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漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

音符「叟ソウ」<手に火(灯り)を持つ> と 「捜ソウ」「痩ソウ」「嫂ソウ」「艘ソウ」

2025年04月10日 | 漢字の音符

 本来は家屋の中で手に火(灯り)を持つ形⇒老人の意味に当て字された

 ソウ・おきな  又部 sǒu・sōu

                  

解字 甲骨文字は、建物の中で灯り(火)を手にもつ形。灯りを照らして家屋の中を捜す様子を表しており「捜す」の原字[甲骨文字辞典]。篆文は、「宀(建物)+火(あかり)+又(て)」の会意となったが、後漢の[説文解字]は「老(おきな)也。又(て)に従い灾(建物の中の火)に従う」とし、老人の意に仮借カシャ(当て字)された。篆文第2字に、異体字の叟が表れ、この字が現在に続いている。新字体の音符になるとき「申+又」の形になる。
意味 (1)おきな(叟)。としより。「村叟ソンソウ」(いなかの老人)「迂叟ウソウ」(世事にうとい老人。老年男子が自分を謙遜して言う語)(2)老人の尊称。

イメージ 
                                     「老人・年上」(叟・痩・嫂)
 本来の形である「灯りを持つ」(捜)
「形声字」(艘)

音の変化  ソウ:叟・痩・嫂・捜・艘

老人・年上
  ソウ・やせる・こける  疒部 shòu
解字 旧字は瘦で「疒(やまい)+叟(老人)」の会意形声。老人が病になり身体が細くなること。新字体は、叟⇒「申+又」に変化。
意味 (1)やせる(痩せる)。身体がやせる。病気でやせる。こける(痩ける)。「頬ほほが痩ける」「痩身ソウシン」(やせた身体)「痩骨ソウコツ」(やせ細って骨ばる) (2)土地がやせる。「痩せ地やせち
覚え方 やまい()のとこから、もうし()ます、また()、 せました。
 ソウ・あによめ  女部 
sǎo                                 解字 「女(おんな)+叟(年上)」の会意形声。年上の女の意で、兄の嫁を指す。
意味 あによめ(嫂)。兄の妻。

灯りを持つ 
 ソウ・さがす  扌部 sōu
解字 旧字は搜で「扌(手)+叟(灯りを持つ)」の会意形声。手で灯りをもち照らしながら捜すこと。新字体は、叟⇒「申+又」に変化する。
意味 さがす(捜す)。さぐる。「捜査ソウサ」「捜索ソウサク

形声字
 ソウ・ふね  舟部 
sōu                                       解字 「舟(ふね)+叟(ソウ)」の形声。ソウは艚ソウ(ふね)に通じ、船を表す。また船の数をかぞえる語を表す。
意味 (1)ふねの総称。ふね(艘)「客艘キャクソウ」(客船) (2)舟の数をかぞえる語。「三艘ソウの舟」「万艘マンソウ」(一万艘の舟)
<紫色は常用漢字>

  バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

 

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