増補しました。
覃[覃] タン 襾部
解字 金文は、底が尖った深い壺形のものに、何か載っている形だが、これは篆文で鹵ロ(岩塩)になっているので、おそらく塩であろう。深い壺のなかに塩を入れ、尖った先を土に挿して食物を長期間保存している形と思われる。篆文は、上が鹵(塩)、下が亯キョウ(祖先を祀る高い建物)の倒立字に変化し、現代字は上が襾、下は早に変化した覃タンとなった。意味は、深い器の中で長期にわたって塩味がつき熟成する意から、ふかい・ながい・(味が)うまい意となる。音符として用いられるときJISでは、上部の襾⇒覀の字体(異体字)になる。
意味 (1)ふかい。深くひろい。「覃思タンシ」(ふかく思う)「覃研タンケン」(ふかい研究) (2)およぶ。ひろがる。のびる。「覃及タンキュウ」(ひろがって及ぶ)「葛(かずら)の覃(の)びる兮(や)中谷(谷間)に施(うつ)る」(詩経・周南・葛覃) (3)うまい。おいしい。味がよい。熟成される。「覃は長味也(なり)」(説文解字)
イメージ
深い壺から「ふかい」(覃・潭)
意味(2)の「およぶ・ひろがる」(簟)
長期にわたり塩漬けされ「熟成される」(譚)
「形声字」(鐔)
音の変化 タン:覃・潭・譚・鐔 テン:簟
ふかい
潭 タン・ふち 氵部
解字 「氵(水)+覃(ふかい)」の会意形声。ふかく水をたたえている「ふち」をいう。
意味 (1)ふち(潭)。水が深くよどんでいる所。「潭潭タンタン」(水を深くたたえているさま)「碧潭ヘキタン」(あおあおとした深いふち) (2)ふかい。奥深い。
およぶ・ひろがる
簟 テン・デン・むしろ 竹部
解字 「竹(たけ)+覃(ひろがる)」の会意形声。細かく割った竹で編んだむしろをいう。
意味 (1)竹のむしろ。たかむしろ。竹すのこ。「竹簟チクテン」(たかむしろ)「簟席テンセキ」(たかむしろ)「君は簟席テンセキを以(もち)い、大夫は蒲ホ席(蒲がまのむしろ)を以(もち)いる」(礼記)。「簟床テンショウ」(竹すのこ)
熟成される
譚 タン・ダン・はなし 言部
解字 「言(ことば)+覃(熟成される)」の形声。長期にわたって熟成された、歴史上や土地に伝わる興味深い話をいう。
意味 (1)はなし(譚)。ものがたり。「奇譚キタン」(珍しく面白い物語や言い伝え)「譚歌タンカ」(神話や伝説などの物語に材料を取って作詞した歌曲)「譚海タンカイ」(はなしの海)(2)はなす。かたる。
形声字
鐔 タン・つば 金部
解字 「金(金属)+覃(タン)」の形声。[説文解字]は「剣(つるぎ)の鼻(はな=とびでた所)也(なり)。金に従い覃タンの聲(声)」とする。[同注]は、「人が握る處(ところ)の下(した)也(なり)」と補足して、人が握る剣の柄(つか)の下に出て居る突起とする。すなわち、刀身と刀の柄(つか)の境目にはさむ金属製の「つば」をいう。
鐔(つば)(「いわの美術」のHPより)
意味 (1)つば(鐔)。刀のつば。刀身と柄(つか)のさかいにはめて手を保護する金具。鍔とも書く。「鐔迫(つばぜ)り合い」(互いに打ち込んだ刀を鐔で受け止めたまま押し合う) (2)小さい剣。短剣。 (3)釜(かま)の胴のまわりに、うすく張り出した部分。 (4)帽子の下部の周囲に張り出した部分。
バックナンバーの検索方法
※一般の検索サイト(グーグル・ヤフーなど)で、「漢字の音符」と入れてから、調べたい漢字1字を入力して検索すると、その漢字の音符ページが上位で表示されます。
覃[覃] タン 襾部
解字 金文は、底が尖った深い壺形のものに、何か載っている形だが、これは篆文で鹵ロ(岩塩)になっているので、おそらく塩であろう。深い壺のなかに塩を入れ、尖った先を土に挿して食物を長期間保存している形と思われる。篆文は、上が鹵(塩)、下が亯キョウ(祖先を祀る高い建物)の倒立字に変化し、現代字は上が襾、下は早に変化した覃タンとなった。意味は、深い器の中で長期にわたって塩味がつき熟成する意から、ふかい・ながい・(味が)うまい意となる。音符として用いられるときJISでは、上部の襾⇒覀の字体(異体字)になる。
意味 (1)ふかい。深くひろい。「覃思タンシ」(ふかく思う)「覃研タンケン」(ふかい研究) (2)およぶ。ひろがる。のびる。「覃及タンキュウ」(ひろがって及ぶ)「葛(かずら)の覃(の)びる兮(や)中谷(谷間)に施(うつ)る」(詩経・周南・葛覃) (3)うまい。おいしい。味がよい。熟成される。「覃は長味也(なり)」(説文解字)
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深い壺から「ふかい」(覃・潭)
意味(2)の「およぶ・ひろがる」(簟)
長期にわたり塩漬けされ「熟成される」(譚)
「形声字」(鐔)
音の変化 タン:覃・潭・譚・鐔 テン:簟
ふかい
潭 タン・ふち 氵部
解字 「氵(水)+覃(ふかい)」の会意形声。ふかく水をたたえている「ふち」をいう。
意味 (1)ふち(潭)。水が深くよどんでいる所。「潭潭タンタン」(水を深くたたえているさま)「碧潭ヘキタン」(あおあおとした深いふち) (2)ふかい。奥深い。
およぶ・ひろがる
簟 テン・デン・むしろ 竹部
解字 「竹(たけ)+覃(ひろがる)」の会意形声。細かく割った竹で編んだむしろをいう。
意味 (1)竹のむしろ。たかむしろ。竹すのこ。「竹簟チクテン」(たかむしろ)「簟席テンセキ」(たかむしろ)「君は簟席テンセキを以(もち)い、大夫は蒲ホ席(蒲がまのむしろ)を以(もち)いる」(礼記)。「簟床テンショウ」(竹すのこ)
熟成される
譚 タン・ダン・はなし 言部
解字 「言(ことば)+覃(熟成される)」の形声。長期にわたって熟成された、歴史上や土地に伝わる興味深い話をいう。
意味 (1)はなし(譚)。ものがたり。「奇譚キタン」(珍しく面白い物語や言い伝え)「譚歌タンカ」(神話や伝説などの物語に材料を取って作詞した歌曲)「譚海タンカイ」(はなしの海)(2)はなす。かたる。
形声字
鐔 タン・つば 金部
解字 「金(金属)+覃(タン)」の形声。[説文解字]は「剣(つるぎ)の鼻(はな=とびでた所)也(なり)。金に従い覃タンの聲(声)」とする。[同注]は、「人が握る處(ところ)の下(した)也(なり)」と補足して、人が握る剣の柄(つか)の下に出て居る突起とする。すなわち、刀身と刀の柄(つか)の境目にはさむ金属製の「つば」をいう。
鐔(つば)(「いわの美術」のHPより)
意味 (1)つば(鐔)。刀のつば。刀身と柄(つか)のさかいにはめて手を保護する金具。鍔とも書く。「鐔迫(つばぜ)り合い」(互いに打ち込んだ刀を鐔で受け止めたまま押し合う) (2)小さい剣。短剣。 (3)釜(かま)の胴のまわりに、うすく張り出した部分。 (4)帽子の下部の周囲に張り出した部分。
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