goo blog サービス終了のお知らせ 

漢字の音符

漢字の字形には発音を表す部分が含まれています。それが漢字音符です。漢字音符および漢字に関する本を取り上げます。

  「goo blogサービス終了」についての対応

2025年04月16日 | 漢字の音符

4月14日(月)に「goo blogサービス終了」のお知らせが一斉に告示されました。

このブログ「漢字の音符」は私にとって大切な内容ですので、まずデータを保存して書籍化することに全力をあげます。

この作業が完了してから、他のブログへの引っ越しを考えます。

皆さまにはご迷惑をおかけしますが、ご了承ください。

4/19  「書籍化機能は、一時機能の提供を停止しています。書籍化の再開予定日は:2025年4月21日」とあり、現在まったく進んでいません。

4/25  書籍化機能を始めてみましたが、実行できませんでした。注意書きを読むと、ブログの内容が完全に移行できるかわかりません。不完全なままで移行すると膨大な修正作業が必要となります。そこで、ライブドアブログを開設し、そこに一回分の内容をコピーしてみると、まったく同じ内容が複製されることが分かりましたので、現在はこのブログへの移行作業をおこなっています。goo blogサービス終了までに間に合うよう移行します。

 

 これまでのバックナンバーをご覧になる方

 一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。

 

 

 

 

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音符 「身シン」 <からだ> と 「射シャ」「謝シャ」「麝ジャ」

2025年04月14日 | 漢字の音符

 身体の意味を表す「身シン」と、弓で射る意の「射シャ」。両者には同じ形の「身」が含まれるが、この二つの音符の関係は?

   シン <腹部がふくれた人>
 シン・み  身部

解字 甲骨文第一字は、腹部にふくらみをつけて強調した形。第二字はふくらみの中に点を入れた形。甲骨文では、腹部をさす[甲骨文字小事典]。金文は甲骨文の第二字を引き継ぐかたちだが、腹部の点を子とみなして妊娠する意ともなり、また、身体の意味でも使われた。現代は身体の意でつかわれる。
意味 (1)み(身)。からだ。「身体シンタイ」 (2)おのれ。みずから。自分。「自身ジシン」「身近みじか」 (3)なかみ。本体。「刀身トウシン」「黄身きみ」(卵黄)
参考 身は部首「身み・みへん」になる。漢字の左辺(偏)に付いて、人間の体の意を表す。常用漢字は身一字のみ。その他の主な字は以下のとおり。
 ク・むくろ(身+音符「区ク」)、タイ・からだ(身+音符「体タイ」)、キュウ・み・みずから(身+音符「弓キュウ」)、しつけ(身+美の会意)


    シャ <弓で矢をはなつ>
 シャ・いる  寸部     

解字 甲骨文は弓に矢の形。金文は弓に矢を手でつがえて放つ形で、「矢を射る」意味を表わす。篆文から、弓の部分が身と誤って書かれ[字統]、手⇒寸になった射となり現在の字に続いている。
意味 (1)いる(射る)。弓で矢をいる。「射撃シャゲキ」「射程シャテイ」(矢などが届く距離) (2)あてる。的にあてる。「照射ショウシャ」(光や放射線などを当てる)「射幸心シャコウシン」(偶然に当てようとする心)

イメージ  
 弓で矢を「はなつ」(射・)                                 
「形声字」(謝)

音の変化  シャ:射・謝  ジャ:

はなつ
 ジャ・シャ  鹿部
解字 「鹿(しか)+射(はなつ)」 の会意形声。においを放つ鹿の意。

麝香鹿(「明治薬科大学資料館」の展示より)右がオス、左がメス
意味 じゃこうじか(麝香鹿)。シカ科の動物で、鹿よりも小さく角がない。雄は上の犬歯が大きく発達して牙となる。腹部から香料の麝香がとれる。「麝香ジャコウ」(麝香鹿の香嚢から製した黒褐色の粉末で、芳香が強く薫物(たきもの)に用い、薬用にもなる)「蘭麝ランジャ」(蘭ランの花と麝香の香り。よい香りのこと)「蘭麝待ランジャタイ」(正倉院に収蔵されている香木。天下第一の名香と謳われる)

形声字                                                                 シャ・あやまる  言部 xiè
解字 「言(ことば)+射(シャ)」 の形声。別れを言って去ることを謝シャという。[説文解字]は「辞去(別れを告げて去る)也(なり)。言に従い射シャの聲(声)」とする。派生して、別れに際し、謝(あやま)り、お礼を言う意がある。また、去ることによって、かわる意ともなる。
意味 (1)あやまる(謝る)。「謝罪シャザイ」「陳謝チンシャ」(事情を陳べてあやまる) (2)お礼をいう。「感謝カンシャ」「謝意シャイ」(感謝の気持ち) (3)うつりかわる。「代謝タイシャ」(古いものと新しいものが入れかわる)「新陳代謝シンチンタイシャ」(4)ことわる。「謝絶シャゼツ」                                                                 
<紫色は常用漢字>

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音符「念ネン」 と 「捻ネン」「鯰ネン」「稔ジン」「唸テン」

2025年04月12日 | 漢字の音符

 改訂しました。 

 ネン・おもう  心部  
                       上が念ネン、下が今コン
解字 「心(こころ)+今(コン⇒ネン)」の形声。いちずに心の思いをこめることを念ネンという。今コンは「いま」の意味があるが、念では発音のネンのみを表している。後漢の[説文解字]は「常に思う也(なり)。心に従い今の聲(声)、(発音は)奴店切(ネン)」とする。念は金文からあり、[簡明金文詞典]は「金文の初義は心中で黙念(黙って考える)と為すが、引伸して思念(常に心に思う)、懐念(懐かしい思い)、忘れず、などの義と為す」としている。※今コンの音符は、音符「今コン」を参照。

意味 (1)おもう(念う)。思う気持ち。「念頭ネントウ」「残念ザンネン」「念願ネンガン」 (2)心にとどめる。とどめて忘れない。「執念シュウネン」「念書ネンショ」(後日の証拠として相手に渡す書面)「丹念タンネン」( まごころをこめ念をいれる)(3)となえる。「念仏ネンブツ」(仏の名前を唱えること)「念珠ネンジュ」(数珠)(4)よむ。「念書人ネンショジン」(中国で学者の意)

イメージ 
 「おもう」
(念)

 「形声字」(捻・稔・唸・鯰)

音の変化  ネン:念・捻・鯰  ジン:稔  テン:唸

形声字
 ネン・ひねる  扌部
解字 「扌(手)+念(ネン)」の形声。手や指でひねることを捻ネンという。[説文新附]は「指でひねる。手から構成され念ネンが音」とあり、扌(手)へんだが、指でひねる意味を強調している。                                                  意味 ひねる(捻る)。ねじる。よじる。「紙捻シネン」(紙をねじったこより)「捻挫ネンザ」(関節をねじって傷めること)「捻出ネンシュツ」(ひねり出す)「捻転ネンテン」(ねじれて向きがかわる。「腸捻転チョウネンテン」)
 ジン・ニン・ネン(慣用)・みのる  禾部
解字 「禾(こくもつ)+念(ネン⇒ジン)」の形声。穀物がみのることを稔ジンという。後漢の[説文解字]は「穀コク熟(みの)る也(なり)。禾に従い念の聲(声)(発音は)而甚切(ジン)」とする。
意味 (1)みのる(稔る)。「豊稔ホウジン」(ゆたかにみのる)「稔熟ジンジュク」(穀物が十分に稔る)「稔歳ジンサイ・ネンサイ」(穀物がよく実った年)(2)とし(稔)。穀物が一回みのる期間。(=年)
 テン・うなる・うなり  口部
解字 「口(くち)+念(ネン⇒テン)」の形声。口を閉じてうなることを唸テンという。
意味 うなる(唸る)。うなり(唸り)。長くひくい音を出す。「唸り声」          <国字> ネン・なまず  魚部
解字 「魚(さかな)+念(ネン)」の形声。ネンは粘ネン(ねばる)に通じ、体表面がぬるぬるする魚の「なまず」をいう。

                                なまず(鯰)(釣倶楽部「ナマズの特長」より)
意味 なまず(鯰)。ナマズ科の淡水魚。うろこがなく体表はなめらか。「鯰に瓢箪ヒョウタン」(鯰をヒョウタンでつかまえる意で、とらえどころのないこと)            ※中国では、粘ネン(ねばる)の占をつけた鮎ネンが、なまずの意。日本では鮎ネンは、あゆの意。                                                     <紫色は常用漢字>

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音符「叟ソウ」<手に火(灯り)を持つ> と 「捜ソウ」「痩ソウ」「嫂ソウ」「艘ソウ」

2025年04月10日 | 漢字の音符

 本来は家屋の中で手に火(灯り)を持つ形⇒老人の意味に当て字された

 ソウ・おきな  又部 sǒu・sōu

                  

解字 甲骨文字は、建物の中で灯り(火)を手にもつ形。灯りを照らして家屋の中を捜す様子を表しており「捜す」の原字[甲骨文字辞典]。篆文は、「宀(建物)+火(あかり)+又(て)」の会意となったが、後漢の[説文解字]は「老(おきな)也。又(て)に従い灾(建物の中の火)に従う」とし、老人の意に仮借カシャ(当て字)された。篆文第2字に、異体字の叟が表れ、この字が現在に続いている。新字体の音符になるとき「申+又」の形になる。
意味 (1)おきな(叟)。としより。「村叟ソンソウ」(いなかの老人)「迂叟ウソウ」(世事にうとい老人。老年男子が自分を謙遜して言う語)(2)老人の尊称。

イメージ 
                                     「老人・年上」(叟・痩・嫂)
 本来の形である「灯りを持つ」(捜)
「形声字」(艘)

音の変化  ソウ:叟・痩・嫂・捜・艘

老人・年上
  ソウ・やせる・こける  疒部 shòu
解字 旧字は瘦で「疒(やまい)+叟(老人)」の会意形声。老人が病になり身体が細くなること。新字体は、叟⇒「申+又」に変化。
意味 (1)やせる(痩せる)。身体がやせる。病気でやせる。こける(痩ける)。「頬ほほが痩ける」「痩身ソウシン」(やせた身体)「痩骨ソウコツ」(やせ細って骨ばる) (2)土地がやせる。「痩せ地やせち
覚え方 やまい()のとこから、もうし()ます、また()、 せました。
 ソウ・あによめ  女部 
sǎo                                 解字 「女(おんな)+叟(年上)」の会意形声。年上の女の意で、兄の嫁を指す。
意味 あによめ(嫂)。兄の妻。

灯りを持つ 
 ソウ・さがす  扌部 sōu
解字 旧字は搜で「扌(手)+叟(灯りを持つ)」の会意形声。手で灯りをもち照らしながら捜すこと。新字体は、叟⇒「申+又」に変化する。
意味 さがす(捜す)。さぐる。「捜査ソウサ」「捜索ソウサク

形声字
 ソウ・ふね  舟部 
sōu                                       解字 「舟(ふね)+叟(ソウ)」の形声。ソウは艚ソウ(ふね)に通じ、船を表す。また船の数をかぞえる語を表す。
意味 (1)ふねの総称。ふね(艘)「客艘キャクソウ」(客船) (2)舟の数をかぞえる語。「三艘ソウの舟」「万艘マンソウ」(一万艘の舟)
<紫色は常用漢字>

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音符「容ヨウ」<とりいれる> と「溶ヨウ」「熔ヨウ」「鎔ヨウ」「榕ヨウ」「蓉ヨウ」

2025年04月08日 | 漢字の音符

    改訂しました。
 ヨウ・ユウ・いれる・かたち  宀部 róng上は容、下は公                       解字 金文は「Λ(屋根)+公の古形(コウ⇒ヨウ)」で、屋根のある建物に収容することをヨウと言う。公の古形は発音のみを表す。楚簡は「宀の初形(建物)+公の古形(ヨウ)」で建物に収容する形。篆文で「宀(建物)+ハハ口」に変化した。[説文解字注]は「盛(も)り入れる(いろんな物を一緒に入れる)也(なり)、亦(また)通す。(発音は)余封切(ヨウ)」とする。現在の楷書は、「宀(たてもの)+谷」の形になったが、この谷は「たに」の意味はなく、発音のヨウを表している。容の意味は、建物の内側にとりいれる意、とりいれた中味、このほか転じて、かたち・すがたの意味で用いられる。                              意味 (1)いれる(容れる)。とりこむ。「収容シュウヨウ」「包容ホウヨウ」(①包み入れる。②人を寛大に受け入れる) (2)いれるのを許す。「許容キョヨウ」 (3)いれた中身。中に入っているもの。「内容ナイヨウ」 (4)かたち(容)。すがた。「容姿ヨウシ」「陣容ジンヨウ」(5)たやすい。「容易ヨウイ

イメージ 
 「とりいれる」
(容・溶・熔・鎔・榕)
 容の意味(4)の「すがた」(蓉)
音の変化  ヨウ:容・溶・熔・鎔・榕・蓉

とりいれる
 ヨウ・とける・とかす・とく  氵部 róng
解字  「氵(みず)+容(とりいれる)」 の会意形声。水のなかに物がとけること。
意味 (1)とける(溶ける)。水にとける。とかす(溶かす)。とく(溶く)。「溶液ヨウエキ」「溶解ヨウカイ」(①とけること。②とけて均一な液体となる)「水溶性スイヨウセイ」 (2)熱で固体が液状になる。「溶岩ヨウガン」(=熔岩)「溶接ヨウセツ」(=熔接)「溶融ヨウユウ」(熱せられて融ける。=熔融) (3)水の流れのさかんなさま。「溶溢ヨウイツ」(あふれること)
 ヨウ・とける  火部 róng
解字 「火(ひ)+容(=溶。とける)」 の会意形声。火で熱せられて金属などが溶けること。常用漢字でないため、溶に書き換えることが多い。
意味 とける(熔ける)。とかす(熔かす)。「熔解ヨウカイ」(=溶解)「熔接ヨウセツ」(=溶接。二つの金属の接合部を加熱溶融して結合する)
 ヨウ・とかす・とける   金部 róng
解字 「金(金属)+容(=溶。とける)」の会意形声。金属が溶けること。
意味 (1)とかす(鎔かす)。とける(鎔ける)。金属を熱してとかす。金属がとける。「鎔鋳ヨウチュウ」(金属を鎔かして鋳造する)(2)いがた(鎔)。「鎔型ヨウケイ」(いがた)「鎔範ヨウハン」(①金属を鎔かして鋳型にいれる。②いがた)
 ヨウ・あこう  木部 róng

              

 ①アコウの実、②アコウ果実の内部(現在はネットになし)
解字 「木(き)+容(とりいれる⇒とりこむ)」 の会意形声。イチジクのように実の中に花をつけるので、花を実の中にとりいれている木のこと。また、実は鳥やサルの餌となり、糞にまざった種子は木の上で発芽して繁茂し、気根を垂らして元の樹木にまつわりつく。気根が地面に達するとどんどん太くなり、元になった木は気根に囲まれて(とりこまれて)枯れてゆく。そこで、元の樹木をとりこんでしまう木の意で、絞め殺しの木ともいわれる。巨大ガジュマル(喜界島薬草農園より)

意味 あこう(榕)。あこぎ。新芽が成長するにつれ、色が赤などに変化するので赤榕あこうとも書く。クワ科イチジク属の常緑高木。「榕樹ヨウジュ・ガジュマル」(クワ科の常緑高木。熱帯・亜熱帯に生え、幹・枝はよく分枝して多数の気根をたれて地面に達すると幹になり成長する)

すがた
 ヨウ  艸部 róng
解字 「艸(草木)+容(すがた)」 の会意形声。すがた(容姿)の美しい花をつける草木。 芙蓉(ウィキペディアより)
意味 「芙蓉フヨウ」に使われる字。芙蓉とは、大きく美しい花をつける草の意で、(1)ハスの花の別称。美人のたとえ。(2)アオイ科の落葉低木。大形の一日花を開く。鑑賞用。「木芙蓉モクフヨウ」(3)「芙蓉峰フヨウホウ」とは、富士山の雅称。(4)地名。「蓉城ヨウジョウ」(四川省成都のこと。唐末、成都は木芙蓉があまねく植えられ「芙蓉城」と称された。
<紫色は常用漢字>

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音符「召ショウ」<めす・まねく> と「招ショウ」「沼ショウ」「昭ショウ」「紹ショウ」「詔ショウ」「照ショウ」「韶ショウ」「超チョウ」「貂チョウ」

2025年04月07日 | 漢字の音符

    召  ショウ <めす・まねく> 

 ショウ・めす  口部 zhào・shào

解字 甲骨文第1字は「人(ひと)+口(口でよぶ)」の会意。人を言葉(口)で呼び出すこと。甲骨文第2字は、人が形の似ている刀に置き換わった字。甲骨・金文は、人と刀が似た字形で混同されることがある。金文から刀の字形が残り、現代字に続いている。意味は、甲骨文第1字の人を「めしだす」こと。「めしだす」ことは「まねく」ことでもあり、招ショウの原字。音符イメージは「めしだす」「まねく」となる。
意味 (1)めす(召す)。よぶ。よびよせる。「召喚ショウカン」(よび出す)「召還ショウカン」(よび戻す)「召集ショウシュウ」 (2)まねく(=招) (3)[国]尊敬語。「思し召す」「召しあがれ」(4)人名。「召公ショウコウ」(周の武王の弟。=召伯ショウハク

イメージ 
 「めす」(召・詔) 
 「まねく」(招・沼・昭・照・紹)
 「形声字」(超・韶・貂)

音の変化  ショウ:召・詔・招・沼・昭・照・紹・韶  チョウ:超・貂

めす
 ショウ・みことのり  言部 zhào・shào
解字 「言(言葉)+召(めす)」の会意形声。人を召し出して告げる言葉。
意味 (1)つげる(詔げる)。つげしらせる。(2)みことのり(詔)。天皇の言葉。秦の始皇帝の時から天子に限って使うことに定めた。「詔勅ショウチョク」(天皇が発する公文書)「詔冊ショウサク」(みことのりの文書=詔書)「詔令ショウレイ」(天子の命令)

まねく
 ショウ・まねく  扌部 zhāo・
qiáo                                  解字 「扌(手)+召(まねく)」の会意形声。手まねきすること。
意味 (1)まねく(招く)。「招致ショウチ」(まねきよせる)「招待ショウタイ」「招聘ショウヘイ」(人を招き呼ぶ)(2)まねく。もたらす。「招災ショウサイ」(災いを招く)
 ショウ・ぬま  氵部 zhǎo                                 解字 「氵(みず)+召(まねく)」の会意形声。まわりより低い土地に招かれたように水がたまった浅い池を沼ショウという。 
意味 ぬま(沼)。自然に水をたたえたところ。小さくて浅い天然の池。「沼池ショウチ」(沼や池)「沼浜ショウヒン」(沼のほとり)「沼沢ショウタク」(沼とさわ)「沼気ショウキ」(沼から立ち上る気体。メタンガス)「湖沼コショウ(
みずうみ・ぬま・いけの総称) 

 ショウ  糸部 shào・chāo
解字 「糸(いと)+召(まねく)」の会意形声。まねき寄せて糸でつなぐこと。
意味 (1)つぐ。うけつぐ。「紹述ショウジュツ」(前人の後を受けついで述べ行なう) (2)とりもつ。引き合わせる。「紹介ショウカイ」 (3)地名。「紹興ショウコウ」(中国浙江省の都市)「紹興酒ショウコウシュ」(紹興で作られる醸造酒の一種。もち米を原料とし長期熟成させたもの)

 形声字  

 ショウ・あきらか  日部 zhāo・zhào
解字 「日(日光)+召(ショウ)」の形声。日がかがやいて明るいことを昭ショウという。後漢の[説文解字]は「日が明るい也(なり)。日に従い召ショウの聲(声)。(発音は)止遙切(ショウ)」とする。
意味 (1)あかるい。あきらか(昭か)。「昭光ショウコウ」(かがやく光)「昭然ショウゼン」(あきらかなようす)(2)世の中がよくおさまる。「昭代ショウダイ」(よく治まっている世)「昭和ショウワ」(日本の年号。1926.12.25~1989.1.7)(3)人名。「昭王ショウオウ」(①春秋時代の楚の王、②春秋時代の秦の王)
 ショウ・てる・てらす・てれる  灬部れっか zhào
解字 「灬(火)+昭(あきらか)」の会意形声。火の光で明らかにすること。照らすこと。
意味 (1)てらす(照らす)。てる(照る)。「照明ショウメイ」「照射ショウシャ」 (2)てり。ひかり。日の光。「残照ザンショウ」「日照ニッショウ」 (3)てらしあわせる。見比べる。「照合ショウゴウ」「照会ショウカイ」(問い合わせる) 

 チョウ・こえる・こす  走部 chāo
解字 
「走(はしる)+召(ショウ⇒チョウ)」の形声。走って跳ぶことを超チョウという。[説文解字]は「跳ぶ也(なり)。走ソウに従い召の声。(発音は)敕宵切(チョウ)」とする。          意味 (1)こえる(超える)。こす。度をこす。「超越チョウエツ」「超過チョウカ」「超満員チョウマンイン」 (2)ぬきんでる。「超人チョウジン」「超卓チョウタク」(ぬきんでる)(3)とびはねる。「超騰チョウコウ」(とびあがる)「超乗チョウジョウ」(車にとび乗る)

 ショウ  音部 sháo
解字 「音(音のひびき)+召(ショウ)」の形声。ひびきのよい音を韶ショウという。中国の伝説上の天子「舜シュン」が作ったといわれる舞楽の名をいう。転じて、うつくしい・あきらかの意で用いられる。
意味 (1)舞楽の名。「韶舞ショウブ」(舜の舞楽の名)「韶武ショウブ(舜の楽と周・武王の楽) (2)うつくしい。うららか。「韶景ショウケイ」(うつくしくうららかな春の景色)「韶艶ショウエン」(うつくしく艶やか)「韶麗ショウレイ」(うつくしくうるわしい)「韶曼ショウマン」(韶も曼も、うつくしい意) (3)あきらか。「韶暉ショウキ」(明らかに輝く) (4)地名。「仰韶ギョウショウ」(中国の河南省北西部、洛陽西方にある新石器時代の彩陶文化遺跡名。中国読みではヤンシャオ)

 チョウ・てん  豸部 diāo
解字 「豸(けもの)+召(ショウ⇒チョウ)」の形声。「てん」という名のイタチ科の哺乳類を貂チョウ・てんという。大槻文彦著の[大言海]は「貂テウ」の朝鮮音は貂トン。和字に「犭典」(これで一字。発音はテン)の字を用いる」としており、貂の古い発音に「テウ」⇒「テン」がある。したがって「てん」は和訓(和語)でなく、貂の古い発音が和語化したもの。

てん(本土貂(GOOブログより)
意味 てん(貂)。イタチ科の哺乳類。山林で単独生活し雑食性。黄鼬(てん)とも書く。毛皮をとり、尾は冠飾りに用いた。「貂裘チョウキュウ」(てんの毛皮の衣)「貂冠チョウカン」(てんの尾飾りの冠)
<紫色は常用漢字>

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音符「足ソク」< あ し > と「促ソク」「捉ソク」「齪セク」

2025年04月04日 | 漢字の音符

 ソク・あし・たりる・たる・たす  足部 zú・jù    上は足、下は止  
解字 足の甲骨文第1字は「ひざから足首までの形+ あし先)」の象形。第2字は「口(ひざの関節部分)+あし先(=止の甲骨文)」の形。いずれも、ひざから足先までの形を表す。金文は「口+金文の止の変形」になり、篆文はその形がほぼ続いたが、現代字は「口+ 」の足になった。あし、あるく意の他、足は本体から出ているので、本体に「たす」意となり、さらに、たすと「たりる」意となる。
意味 (1)あし(足)。人間や動物のあし。また、人の足首から下の部分。「足下あしもと」「足袋たび
 (2)あるく。「遠足エンソク」「足早あしばや」(早くあるく) (3)たす(足す)。たりる(足りる)。「補足ホソク」「満足マンゾク」 (4)はきものを数えることば。「二足の草鞋わらじ」(5)地名。姓。「足柄あしがら」(①神奈川県の地名。②姓のひとつ)「足利あしかが」(①栃木県の市。②姓のひとつ)
参考 ソクは、部首「足あし・あしへん」になる。漢字の左辺や下部に付き、足の意味を表す。常用漢字は11字、約14,600字を収録する『新漢語林』では166字が含まれる。                      <足部の常用漢字は以下のとおり>                                                           
ソク・あるく(部首)・キョ・へだてる(足+音符「巨キョ」)・シュウ・ける(足+音符「就シュウ」)・セキ・あと(足+音符「亦エキ」)・セン ・ふむ(足+音符「戔セン」)・ソウ・あと(足+音符「宗シュウ」)・チョウ・はねる(足+音符「兆チョウ」)・トウ・ふむ(足+音符「沓トウ」)・ヤク・おどる(足+音符「翟テキ」)・ヨウ・おどる(足+音符「甬ヨウ」)・ロ・みち(足+音符「各カク」)


イメージ 
 「あし」(足)
 「あるく」(促・捉・齪)
音の変化  ソク:足・促・捉  セク:齪

あるく
 ソク・うながす  イ部 cù
解字  「人(ひと)+足(あるく)」の会意形声。人のうしろから人のあるく足が迫る意。
意味 (1)うながす(促す)。せきたてる。「催促サイソク」(せっつく)「督促トクソク」(せきたてる)「促進ソクシン」(うながし進める)「促成ソクセイ」(野菜や草花を早く生育させる)「促成栽培」(2)間をつめる。せまる。「促音ソクオン」(つめて発音する音。例:もっぱら・さっき)
 ソク・とらえる  扌部 zhuō  
解字 「扌(手)+足(=促。間をつめる)」の会意形声。あるいて人に追いつき手でつかむこと。
意味 (1)とらえる(捉える)。つかまえる(捉まえる)。「捕捉ホソク」(2)とる。つかむ。にぎる。「把捉ハソク」(しっかりとつかまえる)(3)地名。「択捉島エトロフトウ」(北方領土の一つ。発音はアイヌ語に由来する)
 サク・セク  歯部 chuò
解字 「齒(は)+足(=促。間をつめる)」の会意形声。歯ならびが詰まるさま。
意味 齷齪アクセクに使われる字。齷齪とは、本来、歯と歯の間が詰まっている意だが、歯に限らず、詰まる・切迫する意で使われる。もと、アクサクの発音であったが、転音したアクセクが広く使われる。これはセクの発音が、せく(急く)に通じることから。「齷齪アクセク」(休む間もなくせかせかと仕事などをする)「齷齪アクセクと働く」
<紫色は常用漢字>

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音符 「聶ショウ」 <耳をよせあう> と 「囁ショウ」「懾ショウ」「鑷ジョウ」「摂セツ」

2025年04月03日 | 漢字の音符

  ショウ・ジョウ <耳をよせあう>
 ショウ・ジョウ  耳部 niè・zhé 

解字 篆文は「耳+耳+耳」の会意。多くの耳を寄せ合うこと。楷書は聶の形だが、新字体になるとき摂の右辺に簡略化される。 
意味 (1)ささやく。(=囁)。 (2)姓。「聶政ジョウセイ」(戦国時代の韓の武人)

イメージ 
 「多くの耳を寄せる」
(聶・囁・摂)  
 「形声文字」(鑷・懾)

音の変化  ショウ:聶・囁・懾  ジョウ:鑷  セツ:摂

多くの耳を寄せる
 ショウ・ジョウ・ささやく  口部 niè  
解字 「口(くち)+聶(多くの耳を寄せる)」の会意形声。多くの耳を寄せて、口でささやくこと。
意味 (1)ささやく(囁く)。耳もとでそっと話す。「囁き千里」(小声で囁いたことが、瞬く間に千里も離れた所に伝わる)「囁(ささや)き言(ごと)」(私語)
 セツ・とる  扌部 shè・zhé  
解字 旧字はで「扌(手で行なう)+聶(=囁き)」の会意形声。多くの人々のあいだで囁かれている民の声を聞き、その内容を取り入れて政務を執行すること。とりいれる・とる意、および、とりおこなう・統べる・つかさどる意味となる。また、本来統べる人が幼少のとき、経験のある者が代わりに行なう意となる。新字体は、攝⇒摂に変化する。
意味 (1)とる(摂る)。とりいれる。「摂取セッシュ」(取り入れて自分のものにする)「摂受セツジュ」(受け入れる) (2)(栄養を摂り入れることから)やしなう。「摂生セッセイ」(生をやしなう。養生する) (3)とりおこなう・統べる・つかさどる。「摂理セツリ」(①統べ治める。②自然界を支配している理法) (4)代わって執り行う。「摂政セッショウ」(天子や天皇に代わって政治を執ること)「摂関家セッカンケ」(摂政と関白に任ぜられる家柄)「摂行セッコウ」(他人に代わって事を処理する) (5)かねる。「摂兼セッケン」(摂も兼も、かねる意) (6)地名。「摂津セッツ」(大阪府北部および兵庫県の一部にまたがる地域の旧国名。現在は、その一部が大阪府摂津市となっている。由来は、難波津なにわづ(大阪港)を摂セツ(管掌する・統べる)する役所の摂津職セッツシキが置かれた国の意。難波津は難波宮(飛鳥・奈良時代の皇居・今の大阪城付近)のすぐ近くにあった。

                 中央左の難波宮(今の大阪城辺り)の海側(左)に難波津があった。南(下)に住吉大社と住吉津がある。     (日下雅義『地形からみた歴史』表紙カバーより)

形声字
 ジョウ・けぬき・ぬく  金部 niè
解字 「金(金属)+聶(ジョウ)」の形声。ジョウはジョウ(毛抜き・ピンセット)に通じる。同じ発音のジョウも毛抜きの意に用いる。              清代の銅製鑷子・毛抜き(中国ネットから)
意味 (1)けぬき。「ジョウシ」(毛抜き)(2)ぬく(く)「ジョウハク」(白髪をぬく)
 ショウ・おそれる  忄部 shè
解字 「忄(こころ)+聶(ショウ)」の形声。忄(こころ)からおそれることをショウという。後漢の[説文解字]は「気を失う也(な)り」とし、非常に懾(おそ)れることをいう。
意味 おそれる(れる)。「ショウイ」(懾も畏も、おそれる意)「懾竄ショウザン」(おそれてかくれる)「懾伏ショウフク」(おそれてひれふす)「震懾シンショウ」(ふるえおそれる)
<紫色は常用漢字>

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音符「阿ア」<まがる・おくまる> と 「痾ア」「婀ア」

2025年04月01日 | 漢字の音符

  阿 ア・くま(まがる・おくまる)                                     阿   ア・くま・おもねる  阝部こざと  ā・ē

   上は阿、下は可           石斧をつけた曲がった木の枝(レプリカ)                                   解字 「阝(おか)+可(カ⇒ア)」の形声。可は石斧をつけた曲がった木の枝の形で、まがるイメージがある。それに阝(おか)がついた阿は、おかの曲がったところ。「くま(まがる・おくまる)」の意をあらわす。転じて、自分をまげておもねる意ともなる。[説文解字]は「大陵(大きな陵(おか)也(なり)。一に曰(いわ)く曲る阝(おか)也(なり)」とする。その他、接頭語や梵語や外国語の音訳字などに用いる。
意味 (1)くま(阿)。山や川の曲がったところ。奥まってかくれた所。「山阿サンア」(山のくま。山の入りくんだ所)「水阿スイア」(川の曲がって奥まったところ)「四阿シア」(屋根に四つの曲がりがある[あずまや]。亭ちん)             
四阿シア(あずまや)(ウィキペディアより)                     (2)おもねる(阿る)。へつらう。自分の気持ちを曲げて従う。「阿諛アユ」(おもねり、へつらう)「曲学阿世キョクガクアセイ」(学説を曲げて世におもねる) (3)人を親しみ呼ぶときに、つける接頭語。「阿母アボ」(おかあさん)「阿国おくに」(歌舞伎の祖)「阿呆アホウ」(おろか。たわけ)(4)梵語や外国語の音訳字。「阿弥陀アミダ」(人々を極楽に導く仏)「阿吽アウン」(吐く息と吸う息)「阿闍梨アジャリ」(徳の高い僧)(5)地名・国名など。「阿波あわ」(旧国名。今の徳島県)「阿蘇山アソサン」(熊本県東北部にある活火山)「阿蘭陀オランダ」(和蘭・和蘭陀とも書く)(6)姓。人名。「阿部あべ」「阿倍あべ」「阿倍仲麻呂あべのなかまろ」(奈良時代の入唐留学生)

イメージ 
 「くま」
(阿・痾)
 「形声字」(婀)
音の変化   ア:阿・痾・婀

くま
 ア・やまい  疒部 kē
解字 「疒(やまい)+阿(くま。まがって奧まったところ)」の会意形声。病気が奧まったところに入りこんだように治らないこと。
意味 やまい(痾)。こじれて長びく病気。「宿痾シュクア」(長い間治らないやまい)

形声字
 ア・たおやか  女部 ē                                
解字 「女(おんな)+阿(ア)」の形声。女性の姿がしなやかで美しいさまを婀という。 江戸の婀娜アダな女たち 『守貞漫稿 』より 

意味 たおやか(婀やか)。なまめかしく美しい。「婀娜アダ」(美しくしとやか。女性の色っぽいさま。娜もしなやかなさま)「婀娜アダな姿の洗い髪」(風呂上がりの女の、色っぽい姿の洗い髪)「婀嬌アキョウ」(①なよなよしてなまめかしい。美人。②漢・武帝の妻の幼名)

<関連音符>
 カ  口部 kě・kè
解字 「口(くち)+丁(斧の柄にするまがった木)」の形声。仮借カシャ(当て字)して、許可、可能の意になるが、丁(曲がった木の柄)から「まがる」イメージがある。音符「可カ」を参照。 

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音符「臧 ゾウ」 <おさめる> と 「蔵ゾウ」「臓ゾウ」「贓ゾウ」

2025年03月28日 | 漢字の音符

        臧  ゾウ  <収容する・おさめる>                          

 ゾウ ・ソウ   臣部 zāng・cáng                    


解字 篆文は「爿(ショウ)+臣(捕虜)+戈(ほこ)」 の会意形声。シンは、下を向いた目の形で、相手に対し下を向く意から臣下(家来)の意味があるが、また戦争で捕獲した捕虜(=臣虜シンリョ)の意がある。ゾウは、武器の戈(ほこ)を用いて臣(捕虜)にすること。発音をあらわす爿ショウが、ゾウ・ソウに転音した。捕虜、及び捕虜を獲得したので、「よい」意となる。音符になるとき、捕虜を「収容する・おさめる」イメージを持つ。
意味 (1)(捕虜を獲得したので)よい。「ゾウヒ」(よしあし)(2)捕虜。召使い。奴僕(しもべ)。「ゾウカク」(戦争などの捕虜。また、召使い)(3)おさめる。かくす。(=蔵)。「ゾウトク」(人知れずかくす=蔵匿)

イメージ 
 「捕虜にする」
(臧)
  捕虜を収容する意から「おさめる」(蔵・臓・贓)
音の変化  ゾウ:臧・蔵・臓・贓

おさめる
  ゾウ・くら・おさめる  艸部 cáng・zāng
解字 旧字はで「艸(作物)+臧(おさめる)」の会意形声。臧のおさめる意を、草かんむり(作物)をつけて表した字。作物などをおさめる意味のほか、物をおさめるくら(蔵)をいう。新字体は、藏⇒蔵に簡略化される。

「前田家土蔵」「四国村案内」より)
意味 (1)くら(蔵)。「土蔵ドゾウ」(建物の四面を白土で塗った倉庫)「米蔵こめぐら」(2)おさめる(蔵める)。しまう。「貯蔵チョゾウ」「蔵書ゾウショ」(3)かくす。「埋蔵マイゾウ」「秘蔵ヒゾウ」「蔵匿ゾウトク」(人知れずかくす)
 ゾウ・はらわた  月部にく  zàng
解字 旧字はで「月(からだ)+藏(おさめる)」の会意形声。身体の中におさまっている諸器官をいう。新字体は「月+蔵」の臓になった。
意味 はらわた(臓)。内臓。特に、心臓(しんぞう)・肺臓(はいぞう)・肝臓(かんぞう)・腎臓(じんぞう)・脾臓(ひぞう)を五臓という。「臓器ゾウキ」(内臓の器官)「臓物ゾウモツ」(はらわた)
 ゾウ  貝部 zāng
解字 「貝(財貨)+臧(おさめる)」の会意形声。財貨をおさめる意味であるが、盗みやワイロなど不正な手段でおさめることをいう。
意味 不正な手段で金品を手にいれる。わいろ。「ゾウザイ」(不正に金品を入手した罪)「ゾウヒン」(わいろの品物)「ゾウリ」(わいろを受け取る役人)
<紫色は常用漢字>


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