本来は家屋の中で手に火(灯り)を持つ形⇒老人の意味に当て字された
叟 ソウ・おきな 又部 sǒu・sōu
解字 甲骨文字は、建物の中で灯り(火)を手にもつ形。灯りを照らして家屋の中を捜す様子を表しており「捜す」の原字[甲骨文字辞典]。篆文は、「宀(建物)+火(あかり)+又(て)」の会意となったが、後漢の[説文解字]は「老(おきな)也。又(て)に従い灾(建物の中の火)に従う」とし、老人の意に仮借カシャ(当て字)された。篆文第2字に、異体字の叟が表れ、この字が現在に続いている。新字体の音符になるとき「申+又」の形になる。
意味 (1)おきな(叟)。としより。「村叟ソンソウ」(いなかの老人)「迂叟ウソウ」(世事にうとい老人。老年男子が自分を謙遜して言う語)(2)老人の尊称。
イメージ 「老人・年上」(叟・痩・嫂)
本来の形である「灯りを持つ」(捜)
「形声字」(艘)
音の変化 ソウ:叟・痩・嫂・捜・艘
老人・年上
痩 ソウ・やせる・こける 疒部 shòu
解字 旧字は瘦で「疒(やまい)+叟(老人)」の会意形声。老人が病になり身体が細くなること。新字体は、叟⇒「申+又」に変化。
意味 (1)やせる(痩せる)。身体がやせる。病気でやせる。こける(痩ける)。「頬ほほが痩ける」「痩身ソウシン」(やせた身体)「痩骨ソウコツ」(やせ細って骨ばる) (2)土地がやせる。「痩せ地やせち」
覚え方 やまい(疒)のとこから、もうし(申)ます、また(又)、 痩せました。
嫂 ソウ・あによめ 女部 sǎo 解字 「女(おんな)+叟(年上)」の会意形声。年上の女の意で、兄の嫁を指す。
意味 あによめ(嫂)。兄の妻。
灯りを持つ
捜 ソウ・さがす 扌部 sōu
解字 旧字は搜で「扌(手)+叟(灯りを持つ)」の会意形声。手で灯りをもち照らしながら捜すこと。新字体は、叟⇒「申+又」に変化する。
意味 さがす(捜す)。さぐる。「捜査ソウサ」「捜索ソウサク」
形声字
艘 ソウ・ふね 舟部 sōu 解字 「舟(ふね)+叟(ソウ)」の形声。ソウは艚ソウ(ふね)に通じ、船を表す。また船の数をかぞえる語を表す。
意味 (1)ふねの総称。ふね(艘)「客艘キャクソウ」(客船) (2)舟の数をかぞえる語。「三艘ソウの舟」「万艘マンソウ」(一万艘の舟)
<紫色は常用漢字>
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