。
意味 (1)ながわずらい。やむ(疚む)。 (2)やましい(疚しい)。病気の感じがする。気がとがめる。うしろめたい。「負疚フキュウ」(気がとがめる)
 キュウ・ひつぎ  匚部
解字 「匚(はこ)+久(ひさしい)」の会意形声。久しい間(長く)納めておくはこの意。人の遺体をながく納めておく「はこ」の意でもちいる。現在の日本では火葬が中心だが、古代は土葬が中心で石や陶器(土器)・木などで箱をつくり、そこに遺体を納めてながく保存した。木製の匛が柩となる。
 キュウ・ひつぎ  木部
解字 「木(き)+匛(ひつぎ)」の会意形声。木製のひつぎ(匛)の意。
意味 ひつぎ(柩)。死体をいれる箱。「柩車キュウシャ」(ひつぎを乗せて運ぶ車)「霊柩レイキュウ」(霊[=遺骸]をいれたひつぎ)「霊柩車レイキュウシャ

キュウ・クの音
 キュウ・ク  王部
解字 「王(玉)+久(キュウ)」の形声。キュウ・クという名の黒色の美しい石。また、同音の九キュウに通じ、九の代用字となる。
意味 (1)黒色の美しい石。「玖鏡クキョウ」(黒玉鏡) (2)「九」の代用字。 (3)地名。「玖珠町クスまち」(大分県)「玖馬キューバ」(キューバ共和国)
<国字> くめ  米部
解字 「久(く)+米(め)」の形声。久(く)と米(め)を合わせてクメと読ませ、姓名や屋号を表す国字。
意味 姓名や屋号に用いる字。「粂くめ」(姓)「横粂よこくめ」(姓)「とり粂とりくめ」(屋号)

その他
 ホ・せ・うね  田部           

解字 篆文の俗字はで、「田(田畑)+十(タテとヨコの意)+久(=あし[夂]の変わった形)」 の会意。十はタテとヨコを表し、久は夂(あし)の変形とみて、農夫が田畑をタテとヨコに歩いて測った田の面積の意[角川新字源]。現代字は俗字の十 ⇒ 亠に変化した畝となった。字体が変遷しているので、語呂合わせ(下記)で覚えると便利。
意味 (1)土地の面積の単位。周代では6尺平方を歩とし、百歩を畝とした。約1.82アール。 (2)田畑。耕地。「田畝デンポ」(田畑)(3)[国]せ(畝)。面積の単位。1反(300坪)の十分の一。30坪(約1アール)。 (4)うね(畝)。畑で一定の間隔をおいて土を細長く盛り上げた所。「畝を立てる」(野菜などを育てるため畑に畝をつくる) (5)地名。「畝傍うねび」(奈良県南部の古地名)「畝傍山うねびやま
覚え方 なべぶた)で、うね()。(なべぶたたく=鍋蓋焚く)
<紫色は常用漢字>


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音符「工コウ」<ノミで穴をあける>「攻コウ」「功コウ」「貢コウ」「項コウ」

2021年05月01日 | 漢字の音符
 コウ・ク・たくみ  工部           

解字 工具の形の象形。甲骨文はノミの形とされる。上が柄、下が刃先となる。いずれも工作のことを表わす字である。工は部首になるとともに音符にもなる。工を音符に含む字は、「工具」のほか、「つらぬく」イメージを持つ。
意味 (1)物をつくる。たくむ。しごと。わざ。「工作コウサク」「細工サイク」 (2)物を作る人。たくみ(工)。「大工ダイク」「職工ショッコウ

イメージ 
 「工具」
(工・攻・訌・功) 
 ノミを使って穴をあけることから「つらぬく」(江・鴻・虹・貢・槓・熕・項・肛)
 「形声字」(紅・汞)
音の変化  コウ:工・攻・訌・功・江・鴻・虹・貢・槓・熕・項・肛・紅・汞

工具
 コウ・せめる  攵部
解字 「攵ボク(打つ)+工(工具)」の会意形声。攵ボクは棒を手にもつ形で、打つ意。それに工をつけた攻は、工具を打ちつけて加工すること。加工する作業が原義。軍事に使われるとき、城壁などを打ち壊して攻める意となり、また広くものを学び究める意ともなる。
意味 (1)つくる。なおす。みがく。「攻玉コウギョク」(玉をみがく) (2)せめる(攻める)。「攻撃コウゲキ」「攻略コウリャク」(攻めて奪い取る)「難攻不落ナンコウフラク」 (3)おさめる。学ぶ。「専攻センコウ」(専門的に学ぶ)
 コウ  言部
解字 「言(ことば)+工(=攻。せめる)」の会意形声。言葉で攻めること。言い争いをする意で、内輪でもめることをいう。
意味 (1)仲間同士で言い争うこと。内輪もめ。「内訌ナイコウ」(内部の乱れ。うちわもめ。内乱)「訌争コウソウ」(内輪の争い。=内訌。内紛) (2)みだれる。内部からくずれる。
 コウ・ク・いさお  力部  
解字 「力(ちから)+工(工具を用いる)」の会意形声。力を込めて工具を用いて仕事し、その結果が認められること。人の働き全般に及ぼして用いる。
意味 てがら。いさお(功)。「功績コウセキ」「成功セイコウ」「功名コウミョウ

つらぬく
 コウ・え  氵部
解字 「氵(水)+工(つらぬく)」の会意形声。中国大陸の華中地域を東西につらぬいて流れる川である長江をいう。
意味 (1)中国の長江(揚子江)。 (2)大きな川。「江湖コウコ」(川と湖)(3)[国]え(江)。いりえ。海や湖などが陸地に入り込んでいる所。「入江いりえ
 コウ・おおとり  鳥部
解字 「鳥+江(おおきな川)」の会意形声。大きな川に棲む水鳥。大型の水鳥をいう。
意味 (1)おおとり(鴻)。大型の水鳥。「鴻毛コウモウ」(水鳥の羽毛。極めて軽いものの例え)「鴻鵠コウコク」(大型の鳥。鵠は白鳥) (2)大きい。広い。「鴻恩コウオン」(大きな恩)
 コウ・にじ  虫部

解字 甲骨文第1字は双頭の竜を描いた象形。虹を、空にかかる双頭の竜とみなす信仰があった。第2字は異体字で「虫(へび)+工(つらぬく)」の会意形声。大空をつらぬいてかかる大きなヘビの意。篆文に、この字が継承された。
意味 にじ(虹)。雨上がりに空にかかる七色の光の帯。(にじを、空をつらぬく虫[ヘビ]に見立てた)「虹橋コウキョウ」(虹の橋)「虹彩コウサイ」(虹のような彩りの意。目の瞳孔ドウコウ(黒目)のまわりにある輪状の膜をいい、人種によってさまざまな色を呈することからいう)「虹霓コウゲイ」(にじ。虹は雄のにじ、霓は雌のにじとされたことから)
 コウ・ク・みつぐ  貝部
解字 「貝(財貨)+工(つらぬく・直通する)」の会意形声。財貨を直接届けること。
意味 (1)みつぐ(貢ぐ)。みつぎもの。「貢物コウブツ」「貢献コウケン」 (2)人材を推薦する。「貢士コウシ」(人物を推薦する)
 コウ・てこ  木部
解字 「木(き)+貢(=工。つらぬく)」の会意形声。物の隙間に木の棒をつらぬき通して、物をうごかす棒。
意味 てこ(槓)。レバー(lever)。重いものの隙間に入れて、手でこじ上げて動かす棒。梃子・梃とも書く。「槓杆コウカン」(てこ。槓も杆も、てこの意)
 コウ・おおづつ  火部
解字 「火(ひ)+貢(=工。つらぬく)」の会意形声。火薬の爆発力で筒をつらぬいて大きな弾(砲弾)をとばす大砲をいう。
意味 おおづつ(熕)。大砲。「砲熕ホウコウ」(おおづつ)
 コウ・うなじ  頁部  
解字 「頁(あたま)+工(つらぬく)」の会意形声。頭の後ろを肩にかけて下へ貫くくびすじ。くびの後ろの部分をいう。また、分類の条目のひとつに当てて用いられる。
意味 (1)うなじ(項)。くびすじ。「項垂(うなだ)れる」「項縮コウシュク」(首がすくむ・恥じ入る) (2)分類の条目。事柄の一つ一つ。「項目コウモク」「事項ジコウ」「要項ヨウコウ
 コウ  月部にく
解字 「月(からだ)+工(つらぬく)」の会意形声。体をつらぬいた出口。
意味 尻の穴。「肛門コウモン

形声字
 コウ・ク・べに・くれない  糸部
解字 「糸(ぬの)+工(コウ)」の形声。コウは烘コウ(赤いかがり火)に通じ、絹布の色が赤いこと。
意味 (1)くれない(紅)。あかい。「紅顔コウガン」「紅炎コウエン」 (2)べに(紅)。化粧用のべに。「紅花べにばな」「口紅くちべに」 (3)女性に関する事を表わす言葉。「紅一点コウイッテン
 コウ・みずがね  水部
解字 「水(みず)+工(コウ)」の形声。コウという名の水で水銀をいう。
意味 みずがね(汞)。水銀。金属元素の一種。元素記号Hg。主鉱物は辰砂シンシャで、これを焼いて得る。常温で液体である唯一の金属。有毒。金・銀・スズなど多くの金属とアマルガムをつくる。「昇汞ショウコウ」(塩素と水銀の化合物である塩化水銀のこと。=甘汞カンコウ)「雷汞ライコウ」(起爆薬の一。水銀を濃硝酸に溶かし,アルコールを加えて得る白色針状結晶)「汞和金コウワキン」(アマルガム。水銀と他の金属との合金の総称)
<漢字音符>

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