改訂しました。
容 ヨウ・ユウ・いれる・かたち 宀部 róng上は容、下は公 解字 金文は「Λ(屋根)+公の古形(コウ⇒ヨウ)」で、屋根のある建物に収容することをヨウと言う。公の古形は発音のみを表す。楚簡は「宀の初形(建物)+公の古形(ヨウ)」で建物に収容する形。篆文で「宀(建物)+ハハ口」に変化した。[説文解字注]は「盛(も)り入れる(いろんな物を一緒に入れる)也(なり)、亦(また)通す。(発音は)余封切(ヨウ)」とする。現在の楷書は、「宀(たてもの)+谷」の形になったが、この谷は「たに」の意味はなく、発音のヨウを表している。容の意味は、建物の内側にとりいれる意、とりいれた中味、このほか転じて、かたち・すがたの意味で用いられる。 意味 (1)いれる(容れる)。とりこむ。「収容シュウヨウ」「包容ホウヨウ」(①包み入れる。②人を寛大に受け入れる) (2)いれるのを許す。「許容キョヨウ」 (3)いれた中身。中に入っているもの。「内容ナイヨウ」 (4)かたち(容)。すがた。「容姿ヨウシ」「陣容ジンヨウ」(5)たやすい。「容易ヨウイ」
イメージ
「とりいれる」(容・溶・熔・鎔・榕)
容の意味(4)の「すがた」(蓉)
音の変化 ヨウ:容・溶・熔・鎔・榕・蓉
とりいれる
溶 ヨウ・とける・とかす・とく 氵部 róng
解字 「氵(みず)+容(とりいれる)」 の会意形声。水のなかに物がとけること。
意味 (1)とける(溶ける)。水にとける。とかす(溶かす)。とく(溶く)。「溶液ヨウエキ」「溶解ヨウカイ」(①とけること。②とけて均一な液体となる)「水溶性スイヨウセイ」 (2)熱で固体が液状になる。「溶岩ヨウガン」(=熔岩)「溶接ヨウセツ」(=熔接)「溶融ヨウユウ」(熱せられて融ける。=熔融) (3)水の流れのさかんなさま。「溶溢ヨウイツ」(あふれること)
熔 ヨウ・とける 火部 róng
解字 「火(ひ)+容(=溶。とける)」 の会意形声。火で熱せられて金属などが溶けること。常用漢字でないため、溶に書き換えることが多い。
意味 とける(熔ける)。とかす(熔かす)。「熔解ヨウカイ」(=溶解)「熔接ヨウセツ」(=溶接。二つの金属の接合部を加熱溶融して結合する)
鎔 ヨウ・とかす・とける 金部 róng
解字 「金(金属)+容(=溶。とける)」の会意形声。金属が溶けること。
意味 (1)とかす(鎔かす)。とける(鎔ける)。金属を熱してとかす。金属がとける。「鎔鋳ヨウチュウ」(金属を鎔かして鋳造する)(2)いがた(鎔)。「鎔型ヨウケイ」(いがた)「鎔範ヨウハン」(①金属を鎔かして鋳型にいれる。②いがた)
榕 ヨウ・あこう 木部 róng
①②
①アコウの実、②アコウ果実の内部(現在はネットになし)
解字 「木(き)+容(とりいれる⇒とりこむ)」 の会意形声。イチジクのように実の中に花をつけるので、花を実の中にとりいれている木のこと。また、実みは鳥やサルの餌となり、糞にまざった種子は木の上で発芽して繁茂し、気根を垂らして元の樹木にまつわりつく。気根が地面に達するとどんどん太くなり、元になった木は気根に囲まれて(とりこまれて)枯れてゆく。そこで、元の樹木をとりこんでしまう木の意で、絞め殺しの木ともいわれる。巨大ガジュマル(喜界島薬草農園より)
意味 あこう(榕)。あこぎ。新芽が成長するにつれ、色が赤などに変化するので赤榕あこうとも書く。クワ科イチジク属の常緑高木。「榕樹ヨウジュ・ガジュマル」(クワ科の常緑高木。熱帯・亜熱帯に生え、幹・枝はよく分枝して多数の気根をたれて地面に達すると幹になり成長する)
すがた
蓉 ヨウ 艸部 róng
解字 「艸(草木)+容(すがた)」 の会意形声。すがた(容姿)の美しい花をつける草木。 芙蓉(ウィキペディアより)
意味 「芙蓉フヨウ」に使われる字。芙蓉とは、大きく美しい花をつける草の意で、(1)ハスの花の別称。美人のたとえ。(2)アオイ科の落葉低木。大形の一日花を開く。鑑賞用。「木芙蓉モクフヨウ」(3)「芙蓉峰フヨウホウ」とは、富士山の雅称。(4)地名。「蓉城ヨウジョウ」(四川省成都のこと。唐末、成都は木芙蓉があまねく植えられ「芙蓉城」と称された。
<紫色は常用漢字>
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